窓ガラスに張り付いた小さな羽毛 エナガの忘れものだろう
エナガの家族達
エナガの家族は突然やっ来て、百日紅の梢を、せわしなく枝から枝へと移動しながら何かをついばんでいる。
アブラムシや昆虫の卵を探しているらしい。
遠い山から風花を運んできた強い風に、一斉に飛び立って、社の杉木立に避難していった。
エナガはポーズを決めてファインダーに収まることを極度に嫌う。
漢字では「柄長」と記す、姿形が柄杓に似ているからだろうと勝手に決めている。
正月二日は事始め、冬休みの宿題はきまって書初めだった。
暖房機は小さな火鉢だけ、あまりの寒さにすずりの墨が凍る。
今日は暖房の効いた部屋で、箱根路を走るランナーを見ていた。