HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「アヴェ・マリア」レガートの秘密🎵

2024年02月25日 | ブルクミュラー

アヴェ・マリア」。

教会で歌われるコラール(讃美歌)スタイルの曲ですね。

聖歌隊の人の合唱や教会のオルガンの響きをイメージして弾きたい。

この曲で難しいのは、2声部以上の重音を同時にレガートで弾くことかな。気をつけて弾いても、2つの音のタイミングがなかなか揃わず、バラバラになってしまうんですよね…

が!

この難しい「重音レガート」がきれいに弾ける秘密が、「アヴェ・マリア」の中に潜んでいるのです。

それは、ちょっとした「指づかい」にあるので、教えるね。

タイトルの楽譜にラインをひいた部分の指づかいがソレなんですが、特にその中でも、今日注目するのはこの部分。





使う指番号を紫(1と4)→緑(2と3)でマークしましたが、指を図で描くとこんな感じになります。







隣接した三度音程だけど、あえて離れた1と4で弾き、次の三度の音を 真ん中の2と3(チョキの指)に受け渡す。

こうすると、きれいな重音レガートが弾けるのです。この指づかい、「アヴェマリア」には何度も出てくるので、この機会にマスターしておきましょう。

後々きっと役に立つよ。

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アヴェ・マリアは阿部さん?

2024年02月25日 | ブルクミュラー

ゴマちゃん(小6):

「ブルグミュラー25の練習曲」19番、「アヴェ・マリア」を弾いています。

おごそかな教会音楽。

温かく包み込まれるような和音の響きの中に、時おりふっと影さす悲しみの影があったり。

ゴマちゃんは、先生のお手本演奏やレッスンから、その辺も感じ取っているんじゃないかという気がします。

さすがもうすぐ多感な中学生。

「よしよし、なかなかいいぞ」と先生は観察しています。

「ところで」と先生は、ふと思いついて言いました。

「アベマリアってどういう意味かわかる?」

「ん?マリア?名前?」とゴマちゃん。

「アベが苗字?」

やっぱそう思っていたか。内心そうじゃないかと思ってたよ。

確かに、昔 ヒバリ先生の生徒に「阿部まりあさん」という人がいたけど。

でも「アヴェ・マリア」は阿部さんばっかじゃない。

「アベさんじゃないんだよ。『アヴェ』はラテン語で、挨拶みたいな言葉。『ごきげんよう、マリア』みたいな。マリアはイエス・キリストの母なの。教会で、マリアを讃美・寿(ことほ)ぐみたいな意味を込めて歌う曲なの」

「ふーん、そうなんだ」

ゴマちゃん、春からはミッション系の中学に入るんでしょ。アヴェ・マリアのこと覚えておいてよね。

たのむよー

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ドルチェの意味は甘いデザート?🎵

2023年02月21日 | ブルクミュラー

ゴマちゃん(小5)

先週上手に弾けた「スティリエンヌ」が暗譜で完成,「来週やってきてね」と言っておいた「バラード」も、なんと一発で最後まで完成させてきた!

すごい!やればこんなにできるんじゃん!

じゃあもう音取りは全部できたから、あとは強弱とか表現をちゃんとやって完成だね」

ゴマちゃん、冒頭とフィニッシュの、ミステリアス  勇ましい部分は上手に弾けてる。

だけどなー

中間部の、甘く優しく柔らかな部分が、どうもブッキラ棒なんだよな

「ほら、ここにdolce(ドルチェ)って書いてあるでしょ。ドルチェって意味わかる?」と先生。

「わかんない」

「前にも出てきてるはずだよ?イタリア語では、お菓子のことを『ドルチェ』って言ったりするよ。聞いたことないかな?」

「うーん,聞いたことあるようなないような… お菓子なのかドがつくから、ドーナッツみたいなのかな?」とゴマちゃん。

「んー、ドーナッツじゃちょっと重いかな。もっとデザートっぽいっていうか、『スイーツ』って感じの。」

「ショートケーキ?」

「ショートケーキねぇもうちょっと軽いのは?」

「パイン? あ、アレはフルーツかじゃチーズケーキ?」

「それもコッテリだねぇ『スイーツ』っていうような意味と考えればさ、デザート系というか」

「じゃあ、いちごパフェとか?」

ゴマちゃん、考えては次々「甘い」ものを提案するんだけど、ことごとくボリュームたっぷりで、それだけでお腹いっぱいになりそうだ。

考えてみれば、それもそのはず。

さっき「この間焼肉行って、大盛りゴハン取ってそれをお代わりして、その後普通のゴハン半分食べた」って言ってたゴマちゃんなんだから、スイーツと言えども思いつくのは食べ応えあるものばっかりなんだ。

