一昨日は電気館で
鑑定士と顔のない依頼人を観てきました。
イタリアを舞台にした映画ですが音声は英語でした。
あらかじめ警告しておきますが、今日のブログはネタバレです。
美術品の一流鑑定士でありますが、ハンマーを持ってオークションを取り仕切る第一人者としても有名な男が主役です。
男の名前はヴァージルといいますが、女性恐怖症で、人生で一人の女とも付き合った経験が有りません。
63歳で童貞という設定ですが、食事中でも手袋を外しません。彼が手袋をはずすのは絵画を触る時だけです。
豪邸に一人暮らしで、隠し部屋には犯罪スレスレでゲットした多数の女性肖像画を所有し、それらを眺めながらワインをたしなむのが唯一の楽しみです。
ある日、ヴァージルのもとに若い女性から両親が遺した家具や美術品を整理してオークションにかけてほしいとの電話依頼が入ります。
ヴァージルは女性が一人住むヴィラ(日本語で何というのでしょう?)に行きますが、待ち合わせをぶっちぎられてしまいます。
二度目の約束もぶっちぎられて、ヴァージルは切れるのですが、ヴィラに転がっていた機械仕掛けの人形の歯車に興味を抱きます。
実は若い女性(クレア)は27歳ですが、15歳のときに広所恐怖症になってしまい、以来、一歩もヴィラから出ずに隠遁生活を続けていたのです。
両親に長らく仕えた使用人でさえ、クレアの顔を一度も見たことが無いのです。
3度目にヴァージルがヴィラを訪れた時にはクレアとの会話が壁越しに成立しました。
ケレアはヴァージルもまた、自分と同じように精神を病んでいることを指摘します。
以後、互いに心を通わせながらも、二人の感情のもつれなどのドタバタが続くのですが、ついにクレアがヴァージルの前に姿を現します。
ヴァージルは足繁くクレアのもとに通うようになり、クレアも心を開いていきますが、外出だけは無理だと断言します。
そんな、ある雨の夜、訪ねてきたヴァージルがクレアのヴィラの門の前で、暴漢3人組に襲われます。
KOされたヴァージルは最後の力を振り絞ってクレアの携帯に電話します。
ヴィラの窓から門前に倒れているヴァージルを確認したクレアは広所恐怖症に打ち勝って飛び出します。
車を止めてヴァージルを病院に運び、ヴァージルは回復し、クレアもどうにか外出できるようになりました。
ヴァージルはクレアを自宅の隠し部屋にいざないます。
多数の女性の肖像画を見たクレアは、"こんなにもたくさんの女性と、あなたは付き合ってきたのね。"とヴァージルに言います。
ヴァージルはにっこりと微笑んで、"その通りだ。"と認めます。
素晴らしい恋愛映画だと思いました。
ところが映画はここで終わらずに、さらに20分くらいのエンディングが続きました。
このエンディングが蛇足以外の何物でもありませんでした。
ここだけはネタバレにしませんので、実際にご覧になって、腹を立てて下さい。