HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

アウフタクト(弱起)の曲「めぐり逢い」🎵

2025年02月07日 | 音符・楽譜・テクニック

りらつくまさん(メンズ):

大好きな「めぐり逢い(アンドレ・ギャニオン)」の曲を弾きたい一心でデジタルピアノを購入、一念発起してピアノレッスンにも入門、そして早や半年。(経緯のニュアンス違うかもしれないけど、大体合ってると思う)

弾いてますよ、「めぐり逢い」!

毎週レッスンするたびに新しい発見やアドバイスがあり、どんどん深みにはまっていく。

昨日のblogで「クレメンタインのアウフタクト(弱起)」について言及したタイミングでもあり、りらつくまさんのレッスンでもそのことについて触れました。

「めぐり逢い」はカナダのアンドレ・ギャニオンが作ったイージーリスニング曲ですが、その優雅なピアノの音色のため クラシック曲かと思っている人もけっこういるようです。

その優雅さの要因の一つには、この曲がアウフタクトで始まっているということも、もしかしたら関係しているかもしれませんよ。

冒頭がアウフタクトで始まってるということは、その後に続く曲全体のどのフレーズもアウフタクトで始まるのが定石です。

アウフタクトの曲では、メロディーフレーズが どれも1クッション置いてから第一拍目に入ることによって、一呼吸おいた柔らかな雰囲気のようなものが醸(かも)し出されるような気がします。

もう一曲、「めぐり逢い」と同じように人気が高いイージーリスニング曲「渚のアデリーヌ(リチャード・クレイダーマン)」と比較してみましょう。


こちらはアウフタクトではなく第1拍目から始まります。

曲中のどのフレーズも 強拍である第1拍から始まるので、優雅ながらも 曲全体にきっぱりとした力強さやメリハリ、煌(きら)びやかさを感じませんか?

あくまで明るくキラキラと前向きな「アデリーヌ」を聴くと、「めぐり逢い」 に感じられる優しさや柔らかさ、ちょっとくぐもったような切なさなどの所以(ゆえん)は、「めぐり逢い」がアウフタクトの曲だから、ということも、欠かせない要因の一つだと私は思うんですが、あなたはどう思う?

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


クレメンタイン「不完全小節」を発見🎵

2025年02月07日 | 音符・楽譜・テクニック

「あのさ、なんか…」

先週から「クレメンタイン」が課題になったごましおくん(小4)が言いました。

「この、最後のとこがなんか変だなって…」

楽譜を指さして彼が言ったのは、曲の最後の部分です。

楽譜を見た先生は言いました。

「最後の小節、音が足りないってこと?他のところは全部 1、2、3、って3拍ずつあるのに、最後だけ音が足りなくて気持ち悪いみたいな?」

「うん」

ひょおー、よく気がついたね!そう、確かに全部の小節3拍ずつあるのに、最後だけは2拍しかないね。

「その、足りない3拍目はどこにあるのか?!それは」

先生が指さしたのは

「ここ!」


そう、曲の冒頭です。

「最後の小節になかった『3拍目』はここにあるんだよ。この『クレメンタイン』の曲、最後にリピートマークがついてるから2回続けて弾くんだよね?そのとき、最後がきっちり3拍あったら、2回目を弾く時すんなり行かないんじゃない?最後が2拍だからこそ、ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃ、オーマイダーリン、ってうまーくつながるじゃない?」

「うん、確かに…」

「こういう、きっちり1拍目から始まらず弱拍から始まるスタイルのことを『アウフタクト(弱起)』っていうんだけど… 曲の終わりの1、2、そして始めの3。ねっ、これで完全になるでしょ。最初の小節は、実は3拍目から始まってる。1拍しかなくて不完全。だから『不完全小節』っていうの。最後の小節も同じ。2拍しかなくて不完全だから不完全小節。」