結局、先生が「ゼリーとか、ババロアとか、そんなの系は?」と言って「じゃティラミスは?」とゴマちゃんが言って、「大体そんなのかな」ってとこに落ち着きました。

dolce (ドルチェ)の意味、それは、甘く柔らかく、とろけるような舌触りのスイーツ。

音楽用語でドルチェ、という時には、その通り甘く、優しく、可愛らしく弾いてね、ということです。

みなさんも、今度楽譜に「dolce」と書かれていたら、あなたの大好きなスイーツを思い浮かべながら弾いてみてね。

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スティリエンヌとバラード🎵

2023年02月18日 | ブルクミュラー

ゴマちゃん(小5)

ブルグミュラーの「スティリエンヌ」が完成しました。

教師が、生徒の弾くキスト課題を「合格」とし、マルをつけるという時、その「合格基準」は 全員同じというわけではありません。

生徒によって、また、その時の状況によって、曲の完成度何パーセントでマルをあげるか、というのは微妙に変わってきます。

今日のゴマちゃんの「スティリエンヌ」は、タッチといいテンポといい、かなり高い完成度で仕上がってる。

以前によく指摘されていた「指番号がいい加減」という悪癖も改められて、素晴らしくピアノレベル向上したなー、と驚くほどの成長だ。

「いいじゃん!よくできたね!」とマルをつけてもらい、

「ママに、早くブルグミュラー終わらせろって言われてる」とゴマちゃん。

確かにね。先生としても、ゴマちゃんにはどんどん先へ進めてもらいたいけど、ま、ピアノばっかに時間かけられるわけでもないだろうし、今弾いている課題に心を込めて、目いっぱい濃い音楽を体験してもらいたいなと思っているよ。

「じや、次はこの曲」

先生がページをめくって示したのは「バラード」です。

「クラシックで言う『バラード』ってね、『物語』を感じさせる曲のことなの。ロールプレイングゲームみたいなさ、勇者が出てきて、ドラゴンを退治して、姫を助けてみたいな、ドラマチックな音楽。今 弾くから、どんなドラマを感じるか聴いてみてね」

先生はそう言って、弾き始めました。

最初はミステリアスに刻まれる連続和音

弾きながら

「ほら、勇者が闇の中を馬で駆けていくような… 

途中で ダーン!と響く不協和音。

「稲妻が光るよ!」と叫びながら弾く。

横で見ていたゴマちゃん、その後 同じような不協和音が響くたびに「稲妻!」と叫んで声を合わせる。

中間部の緩やかな部分に差し掛かり「お城では姫が待ってるよ」と先生、ゴマちゃんも「はは」とリラックス。

再び曲は最初のスタイルへと戻り、ゴマちゃんも「稲妻!」「稲妻!」と叫びながら鑑賞。

最後、ダーン!という大音響で華々しくフィニッシュ。

「あー。終わったねー」とゴマちゃん。

「じゃ、来週これを練習してきてね」

「うん」

ブルグミュラーはテクニックの練習曲集ではありますが、一曲一曲が 学習者のイメージを豊かに盛り立てる、芸術性高い小品でもあります。

心に浮かんだビジュアルをたっぷり味わいながら、それを表現すべく指を訓練したり表現を工夫したりするならば、必ずしも早く進まなくても、気に入った曲ならゆっくり時間をかけてレパートリーにしても、それはそれで価値あるものとなることでしょう。

ゴマちゃん、来週どんな風に弾いてくるかな。

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「アラベスク」の指の形

2021年04月06日 | ブルクミュラー
Lちゃん(新小6):

