HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

レッスンはかっこつけずに

2017年05月30日 | 音楽のツボ
Sちゃん(中2):
「今週は少し練習できました」と言ってピアノの前に座り、楽譜を開きました。
両手を構え、いざ!
ところが、そこからがなかなか弾き出せない。
両手を構えたまま、せーのー! せーの!と何度も出だしのモーションを起こそうとするんですが、タイミング良く飛び込むことができません。
まるで、縄跳びの「大縄」に入れない人みたいに。
ついに、スターティングポジションを取りながら、「先生!かけ声かけてください!」と叫び、先生が「ワン、トゥ、スリー、いっせーのー」とかけ声をかけて、ようやく弾き始めることができました。
「まったく〜 やってきたらやってきたで これだよ。手がかかるったらありゃしない」
先生に言われて、Sちゃん「あははー」と大爆笑しています。

しかし、 練習できてない(ヘタな)時にはスンナリ弾き始められるのに、なんで 上手な(はずの)今日は弾き始められないのか。
練習してあるのに。
うーん、緊張してしまうんだろうなー。
練習してきた通りに ちゃんと弾けるかどうか。
ミスタッチをしないか。
きれいな音で弾けるかどうか。
なまじ練習してきたために、あれやこれや心配で、かえって硬直してしまう。
それでタイミングもとれず、いつもよりヘタになってしまう…悲劇。

大体、こんなことでしょうかね。
いわゆる「上がる」ということなんですが、Sちゃんに限らず、誰もが大なり小なり持つ感情ではあります。
要するに「上手に弾きたい」という気持ちが 必要以上のプレッシャーとなって、身体の自由を拘束してる、ってことなんで、 発表会などで大勢の人の前で弾くときでも、レッスン時に先生の前で弾くときでも、そのメカニズムは同じです。

少しでも上手に弾きたい、という気持ちはわかりますが、レッスン室は本番のホールじゃないし、先生は辛辣(しんらつ)な聴衆でも批評家でもありません。
どっちかといえば「医者」に近いかも。
あなたのどこが悪いか、その原因はどこにあるのか、そして治すためには何を処方すればいいのか。
それを見つけ、患者さん、じゃなかった生徒さんと一緒に、虹の向こうを目指します。
なので、先生としては、無理して緊張しながら、いいとこを見せてもらわなくっていい。
むしろ、リラックスして弾いたときに どう失敗するのかを見せてもらった方がいいです。

先生の前で かっこつけることは無用。
安心して、思いっきりこけてください。

ダンスのあいて♪ ジャンジャン弾き

2017年05月30日 | レッスン日記(小中高生)
Cちゃん(年長):
毎日、保育園に行く前にピアノの練習をしているというCちゃん。
えらいですね。
ヒバリ先生の子ども時代にはとても考えられなかったことです・・・