先生はごましおくんの楽譜に『不完全小節』と書きました。

「不完全と不完全が合わさって、完全ができる。ねっ?」

「ふーん」

「普通、この段階で子どもには『不完全小節』なんて言葉は教えてないんだけどね」

と、先生はチラッと横目でごましおくんの顔を見ながら言いました。

「大人には言うの?」

「大人には言うよ。でもチビっこに『不完全』とか難しいでしょ?だから言わないんだ」

「うんうん、確かにね」

「ごましおくんだから言っちゃうけどさ」

と、「キミは大人」感を強調して、ごましおくんのプライドをくすぐっておく。

「最後の拍が少ないなんて、気がつく人少ないし」

とさらにたたみかけて「大人だねビーム」集中砲火、すっかりいい気分になってたごましおくんなのに

先週習った「ポジションの移動」をおざなりにして怒られ、せっかくの「大人感」も台無しになった場面が、昨日のブログ「指番号のお話〜クレメンタイン」です。

とはいえ、曲の最後の不完全小節に気がついたのはさすがなので、怒られた日記だけじゃなく 褒められた記事も書いておきました。

って、結局そのあとでは怒られたんだから、あんまり名誉挽回にはなってない?

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


指づかいのお話〜続き・クレメンタイン🎵

2025年02月05日 | 音符・楽譜・テクニック

昨日のレッスン「エリーゼのために」で「指番号には意味がある」というお話をしましたが、楽譜に記された指番号は、単にその音だけ…「点」を指示するのではなく、その指番号によって手を置く位置を決める、つまり「面」を指示する役割も持っているのです。

たとえば、今日ごましおくん(小4)がレッスンで弾いた「クレメンタイン(アメリカ民謡)」の例。

見出し画像の最初、赤丸で囲んだ「3」の番号…これは,単に「ソの音を3の指で弾く」という指示じゃなく、「このポジションに手を置くように」という意味を表しているのです。

「A」のポジションに手を置けば、赤いラインで繋がってるフレーズが苦もなくなめらかにひけるのです。

そして次の小節、「シ」の音に青丸で指示されている3の指を守れば、その後ずーっと迷うことなく青いラインのメロディーが下の段の最初まで弾ける。

そしてその後 もう一度Aのポジションに戻すことによって、最後のフレーズも簡単にミスなく弾くことができるのです。


「Aに手を用意して、ソソソーレー、はいっ、Bに飛んで、シシシーソー、ソシレーレドシラー… 」とずーっとそのポジションのまま楽々弾けて、最後の1フレーズで「はいっ、Aに戻す!」とやれば、何の苦労もなくなめらかなメロディーが弾ける。

先週、これをみっちりレッスンしたはずなのに、今週ごましおくんはそれを忘れて、勝手な指で弾いていたのでミスやつっかえ続出。「ダメじゃん」とお目玉を食い、できるまでエレクトーンで一人練習させられました

このように、楽譜に書いてある指番号にはたくさんの重要な意味があるのです。あなどるなかれ、指番号

※「指番号とポジション移動」については、過去にも関連記事がありますので、そちらもご参照ください

正しい音に命中させるには 手の位置を決めて🎵 - HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


指づかいのお話〜「エリーゼのために」🎵

2025年02月04日 | 音符・楽譜・テクニック

クルコさん(レディース):

おととしの2月からヒバリ教室でピアノを始め、今日(2月4日)でピアノ3年生になりました!

今弾いている課題は「エリーゼのために」です。

今日チェックしたのは、一番最後の、Amのコードのアルペジオで駆け上がる部分(見出し画像)。

ラドミ、ラドミ、レドシ…という音型の連続ですが、よく見ると指番号が微妙に書き分けられています。

最初の「ラドミ」には1、2、3、と指番号が振ってありますが、続く「ラドミ」には1、3、5、という指番号がついています。同じラドミなのに…?

なぜだかわかりますか?

これは同じラドミでも、それぞれ役割りが違うからです。

最初のラドミは、次のラドミへと1の指をクロッシングさせる準備のため3の指で終わってる必要があり、そして2番目のラドミは、次の音「レドシ」を弾くために5の指で終わっておかないと指が足りなくなってしまうのです。

