HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「やさしい花」はやさしくない!

2010年11月30日 | ブルクミュラー
Mちゃん(小6)
ブルクミュラーの「狩」が先週終了し、今週からは新しい曲「やさしい花」に入りました。
とは言ったものの、弾き始めたMちゃんは 思いがけずこみ入った音使いに四苦八苦の様子です。
今までの曲は すぐにすんなりと弾けていたのに、この「やさしい花」はなかなか強固な門構えを持っていて、おいそれとは曲の中へ招じ入れてはくれないのでした。
相当長い時間をかけて ようやく前半を弾き終えたMちゃんは、大きく息をつきました。
「ふうー 難しいね~
「ほんとだねえ。なんで難しいんだろう?」と問いかけてみます。
「だって、伴奏にもいろんな音があって、どこにいくのかなかなかわかんないんだもん」
「そうだね。今までの曲は、コードがすぐわかって、パターンもあったけど、この曲は、左手もメロディーになってるよね?コードでまとめることができないね」
「そう!右手も左手も、両方わかってないと弾けないから、音を探してたらすごい時間がかかっちゃう」
そこで先生は言いました。
「そうなのよ。これは合唱と同じように、二つのパートと考えるの。右手がソプラノ。左手がアルト。合唱なら、ソプラノならソプラノ、アルトならアルトと 自分のパートだけ歌えばいいけど、この曲では一人で両方を弾くわけよ」
「なるほど!」
ずーっと合唱をやっているMちゃんは、「声部」ということが即座に理解できたようです。
「じゃ、右手と左手、両方よく覚えてから弾かなきゃね」
と、さっそく元気に取り組み始めるMちゃんでした。
多くの子どもたちが「難しいからイヤだ」と手こずる「やさしい花」ですが、少しもイヤだとは言わず自然体で取り組んでいるMちゃんには感心しました。

一緒に、右手・左手それぞれのメロディーを2小節ぐらいずつ弾き、流れを覚えてから、両手合わせて弾いてみます。
Mちゃんが弾くのを見ると、音を一つ一つ拾うことをせず、1フレーズの中に入っている音を全部 大きなポジションとして捉(とら)え、一息でスッ!と弾いていたので、「ホホゥ。こんな弾き方が身についていたか」と嬉しく思いました。
新曲であっても、フレーズを捉えるというのは上出来だし、フレーズ単位で弾いた音は、大変なめらかで美しい旋律となります。
こういう奏法が自然にできるようになってたなんて、長年やってただけのことはあるんだな

ただ、感覚がいいだけに もっと練習量があってくれればな、と思います。
「バーナム」などは、簡単だからって「弾けた」で満足せず、毎日毎日、さらに速く、さらに正確に、と くり返しくり返しトレーニングするものなんだよ、と、今日Mちゃんには話しました。
よいセンスを持っているので、それを表現できるだけの高いテクニックを身につけてくれればなー、と先生は思います。。。

クラシック名曲集

2010年11月30日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
今日は、クラシック曲集から「ボレロ」を完成させました。
大変複雑なリズム割りだと思うけど、M3ちゃんの演奏は堂々とした響きになって 練習の成果が現れていました。
独特の 三連符連続のリズムも、先週よりずっと上手に正確に弾けるようになっています。
残念だったのは、終わり近くで右手がどんどん低い音に移っていき、ヘ音記号の音域に入って その記号で記譜されている部分を見逃し、ぜんぶト音記号読みで弾いてしまっていたこと
「ここ、ヘ音記号だよ。どんどん音が下がってるんだよ。ト音記号読みで読んじゃったね」
「あーっ、失敗・・・そういえば、先週も言われたんだった。すっかり忘れてた
「落ち着いて、ゆっくり読んでごらんよ」
こうして、ヘ音記号で記譜されている 1段分ほどの右手パートを、2回ほど弾いてメロディーを確認したあと、「わかった?」と聞くと、「うん、わかった」とM3ちゃんはうなずきました。
その前後を両手で弾いてみると、大変読みにくいヘ音記号の楽譜であるにもかかわらず、速やかに正しいフレーズを弾きこなしたのは立派でした
最後に、フィナーレの和音の爆発をかっこよく弾けるまで練習し、いよいよ通し演奏!
OK、堂々たる「ボレロ」が弾けました。