テキスト「よいこのピアノ3」の後半では、右手が中央ド~ソ、左手が1オクターブ下のド~ソのポジションで、右手のメロディーに簡単な伴奏の基礎を添えていく、といった課題が並んでいます。
これまでの「よいこのピアノ2」あたりでは、両手の1の指を中央ドに置き、左右対称に広がっていく、というポジションを使って 歌のメロディーを弾く、という課題が中心でした。
その形だと メロディーのみ、しかも1オクターブ分の音域が使えたので、Cちゃんの知っている、保育園で習ったような歌がたくさん弾けました。
ところがテキストが進んで、今のような課題になると、知っている歌よりも「練習曲」的な曲が中心になってきました。
Cちゃんは理解度も高いし しっかりした子なので、わからない歌でもがんばって弾くことができます。
でも、ピアノのレッスンに来た時、「お勉強チェック」に終始して時間が終わってしまうのももったいないかな・・・
そこで今日は、「ダンスの相手」というアメリカのカントリーソングの楽譜を渡してみました。
Cちゃんの知らない曲なので、最初は「えー、知らない・・・」と食指が動かなかったCちゃんですが、
「ことばが書いてあるでしょ。一緒に歌ってみよう」と誘い、先生がピアノを弾いて、一緒に歌いはじめました。
簡単なメロディー、それにカントリー独特の速いリズム。
「Cちゃん、カスタやって!」とカスタネットを渡し、勢いよく何度も弾きます。
そのうちCちゃんは、先生と並んで ピアノの高いほうの音を叩きはじめました。
両手を使い、歌のリズムに合わせて和音や8分音符や、おもしろいリズムをどんどん弾いていきます。
先生のピアノは、最初はゆっくりだったけど、繰り返すたびにだんだん速くなっていき、5~6回も弾くころには目にもとまらぬ速さで弾いています。
Cちゃんも負けずに、自分で工夫した和音やリズムをどんどん弾いてきます。
最後はすごい勢いでジャン!と終わり。
「あー、楽しかった!」とCちゃんが言いました。
「もう一回やろうか。最初はゆーっくりからね」
こう言って、先生がゆっくりゆっくり弾き始めたら・・・
なんとCちゃんも、楽譜を見ながら先生に合わせてメロディーを弾き始めた!
すごいすごい。
2回ぐらい弾いたら疲れたか、Cちゃんのピアノはまた「ジャンジャン弾き」になったので、先生もそれなら、とテンポを速めていき、グルグル何回も弾いたあと、すごい速さで終わりました。
楽譜をきちんと弾くのも大切だけど、こうやって気持ちや体を思い切り発散させてセッションするのも「音楽してる!」って醍醐味があるなー♪

アラベスク 来週は暗譜で♪

2017年05月30日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(小4):
3日前の土曜日に運動会が終わったばかりと、日焼けした顔でやってきました。
今年は、特に周年記念運動会だったとのことで 毎日練習があり、そして当日も、たしか夏のように暑い日だったと思います。
この1週間は さすがに連日疲れていたようで、今日は「アラベスク」の仕上げの日だったんですが、あまり練習ができなかったらしい。
もう一度、先週のレッスンを復習するような形になりました。
Hちゃんは、意外と「楽譜を見る子」なので、ここぞ!というところで楽譜を見て確かめる習慣があります。
楽譜をよく見るのはとってもいいことなんだけど、曲が仕上がってきた段階になったら、ここぞ!のところは 逆に楽譜を見ないで、鍵盤の位置を確かめてジャンプした方が、ミスタッチがなくなります。
「楽譜見る派」の人は、どうしても「難しいところ」に来ると楽譜を見ないと不安になってしまうので、いつまでも楽譜を見たくなってしまいます。

「よしっ、じゃ来週は暗譜だ!」
先生がHちゃんに出した宿題はこれです。
「えっ、暗譜?! え~・・・」
できるよ。もうほとんど覚えてるんだから。
楽譜に頼らなくても弾けるっていう自信をつけるように、そして大きなジャンプが確実に跳べるように。

来週、期待してるからね。

魔女の宅急便・Aメロできた

2017年05月30日 | レッスン日記(小中高生)
S子ちゃん(小4):
「魔女の宅急便」の中の曲「仕事はじめ」第1回です。
先週、次はこの曲をやろうと決めたときに、先生と一緒にやってみたイントロ部分だけは両手ですが、そのほかは自分ひとりで予習してきたので、右手だけ・・・ということでした。
右手は全部、軽快なタッチでできています。

難しそうだった、という左手。
なるほど・・・音符がズラズラ並んで、フクザツに入り組んでるように見える。
「じゃあ、1小節目だけ見てみよう。1小節目で、左手で使っている音を全部、一度に押さえてみて。」
そうすると、入り組んだ音がたくさん使われているように見えていたのが、ソ、ド、ミ、の3つの音しか、1小節目では使われてないことがわかりました。
「じゃ、ソドミ、の音が全部弾ける場所に、手の形を決めてしまおう。その形に手を置いてから、1小節目の伴奏を弾いてごらん」
そうすると、あら不思議、難しそうに見えた1小節目の伴奏が、あっさりと弾けてしまいました。
S子ちゃんも
「ああー、こういうことだったのか」と気が付いたようです。
このようにして、次の小節も次の小節も、伴奏をクリアしていくことができました。

今やったところはAメロです。
Aメロは、曲の後半でまた出てくるんだから、そこはもう弾けるってことですね。
というわけで、一気に曲のほとんどが両手で弾けそう、ということになりました。
来週は、Bメロを残して全部両手でやってきます!

