はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

夏井睦先生の「キズ・ヤケドは消毒してはいけない」

2014年02月04日 | 湿潤療法


今日は上記本を読みました。湿潤療法のアウトラインは夏井先生のホームページで理解していましたが、知識に上乗せができて厚みを増やすことができました。

分かりやすかったのは、現在病院でしている「医療行為としての消毒」で本当に必要なものは
1.関節注射をする前の皮膚消毒
2.カテーテル類を入れる前の皮膚消毒
3.血液培養用の血液を採血する前の皮膚消毒
の3つだけだそうです。

思い起こせが、昔は、オペの縫合部位が醜く盛り上がってしまう患者さんが多数見うけられていました。
私たちは、"ケロイド体質"と称して片づけていましたが、彼らは繰り返されるイソジン消毒の被害者だったのかも知れません。
そして、そのことが今だに繰り返されている病院もあるのです。

糖質制限にせよ、湿潤療法にせよ、特ダネ情報をきちんと入手できる環境にあって、
なおかつそれをきちんと評価できたグループが、誤った医療を回避できる時代になってきたように思えます。

逆に考えれば、環境に恵まれずに、特ダネ情報を入手できないグループは旧態依然の医療常識の被害者であり続けるわけですよね。


蛇足

2014年02月04日 | 映画


一昨日は電気館で鑑定士と顔のない依頼人を観てきました。
イタリアを舞台にした映画ですが音声は英語でした。
あらかじめ警告しておきますが、今日のブログはネタバレです。

美術品の一流鑑定士でありますが、ハンマーを持ってオークションを取り仕切る第一人者としても有名な男が主役です。
男の名前はヴァージルといいますが、女性恐怖症で、人生で一人の女とも付き合った経験が有りません。
63歳で童貞という設定ですが、食事中でも手袋を外しません。彼が手袋をはずすのは絵画を触る時だけです。
豪邸に一人暮らしで、隠し部屋には犯罪スレスレでゲットした多数の女性肖像画を所有し、それらを眺めながらワインをたしなむのが唯一の楽しみです。

ある日、ヴァージルのもとに若い女性から両親が遺した家具や美術品を整理してオークションにかけてほしいとの電話依頼が入ります。
ヴァージルは女性が一人住むヴィラ(日本語で何というのでしょう?)に行きますが、待ち合わせをぶっちぎられてしまいます。
二度目の約束もぶっちぎられて、ヴァージルは切れるのですが、ヴィラに転がっていた機械仕掛けの人形の歯車に興味を抱きます。
実は若い女性(クレア)は27歳ですが、15歳のときに広所恐怖症になってしまい、以来、一歩もヴィラから出ずに隠遁生活を続けていたのです。
両親に長らく仕えた使用人でさえ、クレアの顔を一度も見たことが無いのです。
3度目にヴァージルがヴィラを訪れた時にはクレアとの会話が壁越しに成立しました。
ケレアはヴァージルもまた、自分と同じように精神を病んでいることを指摘します。

以後、互いに心を通わせながらも、二人の感情のもつれなどのドタバタが続くのですが、ついにクレアがヴァージルの前に姿を現します。
ヴァージルは足繁くクレアのもとに通うようになり、クレアも心を開いていきますが、外出だけは無理だと断言します。

そんな、ある雨の夜、訪ねてきたヴァージルがクレアのヴィラの門の前で、暴漢3人組に襲われます。
KOされたヴァージルは最後の力を振り絞ってクレアの携帯に電話します。
ヴィラの窓から門前に倒れているヴァージルを確認したクレアは広所恐怖症に打ち勝って飛び出します。
車を止めてヴァージルを病院に運び、ヴァージルは回復し、クレアもどうにか外出できるようになりました。

ヴァージルはクレアを自宅の隠し部屋にいざないます。
多数の女性の肖像画を見たクレアは、"こんなにもたくさんの女性と、あなたは付き合ってきたのね。"とヴァージルに言います。
ヴァージルはにっこりと微笑んで、"その通りだ。"と認めます。

素晴らしい恋愛映画だと思いました。

ところが映画はここで終わらずに、さらに20分くらいのエンディングが続きました。
このエンディングが蛇足以外の何物でもありませんでした。
ここだけはネタバレにしませんので、実際にご覧になって、腹を立てて下さい。