田辺聖子の1964年芥川賞受賞作です。
22歳のヒロシと37歳の有以子は二人ともライターとしてマスコミにしがみついていくような仕事を続けています。
有以子は若いときから男性遍歴を重ね続けていて、業界では誰にも相手にされないような存在です。
ある時有以子が共産党の若い党員と恋に落ちます。
ヒロシは有以子に協力するのですが、結局は捨てられてしまいます。
この小説をジャンル分けするならば、” わめきちらし物 ” になるでしょう。
捨てられた有以子が、ヒロシに対してわめきちらすシーンが延々と続きます。
女流作家が、女性のわめきちらしを書きつづるのですから、迫力があり、妙に信憑性も窺われます。
有以子がヒロシに男性遍歴を重ねた訳を尋ねられたときの答えをアップします。
「青春というものはお金といっしょよ。
残り少なくなると、むやみやたらと使いたくなるものよ.....」
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