沙羅
栗花
7月は梅雨の雨で開けた。
空梅雨模様が続いた水無月が終わって 年も後半に入る。
雨が白い筋になって栗の花に降り注ぐ 。
身の回りを少しだけ整理する、ほんとの整理は捨てることなのだがまだそこまで行かない、あちらをこちらへ、こちらをあちらへ、何のことはない移動させるだけである。
それでも探し物の時間は短縮できるだろう。
物置から、埃まみれの年代物の梅酒瓶を出した、消えかかったラベルを読むと平成14年製とある。
小洒落た色グラスに少量を注いで氷を満たした。
年を経て焼酎のアルコールがまろやかに変質していたから、たぶん酔う事もなかろうと、ちびちびなめているうちに顔がほてって来た。