カフェ・アンサンブル「みんなの音楽会」・マイウェイ

2017年05月28日 | ジャズ曲・洋楽・ポピュラー曲
駒場にあるカフェ「アンサンブル」のママさん(アンママ)が、年に3回ほど開いているサロンコンサート「みんなの音楽会」。
今回はなんと50回めという大きな節目にあたるそうで、私は友人のJackの歌の伴奏で参加することになっていたのですが、アンママからも、ひそかに歌の伴奏を頼まれていました。
その歌は「マイウェイ」。

やがて 私もこの世を去るのだろう
長い歳月 私は幸せに
この旅路を 今日まで超えてきた
いつも 私のやり方で 

という、岩谷時子さん訳詞のバージョンで歌うとのことです。

実は、今日の50回記念の会で、ひとまず「みんなの音楽会」にピリオドを打とうと思うの、とアンママさんから聞かされていました。
だからアンママさん、コンサートの最後にマイウェイを歌うんだ・・・
プログラムにも載せず・・・

そう考えると切なくなります。
でもね、音楽大好きなアンママさんなので、「みんなの音楽会」というスタイルは終えたとしても、きっとまた、新しい形でのコンサートを企画してくれるだろうな、とヒバリは予感しているのです。

そんな、ちょっぴり複雑な思いで迎えた「みんなの音楽会」でしたが、第50回の今日は、いつもにも増してレベルも高く、充実したコンサートでした。
ピアノ、歌、管楽器、弦楽器など、いろんなジャンルの出演者が集い、お互いに聴き合うのは 幸せなひとときです。
いつもこの会でお会いする常連さん、今日初めてお会いした人、いつも演奏を聴いて、顔や演奏スタイルを覚えてくださってる人。
そんな、音楽好きな人の輪が広がり、新しいつながりができていくのも大きな喜びです。
今日は、声楽科の学生さんTちゃんとお近づきになりました。
前回のコンサートの時に彼女の歌を初めて聴き、声の美しさはもちろんのこと、その歌詞の丁寧な歌い方や表現力に感心しました。
今日は友人のJackにも「彼女の表現力を見て、勉強するように」と言っておいたくらいです。
今日も、彼女の歌はすばらしかったです。
そして彼女もまた、「マイウェイ」での私のピアノに感動したと言ってくれたのです。
多くの人が取り上げる「マイウェイ」ですが、今回アンママさんという大人の女性の演奏に似合うように、ヒバリが出だしからフィニッシュまで いろいろアレンジを工夫し、「だれもやってない、本邦初公開のスタイルよね!」といって演奏した「マイウェイ」でした。
それを心に留めてくれたのを嬉しく思いました。
こうして、自分と共通する感性の持ち主と偶然に出会うことができ、音楽の喜びをシェアすることができるのは、不思議で幸せなことです。
今日、この会に参加させてもらってよかったと思います。

☆フィナーレで「マイウェイ」を歌って「ひとまずピリオド」のメッセージを伝えたアンママさんですが、みんなのラブコールにより、そのうちまた、新しいコンサートをやってくれそうです。
やっぱりね。

