ゴルフンのレッスン書というよりも、夏坂健に代表されるような、ゴルフ蘊蓄と、ゴルフに寄り添って生きていく人生観を記した書物です。
テクニカルな教えは基本的には3つしかなく、列記すれば
1.右肘はダウンスイングの時に、右脇に引きつける。
2.左足カカトは、バックスイングで自然に上げた方がいい。
3.スイング中、頭はボール後方にある。
ですが、この3つを同時に行うことがグッドショットを生み出す、"魔法の動き"となるそうです。
つまり、
ダウンスイングを始める時、右肘を右脇に引きつけつつ、左カカトを着地させて、体重を左足に移し変える。
これは一つの動作であって、二つの動作ではありません。
またその時に、頭はボールの後方におかれた状態のままであるということです。
しかし、この本の面白さは、作者の人生観や、貫き通したスタイルの素敵さにあります。
教え子であるトム・カイトやベン・クレンショーに限らず、クラブ中のすべての人たちが、彼と一緒に過ごすことを欲し
彼を敬愛し続けた訳が自然に理解できます。
さて、今日の昼休みに、ジョニ黒を仕入れるために上熊本まで遠出しました。
その帰りに、先日アップした谷尾崎の梅林公園に立ち寄ってみました。
桜を見るためです。
開業してまだ3か月の平成8年3月に、はせがわクリニックの患者さんが、生まれて間もないワンとクロを連れてきてくれました。
その年の花見は、スタッフや患者さんと一緒に花岡山で開催したのですが、遊び盛りの仔犬であるワンとクロも参加したことを鮮明に記憶しています。
とにかく、季節に関わらず、毎日公園に散歩に連れて行く訳ですから、毎年、毎日花見に行くようなものでした。
もちろん、それを花見だと思ったことはありませんし、四季の中の一つの風物詩に過ぎませんでした。
平成22年の春にワンはかなり年老いてきて、もう走る能力は奪われてしまっていました。
谷尾崎の桜吹雪の下で、桜色のベストを着せられたワンの静かに佇んでいる姿がカラー写真の一コマのように蘇ります。
桜色のベストに舞い散る桜の花びらを見つめながら、私はワンが来年の桜を見ることができる可能性は無いということを覚悟しました。
しかし、実際には、ワンは次の年の桜も、さらには、そのまた次の年の桜もちゃんと見届けてから旅立つことになるのです。
そして、佇むワンの横を走り回っていたクロの方が、翌年の桜が散ってしまう頃に旅立ってしまいました。
去年から犬がいない花見が始まりました。
どこの桜だろうと、必ずワンとクロの思い出が付きまといます。
なんだか、花見では無くて、ワンとクロの墓参りに来たような気分になります。
ブルーな桜です。