S子ちゃん(小5):
ブルクミュラーの「せきれい」を仕上げました。
高い音域から、素早い動きで和音を転回させながら分散で急降下してくる冒頭に始まり、曲全体を通しての軽やかな感じが、河原などにいる小さな鳥「せきれい」の様子を思わせます。
S子ちゃんの「せきれい」は、しなやかな手首の動き・正確な和音のつかみ・軽快なテンポ・そして表情など、すべてを含めて、非常に完成度の高い曲に仕上がったと思います。
本当に軽やかで生き生きとした鳥が、表現できたね!
さて、次の曲は「お別れ」・・・
どんな曲かな? 先生が弾いてみます。
聴き終わったS子ちゃんは、「ああー(なるほど・・)」と、「お別れ」というタイトルに 深く納得した、という表情です。
「『お別れ』って感じ、した?」
「はい」 S子ちゃんは、感じ入ったようにうなずいています。
「この曲は、大きく3つの部分に分かれてる、ってこと、わかった?」
S子ちゃんがうなずいたので、先生は続けて言いました。
「最初の部分は、いきなり悲しそうだね。お別れの、悲しい気持ちがあふれ出してるみたいに・・・そして、心がザワザワ揺れ動く、テーマが現れてくる。このテーマは、今、まさに大切な人とお別れする、その様子を表現してるよね。そして真ん中の部分は、少し変わって、明るい音になってる。ここは・・・?」
「思い出・・・楽しかったことを思い出してるんだと思う・・・」
「そうだね。そしてまた、さっきの 揺れ動くようなテーマが出てきて、現在に引き戻される。『それでも今は、お別れしなければならない』っていう現実に戻ってくるのね。そして最後、いよいよ『さよなら~』って手をふりながら、だんだん、だんだん遠ざかって・・・ジャン!おしまい! ね?」
「はい!」
S子ちゃんも 同感、という顔でうなずきました。
S子ちゃん・・・こんなふうに、曲の内容を感じ取って、イメージを描くことができるようになってるんだね。とってもすてきです
このように、レッスンの曲を、ただ「難しいからしっかり練習しましょう」というのでなく、イメージを描いて表現するように弾くのは、とても大事です。
その方が、結果的にテクニックも格段に上手になるのです。
例えば、この「お別れ」は、実は 右手・左手ともに三連符の連続、という課題のための曲です。
けれど「三連符をマスターするために、よく練習しないといけません」というのではなく、「お別れの、なんともいえない辛い気持ち、揺れ動く複雑な心を、何とか表現したい。そのためには、三連符難しいけど、がんばってきれいに弾こう」という気持ちで弾けば、魔法のように美しく弾けてしまいます。
「せきれい」にも、同じことが言えます。
この「せきれい」は、実は 和音の転回の練習曲なのです。
しかし、S子ちゃんが「せきれい」という、軽やかな鳥のイメージを心に描きながら、いっしょうけんめいに 心を込めて弾いたので、完璧ともいえるほどすばらしい「和音の転回」が完成してしまいました
練習は、苦行ではなく夢の世界の完成
S子ちゃん、次回の「お別れ」、どんなふうに弾いてくれるか楽しみです。
※本日の内容について、さらに詳しく書こうと思います。
「音楽のツボ」ページを見てくださいね♪
ブルクミュラーの「せきれい」を仕上げました。
高い音域から、素早い動きで和音を転回させながら分散で急降下してくる冒頭に始まり、曲全体を通しての軽やかな感じが、河原などにいる小さな鳥「せきれい」の様子を思わせます。
S子ちゃんの「せきれい」は、しなやかな手首の動き・正確な和音のつかみ・軽快なテンポ・そして表情など、すべてを含めて、非常に完成度の高い曲に仕上がったと思います。
本当に軽やかで生き生きとした鳥が、表現できたね!
さて、次の曲は「お別れ」・・・
どんな曲かな? 先生が弾いてみます。
聴き終わったS子ちゃんは、「ああー(なるほど・・)」と、「お別れ」というタイトルに 深く納得した、という表情です。
「『お別れ』って感じ、した?」
「はい」 S子ちゃんは、感じ入ったようにうなずいています。
「この曲は、大きく3つの部分に分かれてる、ってこと、わかった?」
S子ちゃんがうなずいたので、先生は続けて言いました。
「最初の部分は、いきなり悲しそうだね。お別れの、悲しい気持ちがあふれ出してるみたいに・・・そして、心がザワザワ揺れ動く、テーマが現れてくる。このテーマは、今、まさに大切な人とお別れする、その様子を表現してるよね。そして真ん中の部分は、少し変わって、明るい音になってる。ここは・・・?」
「思い出・・・楽しかったことを思い出してるんだと思う・・・」
「そうだね。そしてまた、さっきの 揺れ動くようなテーマが出てきて、現在に引き戻される。『それでも今は、お別れしなければならない』っていう現実に戻ってくるのね。そして最後、いよいよ『さよなら~』って手をふりながら、だんだん、だんだん遠ざかって・・・ジャン!おしまい! ね?」
「はい!」
S子ちゃんも 同感、という顔でうなずきました。
S子ちゃん・・・こんなふうに、曲の内容を感じ取って、イメージを描くことができるようになってるんだね。とってもすてきです
このように、レッスンの曲を、ただ「難しいからしっかり練習しましょう」というのでなく、イメージを描いて表現するように弾くのは、とても大事です。
その方が、結果的にテクニックも格段に上手になるのです。
例えば、この「お別れ」は、実は 右手・左手ともに三連符の連続、という課題のための曲です。
けれど「三連符をマスターするために、よく練習しないといけません」というのではなく、「お別れの、なんともいえない辛い気持ち、揺れ動く複雑な心を、何とか表現したい。そのためには、三連符難しいけど、がんばってきれいに弾こう」という気持ちで弾けば、魔法のように美しく弾けてしまいます。
「せきれい」にも、同じことが言えます。
この「せきれい」は、実は 和音の転回の練習曲なのです。
しかし、S子ちゃんが「せきれい」という、軽やかな鳥のイメージを心に描きながら、いっしょうけんめいに 心を込めて弾いたので、完璧ともいえるほどすばらしい「和音の転回」が完成してしまいました
練習は、苦行ではなく夢の世界の完成
S子ちゃん、次回の「お別れ」、どんなふうに弾いてくれるか楽しみです。
※本日の内容について、さらに詳しく書こうと思います。
「音楽のツボ」ページを見てくださいね♪