「月光・第一楽章」のイメージとベートーヴェン

2017年05月28日 | クラシック曲
Tさん(大人):
「自分の『月光』のイメージがわかりました」
楽譜を譜面台に置いて、開口一番、Tさんが言いました。
聞けば、今までずっと、世間一般に「『月光』のイメージ」とされている、静かに降り注ぐ月の光とか、ルツェルン湖とか、そういうのが どうもピンとこなくて、自分はどう思っているのか模索していたそうなのです。
それが、ようやく自分のイメージを具体化することができたそうで、Tさんがいろいろ例を挙げてくれる言葉を総合すると、どうやらTさん自身が このソナタから感じていたイメージは、美しい月光というよりむしろ、「苦悩」といったようなものだったらしい。
「滝廉太郎の『憾(うらみ)』とか、それに似たような・・・」とTさん。
なるほど。
努力しても努力しても報われない悲しみ。非情な世間への恨み。自分に対する歯がゆさ。
みたいな?
「そんな感じです」
自分の感じていたイメージが「苦しみ」の方向だったんだとわかった時、これまでずっと感じてきた違和感が払拭された、ということでした。
「それじゃ、そのイメージで弾いてみて?」
とTさんに 第一楽章を通して弾いてもらったら、
うわあ・・・
「苦悩」だ・・・
Tさんが自分のイメージをはっきりつかめたせいでしょうか。
「月の光」「ルツェルン湖」というイメージを投げ捨て、いっそ大胆に遠慮なく「苦悩」に没入してるので、タッチにも力がこもり、ただでさえ暗く重い嬰ハ短調の曲が、いっそう暗さ・重さを増しているのです。

Tさんの演奏を聴いて いきなり私の心に浮かんだイメージ。
それは、明治時代の小説家・尾崎紅葉の「金色夜叉」!
ダイヤの指輪に目がくらみ、自分を捨てて金持ちの男へと寝返った婚約者、宮を熱海の海岸で蹴り倒し、「今月今夜のこの月を、来年の今月今夜のこの月を、十年後の今月今夜のこの月を、僕の涙で曇らせてみせよう」と叫んだ 貧乏学生 寛一。
貧しさに負けた。いいえ、世間に負けた。薄情な世間への恨みつらみ。冷酷非情な守銭奴と化す寛一。
うわあ・・・「月光」・・・「金色夜叉」にしか聞こえなくなってきた。

Tさんご本人は、もちろん「金色夜叉」なんて知る由もありません。
Tさんがイメージした「苦悩」。
その実体は、作曲者であるベートーヴェンの報われない人生に思いを馳せたものだったのです。
作曲家なのに耳が聞こえなくなって。
偏屈者で。
大切に想ってくれる人とてなく。

そう、確かにベートーヴェンの人生は、苦悩に満ちたものであったでしょう。
しかし、彼の最晩年の作品「交響曲第9番」は、その第4楽章に「フロイデ(歓喜の歌)」を含む、歓びに満ち満ちた壮大なものでした。
それは作曲家・ベートーヴェンにとっての最大の「歓び」とは言えないでしょうか。
彼自身、自分の人生のことを「苦悩を突き抜けて歓喜へ」と言っていたそうです。
私はTさんに、「第九」初演時、耳の聞こえないベートーヴェンが聴衆の大喝采とアンコールに気づかず、ソリストの女性歌手が手を取って振り向かせ、やっと演奏の大成功を知ったこと、そしてそのアンコールが5回も続いたエピソードを教えてあげました。
このとき、ベートーヴェンは間違いなく報われたのではないでしょうか。
彼の遺した音楽は、今に至るまで世界中の人が愛し、演奏しています。
私たちは、その作品を通して、彼と、そしてその他多くの 今は亡き作曲家たちとも心を通わせることができます。
彼らの作品の中にこめられた思いを、私たちが心をこめて読み取り、演奏して音にすることが、彼らの心に報いることになるのではないでしょうか。
時空を超えて。

勝手にシンドバッド 中間部がむずかしい

2017年05月27日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(中1):
サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」を 軽快なノリでやってます。
「ラララーラララ ラララー」の部分や「今何時?」の部分は 誰もがよく知ってると思うし、Nちゃんもごきげんなリズムで弾いてるんですが、それに比べて中間の「さっきまで俺ひとり あんた思い出してたとき~」からのくだりは 言葉も字余りだらけ、リズム割りもコマゴマ、で、なかなかリズムに乗り切れないようです。
今日は、最初に そのわかりにくい部分を何度か練習して、それから全体を通していく形にしました。