春休み頃から「ブルクミュラー」を始めています。

今日は「アラベスク」の仕上げですが、16分音符の連続を速いテンポで弾こうとして、音がすべってしまう「残念」が見られます。

このように細かい音を弾くときには、指を猫の「にゃーん」のように丸くし、指先を使って弾くようにします。また、「ラシドレミ!」のように5本の指をつなげて弾くとき、指がまだ強くなっていない人は3,4,5、の指が伸びてしまうことがあります。

このとき指が伸びないように、フレーズの最初から最後の音に向かって、手首を鍵盤の奥にむかって持ち上げながら、指を巻き込んでいくイメージで弾くと、指が伸びないできれいな粒のそろった音で弾けます。お試しください。

Lちゃんにこのアドバイスをしたら、一気に16分音符がきれいに揃い、最後まで弾き切って「アラベスク」は修了となりました!

もう1曲、並行してレッスンしていた「エリーゼのために」も、先週「街ピアノデビュー」した時に弾いたこともあって、しっかり弾きこまれていたので、こちらも合格になりました。

次回は、久しぶりにディズニー曲集の中から、自分で好きな曲を選んで演奏をまとめてくるようにしよう、ということにしました。(コードネーム付きの1段譜なので、自分でアレンジすることになります)

どんな曲を選んで、どんな演奏にしてきてくれるのか楽しみです

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「ブルクミュラー25の練習曲」お薦めバージョン

2020年09月11日 | ブルクミュラー

 

これから「ブルグミュラー」を買おう、という生徒さんへ、または生徒さんに与えようとお考えの先生へ。

ズバリ、ヒバリのイチ推しバージョンはコレです。

【おすすめその1】

コードネーム(CG7など)がついてる。

ヒバリ教室では今までずっと、生徒の楽譜にコードネームを書き込んであげていましたが、それが印刷されている、クラシック楽譜としては画期的な試みだと思います。

しかも、和音記号(、Ⅴ7など)も同時についてるので、両方の切り口から和音の分析ができます。

【おすすめその2】

ページがゆったり印刷されていて見やすい。(従来2ページ分だった内容を3ページに印刷してある)しかも3ページ目はつながったページにして折り込んであるという気配り。

折り込みを広げると見開き3ページとなり、見やすい上 譜めくりもしなくていいのです。

【おすすめその3】

シンプルなイラストが全曲についている。

イラストはイメージを補うのに助かるけど、イラストが主張しすぎるものも、かえって生徒の想像力を損ねます。

このイラストはシンプルで品よく、余計な主張なく、曲のイメージを的確に伝えてくれます。

 

去年の初め頃に見つけてソッコー購入、ブログでも紹介しようと思った矢先、なぜか品切れのまま再販されず

5倍以上の価格の中古本しか手に入らなくなってしまっていたのですが、ようやく再販されたようなので、ご紹介することができました。

お薦めです!

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「アヴェ・マリア」は四声体の曲

2020年02月18日 | ブルクミュラー

ブルクミュラーの中で「アヴェ・マリア」が難しい」という人がけっこう多いですが、それはこの曲が「四声体」のスタイルをとっているためかもしれません。

「四声体」とは教会の聖歌隊が歌っていた讃美歌のスタイルです。

ソプラノ・アルト・テノール・バスの4つの声部に、それぞれの旋律があって、並行に流れていきます。

図にするとこんな感じ。

常に4つの音()が重なって聞こえています。

それに対し、現代のJ-POPなどの曲では、メロディーパート(ほとんどの場合ソプラノ)にリズム的な和音の伴奏がついたものです。

図にするとこんな感じ。

 

 

どちらも、ある一瞬を切り取れば こんな感じの音が聞こえるということになりますが、

 

四声体が「横に流れている声部の重なり」なのに対し、普通の曲は「メロディーに和音を縦に合わせている」縦割りスタイル、と言ったらわかるかなあ?

