晩春のころガレージの軒先に、米粒ほどの足長蜂の巣が作られ、1匹の親蜂がせっせと通っていた。
物珍しさが過ぎると、朝夕は車の出し入れに専念し、蜂巣を見上げることもなく梅雨を迎えた。
足長蜂は草刈りや庭木剪定で気をつけなければならない危険な蜂である。
第一に巣の数が多いこと、毒が強烈であること、攻撃性が旺盛なこと等から、見つけ次第殺虫剤噴射で処分してきた。
しかし いつでも処理できるという気安さからつい見過ごした結果、精悍な面構えの狙撃兵が数匹に増殖していた。
無防備で巣に近づくのは危ない、スクランブル態勢の若蜂が、人の動きを監視している。
スプレイガンを構えて近づずこうものなら一気に攻撃を仕掛けてくるだろう