吉田拓郎さんのファン、というNちゃんが、今日は拓郎さんのギター歌集を持ってきてくれたので、その中から何かやってみよう、ということに。
あれこれページをめくって、結局「シンシア」という曲をやることにしました。
コードもシンプルだし、何かホッとするような雰囲気の曲です。
拓郎さんファンのNちゃんだから、来週には仕上がってくると思います。

情熱大陸のイントロ

2017年05月26日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(中1):
先週は中間テスト、そして今週は部活と運動会の練習、それに塾と、毎日スケジュールがぎっしりです。
なかなかピアノの練習をする時間がとれません。
発表会も、中学生のみんなは 小学生の頃のように集中して練習することができないと思うので、早くから準備を始め、すこしずつ「貯金」を重ねていこう、という作戦で乗り切っています。

さて、Mちゃんの発表曲ですが、これまでMちゃんはいつも、ソナチネなどのクラシック曲を弾いてきました。
毎年、希望を聞くと「明るくて元気な曲!」ということなので、自然とそうなったのです。
しかし、今年の3月に、小学校の卒業式で「青い竜」というドラマチックな曲の伴奏を経験し、こういう「かっこいい系」の曲もいいな、と言い始めたこと、それから たまにはクラシックじゃなく ポピュラー系の、自分もみんなも知っている曲をやらせてあげようかな、ということを考え併せて、「こんなのはどう?」と提案したのが「情熱大陸」のテーマ曲です。
なかなか情熱的でドラマチック、スピード感にあふれた曲なので、中学生になったMちゃんも気に入ると思います。

ってことで、今日はいちばん最初の、オリエンタルムードたっぷりのスローの部分だけを 少しずつやってみました。
っていうか、先生が書いた楽譜が そこまでしかできてないので。(笑)
楽譜を買ってくれば一度に見れるのに、と思われるかもしれませんが、そうもいかなくて。
クラシックと違ってこういう「決定譜がない曲」は、どの楽譜を見ても一長一短で、「これだ!」と思えるものがなかなかないんですよね・・・
聴いて大満足、「かっこいい!」と思う楽譜は 難しすぎて生徒にはムリ。
といって「初心者にも弾ける〇〇」みたいなのは 簡単に弾くことはできても、かっこよさがすっかりなくなってダサい。
「難しくてダサい」という楽譜だってあるんですから。
なので、「生徒の力で弾けて、しかもできる限りかっこよく」と思うと、どうしても自分でアレンジすることになる。
それに、ちょびっとずつアレンジを伝えながら進めていくのには、もう一つ理由があります。
もし、かっこよく完成してる楽譜を一度に渡したら、生徒たちは 満載の音符を見て恐れをなしてしまうに違いない。
ちょびっとずつ楽譜を渡していくのは、生徒のみんなに「なんだ、これだけか。これならできそう」と思いこませ、ジワジワと深みへ誘い込んでいくための戦略でもあるのです。
去年、MちゃんとSちゃん(中2)の二人は、この作戦にまんまとだまされ、連弾コンビで 目まぐるしくスピーディーな「エル・クンバンチェロ」を完奏したのでした。

一気にピアノらしくなった\(^o^)/

2017年05月25日 | レッスン日記(小中高生)
Lちゃん(小2):
去年の秋 ヒバリ教室に入門して、約9カ月がたちました。
「ゆめキラ☆キッズピアノ」というやさしい曲集を2冊、そしてバーナムの「ミニブック(紫)」と「導入書(オレンジ)」を同時に使いながら、楽しくレッスンしています。
先週、ふとしたことから、Lちゃんが左手の分散和音で伴奏することができるんじゃないかなあ、と思ったので、それのバリエーションとして「かっこう」の曲にコードネームを書き込み、分散和音で伴奏をつけて弾く、という宿題を出してみたんだけど・・・どうかな?