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タランテラ、かっこいい演奏のコツは「ジョイント部分」

2020年01月21日 | ブルクミュラー

K子さん(大人):

ブルクミュラーの「タランテラ」が大体暗譜で弾けるまでに練習してきました。
っていうか、「タランテラ」はテンポも速いし、逆に暗譜でないと弾けない、ということもありますね。

K子さんよく練習して、最後まで弾けているのですが、なんとなくスラスラと勢いよくイケてない… なぜ?

それはね、曲の「ツナギ」がスピーディーに流れてないからなんですよ。
みなさん曲を練習するとき、きりのいい所で区切って、少しずつ練習していきますよね。
Aの部分はできた。次はBの部分…とやっていって、それぞれの部分は上手になるんですが、意外と盲点になるのが、それらを「つなぐ」部分なのです。
A、B、などのパーツだけでなく、それをつなぐ「ジョイント部分」も 取り出して練習しておきましょう。
それが、生き生きとした演奏をするコツですよ。
 

「やさしい花」、モチーフと呼吸で見違えるなめらかさに

2019年08月06日 | ブルクミュラー

K子さん(大人):

先月は都合でお休みしていたので、久しぶりにブルクミュラーの「やさしい花」です。

「前に、先生から『同じようなフレーズがモチーフとなって出てくる』って教わってその時はなるほどと思ったのに、後で見たらわからなくなってて」とのこと。

それは多分ここですよね。

赤いラインで繋いだファ#ミド#ララー  いうフレーズをまるでまねっこしたかのような、ソミド#ラファ#ーというフレーズが、追いかけるように、しかし少し重なって登場してきます。

K子さんに楽譜を示すと、「あら、ほんとだ!全然気がつかなかった」とびっくりしています。

タタタタターン、というこのリズム、拍で機械的に分割せず、ファ#ミド#ララーを1まとまりとし、1呼吸で弾きましょう。「ファ#」で鍵盤に置いた手の重みを「ミド#ラ」と移動していって、最後「ラー」でスッと手を抜きます。ソミド#ラファ#ーも同様に。

「やってみて?」と言われて、K子さんがそのように弾いてみます。

手首をやわらかく使って

一息に

「おおー!」

「ねっ、違うでしょ?!」

自分で弾いた音ながら、思わず感嘆の声が出てしまう滑らかさ。

ほんとなんだよ、この違い。

「フレージング」と「呼吸」がポイントだから。

みんなもやってみてね。

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「貴婦人の乗馬」はギャロップ!

2019年07月27日 | ブルクミュラー

Mちゃん(中3):

私がブログの更新を怠っている間にも、Mちゃんは(受験生にもかかわらず)「残ってるブルクミュラー一気に終わらせよう作戦」を着々と進め、今日は最終曲「貴婦人の乗馬」の仕上げです。

作戦がスタートしてから2ヶ月半くらいで20番〜25番までの6曲完成。

受験生で部活の試合や塾がいっぱい、ということを考えると、なかなかの快挙ではないでしょうか。

ちょっと前に、同じくブルクミュラーで「タランテラはスキップ!」という記事を書きましたが、この「貴婦人の乗馬」でも同じようなリズムのポイントがあります。

同じように弾むリズムなんですが、こちらは「乗馬」なので、「スキップ」というより「ギャロップ」のイメージ?

   

テーマ部分の2小節目。

このリズムを小節や拍を基準に「(ミ)レッド、レッシ、ラーソー」と弾いてはダメです。

(ミ)レッ、ドレッ、シラーソーミッ….

という呼吸で弾きましょうね。

そして、「タランテラ」よりもっと鋭い、付点のリズムなので、厳密には

(ミ)レッッ、ドレッッ、シラーソーミッ… です。

4小節目も同様。

× ミッレ、シッド、ラーラ!

◯ミッッ、レシッッ、ドラーラ!

ですのでよろしくね。

躍動感がまるで違ってきますので、くれぐれもよろしくお願いします〜(ゝ。b

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「舟歌」の世界観 ー ロマンチックすぎ?

