HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

じょうずなんだよ

2010年09月29日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(年長):
M4ちゃんと同じ保育園の「おひさまぐみ」です。
「きょう、がんばるよ!いっぱいひく!」と言ってピアノの前に座ったNちゃんですが・・・
弾いているうちに、「じゃ今度は、両手で弾いてみよう」といったような 少しバージョンアップした課題を出されると、悲しそうに目を伏せて「できない」と言ってしまいます。
できないことないんだけど・・・ それでいて、
「右手はここ。左手はここよ」と確認してあげようとすると、
「だいじょうぶ!」と振り切ろうとします。
そうか・・・
何となく、状況がわかるような気がしたので、少しピアノから目を離し、Nちゃんと向かい合って「お手合わせ遊び」風のことをやってみました。
向かい合った手で、右手(先生は左手になる)は歌のリズム、左手は伴奏のリズムをたたきます。
「ほら、こうやってたたくのよ」
Nちゃんは嬉しそうに、ニコッと笑って乗ってきました。しめしめ。
最初のうちは、先生が、うまくいくようにリードしていたけど、何度かやっているうちに、Nちゃんがちゃんと打ち返してきているのが感じられました。
「今度は、先生じっとしてるから、Nちゃんだけでやってみて」
できた!じょうずに、左右ちがうリズムを同時に打つことができています。
これができれば、伴奏をつけて弾くことも楽々できるのです。
ピアノのテキストは、ひととおり両手で通してから、「おうちでも弾いてみてね」ということにしました。
Nちゃんにも、音符の長さぶんの色を塗るプリントを与えてみました。
Nちゃんのは、丸ではなく□を塗るものにしました。
色エンピツを手にしたNちゃんは、ひとつひとつの□を、何種類もの色を塗り分けて、とてもきれいなパステルカラーで彩りました。
楽しそうに、「ここはオレンジ・・・つぎは肌色!肌色まぜると、色がうすくなってきれいなの。ほらね」などとつぶやきながら。

Nちゃん・・・小さいながらも、心の中には、いろんな思いがあふれてるんだなあ。
上手に弾きたい! という気持ち、だけど自分には弾けないと思う。。。
他の人の弾いているのを見たりしても、自分はダメだ、と思ってしまったり。
それでいて、赤ちゃんみたいに手取り足取り世話してもらうのはイヤ!という誇り高いプライド。
ほんとは、Nちゃんが思い切ってがんばってみれば、すぐに弾けるんだし、Nちゃんのピアノは とてもなめらかないい音が出せてるんだけど、Nちゃんがそれに気づいていないとだめなんだ。
このようなデリケートな心の起伏、そして美しいノートの色遣いなどが、Nちゃんは人一倍、ピアノが上手になるタイプだということを物語っています。
今はまだ幼いので、自分の体を自分で思うようにコントロールできないもどかしさがあるのでしょう。
Nちゃん、自信もって。今のNちゃんで、充分上手なんだよ。

音符がふえたよ♪

2010年09月29日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(年長):
「ピアノでうたを」の本に入り、両手奏をするようになりました。
最初のうちは、右手のメロディーと まったく同じリズムで、左手のソの音を弾くスタイルでしたが、今日の「そよかぜ」の曲では 左手が2分音符できざむようになっています。
おうちでたくさん練習してきたらしく、「1、2、1、2、1、2、3、うん!」と 大きな声で数えながら 一生懸命に弾いているのがカワイイです。(^○^)
これまでの曲で、四分音符、二分音符、付点二分音符、全音符と 4種類を使うようになったので、それぞれの音価の長さを確認するよう、手作りのドリルをやってみました。

4種類の音符と、その横に丸が並んでいて、音符の長さ分だけ、丸に色を塗ろう、という課題です。
例えば四分音符なら1つ、二分音符なら2つ、というふうに。
まだ保育園の、小さいM4ちゃんだけど、ちゃんと間違えずに、正しい数の丸を塗ることができました。
これだけしっかり理解してれば、大丈夫だ。

帰り際に、「M4ちゃん、じょうずにできたね」と言うと、
「だって来年は、1年生ですもの。オホホ」みたいなニュアンスで、ひょーきんな返事をしてきたのは笑える。\(^O^)/