「次はどの曲弾く?」
「どれがいいかな・・・いいのがいっぱいあったんだ・・・」
M3ちゃんは、分厚い「クラシック名曲集」をパラパラとめくって、どれを弾こうかと迷っています。
もらった曲集を何度も見て、楽しんでいる証拠です。
「『眠れる森の美女』のワルツもよかったし、『アベ・マリア』もよかった・・・」
「『アベ・マリア』ってシューベルトの『ア~~~ベ、マリ~~~~ア~~~』ってやつ?」
「うん、多分」
「じゃ、それにする?クリスマスだから」
先生が「アベ・マリア」のページを見てみると、それはシューベルトではなく、グノーの「アベ・マリア」でした。
「M3ちゃん、これ、違う『アベ・マリア』だよ。こういう曲」
先生がグノーのアベ・マリアのメロディーを歌ってきかせると、M3ちゃんは
「それでいい。その曲も知ってる。YOUTUBEで、いつも聴いてるもん」と言うのです。
小学生なのに、自分の好きな音楽を自ら YOUTUBEで検索して聴いているとは。
M3ちゃんって、本当にかなり音楽人レベル高いんだ
「クラシック名曲集」をあげてから、ますます音楽を楽しんでいる様子のM3ちゃん。
この曲集をあげて、よかったな~ と思います。

目より耳を

2010年11月30日 | 音楽のツボ
Tくん(小5):
自分が好きで気に入っている「ひまわり」。
前回、A-A’-B-A’と ひととおり1コーラスを弾き、続く「C」に当たる部分にコードネームを書き込んであげて、「続きもやれたらやってきて」と言っておいたのでしたが。
今日、Cの部分には手をつけてありませんでした。
「先に進まなかったんだ?」ときくと、Tくんはがぜん多弁になり、
「あのねー、次の所もやろうかとは思ったんだけどね、この、前のところ(B)がちょっとね、あのー、まだね」
「スラスラじゃなかった?」
「そう。だからね、こっちの方に力を入れた方がいいと思って、そっちを中心にやってたからね、それだからね」
「続きには 至らなかった?」
「そう。Bの所で、右手と左手のリズムの合わせ方が、ちょっと難しかった」
なるほどね。
確かに、今日のTくんの演奏で、Aの部分に比べてBには いまいち感があった。
「Cに回る余裕がなかった」というのも本当でしょう。それが「Bに集中していたため」というのは いささか疑問ですが。
けれど、Bの部分のリズムがわかりにくい、というのは確かにそうなんだと思います。
また、彼には詳しい楽譜を渡しているわけではなく、コードネームと 先生の弾く「模範奏」しか示していないので、その材料だけで、細かく揺れる16ビートのキザミを正確に弾いていくのは けっこう難しいのかもしれない・・・
そう思ったので、今日はBの部分の中から、特にわかりにくいフレーズを取りだし、左手のリズムと合わせて うまく乗って弾けるように 部分練習をしました。
「これで、Bのところ大丈夫になった?」
「うん、今度は大丈夫だと思う」
Tくん、頼りになるのは耳とリズム感だけだと思うけど、君には こういう弾き方のセンスを身につけてもらいたいと思ってるから、悪いけどこれだけの材料で、なんとかがんばってほしいです。

生徒たちに「正確に譜面を読めるようになってほしい」と言ったり、正確な譜面を与えないで「感覚で弾いてほしい」と言ったり、発言の矛盾する先生ですが、そのどちらも大切であり、どちらにも非常な音楽性が潜んでいます。
Tくんの場合、今はポップスの曲を練習しているので、敢えて詳しい楽譜を与えずに 耳を中心に曲をとらえる練習をしています。
こういう曲は、目(楽譜)を頼らず 耳(音やノリ)の感覚を信じることが 絶対必要だから。

初見奏が上達したね

2010年11月30日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
「魔女の宅急便メドレー」第1曲の「木漏れ日の路地」は かなり流暢(りゅうちょう)に弾けるようになり、続く2曲目「風の丘」も歌の部分は大体弾けています。
今日は、歌の後に挿入されている クラシカルなバリエーションの部分にとりかかってみました。
楽譜を見ながら、右手のメロディーの音をとってみて、Tちゃんは「あ、順番に、音がさがってるんだ・・・」と気が付きました。
そうそう。バリエーションには、こういった「パターン」によってモザイクのように音の模様が構成されているスタイルのものがたくさんあります。
それを見つけられたら、弾くのも簡単。
「よくわかったね。右手の弾き方はもう大丈夫みたいだね。じゃ、今度は左手をやってみる?」と先生が言うと、Tちゃんは
「一緒にできると思う」と、すぐに両手で弾き始めました。
この頃、Tちゃんはこうやって、初見で両手を弾くことが普通になってきました。
大変実力がついてきていると嬉しく思います。

