老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1210 ; 暗 闇

2019-07-22 03:12:06 | 老いの光影
暗闇

寝るとき
いつもは円形型の照明器具の明るさを
豆球にするので
天井に浮かぶ目玉焼きのように見える。

中々眠りに入れず
目玉焼きの明るさが気になる。
目蓋を閉じなければ
暗闇の世界にならない。

目蓋を閉じ続けるには
意識が働き余計に眠れなくなる。
目玉焼き照明を消し暗闇にした。

目蓋を閉じなくても暗闇にある。
暗闇は時間が経つにつれ
暗闇のなかにも陰影が浮かび上がり
その陰影の形が気になりだした。

眠りにつかない限り
暗闇の世界に身を置くことはできない。
躰は眠がっているのに
頭だけが妙に働き眠りを邪魔する。
そのうち頭も疲れ目蓋が落ちゆく。
このまま眠りにつき
目が覚めたら「秋」になっていた