2019年06月22日 | ブルクミュラー

Mちゃん(中3):

「残ってるブルクミュラー一気に終わらせよう作戦」続行中。

今日は1ヶ月前にこの作戦が開始されてから4曲目、22番「舟歌」です。

前回「私にはとても無理〜似合わない〜」と言っていた、天上の音楽のように美しい「天使たちの合唱」が意外にもきれいに弾けて、「美し系の曲だって弾けるじゃん!元気いっぱいの曲しか似合わないわけじゃないじゃん」と大いに褒められ、「意外と弾けた\(^o^)/」と自信をつけたのでしたが。

今回の「舟歌」、「なんかあんまりわかんない」と本人が言うとおり、一応音は弾けているんだけれども、何というかこう、うっとりするようなロマンチックさや、ゆらゆらとたゆとうようなまろやかさがうーん

ヒバリ先生としても、イメージをかきたてるべく色々がんばったんですが(汗)

ベネチアのゴンドラのこと、たそがれ時のゴンドラデートのこと、粋な船頭さんが舟を漕ぎながら歌ってくれるラブソングのこと、ゆらゆら揺れる二人だけの世界のこと、とうとう船着場に到着して名残惜しいお別れの余韻のこと

Mちゃんだって、「そう言われればそうかも」と感じてはきたらしい。

けれども、いざ自分で、ピアノの音色に刻々と移ろいゆく和音の変化に寄せた微妙なうっとり感やラブラブ感や切なさ感を乗せて表現するのは

「無理〜」でした….(>_<)

「私が船に乗ったら『わーい、船だー』ってはしゃいじゃいそう

「そうだ、だから、こんなにリズムが元気にはずんでるし、和音がガーン!と力いっぱいなんだな」

唯一、Mちゃんが心から「うん、わかる!本当にそんな感じ!」と叫んだのは、序奏の終わり(8小節目)、メロディーに向けての前奏が始まる前の部分です。

 

「船着場から二人がゴンドラに乗り込んで、船頭さんが竿を大きく押して、さあ、出るよ!ってところ。ほら、ディズニーのアトラクションで、目の前の扉がガーッと開いて、さあ、スタート!って、あの感じだよ」と言った部分でした。(^^)

結局「この『舟歌』の世界観は 小中学生には到底無理。難し過ぎ」とヒバリ先生が結論を出し、「Mちゃん一人で美しく弾くのはムリだから、伴奏してあげるよ」と、先生が伴奏を甘く切なく奏(かな)で、Mちゃんがメロディーで必死にその表現についてくる、という形をもって「舟歌」は修了としました。( ̄ ̄;)

もっと何度もレッスンして、表現を追求してもよかったんだけど、今テストや塾でアタマが疲れ切ってるMちゃんに、これ以上の混乱を強いるのは苛酷な気がして

この場はひとまず舟歌のロマンチック世界を後にし、その次の「帰郷」に進んで明快・元気に弾んだ世界にワープしよう、ということにしました。 

「うん、これなら弾ける!単純だもん!」

Mちゃんも元気にガッツポーズで決めました。

今度は表現しっかり頼むよ〜


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天使たちの歌声・コードで弾けば たちまち完成♪

2019年06月15日 | ブルクミュラー

Mちゃん(中3):

「残ってるブルクミュラー一気に終わらせよう作戦」実行中。

1回のレッスンで1曲仕上げていくペースで進んでいます。

えっ?そんなにどんどん進めちゃって、いい加減にすっ飛ばしてるんじゃないの?って?

いいえ、大丈夫。毎回1曲、ちゃんと完成できるだけの実力は充分あるMちゃんなのです。

っていうか、これだけの力があるのにまだブルクミュラー終わらせてなかった、っていう方がツッコミどころなのです。

さて、今日は「天使たちの合唱」です。

先週、先生が「こんな曲だから」と弾いてあげた時、その華麗さ(?)に驚いたMちゃん、「えー、こんなの無理!私には弾けない」とびびったもんですが、1週経った今日はちゃんと弾きこなしてきていました。

 

それというのも、先週、ある程度の「コード分析」をやっておいたからです。

「こういう音型、『バーナム』でたくさんやったよね?」と思い出させてみます。

「ああー、やった気がする

「ねっ?ほら、最初はGだよね。Gのコードを、バラして弾いてるだけ。次はCでしょ。左手がソドミ、と弾いたら右手がミドソ、と返す。でも、つかんでる音はどちらも同じCの転回形」

