モーツァルトの最後の交響曲第41番が
作曲されたのは1788年のことです。
そしてその3年後にはこの世を去りました。
ハイドン先生が自身最後の交響曲第104番を
完成させたのが1795年です。
それまでにモーツァルトの交響曲第41番に
接する機会があったのでしょうか。
自分を超えて遥かな高みへと駆け上がり
そして天に召されていった、
友であり「弟子」の最後の交響曲。
それに接した、友であり「師」は
今度は自分が「弟子」に追いつこうと
創作意欲を燃え上がらせたのではないでしょうか。
ただし「弟子」の模倣ではなく
あくまでも自分流のやり方で。
史実についてはよくわかりません。
でも交響曲第104番を聴いていると
私にはそんな風に思えるのです。
ある作曲家の作品について専門家が
「これには○○の影響がみられる」
などと指摘していても
素人の耳ではなかなか解りません。
でもこの先、モーツァルトの
弦楽四重奏曲や交響曲を聴いたとき、
そこにハイドン先生の面影や後姿を
感じ取ることができたら
なんと素晴らしいことでしょう。
天国で再会した二人はどんな会話を
交わしたのでしょうね。