弾けました!
かっこう、かっこう、と右手でメロディーを弾きながら、左手はドミソ、ドミソ、とCのコードで伴奏をつけます。
初めての伴奏パターンなので、ちょっと戸惑った部分もありましたが、正しい弾き方を教えてあげると、すぐにできるようになりました。
「それじゃあ、こういう伴奏はどうだろう? Cのコードは同じだけど、弾き方がちょっとちがう」
先生が示したのは、ブンチャッチャ、というワルツの伴奏です。ドがベース、ミとソを重ねて、この和音でリズムパートを弾きます。
Lちゃん、これも大丈夫でした。
これができれば、もう立派なピアノスタイルです。
コードネームを使えば、こんなにピアニスティックな伴奏も それほどの苦労なく弾きこなすことができるのです。
音符を読んで弾く、という基本の学習はとても大事ですが、コードを使う弾き方も、積極的に取り入れていこうと、改めて思いました。

さて、バーナムは「そくてん」という、アルペジオ課題です。
Cのコードで 左・右・左・右・と 手を置き替えながら広い範囲のアルペジオを弾き、さらに初めてのペダルもつけてみます。
生徒のみんなが大好きな、この美しい「そくてん」。
Lちゃんも、一度弾いてみて「わあー」と感動したようです。
「ねっ、きれいでしょ?こんなにステキなんだから、あとでママがお迎えに来たら、弾いて聴かせてあげようよ」
と計画し、帰り時間になってお迎えに来たママに聴かせてあげました。
ママも「うわー、すごい!」とびっくり、大感激してくれました。
Lちゃん、ここへきて、一気にピアノスタイルがバージョンアップしたね!

パートに分けて弾いてみてね

2017年05月25日 | 音楽のツボ
Sさん(大人):
今月から、月2回のレッスンを始めています。
今日は2回目のレッスンで、曲はショパンのワルツ嬰ハ短調。
独習で曲をマスターしていて、レッスンに見えたときはもうすでに全曲、ほとんど暗譜している状態・・・すごいですよね。
ただ、全曲暗譜の弱点は、曲の途中で止めたり、途中から弾いたり、ということがムリっぽいことかな。
弾いていて、「あ、今のところもう一度・・・」とか「〇〇小節目から弾いてみてください」とか言うと、アレ、どうだっけ?みたいになっちゃって、なんか申し訳ない。。。
だって、さっきあんなに流暢に弾いてたのに、区切った途端に迷子になっちゃったりするもんだから。

曲を丸ごとひっくるめて覚えていると、暗記したように見えて、実はあいまいな「イメージ」だけしかおぼえてない、ということが多いものです。
それを防ぐためには、パートをひとつひとつ、分けて弾いてみることが有効です。
「パート」っていうのは、単に右手と左手っていうことじゃなく、楽譜の中に組み込まれているソプラノ、アルト、テノール、バス、などのパートのこと。
ピアノ楽譜なのに、そんなのあるの?って思いますか? 
あるんですよ、これが。
どこにどのパートがあるか、自分で見つけられればいいですが、わからない人は先生に聞いてみてくださいね。

そう、ピアノって、ソロ楽器でありながら、ある意味 ソロではない。
実はオーケストラ全体のパートを、一人で兼任してる。
・・・という表現が正しいかも。

パートに分けて弾いてみると、今まで気づかなかった ベースラインや 細かいニュアンス、内声(ないせい)の流れなどが、はっきりと浮かび上がってきます。
右手と左手を別々に練習することは、みんな普通にやってると思いますが(え、やってない?ダメだよ、やってね。)、もうひとつ踏み込んで、「パート分け」、ぜひやってみてください。
あなたのピアノの音色が、格段に変わってくるはずです。