「あ、本当だ!意外と簡単かも

こうして、「コード」の視点からアプローチして練習したMちゃんは、一人で練習しただけで、1週間後には美しく優雅に「天使たちの歌声」を完成できたのです。

先週聴いてびっくりした、先生の華麗なアルペジオに限りなく近い演奏ができましたよ。

さて、来週は、「天使たちの歌声」に続いてもう一つ優雅な「舟歌(バルカローレ)」です。

弾いてあげると

「えっ、無理こんなロマンチック系、私には一番無理」と、またしても怯えたMちゃんです。

さて、来週どう弾いてくるか。

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「タランテラ」はスキップ!

2019年06月08日 | ブルクミュラー

Mちゃん(中3):

いろんな曲集をやったり番外曲をやったりしているうち、すっかり「ブルクミュラー」が置き去りになっていました。

そこで、「ブルクミュラー一気に終わらせよう作戦」が先月開始され、今日は20番「タランテラ」の仕上げです。

Aメロ。

Mちゃんはヒバリ教室のベテランですから、気持ち良いハイスピードで難なく弾きこなしています。

 

ところが、Bメロにくると、なんだかテンポが落ち、モッサリしてしまうのは何故だ?

答えは「右手と左手のリズムのノリが違うから」。

左手が拍のアタマにアクセントをつけてジャン、ジャン、あるいはタララ、タララ、と刻んでいますが、右手は、それに合わせて拍頭にアクセントをつけてはダメです。

 

確かに譜面は、タッタ、タッタ、と3拍ずつが「けた」でつながれて1セットになっていますが、弾く時は「タッタ」を1セットにするんじゃなく、図の、赤くなぞったスラーで結ばれた音をセットと考えて「タタッ」「タタッ」「タタッ」と弾いていくんです。

そうすると、ほら、一気に躍動感が出て、弾きやすくなりましたね。

「ね、これはスキップのリズムなのよ。タランテラはスキップのダンスなんだから」

先生は言いました。

「ほら、スキップのできないちっちゃい子って、タンタ、タンタ、って、右足ケンケン、左足ケンケン、ってやっちゃうから、できないんじゃない?」

「あ〜、そうかも」

「それが、右、右左!左右!右左!左右!」って、左右置き換えの所がセットになってる、ってリズムがつかめると、スキップできるようになるんじゃない?」

「あー、うんうんうん」

Bメロの所は、それと同じように、『ラ、ソッソ、ミッミ、レッレ、ファッファ、』じゃなく『ラソッ、ソミッ、ミレッ、レファッ、』って弾いてくとうまくいくよ」

こうして、Mちゃんのタランテラは、AメロもBメロも、そしてそれ以降も、全部スピード感あふれた演奏になりました!

みんなも覚えておいてね。

「タランテラ」はスキップ!

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本場「タランテラ」ダンス、驚きの元歌

2019年05月25日 | ブルクミュラー

(Mちゃん(中3):

ひょんなことから 発表会に弾く曲が早く決まり、ある程度練習したので、これをキープとし、何だかんだでまだ残っていた「ブルクミュラー」を どんどんやって終わらせよう、ということになりました。

今日は20番「タランテラ」です。

「タランテラ」についてはこのブログでも何度か書いているので、読んでみていただけるとわかりますが、タランテラというのは固有名詞ではなく、「曲のスタイル」を表す用語です。

8分の6拍子の急速なリズムを持つダンス音楽。それがタランテラです。

名前の由来には、有力な説が2つあり、

1.タランチュラという毒グモに刺された人は、死ぬまで踊り狂う

2.タランチュラに刺された人は 倒れるまで激しく踊り続けると、汗によって毒が抜け、命をとりとめる

というものです。

いずれにしても、毒グモ・タランチュラに由来している。

「どっちにしても、倒れるまでは踊るんだね・・・」

「そうだね・・・」

タランチュラ、恐るべし。

「タランテラって、どんな踊りなんだろうね。見てみようよ」

先生がYOUTUBE画面を開いて、「tarantella 」と入れると、すかさず「talantella ballet」と出たので、その画面を開き、Mちゃんと二人で見てみたら・・・

イタリアの民族衣装っぽい服装の踊り手たちが、軽やかにステップを踏んでいるダンス。

「なんか、あんまり激しくないね」

「楽しそうに踊ってるね」

という印象でした・・・

多分、バレエ画面を出してしまったので、あんまり激しくはなかったのかも?

