HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

チャイコフスキー「四季」より6月・舟歌 その2

2023年06月10日 | クラシック曲

前回の続き、ヒバリの脳内の「舟歌」ドラマです。

初夏の爽やかな気候の中、小さな手漕ぎボートで川下りデートのカップル。

まだ知り合って間もないので、ボートを漕ぐ彼氏も、向かい合って座る彼女も、緊張気味です。

話題もいまいちうまく出てこず、どうでもいいお天気の話などしていますが、ボートが進むにつれ 岸辺の景色は美しく移ろい、二人の緊張も次第に和らいできます。曲も、冒頭の短調から伸びやかな長調へと広がっていきます。

二人のおしゃべりも少しずつ日常や趣味の話などへと広がり、笑顔も出てきます。

さあ、ボートが木々の枝間をくぐり抜けたら、一気に川幅も広がり、美しい田舎の風景が開けました。

気持ちも高揚して、ここで一気に情熱的な言葉へ、と思ったその時、何かに引っかかり、大きく揺れるボート。

あわや転覆の大パニック!

オールも取り落とし、水しぶきがキラキラと飛び散り、大きな波紋がボートを中心に波立って広がります。

数秒ののち、無事転覆は免れ、オールも拾い上げ、波紋も静かに収まり、またボートを漕ぎ始める彼氏。

さっきの「事件」のおかげで緊張は一気に解け、二人の会話は がぜん はずみ始めます。

その証拠に、冒頭から何度となく登場するモチーフのメロディーに、低音のフレーズが、合いの手のように掛け合いで畳み掛けてきます。

これが生き生きとした恋人同士の会話でなくて何でしょう。

おしまいは、すっかり熱い恋人同士となった二人が、この楽しい川下りがもうすぐ終点に着いてしまうことを惜しみ、いつまでもこの時間が続きますように、と願いを込めて余韻を味わってる、その二人を乗せたボートが、だんだんだんだん遠ざかっていく…   FIN

こんな感じです。

チャイコフスキーさんの暗い夜のイメージとは全然違うけど、ま、イメージは 弾く人が好きに描けばいいんだから。

ちなみにヒバリのイメージは、ロシアじゃなくて多分 子どもの頃からいろんな本で読んだり映画で見たりした、「イギリスの田舎の川下り」の様子なんだと思います。

「たのしい川べ」とか、「不思議の国のアリス」の誕生現場とかね。


あなたも、自分のイメージで、曲を楽しんでね。

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チャイコフスキー「四季」より「6月・舟歌」その1

2023年06月10日 | クラシック曲

6月です。

ドクターの弾いてる「6月・舟歌」

今まさに、ぴったりの季節です。

この「舟歌」、「四季」の中では ダントツに人気があります。

「舟歌」=音楽用語(イタリア語)では バルカローレと言います。

そしてバルカローレといえば、ベニスのゴンドラの歌のこと。

そしてゴンドラといえば、カップル。

というのが大体の「お約束」なんですが、ちなみに、作曲したチャイコフスキーの曲の背景へのイメージは「夜」なんですってね。

曲の元になった「詩」があって、それは(原文はロシア語なので、英語にすれば)

Let us go to the shore

There the waves will kiss our feet

With mysterious sadness

the stars will shine down on us

(岸辺へ行こう

 さざ波が私たちの足に口づけする

  不思議な悲しさで

  星の光が私たちの上に降りそそぐ)

という内容らしい。

そうなのか。なるほどね… 

しかし、チャイコフスキーさんの国はロシアだし、この場合の舟遊びは、ベニスの水路やゴンドラじゃないんだよね?

そんな国での「夜の舟遊び」って、どんなんだろう

ロシアの6月は、深夜近くまで空は暗くならないらしいから、舟遊びも遅くまで可能なのか?

日本に住むヒバリには、そんな夜の舟遊びのイメージはピンと来ず、なんとなくずっと、曲から感じたイメージを脳内再生して弾いていました。

次回に、ヒバリの描いていた自由な(勝手な)イメージを言葉にしてみます。

以下、次回に続きます。

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ショパン「別れのワルツ」はロンド形式🎵

2022年09月09日 | クラシック曲

ひまわりちゃん(中1)

ショパンの「別れのワルツ」を、発表会のために練習しています。

この曲は「ロンド形式」で書かれています。

「ロンド形式」というのは、ひとつの主題メロディー(Aメロ)が、次々と現れるBメロ、Cメロなどの間を繋(つなぐ)ように投入されているスタイルの曲を言います。

構成図で書くと

A - B - A - C - A - D - A …

という感じ。

「エリーゼのために」などが、この「ロンド形式」です。

今、ひまわりちゃんはAB、部分がほぼ出来上がって、C部分に取り掛かっています。

C部分も、あと左手の伴奏が出来れば完成、となり、そうしたら曲も大体出来上がってきます。

「ねえ、早くない?まだ9月になったばっかりなのに!」と、ひまわりちゃんは自分の順調さに感心しています。

「もう出来ちゃって、あとどうするの?」

大丈夫大丈夫。

ショパンはね、ただ弾くだけじゃないから。

これから美しい音色、曲想の表現を追求していくんだから。

これからがレッスンも本番なんだからね。

結婚の約束を交わしながらもも結ばれなかった、ショパンとマリア・ヴォジンスカとの 愛と別れの物語。

12歳のひまわりちゃんに、その甘く切ない音色が表現できるのであろうか

ちょっと不安がなくはないけど

ちょっと前に、先生が「こんなふうに弾いて欲しいのよ」と冒頭だけお手本を弾き、次に比較として「ただ楽譜通りに弾いただけじゃこうなっちゃうよ」と、NG例を弾いたら、 

「赤ちゃんが弾いてるみたいー」と 大ウケだったひまわりちゃんだから、きっと、心を込めて、美しいショパンを弾いてくれることでしょう。

頼むよー

期待してるからね。

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「夜の海辺にて」カスキ(1885-1957)

2022年08月28日 | クラシック曲

カスキ(1885-1957)は、北欧フィンランドの作曲家です。

「夜の海辺にて」は彼の代表作で、母国フィンランドでは知らない人はないというほど有名ですが、日本ではまだそれほど知られていなくて残念です。

ザブーン

ザブーン

(はる)か沖から打ち寄せる波のような低音アルペジオ。

遠い記憶を呼び覚ますような、どこか懐かしく切ない旋律。

足元の水際にレースのように寄せては返すさざ波。

途中でキラキラときらめく高音は、つかの間雲の切れ目から姿を現した月の光のよう。

太古の昔から ずっと変わらない海。

今もまた、広々と見渡す暗い海に、波はいつまでも打ち寄せるのでした

ザブーン

ザブーン

こんな感じです。

ドクターに「これどうですか」とご紹介したらすごく気に入ってくれて、何ヶ月もかけて丁寧に練習してきました。

今回レッスンしてみたら、もうすごくいい。ドクターにぴったり似合ってる。

「もう言うことナシ!完成です」

と合格になったんだけど、そのあとヒバリはドクターに言いました。

「もう1回、弾くのってイヤ?」

先生としてレッスンで聞く時は、間違いがないかとか、音色は、リズムは、とか アラ探しみたいに聴き耳を立てる感じになってしまう。

「せっかくだからもう一度、『お客さん』として聴かせてほしいのでお願い」

ドクターはがんばってもう一度弾いてくれました。

8月の暑さも、陽が落ちた今は 少し鎮(しず)まって… 夏の終わりにぴったりの「夜の海辺にて」。

最高です。

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左手伴奏は 名脇役のように・ラフマニノフ交響曲第3楽章🎵

2022年08月24日 | クラシック曲
べっきー君(大人):
 普段は自分で練習し、時々 単発でレッスンに来ています。

今日は、ラフマニノフのピアノ交響曲2番の、夢のように美しい第3楽章をピアノアレンジにしたものを「クリスマス発表会で弾こうと思います」と持参しました。

べっきー君はこの曲を、長い間ずーっと大切に温めていたのだと思います。
前にもレッスンに持ってきたことがありますが、その時点で既に数年間、自分で練習してました、と言ってた。

オリジナルの交響曲では、一斉に湧き上がるようなストリングス群の甘美なメロディーで曲が始まります。
ロマンチストのべっきー君がお気に入りなのも当然ですね。

甘く優しく、聴いているとうっとり脱力してしまいそうなこの曲。ところがこれを弾くとなると、いきなり厳しい。

8分音符の刻みで流れるように歌われる右手メロディーに対し、支える左手伴奏は終始三連符…
そう、みんなが恐れる「二拍三連」満載なのです。
以前にべっきー君がこの曲を持ってきた時は「二拍三連の練習のために」ということだったんですから、そのニ拍三連詰め込みぶりはハンパない。
それを弾こうっていうんで、前回のレッスンの時は四苦八苦でした。

今日のレッスンでは、ニ拍三連も大分自然に演奏できていて、がんばったんだなあ、と思いました。
さすが努力家べっきー君。

ところがです。
あまりに左手の三連符を一生懸命やりすぎたので、時々、メインのメロディーよりも伴奏がガンガン目立って、主役みたいになっちゃってる部分が。
これでは本末転倒になってしまいます。

どんなに高度なテクニックでかっこよく弾いたとしても、主役を食ってしまってはいけない。
伴奏はあくまでも、主役のメロディーを引き立てることに徹しなければいけません。

伴奏は「名脇役」、アカデミー賞で言えば「助演男優賞」に匹敵する、抑えたシブい演奏をぜひお願いしたいです。
ベテランの名脇役により、主役のメロディーが さらなる輝きを得ることまちがいなし!

べっきー君が次にこの曲を聴かせにきてくれるのを 楽しみに待ってます。
主役と脇役が絶妙に絡み合った、夢のサウンドに期待。



「花の歌」の表現、カデンツァの弾き方

2021年05月07日 | クラシック曲

Mちゃん(高2):

この前にやった「花の歌」の仕上げです。

この曲の最大の見せ場は、2回出てくる「カデンツァ」です。

「カデンツァ」というのは、クラシック音楽用語で、その部分だけ伴奏がパタッとなくなり、ソロ楽器が数秒間、派手なテクニックを披露する音列をばばーんと奏でること。大方は華やかなアルペジオやスケールで飾り立てられています。

つまり、演奏者の「どや!」を見せびらかすところなので、カデンツァが上手に弾けたら、その曲の演奏はほとんど成功したといっても過言ではありません。

「カデンツァを制する者は曲を制する」なのです。

さて、そんなカデンツァが2か所も盛り込まれている「花の歌」、まず1回目のカデンツァは、Aのコードのアルペジオで駆け上がり、駆け降りるスタイルです。

特にテンポの細かい指定はありませんが、こういった長い上昇→下降のパッセージを弾くのにはコツがあります。

「坂道を上るように上り、下るように下る」コレです。

みなさん、自転車で坂道を上ったことはありますか?

上り始めはペダルが重いので、力いっぱいこいでモーションをつける。すぐに軌道に乗り、ぐんぐんと勢いがついて上っていく。坂のてっぺんにつき、一瞬平らになった、と思う間もなく、下りはどんどん加速度がついて一気に転がり落ちるように。坂の下まで降りたら、後はゆるやかな平地・・・

これを演奏で再現するのです。

最初は助走のようにゆっくりモーションをかけ、勢いとスピードを増しながら駆け上がり、最高音で一瞬止まるかのポーズを経て、一気に加速度を付けながら駆け降り、最後はゆったりと着地。

上りも下りもおんなじ速さじゃ、加速度も落下もないジェットコースターみたいで、おもしろくもなんともありません。

上り坂&下り坂、ジェットコースターののぼりと落下、などをイメージしながら、スリルあふれる演奏を研究してください。

「花の歌」2つ目のカデンツァは、1つ目のアルペジオよりもう少しメロディックなパッセージで、その分指使いもややこしくなっています。

こちらは、ちょっとひねくれた動きでくねくねと上り、てっぺんからまたくねくねと下り、地上に着いたかと思ったらまた一気に上昇、というパターンです。

今度は、山道よりもう少しイメージを膨らませてみましょう。

「花の歌」なので、一面の花びらが空中に舞い上がるイメージでどうでしょう。

木の梢まで舞っていった花びらが、またひらひらと舞い落ちてくる。

静かに地上へ舞い落ちたかと思ったとたん、一陣の風が吹いてきて、花びらたちは一気に巻き上げられ、花吹雪となる。。。

どうですか。ただ技巧を見せるのではなく、色鮮やかなビジュアルを思い浮かべながら弾けば、微妙なテンポの伸び縮みも自然についてくると思います。

「花の歌」はテクニックも易しい小品ですが、演奏者の豊かな表現力によって数倍もゴージャスな曲になるので、みんなもがんばって、想像力・表現力豊かに弾いてみてね。

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トルコ行進曲ってすごいね。モーツァルト天才。

2021年02月12日 | クラシック曲

Mちゃん(高1):

モーツァルトの「トルコ行進曲」仕上げの段階です。

「ここがうまくいかない・・・」とMちゃんが苦手という個所を見てみました。

Bメロの変形で、メロディーが16分音符のトレモロ風になっています。

これに左手の装飾音符をはめ込んでいくのが難しかったようでしたが、ゆっくりお手本を示し、右手と左手の合致する部分を確認することで、迷わず弾けるようになったと思います。