二拍三連のチャンピオン

2010年09月29日 | 音符・楽譜・テクニック
Hさん:
来月は たびたび旅行で留守にするため ピアノの練習ができないとのことなので、10月はお休みということにしました。
今日が9月の最終レッスンとなるので、お休みしている間 時間があったときに一人で練習できるよう、課題とポイントの確認をしました。
バロックの曲集も、そしてもう一つの「メイン曲」の方も、新しい曲へと進んだところなので、わからない所があったり 譜読みを間違っていたりしたら、1ヶ月間レッスンがないので困ってしまいますから・・・

バロックの曲が好きで、バッハの曲集などもたくさん経験しているHさんは、新しい曲のポイントも ちゃんととらえて弾けていました。
もう、バロックの決まり事や、装飾音、独特のタッチなども、いちいち言わなくてもちゃんと表現してくれます。
これなら、1ヶ月一人でも大丈夫!(^_^)v

また、新しい課題となった ソナチネアルバムの「ロンド」。
この曲は、途中で、あの みんなが恐れる「二拍三連」が使われています。
右手が8分音符でメロディーを刻むのに対し、左手の伴奏は三連符の連続。
この、「2分割」と「3分割」の譜割りを正確に合わせるのは難しく、みんながとても苦労するのです。
ところが! Hさんはなんと、この「二拍三連」の名手なのです!
いつだったか「白鳥の湖・情景」を弾いたときに、その隠れた特技が発覚したのでした。
誰もがなかなか弾けず、テンポがのびたり縮んだり、両手が合わなかったりする「二拍三連」の連続を、Hさんはぴたりぴたりと決めていったのでした。

そして今回も・・・
Hさんは その正確な二拍三連奏法で、いつかの「二拍三連の名手」説を裏付けたのでした。
\(^O^)/これで決まった! Hさんは「二拍三連」のチャンピオンだ!!

大人のピアノ・Sさんご夫妻

2010年09月29日 | レッスン日記(小中高生)
今日は、月に1度のSさんご夫妻のレッスンでした。
Sさんとは、ずいぶん古いおつき合いです。
一番下のお嬢ちゃん、Wちゃんが「6才の6月6日から」といってピアノに来るようになってからずっとで、そのWちゃんも、すでに何年も前に結婚して 遠くの街に住んでいるのですから・・・
Wちゃんが大学生になった頃でしょうか、弾かなくなったピアノを、お父さんとお母さんが弾いてみようということになりました。

それから、月1回のペースで、お二人でのピアノレッスンが始まりました。
「なかなか練習ができなくて・・・」と恐縮しながらも、楽しんで ゆっくりのペースでレッスンを続けています。
お二人仲良くソファーでお茶などしてから、交代にピアノの前に座って、それぞれが選んだ、好きな曲を弾くのですが、今、ご主人が練習しているのは、ジブリのアニメ「ハウルの動く城」の主題歌、「人生のメリーゴーラウンド」。
そして奥さまの方は、多分'60年代のフランス映画だと思いますが、「天と地の間に」という映画の主題曲です。
どちらも、しみじみと味わい深い、心にしみこむような曲・・・
お二人の選曲センスは、いつもとてもシックですてきなのです。
やさしいアレンジで、ポツポツと弾いているお二人ですが、その演奏には、なんというか誰にも真似できないような深み、人生の機微(きび)、みたいなものがあふれていて、思わず聴き入ってしまうこともしばしば。
私などには、とうていこんな味わいは出せない・・・と感心するので、そのことを伝えると、「まあ、とんでもない!」とびっくりされるご夫妻ですが、これは、お世辞でもなんでもない、正直な感想なのですよ、Sさん。

プロのピアニストの演奏も もちろんすばらしいに決まっているし、ハイレベルな上級者のテクニックもすごいでしょう。
けれど、小さい子どもがたどたどしく弾くピアノにも、そして熟年の大人の人が弾くピアノにも、みんな、他の人には真似できない、その人だけの味わいがあふれている。
そのことを、Sさんのピアノを通じて いつも感じています。

私にとっても楽しい、Sさんご夫妻のレッスンの時間。
これからも、ずっといつまでも、Sさんのピアノを聴きたいと思っています。

よく練習してるね

2010年09月28日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小6):
「今日は、『YELL』からやりたい。」
来月の、大人のコンサート「チャティー・ハロウィーンコンサート」に M3ちゃんとのデュエット「YELL」で出演することになったMちゃん。
「YELL」は大好きな曲で、夏に子どもクラスの発表会で弾くと自分たちで決め、練習を始めたときも、早いうちからマスターし、暗譜して、当日は大変高い完成度で演奏したMちゃんでした。
今回、大人のコンサートにもこれを弾く、ということになって、先週あたりから少しずつ、二人のアンサンブルを思い出して練習を始めていたのです。

先週は、相方のM3ちゃんが「楽譜もってきてない」ということで 簡単に弾いただけでした。
今日は?
「今日も楽譜ない・・・」M3ちゃんが恐縮しながら言いました。
「しょうがないねえ・・・じゃMちゃん、楽譜貸してあげてくれる? Mちゃんは楽譜見なくていいんでしょ」と先生が聞くと、
「うん、楽譜見ないからいいよ」と、Mちゃんは楽譜を渡してくれました。

Mちゃんのピアノ、M3ちゃんはキーボードで 久しぶりに合わせてみたのですが、Mちゃんのピアノは 夏に弾いたときよりも一層なめらかで、余裕が出ているのでした。
ずいぶん大人の弾き方ができるようになったなあ・・・と思います。

ブルクミュラー「清らかな流れ」、前半はよく練習できて、言うことナシでした。
「後半がむずかしいんだ」と言いながらも、ほとんど完成に近いくらいまで出来ていたので、何度かパート練習をして、最後は前半・後半通して完成させることができました。
来週は「優美」に入ります。

バーナムは、D7、G7、C7、F、のコードを、両手揃えて4オクターブ分弾くというもので、自信持ってしっかり叩けば あのチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲B♭」にも似たダイナミックな曲になるのです。
Mちゃんも、去年ぐらいまでは 4つの音の和音をつかむのに相当時間がかかったり、弱々しい音しか出なかったりだったのですが、今日は堂々たる響きとテンポで、この広い範囲のコード奏を奏でています。
大人っぽく、うまくなったもんだ・・・

M3ちゃん大熱演

2010年09月28日 | レッスン日記(小中高生)
先週、「大人のピアノ教本2」の課題を 片っ端から弾いてたM3ちゃん(小6)。
今日は、それらの曲をまとめ上げていく宿題でした。
「光と闇の踊り」、「ダイアナ」、「くまんばちのブギ」と、アップテンポの大曲ばかりを バシバシ決めていきます。
それぞれの曲に、「スタッカートを鋭く」とか「テンポ落ちないように」」とか「指使いを正しく」とかアドバイスしながら、どの曲も見事に弾きおおせることができました。
「これが一番難しかったんだ」とM3ちゃんが言うのは「太陽がいっぱい」。
確かに・・・「おとなのための」というだけあって、これは大人の中でも超大御所、という年齢の人しか、リアルタイムでは知らないであろう 往年の映画の主題歌です。
確かアラン・ドロンのデビュー作だったのでは・・・
先週、映画の内容とラストシーンの「太陽がいっぱいだ・・・」の名セリフについて説明はしておいたのですが、この曲、このストーリーを理解するのは、11才のM3ちゃんには無理であろう。
・・・と思っていたが、彼女の弾くメロディーはくっきりと、左手のアルペジオは柔らかく、ちゃんとムーディーに弾けているではないか?
左手のコードが次々変化するので、それを捕らえていくのが難しいため、ともすると弱気になりそうだけど、少し部分練習をして 弱点をカバーしたあとは・・
充分感じてる! この切ないメロディーと和声を持った「太陽がいっぱい」の雰囲気を、ちゃーんと心で受け止めて弾いてる! 
とても大人っぽく 色香さえ感じられる、驚くようなM3ちゃんの演奏でした。

自分で「精神年齢、5才だから」と言ってるM3ちゃんだけど、心の中には 大変大人っぽい美的感性という一面も持っているのだ。

自己採点

2010年09月28日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
名誉ある「ウォーリー1号」のTちゃん。今日こそ「ひいてうたって」持ってきた?
「うん、今日はもってきた。あと、この本の中から、なんかやりたいと思って、これももってきた」
Tちゃんも、カバンから 夏のコンサートの時にも使った「メドレー曲集」を出しました。
おかあさんの心遣いを感じます

「じゃ、まずは『バーナム』、それから『ひいてうたって』を仕上げようね」
最初はオレンジのバーナム。
ルーレットを回して、出た数字の番号の課題を弾いていきます。
今日のTちゃんの番号は「3」でした。
くり返し弾いているオレンジの本の課題は、ルーレットで当たるたびに早いテンポでしっかり弾けるようになっていっています。
Tちゃんの良いところは、楽譜をしっかり見ていること。
手元はほとんど見ず、目を楽譜にしっかりと向けたまま 弾き進めていくので、いい加減なことにならないのです。
次に、現在のレベルの、ピンクのバーナム。
11番の「難問題」という音階の課題を、来週 さらに高い完成度で弾いてくるように、という宿題になりました。
 
2回続けて本を忘れてきて、久々の演奏となった「星空はいつも」は、なんか気が抜けてしまったようで、ポロポロミスが目立ちます。
最近、弾いてなかったことが丸わかりです。
どうひいき目に見ても「弾けている」とは言えません。
「ダメじゃない!間違いだらけだから不合格!」と言うのは簡単だけど、「叱られた」という印象が シビアな判定と反省を上回る結果になるのは 効果的とは言えない。
ここはひとつ、本人自身で引導を渡してもらうことにしよう。
「Tちゃん・・・これ、100点満点とすると、今の出来映えは何点ぐらいだと思う?」
「うーん・・・60点ぐらいかな・・・」
「60点・・・そうか。60点じゃ、合格はできないよねえ」
「うん・・・」
「せめて、80・・・85点ぐらいは取らないとダメなんじゃない? だってさ、ほんとは100点で合格なんだからさ。 おまけで合格としても、せめて、80点はとってないと。 60点じゃ~不合格でしょう」
「うん・・・そうだね」
「来週、80点とれるように弾いておいで。そうしたら、『トトロ』の出てたメドレー集の曲が練習できるよ。この曲が終わらないと、メドレーの本はやれないよ」
「はい」
自ら採点した「60点」。
Tちゃん、来週は 合格点の曲を聴かせてね。楽しみに待ってるよ。

頼もしいおにいちゃん

2010年09月28日 | レッスン日記(小中高生)
「こんにちはー」と、ウォーリーズのT&Tきょうだいがやってきました。
「今日は早く着いたね! たったの1分遅れだ」
「そう?今ね、アクシデントがあったんだけど」と妹のTちゃん。
えっ? 自転車で転んだか何かしたのか?
「あたしの自転車のチェーンが外れちゃったの。それで、おにいちゃんが直してくれたの」
えっ、すごいじゃん、Tくん!
「前におとうさんがやってるの、見たことあるし。簡単だよ」
「へー、すごいな~。Tくん、今に、バイク屋さんとか車屋さんになれば?」
「そうかな」
Tくんは涼しい顔です。

「今日ね、この本もってきたんだ。いろんな曲がのってる」
Tくんが出したのは、最近のJ-POPとかが簡単にアレンジされてる曲集です。
おかあさんが買ってくれたのかな? ありがとうございます。
妹のTちゃんがトイレに行ったので、Tくんが先にレッスンすることになりました。
「どれかやろうよ。どれがいいの?」
曲集の中から、「『ひまわり』が好き」というので、遊助(上地雄輔)さんの「ひまわり」を練習しよう、ということにしました。
メロディーのフィーリングは大体わかっているので、楽譜にコードネームを書き込んであげて、Aメロの部分をコードのルートをつけながら弾いてくることにしました。
妹のTちゃんが、いつも「英語だらけ!」と表現する、かっこいいコード譜です。

さて、レッスンが終わりTちゃんと交代すると、今度はTくんがトイレへ行きました。
少ししてトイレから出てきたTくんは、
「はいっ、トイレットペーパーの芯!」と、芯を手渡してくれました。
あらら・・・ペーパー足りたのかな・・・
でも心配は無用でした。
「どっかに新しいペーパーないかな、と思って探してみたら、壁にドアがあってペーパーが入ってたから、取り替えといた
まあ、何て気の利く子なんでしょう o(^o^)o

そして、二人のレッスンが終わったあと、先生が先日行って来たリンゴ狩りのおみやげのクッキーを それぞれに手渡してあげると、Tちゃんに
「ちゃんと『ありがとうございます』って言えよ!」と しっかり指示しているのです。
なんて頼もしいおにいちゃん
Tちゃん・・・このおにいちゃんがついてれば、怖いもんナシだね・・・

1年たちました

2010年09月27日 | レッスン日記(小中高生)
「きょうね、ぜんぶ一人で来たの!」
Sちゃん(小1)が、息を弾ませながらやってきました。
「えっ、家から全部?」
「そう! 家からぜんぶ一人で来たの!」
「うわ~、すごいねえ。踏切、渡るんでしょ?」
「うん、でも平気だった!」
Sちゃんの顔は、自信にあふれて輝いています。

今日で、Sちゃんがヒバリ教室に入門してから、丸1年になります。
1年前、ママが
「ちゃんとやっていけるんでしょうか・・・」
と心配していた、見るもの聞くものすべてに驚いて、目をまん丸に見開いていた 幼稚園生のSちゃん。
1年たった今は、指づかいも音符読みもいっぱい身につけた小学生になりました。
先生がちょっとふざけたりしても、去年はたちまち罠にはまって「えーっ」と驚いていたのに、今では「うふふ・・・」と冗談を一緒に楽しむ余裕です。

「バーナム」の小さな音符のテキストも、楽しんでやっています。
今日は「はしごをのぼろう」「はしごをおりよう」「かえるのようにジャンプしよう」の楽譜を理解し、上手に弾けるようになりました。
その次の課題「片手でぶら下がろう」という、1の指を保持したまま5の指をタン、タン、タン、タン、と叩く課題は、右手はなんとかできましたが 左手はどうしても、5の指の動きに1の指がつられて、鍵盤から離れてしまいます。
「あ~、はなれちゃう!」
Sちゃんは、左手の1の指が離れないよう、右手で鍵盤にしっかり押さえつけて弾きました。
「そうだ、そうすれば、左手はなれないで弾けるねえ。・・・でも、次は『両手でぶら下がろう』だよ?どうする?右手も一緒に弾かなきゃいけないから、押さえてられないねえ・・・」と先生。
「うーん・・・がんばればできると思う」
Sちゃんはいっしょうけんめい、やってみています。
こうしてやっているうちに、左手も、1の指を保持できる時間が 少しずつ長くなってきました。
「じゃ、来週まで、上手にできるように練習してきてね」
「はい!」
「そうだ、出席カード、来週からは新しいのにしなきゃね」
先生は、新しい出席カードをあげました。
「お月謝袋も、新しいのあげなきゃね。どれがいい?」
ピンクのや、音符模様や、猫の模様や、みつばちの模様など、たくさんあるお月謝袋の中から、Sちゃんが「これ!」と選んだのは・・・
落ち着いたブルーの、音符模様の袋でした。
「おおっ、大人っぽいね~」
「やっぱりこれでしょ!大人っぽい」
Sちゃんは嬉しそうに笑いました。
1年たって、すごい成長したな~、と思うSちゃんです。

ハモプリ合宿前のチェック

2010年09月25日 | レッスン日記(小中高生)
美人ジャズコーラスユニット「ハモカミ・プリンセス」略してハモ☆プリ。
10月に発表会「チャティー・ハロウィーンコンサート」を控え、そしてそのための「自主練合宿」を さらに1週間前に控え、今日は合宿前の最終レッスンです。

歌は「クロース・トゥ・ユー(遙かなる影)」と「オー・プリティー・ウーマン」の2曲です。
去年、初めて本番でマイクを使って歌い、いまいちうまく使えなかったので、今年は今からマイクを使っての練習をしています。
マイクを通しての自分の声に、慣れておかないとね。
 
ひととおり練習した後は、清里で行う合宿の打ち合わせです。
といっても、お昼頃到着したら どこでランチをするか、何をして遊ぶか、夜は全員同じ部屋で眠れるようにペンションに頼まなきゃ、といった打ち合わせばかりで、歌の練習の打ち合わせは一切ありません。

このハモプリのコンセプトが、コンサート当日はいかんなく発揮され、危うい歌と充実したフレンドシップがステージを彩ることとなります。
お楽しみに。

おみみM3ちゃん

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
先週、去年のハロウィンの時にお菓子が入っていた空き箱を「ほしい」というので あげたら、今日、その中にホットケーキを作って入れて持ってきました。
Mちゃんと二人で、箱の中のホットケーキをちぎって食べて「もっさりしてる!」と言っています。
「もっさりしてるよ。先生も食べてみればわかるよ」というので、味見させてもらったけど、これはね、温めて、バターとシロップかければ、ちゃんとしっとりしたホットケーキだよ。
このように、食いしん坊でゆかいなM3ちゃんなんですが、このところ彼女のピアノはすばらしい進歩を見せている。

テキストの「大人のピアノ曲集」を開く間もなく、M3ちゃんは「これ弾いてみた」と、一番終わりから2番目の曲「ダイアナ」を弾き始めました。
「宿題の『茶色の小びん』が簡単だったから」
「余力で弾いてみたんだ?」
「うん」
前にMちゃんが弾いているのを聞いていたからでしょうか、よくフィーリングをつかんで、いいノリで弾けている!
そう、M3ちゃんはかなりの「おみみちゃん」なのです。
 ※「おみみちゃん」については、HP「ピアノのすすめ・POCO A POCO通信」の「音楽のツボ」にコラムがあるので読んでください。
おみみちゃんの良いところは、楽譜にとらわれない、ごきげんなノリとフィーリングの演奏ができることです。
「ダイアナ」のポイントを指導し、来週仕上げてくるように、と、これが正式な課題に昇格しました。
「これも弾ける」
次にM3ちゃんが弾いたのは、一番最後の曲「くまんばちのブギ」だ!
半音階の連続のこの曲も、あっさり「来週仕上げ」の宿題に加わりました。
「あと、これもいいな」
「光りと闇の踊り」。これも上手に弾けています。
宿題の「茶色の小びん」はもちろん一発でOK。
先週終わった「黒い瞳」は、とても情熱的に美しくレベルアップしています。
「M3ちゃん!すごいよ。これじゃ、すぐにこの本終わっちゃうじゃない!そうだ、来週で9月が終わりだから、9月中に全部終わらせちゃう?」
「あ、ほんとだ。もう残り少ししかない」
「ねーっ?もうどんどんできちゃうんだから、いくらでもたくさんやっておいで」
2年前、M3ちゃんが初めてヒバリ教室にきたとき、私は 彼女のピアノのレベルと、持っている音楽性との間に、何か違和感を感じていました。
そのころのM3ちゃんのピアノは、どうもパッとしないし音符はよく読めないし・・・という状態だったのにもかかわらず、本当のM3ちゃんは こんなんじゃない。という匂いみたいなものを、いつも感じていました。
それがどうでしょう。6年生になった今は、彼女本来の音楽性があふれるようにわき出していて、自由にのびのびとピアノを弾きこなしています。
音楽が好き!ということが、体中から発散しているような彼女のピアノ。
よしっ、これで軌道に乗ったな という手応えを感じます。
これから、彼女の本当の音楽ライフが広がっていくといいな~

Mちゃんの楽典

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小6):
毎週レッスン室に入ると マンガの本棚に直行し、即行読書に没頭しているMちゃんですが。
ピアノはよく練習してきていて、感心です。
ブルクミュラーの「進歩」が終わって、新しく「清らかな流れ」が宿題、ということになっていたのですが、ピアノの前に座ると、言われもしないのに「進歩」を暗譜で弾き始めました。
「うわー、すごい。暗譜したんだ」と感心しながら見ていると、最後まで弾き終わったMちゃんは
「わーい、やったー。暗譜で弾けた!\(^O^)/」と喜んでいます。
「暗譜で仕上げてきなさい」と宿題に出されたわけではなく、丸になった曲にもかかわらず その後さらに自分で何度も弾き込んだからこそ、暗譜したのでしょう。
自分から弾いている、という点が、何よりすごいところです。
新課題になっていた「清らかな流れ」も、前半まではほとんどもう覚えているようでした。
後半を 右手・左手別々にパート練習すると、ほぼ全部が覚えられたようです。
Mちゃんは、音楽を感じて取り込むのがとても早いし、ごく自然に覚えています。
音楽には、いちいち説明するととてもやっかいなきまりごとみたいなものがあります。
文章で言えば「文法」みたいなもので、楽曲を構成している小節の数とか、和音の性質や並び方とか・・・
Mちゃんは、無意識に その規則を理解していて、それにのっとって音楽を捕らえているのだと思います。
多分、本人にそう言うと、
「えっ、そんなこと、私ちっとも知らないよ」と言うでしょう。
文法みたいな・・音楽では「楽典」「楽式」というのですが・・・それは、分厚い本で勉強して、「こう書いてあるからこの記号をまもりましょう」などというのでは逆だと思います。
Mちゃんみたいに、無意識のうちに「なぜだかわからないけど、この流れがこうなってると思った」と感じて演奏したら、それが楽式の正当なスタイルだった、というようなのが理想の姿であるべきだと思っています。

おにいちゃんの場合

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小5):
今日、Tくんは 学校からコンサートを聴きに行ったとのことで、少し遅れてやってきました。
小学生のうちから、一流の演奏会を聴くのはとてもいいことですね。
なにも「クラシックに親しんで」とか「高尚な芸術を知ってもらいたい」とかではなく、ただただ音楽を楽しんだら それでいいのです。
静かな音楽にリラックスしたり、生き生きしたテンポの音楽に高揚したり、それで充分なのですから。
どうも日本人は、なんでも「お勉強」にしてしまう特性がありがちですが、音楽は純粋に楽しみ、体で感じればいい。
「これ聴くと踊っちゃう」「この曲聴くとゴハンがおいしい」これでいいのです。
Tくんが 今日の演奏会をどう感じたかは聞くの忘れましたが・・・

ところで、妹のTちゃんが「控えめである」「自信がない」ということを、「妹だからかもしれない」と分析しましたが、おにいちゃんのTくんの場合はどうでしょうか。
Tくんの場合、男の子ということもあり さすがに冒険心は旺盛です。
Tくんは、いろんな意味で とっても「男」!
いさましく、勇気あり、力強く、心は熱く、しかも優しい。
一方、プライド高く、一本気(つまり おだてに弱く、単純ということ)。

こんなTくんを新しい課題に臨ませるときには「この曲、かっこいいよ」「どう?この迫力!」と かっこよさをアピールすれば充分です。
「すごいでしょ!それなのに実は簡単」と、ちょっぴり安心させてあげれば、もう彼の心は私の手の内。
男の子の特徴「プライド高い」と「単純」を交互に利用してレッスンしていけばOKです。
妹のTちゃんと二人で来ているので、できるだけ妹の前で恥をかかせないように、ということもポイントです。
注意事項やダメなところは伝えつつも、おにいちゃんの尊厳は守る、という方法でレッスンを進めています。

しかしTちゃん同様、彼もまた 成長するにつれて、自分の実力や可能性、ほかの人との関係などを 徐々に認識するようになっていくでしょう。
実は妹が、そーんなに幼くはないんだ・・・ということも、いつか気づくかもしれない。
チンタラしてる間に、真面目に努力してきた妹が、自分の弾けないような曲を弾いちゃう日も 近々来るでしょう。
でも、そんな時に男の子が言うセリフはこうです。
「女はマジメだからだよ!」
そうして発奮した男の子は、驚異の集中力と強引な体力に物を言わせて、あっと驚くような大曲をものしてしまう。

こうして、わがヒバリ教室では、これまでにたくさんの男の子たちが ピアノの達人となっていったのです・・・

ウォーリーTちゃん・本日の課題

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
ウォーリーズの初代リーダー「ウォーリー1号」のTちゃんは、先週に引き続き今日も「ひいて歌って」の曲集を忘れてきました。
せっかく「この曲がいい!」といって宿題になった「星空はいつも」なのに残念です。
かわりに、このときとばかり「バーナム」に集中してしごかれました。
Tちゃんは、どちらかというと 新しい課題や難しそうな課題には「難しそう!」と気後れしてしまうタイプかもしれません。
バーナムも、細かい音符がいっぱい書かれていると「うわ~、すごい。難しそう・・・」とひるんでしまいます。
けれども、落ち着いて楽譜をよく見て、ひとつひとつ弾いていくと、意外にスラスラ弾けてテクニックも読譜力もあることが確認できるのです。
自分の実力を過信せず、うぬぼれず、淡々と力を発揮する・・・これはTちゃんの素敵なところだなあ、と思うし、また同時に「もうちょっと自信もってもいいのに。もうちょっと、思い切って難しいことにも飛び込む勇気を出せばいいのに」と もったいなくも感じます。

子どもたち(大人もだけど)は、いろんな場面でいろんな個性を見せてくれますが、どんな課題に魅力を感じるか、ということに限っていうと、大きく二つのタイプに分けることができます。
「簡単なこと」だと安心して取り組めるタイプと、「難しいこと」だと発奮してがんばるタイプ。
Tちゃんは、前者ですね。
だから、Tちゃんに新しいことをやらせようと思うときは
「ほら、見て。こんなに簡単なんだよ」ということを強調して騙(だま)し(?)、難しいこともさせてしまうようにリードしています。

Tちゃんが、おにいちゃんを持っている「妹」であることが、こうした「控えめさ」あるいは「自信のなさ」に影響を与えていることもあるかもしれませんが、彼らが成長するにつれて 各々 自分の力や可能性、他の人とのかかわりなども知っていくでしょうし、新たな勇気も育ってくることでしょう。

ここでヒバリ先生は、一つの予言をしてみたいと思います。
Tちゃんがもっと大きくなったとき、「イヤな女」になることは100パーセントないでしょう。
たぶん、実力はあるのに控えめな、すてきな女性に成長するだろうと思っています。
おっと! しかし「ウォーリーズ」のまんまではダメだ!「信頼」が得られんぞ。

いろいろな楽譜・いろいろな曲

2010年09月13日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1):
「今日ね、ママにないしょで持って来ちゃったものがあるの!」
レッスン室に入ってすぐに、Sちゃんがそーっとカバンから出したのは、大人のためのピアノ初歩曲集でした。
「ママの本なんだけど、これをひいてみたから!」
Sちゃんはピアノの譜面代に楽譜を広げました。
ヴィヴァルディの「四季」より、「春」を易しくアレンジしたものです。
Sちゃんは 器用に「春」のメロディーを弾きました。左手の伴奏も簡単なので、両手で弾けます。
「終わりのほうは、わからないの」
最後の方は 左手なしのメロディーだけになって・・・アレ? ちょっとメロディーがヘンだね?
せっかくがんばって大人の本を弾いてみたんだから、この最後のところを、きちんと弾いてみようよ、と持ちかけ、一緒に楽譜を読んだり手拍子でリズムうちをしたりして、メロディーを正確に弾くように指導しました。
そうやって丁寧にやってみると、聞き覚えたメロディーになったのでしょう、Sちゃんは「ああ~!」と言って、元気よく自信をもってメロディーを弾きました。
「左手も、最後まで弾いたら?音符も読めるし 弾けると思うよ?」
「う~ん・・・」
Sちゃんは、ちょっと気後れしているみたいでしたが、先生に励まされて、楽譜を読み始めました。
音符の位置を確かめ、五線を「1、2、・・・」と1本1本数えて、音符を読みとっていきます。

Sちゃんは先月「バーナム」の基礎編の本をもらって、練習を始めています。
バーナムはとても好きなようで、音符も迷わずに読んでスラスラと弾いています。
けれども、こうやって 違う本、違うレイアウトやフォントの楽譜を見ると、バーナムでスラスラ読めているはずの音符も、即座にそれを応用して、ということは難しいらしい。
「えーっと・・・」と詰まったり、ヤマカンで弾こうとしたりしてしまいます。

耳になじんだ歌や、聞いたことのあるクラシックの曲などがピアノで弾けたら、とても楽しいでしょう。
楽譜がスラスラ読みこなせたら、そういう曲がどんどん弾いていけます。
そういう基礎力や読譜力が自然に身についていくようにと、レッスンで「バーナム」を使っています。
小さい生徒たちは、バーナムはバーナム、ほかの本はほかの本、と切り離して考えているのか、「応用する」ということに いまいち無頓着なことが多く、面白いです。
曲の中で初出の音に「うわ、高いねえ!」などとびっくりしているので「バーナムで弾いたじゃない?この高いド」などと思い出させると、やっと「ああ、そうか」と 両者を結びつけて考えることができたりします。
「バーナム」で基礎の楽典や読譜、指のテクニックなどを学び、その他の曲に応用していけるよう、時間をかけて指導していきたいと思います。