普通の「ダンス」って入れれば、きっと本格的な激しいのが観れるよ。

そう思って、Mちゃんが帰った後「ballet」なしの「dance」で 再度探してみました。

ヒバリの期待した「タランテラ」は、フラメンコ風の真赤なドレープに包まれた衣装のダンサーが、苦悶(くもん)の表情で 狂ったように急速回転しながら、バッタリ倒れ伏すまで踊る、という感じだったんですが・・・

本物のタランテラはそんなんじゃなく、輪になって和やかに踊る民族舞踊、って感じでした。(^^;

そして、リズムは「スキップ」でした (^^;(^^;

確かに、スキップは8分の6拍子だよね。

タランテラなんだよね。

でもちょっとがっかり・・・明るく軽快すぎ。

そして、もっと驚いたことには、イタリア本場の「タランテラ」ダンスを次々と見て行ったら、途中、曲として「おにのパンツ」までが使われてたことだよ!

た、たしかにこの曲はイタリアの歌だ。

「おにのパンツ」というのは日本の替え歌で、ほんとはイタリアのヴェスヴィオス火山へ観光にいく登山電車のCMソング、「フニクリ・フニクラ」なんだから。

イタリアのご当地ソング。

そして8分の6拍子。

たしかに。タランテラだ。

タランテラの条件をすべて満たしてる。

でもな~

情熱的で深刻な踊りかと思ってた「タランテラ」なのに、本場演奏は「おにのパンツ」だったとは。

見なきゃよかったカモ・・・(*_*;

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「やさしい花」はバッハの音楽の手法で出来てる

2019年05月21日 | ブルクミュラー

K子さん(大人):

ブルクミュラー「やさしい花」を予習してきました。

「一応やったんですけど、何か意味というか課題みたいなものが、よく分からないし、弾きにくくて」とのこと。

8分音符が連続して並んでる、この曲。

確かに、ただ弾くとカタカタと無機質な音が並んだだけになってしまう

「この曲は、右手と左手、それぞれが持ってるメロディックなフレーズが、次々と交差して出てくるの。しかもほら、きっちり順番に出てくるんじゃなく、すこーし重なり合って来てるじゃない?たとえば」

ヒバリ先生が「ここと」「ここ」と言って弾いたのは、メロディーの冒頭です。

右手2小節目の「ファミドラー」とに続いて左手の「ソミドラー」が、2拍遅れて追いかけているので、右手の最後と左手の最初が重なっています。

譜面を見ると、2つのフレーズは同じリズム、同じ規則性の音並びを持っていることがわかります。

「あら、ほんとだ!このフレーズとこのフレーズが同じ形で、セットになってるなんて、全然気がつかなかったわ!」とK子さんはびっくり。

よく見ると、他にもいっぱい、このような「同じリズム形のセット」が、あちこちに隠されているのが見えてきます。

「ほら、こことここも。こっちにも」

「あらー、本当だ〜」

実は、これはバッハが使った「模倣」という手法で、フーガとかにも使われているものなのです。

この「やさしい花」という小曲、「模倣」モチーフが並行、反行、ズレ、同時進行、など、さまざまな配置で盛り込まれて、まるでバロック曲。

なのに、その旋律は軽いフランス風で、「バロック様式」だとは感づかれない。

もしかしたらブルクミュラーさんは、この「やさしい花」を作曲する時、バッハのパロディーごっこをして遊んでみたのかもしれないね。

そういうわけなので、みなさん、「やさしい花」が難しいなあ、と思ったら「これはバロック音楽のミニチュア体験なんだから!」と考えてがんばりましょう(笑)

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