指番号の微妙な設定は「ラドミ」だけではありません。

「レドシ」もまた、このパッセージの中に3回出てくるのですが 指づかいは全部同じではありません。

1回目と2回目の「レドシ」は 素直に成り行き通り「4、3、2」で弾きますが、3回目の「レドシ」だけは、わざわざ4、3、1の指で弾くよう指定されています。

これはなぜかというと、その後に続く半音階の下降パッセージに飛び込む部分だからです。

この「ラドミ、ラドミ、レドシ…」から半音階で駆け降りてくるまでの一連のパッセージは曲のフィニッシュをドラマチックに盛り上げる所なので、絶対に迷ったりつまずいたりせず 一気に駆け抜けなければいけません。

そのために、あらかじめ周到な計画を立てて指づかいを決めているのです。

適当な指を使って弾いていると、まだゆっくり音取りの段階では弾けているように見えても、曲の本来のテンポで弾く時に 指が足りなかったり、不自然に切れてしまったり、必ず不備が露見します。

なので楽譜の指づかいは、一見やりにくいと感じても、意味があって書かれていることなので、がんばって弾くように。

それが結局は成功への道なんだからね。

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


お人形の夢と目覚め・重音のレガート🎵

2024年08月26日 | 音符・楽譜・テクニック

はなちゃん(小4):

今年の発表会で弾くことに決めたのは「お人形の夢と目覚め」です。

3つの小さな曲がつながってストーリーを形成している曲で、はなちゃんは、今 2曲目の「お人形の夢」に進んでいるんですが、先生から「最初の曲も忘れないように弾いておこう」と言われて、この間やった「子守歌」も弾いてみました。

右手のメロディーは、初めから終わりまで ずーっと3度の重音で弾くことになっていて、この「重音レガート」が命なんですが、YouTube動画などを見ると、けっこう適当な演奏も多い。

 たとえば、タイトル画像の楽譜🎵ソーファ ミーファ ソ〜〜ミ〜〜の 最後、「ソ〜〜ミ〜〜 」の部分。

赤のラインのように、メロディー「ソーミー」をレガートにしたいけど、最初の和音でアルトに「ミ」の音があるので、「ソミ」→「ミド」が途切れてしまいます。

さあ、どうするか?


{解答]この場合 ソプラノをレガートにすることを優先します。メロディーだから。

[手順]

1.「ソミ」の和音を弾く

2. アルトの「ミ」の音を、次の小節でもう一度弾く直前に一瞬放し、「ソ」の音だけを残しておく


3.「ミ」の音が残っていないので、ソプラノがレガートで「ミ」に移ることができる。それと同時にアルトの「ド」を弾く

これで、メロディーがきれいにレガートになった重音レガートが完成です。

↑のワザをはなちゃんに教えました。

「わかった?」

うん、とうなずいたはなちゃんは、もう一度最初から「子守歌」を弾きました。さっき習った弾き方をちゃんと使って。

そして驚いたことには、先へ弾き進めていって 新しい音列が出てきても、冒頭のような「重複した音のレガート」があったら、その都度ちゃんと「きれいなレガート」のやり方で弾いているのです。

「すごいすごい!全部きれいにできてるね!」先生から絶賛されて、はなちゃんは はにかんだようににっこりしました。

重音のレガート、これを使って弾いてるのとそうじゃないのとは、演奏のクオリティが大きく違っています。

はなちゃん、新しいワザを身につけたね!

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


 


勉強熱心、渚のアデリーヌ🎵

2024年08月24日 | 音符・楽譜・テクニック

小学生の新メンバー ひよこちゃんの次にやって来たのは、大人の新メンバー りらつくまさん(メンズ)です。

美しいピアノ曲が好きということなので、入門最初の曲はピアノの魅力満載の「渚のアデリーヌ」です。

「うわー、緊張するな〜〜〜」と震えながら、それでもたくさん練習してあって、ヤマ場となるBメロの部分まで予習を進めてきています。

すばらしい。

丁寧に、心を込めて弾いているのがよくわかります。

りらつくまさんは、それに加えて

とても勉強熱心で、楽譜に印刷されている記号や用語などを一つ一つ、質問します。

「これは何の印ですか?」と曲の最後を指さします。

「これはD.C.(ダ・カーポ)で、最初に戻ってもう一度弾く印です」

「え、最初に戻るんですね。なるほどー…じゃ、これは何ですか?→poco rit.」

「rit. はリタルダントの略で、だんだんゆっくり、ということ。ほら、省略の意味の . がついてる 」

「あ、ほんとだ。ポコって何ですか?」

「poco は少しずつ、って意味なので、この部分はだんだん、次第にゆっくりしていく、ってことになりますね。… あ、あと、ここにあるdolce 。ドルチェ、なんですけど」