シェリーから1週間へ

2017年05月25日 | コード奏法
Y子さん(大人):
ハ長調のラウンド・コードを使い「シェリー」を練習中です。
一応 前回、コードをつけて弾くことができたのですが、今週はさらに2ビートのリズムでの伴奏でバージョンアップして練習してきたのです。
ブンチャ、ブンチャ、というリズムが、いい感じで弾けています。
とってもよくできているので、
「どう?ただコードを押さえるだけより、リズムがある方がかえって弾きやすくない?」と聞いてみました。
「そうね、慣れてきたら、この方が弾きやすいかもしれない」と、Y子さんも言いました。
ラウンド・コードを使っている曲は、ほかにもたくさんあるので、ぐんと応用範囲が広がったと思います。

今日はもう1曲、ロシア民謡「1週間」のメロディーも弾きました。
イ短調なので、コードはAmとE7を使います。
Amは シェリーのラウンド・コードの中で経験済みなので、新しくE7を左手で押さえる練習をしました。
これをメロディーにつけて弾けるように、というのが、つぎの目標です。

バッハ・ベートーヴェン完成間近。

2017年05月24日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
バッハ平均律曲集、1-10ホ短調。
もう全体ができていて、特に前半は大変伸びやかにきれいな音色で弾けています。
後半の半分以降くらいから、まだ練習日数が新しいため 音が小さくなったりとまどいがちになったり、というのは自信のなさの現われで、Hさんはとっても正直なのです。
後半も 前半と同じように伸び伸びとした音色で弾けたらすばらしいなあと思いながら聴きました。

ベートーヴェン・選帝侯ソナタヘ短調の第3楽章。
テンポがほぼ統一されました!
また、16分音符のパッセージがとてもきれいに入って、年季を感じさせますね。
完成も間近です。

・・・が、来週は都合でお休みします、とのことで残念です。
2週間空いてしまうので、感覚を忘れてしまいませんように・・・(^-^;

ダイイング・ポエット 各パートを弾きこんで

2017年05月23日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(中2):
ゴッドシャルクの「ダイイング・ポエット」、テーマの部分を練習しています。
何分にも家での練習時間が少ないので、レッスン時間の前半は前回の復習からになります。

この曲は、メロディーも伴奏も、細心の注意を払って「美しく」弾いてほしいので、中途半端に両手で弾くよりも、右手・左手それぞれを最良の音色で弾くことに集中した方が良いと考え、今日もまずはメロディー、そして伴奏を別々に弾くことから始めました。

Sちゃん、メロディーも伴奏もとってもきれいに弾いていて、さすが。
フレージング、アタック、リリース、どれも、いつも先生がうるさく言ってることが丁寧に再現されて、素敵な音色です。
「きれいだね!すばらしい。Sちゃんなのに」
常日ごろ「音がうるさい!」「元気すぎ!」「もうちょっとしっとりできないの?」などと言われてるSちゃんは、アハハ、と笑いながら
「右手と左手、別々ならきれいに弾けるんですよー」と言ってます。
確かにそのとおり。
両手奏でうるさくなってしまうのは、間違えないように弾くことでいっぱいいっぱいになってしまうせい。
ゆとりのある片手で これだけきれいに歌わせることができるならば、練習して両手共に心をくばる余裕が出てきた時には、間違いなく美しい演奏ができると、先生も確信しているよ。
先を焦らず、一つ一つのパートを 心を込めて弾きこんでいきましょう。

パパのたんじょう日

2017年05月23日 | レッスン日記(小中高生)
Cちゃん(年長):
「練習したよ!」と、自信にあふれた顔でやってきました。
毎朝、早起きして、保育園に行く前にママと練習してるんだ、とのこと。
なるほど練習の成果が見え、今までにやった歌が なお一層スラスラと弾けてすばらしい。
指の力もつき、動きもなめらかになっています。
毎朝 一緒に練習してくださるママ、ありがとうございます。
朝早くから大変ではと思いますが、ご無理のないように、また、お子さんとの時間を楽しむことにもつながればと願っております。

