しじまの中に
雪が止んで日が落ちると、潜んでいた冷気が忍び寄ってくる。
雪の積もった夜は、あたりが白夜のように仄かに明るい、遠い街の灯は、いつもの激しさを雪明かりに包んで、しっとりと収まった。
視界にはモンスターのように雪に包まれた樹木がはっきり見えるのだが、それを写真に写し取ることはできなかった。
雪明かりの風景は心象だったかもしれない。
窓の雪明かりで書物を読んだとはとても信じ難いけれど、それも心象としたらできただろう。
いったいこの雪明かりはどこから来るのだろう。
世界中の夜が漆黒の時代、雪は自ら発光した。