「スイーツ!ですね?」

「そう、スイーツ!だから、甘く優しく、ふんわりと弾きましょう」

「なるほどねー それと、最後の和音の横についてる、うにょにょ〜となってる記号は…」

「これはアルペジオで、この4つの音を一度に弾かず、少しずつタイミングをずらして弾くんです」

「なるほどーアルペジオっていうんですね。そうかそうか…」

まるで10歳の子どもみたいに好奇心旺盛で、納得いくまで質問が止まらないりらつくまさん、こんだけ疑問が湧いてくるってことは、吸収しようという意欲いっぱい、ってことなので、上達も早いと思います!

来週は曲の最後まで弾けますね!

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS



小さい手カバー術 その3. 楽譜を修整する

2024年08月12日 | 音符・楽譜・テクニック

これまで、小さい手のカバー作戦として

  1. あきらめずに手を改造(改良)する努力を続ける
  2. 届かない距離はすばやく動いてカバーする 

と やってきましたが、あらゆる手段を尽くしていても、やっぱり どぉーしても無理…という曲はあります。というか、そういう曲の方が多い。ハイレベルの曲となるとね。

そこで今日は、3つ目の「最終兵器」を教えます。

ヒバリの最終兵器、それは「アレンジ」です。

「アレンジ」というと なんかジャズかポップスみたいに全然違うスタイルにしちゃうみたいに聞こえるかなーと思ったんで、上の↑タイトルには「楽譜を修整する」としておきました。 

クラシックの曲は、必ず一言一句すべて楽譜通りに演奏されてる、と思われるかもしれませんが、必ずしもそうばかりではありません。

オーケストラ曲でも、指揮者の意向や演奏効果の考慮などによって、部分的に楽譜と違った弾き方をする場合はあるのです。

さて、クラシックピアノ曲の場合、そしてヒバリの場合どうするのか。

方法はいくつかあります。

①「和音」を「アルペジオ」にして弾く

これは一番シンプルな方法で、同時につかめない和音の音をずらして弾く方法。それでもカバーし切れないぐらい広い和音の場合は、もう一つの手を上からクロスさせて補(おぎな)ったりもする。

②「替え手」や「替え指」を使う

 たとえば右手だけで広い和音を弾くべきところ、左手も合わせて 両手で一つの和音にする…とか、多声部が絡(から)み合ってる部分で、楽譜に指定されてる手と違う方の手、違う指を間に割り込ませて音を繋ぐ、とか。

つまりは右手も左手も、自分のパートだけじゃなくあっちを手伝ったりこっちを弾いたりして「兼任」するってこと。

③和音の音の並びを変える

転回パターンを変えたり、オープン(開離)ポジション→クローズド(密集)ポジションにしたり、記載の音を省いたり、逆に書いてない音を入れたり。

④「伴奏パターンを変える」

伴奏パートとかで そこまで目立たない部分であれば、いっぺんに弾く和音→リズムを持たせたパターン、とか大胆に変えてしまったりもする。この場合は 変えたことに気付かれず、なおかつ曲のイメージを広げることが可能な場合に限るので、センスと度胸が必要かな。

大体こんなことをあれこれ取り入れながら奮闘しています。

「手の届かない音に、なんとかして届かせる努力をする」って…つまりは「手の届かない(高嶺の花の)曲に手を届かせる」ってことだよね?

夢の実現のために、小さい手の人もがんばりましょう。

 HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


小さい手カバー術 その2.動きでカバーする

2024年08月11日 | 音符・楽譜・テクニック

「その1」で、小さい手を出来るだけ大きく拡がるように訓練することを書きました。

次なる2つ目の手段は「届かない距離は動きでカバーする」です。

背が高く足が長い人が2歩で歩ける距離でも、短足の人(私)は5歩、それも小走りじゃないと追いつかない!というのとおんなじ。

広い範囲の鍵盤を小さい手で縦横無尽(じゅうおうむじん)に制御するためには、大きな手の人の3割増しぐらいの速さで動いて、必要に応じて跳んだりはねたり、なおかつそのたびに素早くフォームを立て直し重心を保って、次のポジションへの移動、という瞬間をつないでいくことになります。

うわー、そんなにしなきゃならないなんて大変!と思うかもしれませんが、逆に そんなふうにすれば、小さい手だってダイナミックな曲も弾けるということなのです。

だから小さい手のみなさん、あきらめないで。

がんばって手の機動力とジャンプ力をみがきましょう!