小さな木の実・連弾

2010年11月29日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1):
「『小さな木の実』、もうかんぺきに弾けるようになった! 今も弾いてきたの!」と言いながら、レッスン室に入るのももどかしく ピアノの譜面代に楽譜を広げました。
「どれどれ、楽しみだね~」
「いい?いくよ?!」
ほんとだ。Sちゃんの弾く「小さな木の実」は 8分の6拍子にきれいに乗って、流れるような旋律で弾けていました。
「すごいすごい! もう一回弾いてみて!伴奏つけるから」
先生がリズミカルな伴奏をつけて、もう一度 一緒に弾いてみます。
最初 少しとまどったものの、すぐにリズムの流れを感じ取って、Sちゃんのピアノはひとりで弾いたときよりも大らかに、伸び伸びとした演奏になりました。
「あのね、Sちゃん、ちょっとだけ、弾く音を増やしたいんだけど・・・この、まん中の『ソーソソ~、ミファソファミ ファーソファ~』からの2段だけ、両手で弾けない?同じ音で」
「えーっ?」Sちゃんはびっくりしたようです。
「右手だけしか弾けないよ・・・それしか練習してないもん」
「伴奏つけるんじゃないの。右手のメロディーと同じ音を、左手も一緒に弾くの。こんなふうに」
先生は、両手ユニゾンで 中間部のメロディーを弾いてみせました。
ここを両手で弾くと ぐぐっとボリュームが上がり、迫力が出ます。クライマックスとして大変引き立ちます。そして同時に、前後のメロディーもまた、より可憐さが引き立ってくるのです。
先生の見本を聴いて、Sちゃんは言いました。
「ああ、この楽譜の伴奏じゃないんだね。『ちょっとちがうばんそう』だね」
そして、両手を揃えて メロディーを弾いてみました。
がんばれば何とか弾けそうです。
「よしっ、それじゃ、はじめから一緒に弾いてみよう」
二人で合わせると、けっこういい感じです。2、3回弾いてみるうちに、Sちゃんの「両手のサビ」も安定してきました。
そこで先生が、いいことを思いつきました。
「そうだ。あとで、ママがお迎えに来たとき、これ弾いて聴かせようよ」
「え~!」
「ね?今から、バーナムとかほかの曲レッスンして、終わったら、もう一度これをリハーサルして、聴いてもらおう」
「弾けるかな~」
Sちゃんはびっくりしたようですが、ふだん通りにレッスンが終わって「さあ」となると すっかり盛り上がり、
「『コンサート』のポスター書かなきゃ!なんか紙ない?ボロいのでいいから」
と張り切って コピー紙に大急ぎで「コンサート」と書きました。
そこへママがお迎えに到着。
「ほら~、そんなの書いてるからリハができなかったじゃないか~」と焦りながらも、ママをソファーへご案内して、「連弾・小さな木の実」は上演の運びとなりました。
さっきは完璧にできていたとはいえ、なにぶん出来たてホヤホヤのプログラムなので、(特に両手になったところが)「アレ?」になってしまった感はありましたが、一応 賑々しく2コーラスの演奏は奏でられたのでした。
今日は11月最後のレッスン日。
来週からは12月ということもあり、Sちゃんに「クリスマス曲集」をあげました。
いよいよ、今年もあと残り1ヶ月だ☆

ト長調のメヌエット

2010年11月27日 | クラシック曲
キノパパ:
今週から、ベートーヴェンの「メヌエット」が課題曲になりました。
聴けば誰もが、「ああ、聴いたことがある・・・」と思う、親しみやすいメロディーです。
深刻な大曲が多いベートーヴェンの曲としては、大変優しい感じの小品です。
ところが、聴くと弾くとは大違い。
優しいメロディーの影には、難しい指使いが潜んでいたのでした・・・

冒頭のフレーズ「シード、レード♯、レード♯、レード♯、レー、 ミーシドー、レーラシー」のところは三度の音程での重音になっていて、右手だけで そのダブルの音を弾いていくことになっています。
これが、楽譜に指定されている指使いで正しく弾こうとすると けっこう指がひきつったりよじれたりすることに。

メロディーこそ 小さな子どもたちでも容易に覚えられる簡単なものなのですが、さすがは大ベートーヴェンの曲。
気楽に鼻歌で歌えるこのメロディーは、正しく弾くとなると とても気楽とはいかないのです。
なので、ヒバリ教室では これまであんまり子どもたちに与えることのない曲でありました。
また、弾かせることになった場合は、メロディーのなめらかさに多少目をつぶり、楽譜通りでなく子どもにも弾ける指使いで代用させることが多かったのです。

