黒沢監督って「クリーピー 偽りの隣人」の監督さんだったのね、今知った。
恐怖を煽るホラー映画には興味はないけど、こういう作風は好き。
こちら側とあちら側の境目に存在する人たち。
生きている人も半分透き通りそうなくらいに弱々しく見える。
不思議な展開にいつのまにか引き込まれてしまった。
新聞配達の店主の寝室が、
一晩で朽ち果てた部屋になった時は怖かった。
生きて存在しているすべてが実は一瞬の夢の儚さなんだと思えて、
同時に今が有難いと思う。
浮気問題で彼女との見栄を張り合いをするシーンはちょっと面白かった。
急にナマナマしくて今生きている彼女たちを実感する。
違いなんて何もないのかもね
優介も私も、、、
生きている人も死んだ人も違いなんてない。
死んだ人は思いを断ち切ってあちら側に行き、
生きている人は暮らし続ける。
最後はあっけないくらいにさっと消えちゃった。
自ら命を絶った夫への積もり積もった思いが彼女のなかで綺麗に晴れたんだと思う。
現実なのか夢オチなのか、、
不思議な作品だったけど、最後が晴れ晴れとして気持ちよかったです。
岸辺の旅 2015年 ☆☆☆☆☆
監督:黒沢清
出演:深津絵里、浅野忠信
3年間行方不明となっていた夫の優介(浅野忠信)がある日ふいに帰ってきて、妻の瑞希(深津絵里)を旅に誘う。それは優介が失踪してから帰宅するまでに関わってきた人々を訪ねる旅で、空白の3年間をたどるように旅を続けるうちに、瑞希は彼への深い愛を再確認していく。
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