「小さい手のカバー術」、明日はいよいよヒバリ先生の最終兵器を教えます。

To be continued…

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS



小さい手カバー術 その1.あきらめない

2024年08月10日 | 音符・楽譜・テクニック

ピアノは大人も子どももみんな同じサイズのものを弾くので、どうしても手の小さい人は不利ですよね。

ジャズやポピュラー曲なら、自分スタイルで弾けばいいので何ら問題ないんですが、困るのは楽譜通りに弾かなければならない「クラシックピアノ曲」です。(クラシックでも、オーケストラ曲ならアレンジでいかようにもできる)

私はというと 大人になって、しかもプロになって10年以上たつまでオクターブが弾けないままだったんです。

でも、あれこれ頑張って、今では大分小さな手の不利をカバー出来るようになってるかなと思うので、今日は「ヒバリ式・小さい手カバー術」の作戦と工夫を書いてみようと思います。

【ヒバリ式・小さい手カバー術】

その1. あきらめない

手は訓練すれば、かなり大きく拡がるようにできます。小さな手でも、人並み以上に拡がり かつ柔軟性が高ければ、一般の人の平均的スパンと同等まで、いや 普通を上回るスパンサイズも可能にできるのです。

大事なのは、「手が小さい」「だからあきらめる」んじゃなく、「手が小さい」「だから訓練する」という手段を取ること、それも出来るだけ早く…と経験から思います。

私は 手を拡げることに特化した訓練を始めるのが遅かったので、いつまでもオクターブが届かず 弾ける曲に制約ありまくりだったけど、もし小さい時から訓練を開始していたら、高校生くらいには…いや、せめて成人前までにはオクターブとかかっこいい曲がたくさん弾けるようになっていたかもなー などと思ったりするんでね…

みんなは早く気づいて、早く手を拡げるように訓練してください。

「ヒバリ式・チビ手カバー術」、明日に続きます。

To be continued…

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


手が小さくてオクターブが弾けない子🎵

2024年08月09日 | 音符・楽譜・テクニック
↑…って 誰あろう、ヒバリ先生のことです。

前の記事で「小さい時からピアノをやっている子は、背が伸びてオクターブが届くようになった時とても嬉しい」と書きました。

私ヒバリ先生も、周りの上級生とかを見て「今に私も、あんな風に楽々オクターブが届く手になるんだなー」と楽しみにしていたけど、そんな日はいつまで経っても訪れず、身体の割に手が小さく、そしてまたその身体が 高校生になっても小学生と間違えられるようなヒバリだったので、オクターブなんかは夢の世界でした。

ヒバリ自身は ベートーヴェンとかのドラマチック&ダイナミックな曲が弾いてみたかったのですが、ピアノの先生からはいつまで経っても「ヒバリちゃんは手が小さいから無理ね」と、そんな曲は弾かせてもらえず、ソナタとかを弾く時は、オクターブ譜面でも単音で弾くのが当たり前でした。

私がオクターブに手が届くようになったのは、なんとプロになってから!

それも、プロ生活10年以上たってから!! 

