三角形の樹形が美しいメタセコイア。実物よりも先に化石が知られていたという珍しい経緯をもつ樹木。2〜3月、枝の先で膨らんでくる冬芽。葉が出てきたのかと近づくと、房状になった花が満開になっていました。
メタセコイア(ヒノキ科)
学名 Metasequoia glyptostroboides
和名 アケボノスキ
関西の地層から発見された植物化石は、セコイアに似ているが違う特徴も持つことから「メタ(奇妙な)セコイア」と名付けられたと言います。ところが、1941年正式に命名されてから5年後、中国に現生種があることが分かりました。
命名された時には日本各地で化石が発掘されていたものの、すでに絶滅したと考えられた植物が、実は絶滅していなかったわけです。
そんな経緯があったため、その後、メタセコイアは「生きた化石」と呼ばれるようになりました。もっとも日本国内に限定すれば、命名時にはすでに日本に存在していなかったことは事実で、今見られるメタセコイアは中国で発見されたものの種子や苗から増えたものです。
美しい三角形の樹形。
さてこの写真、季節は3月。枝先についているのは葉ではなく花。
メタセコイアは針葉樹には珍しく、秋に落葉する樹木です。そして、春いちばんに伸びてくるのは葉芽ではなく花芽。
これ、房状になった満開の花なんです。
足元を見回すとありました!
よく観察すると、雄花のようです。後で調べたところによれば、雌花は主に枝の先端につくそうです。
もっとしっかりと観察すればよかだなぁ…
この花があのかわいらしい球果を作るのかぁ…
メタセコイアの球果は、不思議なことに春と秋、年2回ほどの落下のピークがあります。
クラフトに使うには、春の終わり、まだ緑の球果を拾って乾燥させると、綺麗な色と形になり使いやすいのですが、中でから大量に出てくる種子が厄介です。
緑のものでも、種子が出てくることから受粉はしているようなので、早くに実を落とすのは種子を二分する戦略なのか、そらとも厳選した球果を育てる戦略なのか…。それとも単に落ちてしまうだけなのか…。
気になりつつもまだ謎のまま。
いつか謎が解けるかな?
ちなみにセコイアというと、巨木で有名なジャイアントセコイアがありますが、こちらはスギ科という共通点はありますが、属は違い近縁というわけではありません。
ジャイアントの名にふさわしい大きさです。なお、ジャイアントセコイアはセコイア属(1属2種)の総称で、種名ではありません。
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