今日、キノパパと 正しい指使いを練習してみて、ヒバリ先生は言いました。
「これが正しい指使いなんですけど、そしてこの指使いで弾けば、大変ピアニスティックで美しい旋律になるんですけど、でも、違う指でもいいですよ。とても大変ですから」
そして、代用案も示しました。
するとキノパパは何と言ったでしょう。
「がんばって、この通り練習します。指が柔らかくなるように、やってみます」
えらい!
それでは、一緒に頑張りましょう。
それでなくても、大人の人は子どもに比べて 指の柔軟性が劣るものです。
いくら手が大きくても、指が柔らかに拡がったり柔軟に動いたりしないと、広い範囲の和音やアルペジオが弾きづらいものです。
「私は指がうまく動かないので、早い曲は苦手です」とか「和音やアルペジオが弾きこなせません」という大人の人が多いのに、キノパパは敢えてその弱点を克服すべく挑戦しようというのです。

ヒバリ教室では今までめったに弾かれることのなかった「ト長調のメヌエット」が、ついにキノパパによって弾いてもらえることになりました。
楽しみです

Sさんのピアノレッスン

2010年11月25日 | レッスン日記(小中高生)
Sさんご夫妻:
月に1回、お電話でレッスンの日を決めて、お二人で電車を乗り継いでレッスンにみえています。
いつも、お約束は11時頃からのレッスンに決まっていたのですが、今日はたまたまヒバリが外出する日に当たっていたので、Sさんからお電話をいただいた時にヒバリはいいました。
「その日は、11時すぎには出かけることになっているので、11時にレッスンが終われば・・・10時からのレッスンなら大丈夫ですが、それでは早すぎですよね?」
するとSさんの奥さまは「いいえ、それじゃ頑張って、10時に間に合うように伺います」とおっしゃって、ちゃんとお二人揃って10時に来てくださったのでした。

まずご主人から。
「あきれるほど上達しないんです」と言いながらピアノの前に座るご主人ですが、そんなことはありません。
「人生のメリーゴーラウンド」、もうメロディーは大部分暗譜していますし、左手のコードもちゃんと間違えずにつけてあります。
中間部の楽譜が、後から付け足したものなので まだ前半ほど覚えていませんが、それもすぐに覚えられるでしょう。
今日は、曲とは別に 指のタッチの練習もしてみました。
曲を弾く前に、少し時間を取って 指をエクササイズしてみてください、とお伝えしました。

奥さまは映画音楽の「天と地の間に」です。
「なかなか難しくて大変」と言いながらも、最後までちゃんと練習を重ねた後があって、ほんとにえらいなあと思います。
「先生の音はとってもやわらかくてきれいなのに、私のは音が固くてギクシャクして・・・」と言う奥さまですが、心の中にいつも「やわらかい音色、美しい音色」という思いがあるからこそ、そういった違いが気になるということです。
弾いてもらうと、確かに後半の難しくなったところでは 音が固くなったりもしますが、前半の弾き慣れてきた部分などは、やわらかで美しい音色になっていますよ!
Sさん、大丈夫。前半は本当にきれいな音色で弾けてます。後半は、まだ曲をよく覚えていないから、音を取るときに力が入ってしまうんです。けれど、前半のように覚えてきたら、ちゃんと柔らかい音色になりますから、安心してくださいね。

奥さまは、すてきな音楽が次々と登場する フィギュア・スケートのファンで、「フィギュアスケート曲集」というピアノ曲集も持っています。
次回は、その「フィギュア曲集」から、何かステキな曲をもう一つやってみましょう、ということになりました。

すてきな音色、すてきな色

2010年11月24日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(年長)
「いとまきまき」がスラスラ弾けるようになりました。
「Nちゃん、右手が上手に弾けたから、左手もつけて弾こうね。『ソ』の音で」
「あ、『ソ』のおとね。はい!」
気軽に「ソ」の音の伴奏をつけて、両手で弾いています。
右手の八分音符もすんなりと弾けるようになって、Nちゃんは ずいぶん上達したなあ、と思います。
「あのね、こういう伴奏、できるよ」
Nちゃんが弾いてくれたのは、右手と左手が「4度」のインターバルで並行に動く音列でした。
不思議な世界の響きのような音。
「きれいだね・・・外国の曲みたいだね?」
「うん」とNちゃんは言いました。