手が小さいため自然には届かないことがわかったので、柔軟と訓練でなんとか弾けるようになりつつある(未だ発展途上)


こんなヒバリ先生ですが、さまざまな知恵と工夫を重ねて、なんとかオクターブまみれの曲も弾いています。

そのノウハウについては、また次回ね

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


ハイドンソナタ、ニ声部の弾き分け🎵

2024年08月01日 | 音符・楽譜・テクニック
ミスウォーリーちゃん(大学生):

高校3年生の発表会を最後に ヒバリ教室を「卒業」したミスウォーリーちゃんですが、その後も「特待生」として発表会などのイベントには参加してくれています。

今年も12月の発表会に出演すると決めたので、6月から月に1回教室に来て、演奏曲をレッスンし始めました。

今日は3回目のレッスンですが、ちゃんと自力で曲の最後まで練習してあり、ほとんど暗譜もできている!さすが10年在籍した特待生だ。

曲はハイドンの「ピアノソナタホ短調」第一楽章です。

大方は弾けてるんだけど、ただ一つ、途中の「ある部分」がとても難しいです。

今日はほとんど、その部分にかかりきりとなりました。

右手がニ声部から成り、2つのメロディーが絡み合ったパッセージとなっています。



譜例を見てください。ソプラノ(赤いライン)とアルト(青いライン)が 2つの旋律としてきれいに並走しています。

曲の中に このパターンがいくつか出てくるのですが、例を挙げると譜例②、ソプラノがラーソーファーミーレードーシーと音階的に流れ、その半拍遅れでアルトがミーレードーシーラーソーと流れます。

ところが、譜面をいい加減に見て弾くとソプラノとアルトが一緒くたになって、ソミー、ファレー、ミドー… と、全然違うメロディーができてしまうのです。

そうならないように、並行する二つの旋律をソプラノはソプラノ、アルトはアルト、あたかもそれぞれ別の人が歌ってるかのように、あるいは別の楽器が演奏してるかのように弾き分けなければいけません。

それも、同じ自分の右手一本で。

これだけでも頭クラクラなのに、さらにもう1本(部分によっては2本)、左手のテノールとバスが加わった日にゃ😵‍💫

この部分をマスターするのには、指づかいを考え、弾き方を工夫し、時間をかけて丁寧にやっていかないと。

ミスウォーリーちゃん、12月までまだたくさん時間があるから大丈夫。

がんばろう

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


カウンターメロディーとオブリガート どう違うの?

2024年08月01日 | 音符・楽譜・テクニック

昨日〜今日と「カウンターメロディー」のお話をしました。

「カウンターメロディー」って何?と思う人も多いと思います。

「オブリガート」とどう違うの?と思う人もいる?

おっ、けっこう音楽に明るい人ですね?

「カウンターメロディー」も「オブリガート」も、意味は『楽曲本来のメロディーに対して もう一つの違うメロディーを添える』ことです。

旋律に対する旋律、ってことで、どちらも日本語に直すと「対旋律」と呼ばれます。

両者の違いは?

カウンターメロディーは英語。

オブリガートはイタリア語。

なーんだ、それだけ?

まあ、そんなもの。

そこから考えると、カウンターメロディーという言葉はジャズやポピュラー曲で使い、オブリガートという言葉はクラシック系の音楽で使うことが多いかな。

クラシックの先生はカウンターメロディーとは言わないかも(ヒバリ先生は言うけど)

英語&ジャズ・ポピュラー、対してイタリア語&クラシック・セミクラシック…という背景から、なんとなく作られるメロディーも「カウンター」と「オブリガート」とで ちょっと雰囲気やニュアンス違ったりはあるかもしれないですね。

カウンターメロディーがジャズっぽい、あるいは軽音楽っぽい旋律が多かったり、オブリガートがクラシカルな流れだったりすることが多いかもしれないのは、両者の「出身畑」の違いによるんじゃないかなあ、と私は思っています。

「メロディーより低い音域を使ってるのがカウンターメロディー、メロディーより高い音域で作られるのがオブリガート」という論説もありますが、絶対ではない。かといって間違ってもいない。