さて、実は以前に、Cちゃんから「来週はパパのお誕生日なんだ!」と聞いていて、
「じゃあ、お誕生日の歌、弾いてあげるといいね」と言っていました。
お誕生日は先週だったんですが、あとからそれを思い出し、遅ればせながら 今日、フランスの子どもの歌「パパのたんじょう日」という曲の楽譜を用意しておきました。
テキストのレッスンをしたあと、
「これを弾いてパパに聴かせてあげようよ」と提案しました。
Cちゃんの知らない歌で、しかも初見です。
それでも Cちゃんは、ちゃんと楽譜を読んでメロディーを弾きこなし、CとG7のコードで伴奏もつけて弾くことができました。
確かな実力がついているんだなあと思います。

ラッキーだったのは、今日は珍しく、送り迎えがパパだったことです。
時間がきて、パパがお迎えに来たので、出来たての「パパのおたんじょう日」を 生演奏で弾いてあげて、喜んでもらうことができました。
先週、お誕生日のことを忘れていてヨカッタ(?!)

アラベスクのフィニッシュは「マルペ」で(?)

2017年05月23日 | ブルクミュラー
Hちゃん(小4):
「アラベスクね、練習したんだけど、なんかあんまりよく弾けない」
カバンを開けながら、開口一番、こう言いました。
「そうなの? 先週だってけっこう弾けてたじゃない?」
と言いながら、Hちゃんの弾くのを聴いてみました。
冒頭~Aの部分は、先週同様 はつらつと弾けています。
そしてやっぱり、先週感じたのと同じように、指が伸びて大きくなったんじゃない?と思いました。
Hちゃんが「あんまりよく弾けない」と言うBの部分も、タッチ、アーティキュレーション、指番号などをレッスンして、大分しっかりできるようになりました。
その続きのC~フィニッシュは、もうHちゃんお手の物。
前半と微妙に変化してる部分も見逃さず、きっちりと弾き分けています。
「やっぱり出来すぎてる!おかしいよ、このごろ?」
などと言いつつ 最後の盛り上げ~フィニッシュの和音。
「ここでハズしたら元も子もないよ。ラシドシラ! レミファソラ! ラシドシラ! レミファソラ! ってだんだん盛り上げていって、最後 一気に低い音で ミレドシラ! そしてジャーン!」
「この、最後の音を見つけるのに、時間がかかるんだよね・・・」
とHちゃん。
右手、左手がうーんと離れていて、それぞれが和音なので、両方の音を瞬時に正しくつかむのが難しい。
そのため、音量的にも、自信のなさが現われて しょぼーんとした頼りない音を出してしまいます。
「空中で、いっぺんに両手の見当つけて弾こうとするから、けっきょくどっちもうまくいかないんだよ。」
と先生がアドバイスしました。
「ミレドシラ! で右手が弾いた位置に、今度は最後の和音の左手がジャンプするんだよ。だからまず、右手が弾いてる位置を狙い定めて、左手が跳ぶ。左手の位置を確認できたら、すばやく右手を高音へジャンプさせて位置をとらえる。両方の位置が確認できたら、自信もって大きく振りかぶり、思いっきりジャーン!」
そうして何度も、
「ミレドシラ! 左見る右見る! はいっ、ジャーン!」と繰り返し、ジャンプとキメ和音の練習をし、ついに、しっかと最後のキメ和音を響かせることができるようになりました。
「できたね!よーし、それじゃ最後の音のとき、ペダルを踏もう!もーっとかっこよくなるようにね。」
Hちゃん、弾く。ペダル踏む。ジャァァァァン~~~♪
おお~っ かっこいいじゃないかぁ~
「じゃ、あたし忘れないように、ペダル踏むってこと楽譜に書いとく!」
と、Hちゃんが書き込んだ「ペダル記号」はコレです。

な、なんだこれは?
「あのー、ペダル記号って、音符の下に、こういうL____」みたいな記号あったでしょ? なに、この「マルペ」って?!
「あっ、そうか。ま、いいのいいの。自分にわかれば」
「まあそうだね。ま、いいか。マルペで」
というわけで、来週は「マルペ」の記号に従い、ばばーんとフィニッシュを決めてもらいましょう。