厚い氷の下から炊事用の網を使って1匹づつ掬いあげる作戦である。
好都合なことに、金魚の習性として暗い氷の下より明るい水面下を好むことが判った。
「待ちぼうけ」よろしくマイナス8℃の氷上に立って待つことしばし、明るさに誘われて出てきた金魚をすくい上げる。
有難いことに低温下での魚は動きが極めて緩慢である、狙った獲物はほぼ捕獲できた。
中には用心深い奴もいるから、30匹全数捕獲にはしばらく時間がかかりだろう。
しかし 30匹は推定である、この小さな池の上空からいつも青鷺が狙っていたから・・・
救出した14匹の金魚は、室内に設置した発砲スチロールの水槽に収容した。
急に春になったと思っているのだろう、季節の急激な変化に魚たちは戸惑いを隠せない。
明日はもう七草である、凍てついた外では七草を摘む気にもならない。
七草は暮れにスーパーからドライフーズを買ってきた。