さっき言った「軽音楽スタイル」「クラシックスタイル」の背景で作ると、なんとなくそうなる場合が多いのかな、と言う程度。

ま、同じようなもの、と思って大丈夫ですよー

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


「君の瞳に恋してる」でカウンターメロディー🎵

2024年08月01日 | 音符・楽譜・テクニック

昨日のブログで、ひまわりちゃんの「フレンド・ライク・ミー」にカウンターメロディーをつけた記事を書きました。

今日も同じくカウンターメロディーのお話、生徒はクル子さん(大人・ピアノ2年目)です。

曲は「君の瞳に恋してる」。

この曲にも、お決まりのカウンターメロディーがあるんですよ。

聴けばきっとわかる。

実はクル子さん、去年の発表会の時にこの曲を経験済みなのですが、そのときはまだ初心者、そして合奏だったこともあり、カウンターメロディーは弾きませんでした。

でも今回は1人で弾くんだし、それにクル子さん自身 去年より上達してるんですから、ここでちょっとがんばってカウンターメロディーを使ってみることに🎵

曲の冒頭、コーラスで始まるAメロの部分…

去年の楽譜ではCだけが続いていたところに、C、CM7、C7、とネームを書き加えていきます。

「わかる!Cの上にシやシ♭をつけていけばいいのね?」

「そのとおり〜」

クル子さんはコードもレッスンしているので、付加音も使えるようになってきたのです。

弾いてみたら…

和音の一番上にドーシーシ♭-と半音階のメロディーができ、続くF、Fm…と繋げていくと、ほーら、きれいにカウンターメロディーができた!

「こういう風に使うのね!」

クル子さんはびっくりしたように

「ああ面白かった-!」と言いながら帰っていきました。

ただコードを弾くだけじゃなくカウンターメロディーをつけると、曲がぐっとおしゃれになるので、みんながだんだんカウンターメロディーを作れるようになるといいな。

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


「フレンド・ライク・ミー」でカウンターメロディー🎵

2024年07月31日 | 音符・楽譜・テクニック

ひまわりちゃん(中3):

受験生の夏ですが、レッスンは休まず通っています。

12月の発表会に弾く曲は 早いうちに仕上げてキープしてあるので、今は練習があまり負担にならない「コードによるアレンジ」を楽しんでいます。

今日は、ディズニーミュージカル「アラジン」から「フレンド・ライク・ミー」。

ひまわりちゃんは、もうコードネームを見て弾くことはかなりできるので、今日初めて、ちょっと高度なアレンジテクニック「カウンターメロディー」を伝授しました。

日本語では「対旋律」と訳されるカウンターメロディー、つまりメロディーに対してもう一つ、別のメロディーを添えることです。

「フレンド・ライク・ミー」では、Aメロの最後「ご注文をどうぞ、お気に召すまま」というところで

F-F7-B♭-B♭m-F -A7- Dm

と連なるコードを、展開形を選んでうまく繋いでいくと… ほうら、メロディーとは別にもう一つのメロディーが浮き上がってくる。

今回は、わかりやすく、左手のベースラインにそのメロディーを配置するようにアドバイスしました。

上図の楽譜、赤い丸でつないだ半音階的なメロディーが「カウンターメロディー」ですよ!

コードネームを書いたらややこしくなっちゃいましたが、楽譜を見て弾いてみてね。

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


急速テンポのタランテラをきれいに弾くコツ🎵

2024年06月19日 | 音符・楽譜・テクニック

ゴマちゃん(中1):

12月の発表会で弾く「タランテラ」(ヘラー)を練習しています。

「タランテラ」という曲は いろんな作曲家が作っているので 何曲もあるんですが、みんなの一番身近なのはブルグミュラーのタランテラでしょうか。

春頃ゴマちゃんがテキストでその曲を練習していた時、とっても上手に細かい音列を弾いていたのに気づいた先生が「こういうのすごく上手だねえ!発表会で弾くのどう?『タランテラ』!」と提案したのです。

「タランテラ」というのは 曲のスタイルの名前で、三連符スタイルのパッセージを急速テンポで弾くのが特徴です。

この、ヘラーのタランテラにも三連符の連続が出てきますが、これをきれいに弾くコツを。

 

① 音を3つずつ、3つずつにフレーズ化し、それぞれのフレーズを1回のストロークで弾く

②その時の指使いは123、123、(下降の時は321、321 )と3つの指で素早く置き換えながら弾く

手首の弾力をうまく使って、フレーズの最初の音で重みをかけ、3つ目の音で手首を持ち上げながら重みを抜き切ると軽やかに弾けます。

「タランテラ」の由来や本場イタリアのタランテラについては、前にも記事にしているので読んでみてください。(けっこうびっくりなので)

本場「タランテラ」ダンス、驚きの元歌 - HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

 

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS