はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

小さいおうち

2014年02月10日 | 映画


新しいパソコンが絶好調です。
すべての音声がUSB-DACを経由してJBLのアクティブスピーカーから素晴らしい音質で出てきます。
動画の音声やCMも、なんだか映画館のスピーカーを彷彿とさせる、臨場感溢れる高音質です。
基本的にはUSBに落とし込んだJazzをオーディオゲートに、全部選択からのキャッチ&ドロップで叩き込み、
一日中BGMとして流しながら、作業をしています。



昨日は電気館に小さいおうちを観に行きました。
中島京子の直木賞受賞作を山田洋次監督が気に入って、脚本まで手掛けた作品です。

昭和11年、山形の田舎中学校を卒業したタキ(黒木華)は口減らしの一環として
単身上京させられ女中として働き始めます。
結局、山の手(宮前)の丘の上に建つ、赤い三角屋根のモダンな洋館に住み込みます。
そこの主人は玩具メーカーの部長で、性格や考え方は当時としてはあたりまえでしょうが、ベタなオヤジです。
その美人妻が時子(松たか子)で、6歳の一人息子である恭一との3人家族です。
タキは時子に憧れを抱き、徹底的に尽くそうと決意します。
恭一が小児麻痺に罹ったときも、半年間一日も休むことなく、日本橋の治療院へと、おぶって行きます。
その後は、見様見真似で覚えたマッサージを自ら恭一に施し、恭一を全快に導きます。

そんな中、会社の部下でデザイン担当の板倉(吉岡秀隆)が出入りするようになります。
アニメ「風立ちぬ」の堀越二郎とオーバーラップするような、"いい人"役の青年です。
この作品はこの板倉と時子の不倫映画なのです。
ところが濡れ場は全く有りません。
板倉の下宿から帰って来た時子の帯の柄が、出かけるときの逆になっているのに、タキが気付くことで暗喩されます。
板倉も時子も中学生の恋愛のようなピュアな雰囲気ばかりで、欲望が完璧に消去されています。
これは山田洋次監督の脚色でしょうが不自然です。
まあ、寅さんシリーズに濡れ場が無い(私の思い込みかもしれませんが....)のと同じ流れでしょうが、ただただ幼稚な印象を受けてしまいます。

ストーリーの展開としては、独身をつらぬき、年老いたタキ(倍賞千恵子)が自伝を書くという形式で、現在と過去を行き来します。
そういう技を駆使してもまだ、この作品にはコンテンツが不足しています。
これだけのコンテンツならば、テレビの1時間番組で十分でしょう。
130分を越える、間延びした作品でした。