「つぎは『菊次郎』!」Nちゃんが言いました。
「そうそう、『菊次郎』!この間Nちゃんが色鉛筆で書いた楽譜、パパに見せてあげた?」
「うん、見せた!そしたらね、『なんだこりゃ~』って言ってた」
説明してるNちゃんも、自分で大受けしています。
パパの大受けの顔が目に浮かぶようだ
「じゃ、弾いてみようか?」
先生にバックをつけてもらいながら、Nちゃんは「菊次郎の夏-SUMMER」を弾きました。
演奏も この間より上手になってたんですが、びっくりなのは その演奏する姿!
なんというか、ゆったりと音楽に身を任せ、大きくうねるメロディーに揺られている様子は、まるで大人のミュージシャン!
Nちゃんは、もっと大きくなって 自分の感覚を表現できるだけの力がついたら、たくさんのすてきな演奏をしてくれるんだろうね。

今日は、フランスの子どもたちに愛されている民謡「つきのひかりに」の楽譜をあげました。
「ぼく」のおうちと「となりのおばさん」のおうちが、月の光に照らされている絵がついています。
Nちゃんは、色エンピツで、ふたつのおうちをきれいに塗りました。
何色ものエンピツを使って、グラデーションのついたすてきな色のおうちが2軒できました。
それぞれの窓の下には、お花も描き添えて、Nちゃんの「楽譜」はできあがりました。
「この曲はね、左手で伴奏つけるときに、今までみたいに『ソ』を弾かないで、違うのにするよ」
先生が言いました。
「右手と左手の1の指を、両方ともまん中の『ド』に置いて・・・そうそう。そして、右手が『ドドドレミーレー』って動くとき、左手も同じように指を動かすの。そうすると、『ドドドシラーシー』ってなる。ね?そうして一緒に弾くと・・・ほら」
Nちゃんは弾いてみました。両方の手で作る二つの音が、和音となって広がります。
「きれい!」Nちゃんは言いました。
「外国の曲みたい
そうだね。来週、きれいな外国のような響きの曲を、上手に弾いてきかせてね。

パパと練習したよ

2010年11月24日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(年長):
冷たい風もなんのその、まっ赤な顔をして走ってレッスンに来ました。
「『らったった』両手で練習してきたよ!パパと練習した!」
この間まで気後れ気味だった、三拍子の伴奏つきの曲「らったった」を、今日は嬉しそうに弾き始めました。
真剣に楽譜を見ながら、両手でていねいに弾けています。
「がんばったね!パパがいっしょに練習してくれたんだ。よかったね」
「パパは厳しいんですよー。ベソかいてました」とは ママの言葉です。
M4ちゃんのパパ、ありがとうございました。
日頃はお仕事のパパが練習につきあってくれて、M4ちゃんは むずかしくてベソかいても、がんばって克服できたんですね。
こうやって「がんばってできた」という達成感を得られたことが、M4ちゃんには大きな自信になったことでしょう。
なんかちょっと、おねえさんになったように見えました。
その証拠に、以前だったら まあまあにしか弾けない課題でも
「早くマルつけて~」と言っていたM4ちゃんなのに、今回は ママから
「あら、この曲、前にもう弾けたんじゃないの?」と言われても
「でも、左手はちゃんとできてなかったから。だからマルじゃない。今日、弾けるようになったからマル!」と きっぱり言っていたのです。ご立派!

この間あげた「いとまきまき」も上手に弾けていたので、空白だったヘ音記号の五線に「ソ」の音を連続して書き込み、左手で伴奏をつけながら弾くことにしました。
するとM4ちゃんは、何か思いついたようです。
「ちょっとまって!」と、エンピツと消しゴムを握り、なにやらやっています。
「この音は、けしちゃう」「この音もけそう」「これはひくことにする」「さいごの音はドにしょうっと」
あらあら、ソの音が四分音符で連続していた伴奏が、一気にスリル満点のリズムに変貌しました。

ソ、ソ、ソ、ソ、ソ、ソ、ソ、ソ・・・ だったのが

ソ、ソ、  ソ、ソ、ソ、  ソ・・・ みたいな変格拍子になり、最後の音は「ド」できめる。むずかしい!  

でも、自分で考えて書いた楽譜ですから、M4ちゃんは夢中で弾き始め、なんと難しいリズムを ちゃんと弾いてしまいました。
やったー、おもしろかったねー

こんどは、次の曲「ちょうちょ」に進みます!

スポーツ白熱

2010年11月24日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん:
一番の関心事である「秋のスポーツ」たけなわの季節にもかかわらず、ピアノもよく練習されています。
バロック曲集の、チマローザのソナタが「合格」になり、次はスカルラッティのソナタへと進むことになりました。
先週・今週と弾いていたチマローザのソナタは イ短調、そしてテンポはラルゴと、ゆっくりした どちらかというと胸にしみる哀しさを感じるような曲でしたが、今度やるスカルラッティのソナタは、主音は同じく「ラ」ですが、同主調の「イ長調」。
テンポもアレグロで、カラッとした明るさのあるソナタです。
Hさんにはお似合いの曲だと思います。

また、ソナチネアルバムの中の、クーラウのロンドは、先週から進んで、今日はついに最後まで・・・全曲弾けるように予習してありました。すばらしい!
いったいどうやっって、練習の時間を捻出しているのでしょうね

来週のレッスンまで、スポーツ界ではお相撲が千秋楽を迎えたり、フイギュウア・スケートではグランプリシリーズ・フランス杯の結果が決まったりと、白熱化する時期。
「元祖スポ観ギャル」のHさんは、どうやってこの時期のピアノ練習をやりくりするのでしょうか。
Hさんの奮闘や如何に 手に汗握る一週間です

ブルクミュラー「スティリエンヌ」の謎

2010年11月22日 | ブルクミュラー
Y子ちゃん(小5):
ブルクミュラーの「スティリエンヌ」に入りました。
Y子ちゃんの使っているドレミ楽譜版ブルクミュラーでは このタイトルですが、その他いろんな出版社から出ているいろんなブルクミュラーによって、タイトルは様々です。
「スティリアの女」とか「シュタイヤー地方の踊り」「シュタイヤー舞曲」とか。

今でこそ、様々な出版社から楽譜が出されていて、みんな自分の好きな本や使いやすい本を選ぶことができますが、昔、ヒバリが小学生で、ピアノを習っていたころ、「ブルクミュラー」は全音楽譜1種類だけしかありませんでした。
そして、この曲のタイトルは「スティリアの女」でした。
当時のピアノの先生は、どの曲に対しても、そのタイトルや背景などに関しては一切教えてくれなかったので、小さな(小学校2年生か3年生ぐらい)ヒバリは自分で想像するしかありませんでした。
ふーむ。「スティリア」の「女」・・・

スティリア、というのは、どっかの街の名前なんだろうなあ、と思いましたが、その「女」の素性については謎です。
「お嬢さん」でも「奥さま」でもなく、「女」という この呼称には、すごく大人な雰囲気がありました。
年齢的にはあまり若くはなく(8才か9才ぐらいのヒバリから見て)、少なくとも30才近くにはなっていて、世知に長(た)け、都会の中で男たちや商売相手を手玉に取ったりしている・・・ある意味「やり手」な女、というイメージを起こさせました。
ヒバリの頭の中には、線画のさし絵タッチで、ちょっと「フフン」といった感じの「女」のビジュアルが浮かんでいました。
彼女は、飾りのついた大きな帽子をかぶっていて、服装は19世紀ヨーロッパのものです。
「スティリア」は、ちょっとした地方都市で、けっこう商業や工業なども盛んに行われていますが、彼女は、さらなる夢を求めて大都会(パリとか)へ出てきたのです。
スティリアから出てきたやり手な女は、大都会にあっても臆することなく、海千山千の男たちと渡り合っていくのでした。

・・・と、言葉にしたのは今が初めてなのですが、こうして書いてみて初めて、当時、小学校低学年だったヒバリの頭の中の「スティリアの女」はこんなイメージだったのだ、ということを再確認しました。
そして、そのイメージと、はずむような3拍子の曲とがどう結びつくのか、これまたヒバリにはさっぱりわかりませんでした。
また、そんなアラサーねーさんの「女」に ちっとも感情移入できず、なんかつまんない曲だった「スティリアの女」でした。

しかし、ピアノ指導者になってから、もう一度「ブルクミュラー」を手にし、何種類もの版の楽譜を研究し、言語のタイトルを読み、そして既に学校で習った地理や歴史や外国語などの知識と総合すると、かつての「スティリアの女」は まったく別もんの姿を現してきたのでした。

まず「スティリア」というのは地方の工業都市などではなく、オーストリアの、アルプスの麓(ふもと)の地方だということがわかりました。
また、これは踊りの曲で、シュタイヤー地方(ドイツ語読み)の民族舞踊、レントラーが下敷きになっているため、「シュタイヤー舞曲」というタイトルの版も多く出てきたのです。
なんだ!大都会パリの やり手ねーさんの曲じゃないじゃん。
澄み切ったアルプスの空気の中でのびのび踊る、ハイジとペーターのカントリーな曲じゃん。

しかしです。
その一方、タイトルをフランス語読みにするとスティリー、語尾に「エンヌ」がつくと「~の女性」となる。ハイジはいいとして、ペーターはどうなる?
しかもテンポは軽やかに早く、「ワルツ風に」と書いてある。
真相はしかし、誰にもわからないのです。作者ブルクミュラーに意図をきかないことにはね・・・

紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、今現在の、ヒバリの解釈はこんな感じに。
アルプスのふもと、シュタイヤーあるいはスティリー出身の女の子(16才)が 花の都パリへやってきました。(この曲を作曲した当時、ブルクミュラーはパリにいましたから)
フランス語で「パリの女の子」はパリジェンヌ。スティリーの彼女は、だから「スティリエンヌ」です。
若くはつらつとしたスティリエンヌが、パリの軽やかなワルツに合わせて生き生きと踊ります。

どうかな?
昭和の「小学生の生徒時代」から平成の「先生時代」へ変わって、ヒバリのイメージも「アラサーのやり手ねーさん」から「フレッシュな16才」へと若返りました!
みなさんはどう思いますか?
あなたのイメージをコメントで知らせてね。

SUMMERのがくふ

2010年11月17日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(年長):
先週あげた「いとまきまき」。うたいながら、元気よく弾いています。
8分音符が連続するところも、指がよくコントロールできるようになりました。
音符もよく見て弾いてるしね。
メロディーがじょうずに弾けたので、「左手で『ソ』の音を一緒に合わせながら弾ける?」と提案し、簡単な伴奏をつけるようにしてみました。
「いとまきまき」の歌が、ずいぶんにぎやかに盛り上がってきました。

先週弾いてきかせてくれた「SUMMER」、今日もはじめの方を弾いてくれました。
 ソドレミレードドー ソドレミレードレーミミー
「ミファソーソソーソ ソーミドー ミファソーソソーソ ソーミドー」
先生が、続きのメロディーを1フレーズずつ歌ってあげました。Nちゃんは、それを聞きながら、後について弾きました。
ほら、ちゃんと「SUMMER」になった!
先週、ママと約束していたので、大人むきに やさしい1段の楽譜を作って、コードネームをつけたのを用意しておきました。
模範演奏をし、簡単にコードネームの説明をして、「弾いてみてくださいね」と 楽譜をあげました。
「うわあ、すてき!がんばります。パパが、これ大好きなので・・・」
「そうでしたよね。Nちゃんも、パパに弾いてあげてね。喜ぶよ。そうだ、Nちゃんも、楽譜書いてみようか」
Nちゃんは五線ノートをひらいて、色とりどりの色鉛筆で はじめの「ソドレミレードドー ソドレミレードレソーミー」を書きました。
「じゃ、これ、パパへのおみやげね。パパに『この楽譜みて弾いて』って渡してね」
Nちゃんち、全員が「SUMMER」の冒頭弾けるようになったら・・・なんかすごいな。

ばんそうむずかしいな

2010年11月17日 | レッスン日記(幼児)
M4ちゃん(年長):
「もりのこみち(らったった)」を、両手でちゃんと練習してきたはずなのですが、なんだかんだと言って弾きたがりません。
ソファーで見ているママは、「せっかく練習してきたのに。弾けるでしょ」と 不思議そう。
いつもしっかりしていて、なんでもよくできるM4ちゃんですが、その彼女にとっても、この「三拍子の伴奏をつけて両手で弾く」課題は重荷のようです。
1回、はじめからおわりまで通して弾くと かなりエネルギーも神経も使うんだろうし、それがしんどい、と感じているのがわかります。
無理ないね。まだ6才なんだもん。
でも、一旦「宿題」になって、そして自分でも練習をしてきた曲なのですから、「ちゃんとやりとげた」という手応えと達成感を体感しなければ、苦労したことがムダになってしまいます。
また、「グズグズしていれば、先生は許してくれる」と思ってしまうのもよくないことです。
今日は、M4ちゃんのグズグズを許さず、ビシッと弾かせました。
M4ちゃんは びっくりしたように、途端にシャキッとして、がんばって両手で全部弾きました。
よし。よくがんばったね。
ごほうびに、やさしくて楽しい「いとまきまき」の楽譜をあげました。
小人たちが靴を作っている絵も描いてあります。
「『できたできた、○○ちゃんのおくつ』のところには、好きな言葉を入れてね。だれのおくつにする?」
「うさぎちゃんにする!」M4ちゃんはたちまち生き生きして、楽譜に色鉛筆で、かわいいうさぎの絵を描きました。
「これ、ひけるかもしれない!」
すぐに右手を弾いてみました。細かいところはすぐにはできないけど、練習すればすぐにじょうずになりそうです。
「来週は、これを練習してきてね」
「うん!」
M4ちゃん、今週はリラックスして、ピアノ楽しんできてね。

スポーツ>芸術の秋

2010年11月17日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん:
10月を1ヶ月お休みして、先週からレッスンを再開しました。
今日は 先週に引き続き、バロック小曲集の「ソナタ」とクーラウの「ロンド」が課題曲です。
どちらの曲も、忙しいのにいつ練習するんだろうと思うほど、よく練習してあって、またHさんのすごい所は、「練習した=暗譜した」ということなのです
小さい子どもで、すぐ覚えてしまうというのは普通ですが、Hさんのような大人で(リタイヤした後の)こんなに覚えてしまうというのは、子どもみたいに(?)すごいと思います。

ところが、ちゃんと弾けてはいるのですが、なんとなくびみょ~な感じが 全体にもや~っと漂っています。
「あの~、なーんとなくびみょ~なんですよね・・・なんというか、テンポとかリズムとか・・・」と言うと
「やっぱり。」とHさんも、身に覚えありという反応です。
「リズムが、自信もって弾いていないのでキレがいまいちで 甘いですね。それから、フォルテとピアノのダイナミクスも、堂々とできていなくて、なーんとなくユルい、というか自信なげなんですけど」
Hさんは、「やっぱりねー。 ずっとお休みしてたので、どうもレッスンモードになかなか戻れないんですの。それに」
こう言ったとき、Hさんの目がキラリと輝きました。
「バレーボールとか、フィギュアスケートとか、始まってますでしょ」
そうだ!忘れてた。Hさんは、スジガネ入りの「元祖・スポ鑑ギャル(^O^)/」なんだった
どうりで練習に身が入らないわけだ!
「そうだ、そうでしたね!お相撲もあるしね?」
「そーうそうそう」
Hさんは、このときばかりは自信たっぷりにうなずいたのでした。

「元祖・スポ鑑ギャル」のHさんにとって、この季節は「スポーツの秋」>「芸術の秋」なのでした。

M&M(ウォーリー3号&4号)

2010年11月16日 | レッスン日記(小中高生)
T&Tのレッスンが終わりに近づいたころ、「こんちわー」「こんちわー」と、6年生のM&Mコンビがやってきました。
「ねえ、先週、TちゃんのTシャツ持っていってくれるって言ったよねえ?」と聞いてみると
「あっ、忘れた!」とM3ちゃんが。「ずーっとカバンに入ってた・・・」と、カバンの中から丸まったTシャツを引っ張り出し、1週間ぶりに 無事 持ち主Tちゃんに手渡しました・・・
やっぱり「ウォーリー隊長」の名に恥じないM3でありました。

さて、レッスンでは「ボレロ」中間部も含め、全体を両手で弾いてきました。
「すごい上手に弾けてるね!」と褒められ、「知ってるメロディーだったから・・・(*^-^*)」と謙遜(けんそん)するM3ちゃんですが、いやいや、知ってるだけじゃこうは弾けませんよー お見事です!
曲の最後は、突如爆発する和音で「ジャーン」と決めるのですが、これはさすがに、一人では練習できなかったので、一緒に何回か練習して音をつかんでもらい、来週はぜんぶ通して完成、ということにしました。

Mちゃんは、ブルクミュラーの「狩」の仕上げです。
先週の約束通りテンポが上がって、冒頭の馬のひづめの音に始まり、高らかに鳴り響く角笛、緊迫感のあるマイナー部分と、ひととおりの上達が見られます。
だけど、ちょっと気弱な感じがするのが残念・・・
曲は 一応ととのったというレベルまでいってるのですが、その後の「弾き込み」が少ないので、いまいち自信をもって伸び伸びと弾けないのかな、という印象です。
先生:「最初の馬のところは、『これから狩に行くぞー!』って勇ましくね。そして角笛は、もっと高らかに、嬉しそうにやってよ」
M:「あっ、そうか。メゾフォルテだもんね。2回目のところは、メゾピアノで、確かこだまが返ってくるみたいに弾くんだよね」
先生:「そうよ。これじゃ自分もこだまみたいだよ」
M:「あははー」
こんな調子で、強弱のメリハリを思い切りよくつけて弾くと、勇ましい狩の様子が描きだされてきました。
「狩」はめでたく合格、次は「やさしい花」に入ります。

「バーナム」では、16分音符での上昇スケールをくり返し何度も弾かされ、
「たてつづけに5回弾いてごらん、せーの!」とか「3回連続ノーミスで!間違ったら、また1からだよ。ほれっ」とかしごかれて「わ~、先生がプレッシャーかける~」と悲鳴を上げながらも、なんとか食いついてがんばりました。
よしよし、今度もまた ビシバシしごいてやろう。