「トルコマーチは、①ターン、②オクターブ連続、③16分音符連続の速いパッセージ、④トレモロ、と、これだけのテクニックを一気に体験できる。なんて効率の良い、お得な練習曲だ!」

先生が言うと、Mちゃんも「ほんとほんと。すごい。トルコ行進曲」とはげしく同意です。

「おまけにね」

先生は言いました。

「ほら、最初のところ見て。Amの伴奏ついてるし調子記号ないし、Amの曲だよね?」

「うん、Am。」

「ところが、次のBメロでは、♯♯♯になって、Aにさり気に転調されてる。これは主音が同じの『同主調』ってこと」

「あ、ほんとだ・・・」

「そして見よ。次のCメロでは、なんとこれがF♯mに転調されてる!これは、ラ、ソ♯、ファ♯・・・と数えれば、Aの『平行調』じゃない?!」

「うわあ、すごい~」

「このように、『トルコ行進曲』は、これ1曲で、数々のテクニックばかりか曲の転調、近親調の関係まで学べる、すばらしい曲なのだ」

「すごい、すごすぎる『トルコ行進曲』!」

「モーツァルトさすがだね?!」

「え、これモーツァルトが作ったの?モーツァルト、天才?」

すみません、天才モーツァルト様。弟子が無学で・・・

でも、本日あなた様の偉大さを思い知ったようなので、お許しください。

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「トルコマーチ」はお得感満載。

2021年02月05日 | クラシック曲

Mちゃん(高1)

「さあ、今日は何番かな」とハノンを開きます。

いつも、カレンダーを見てその日の番号の練習課題を弾くことになっていて、今日は2月5日だから5番です。

先週は1月29日だったので、基礎練習のチャプターでは一番長くて込み入った課題でしたが、月が変わって今日は5番!

「よかったね、また易しいのになって」

「よかったー」

と言いながら弾き始めたけど、ちょい待ち。

それ、6番じゃん。5番の音符よく見てごらんよ。

「あっ、ほんとだ。えっ、5番ってえっ、こう? あ、わかった。でもこれ難しい。6番の方が簡単〜」

などと言いながら基礎パターン、アルペジオなどを練習し、本日の課題はモーツァルトの「トルコマーチ」です。

これは、単独で弾かれることが多いですが、モーツァルトのピアノソナタK(ケッヘル)331番の中の第3楽章です。

作曲された当時のヨーロッパの人々が「東洋」に対して漠然と抱いていたオリエンタルな雰囲気、が盛り込まれた曲で、賑やかな打楽器の音を模した伴奏形が特徴的です。

芸術的というより「楽しい描写音楽」という感じの曲ですが、ヒバリ先生としては、特にMちゃんたち「ソナタ」にかかったぐらいの生徒には是非経験してもらいたいと思っている曲のひとつです。

なぜなら、細かい装飾音符あり、ターンあり、オクターブの連続あり、急速な16分音符のパッセージありと、ソナタクラスの生徒に必要なテクニック満載で、この1曲で練習曲5曲分ぐらいのテクニックがコンパクトにまとまってる。先生としては大変お得な曲なのです。

また生徒から見ても、大ざっぱに分けてA------コーダ と同じパターンが繰り返し出てくるので、弾けるようになった部分を使い回しできる「お得」な曲。

みんなにとってお得な、大変いい練習曲といえる「トルコマーチ」です。

Mちゃん、もうほとんど練習できていて、来週は合格になりそうです。

仕上げがんばろう!

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一人デュエットやってみた!

2020年12月11日 | クラシック曲

K子さんとK美さんが連弾の撮影を終わって帰った後。

ヒバリは思いました。そうだよ、自分も演奏録画、取らなきゃな〜

今年はコロナのせいで、発表会も先生の演奏は自粛して時短をはかり、その分「ビデオ出演」ってプログラムに書いたはいいけど、あんま練習もしてないから、まだ録画はできないな〜

じゃあ、いつなら練習出来上がって録画できるんだよ?

ヒバリは自分に聞いてみました。が、いつまでたったって練習する時間はほとんどありません。

発表会が終わったこれからは、連日クリスマス会やらそのための買い出しやらで忙しい。

そうだ、今、この勢いで撮っちゃえ!

練習できてないけど、やってみたいことがあるんだもん。

弾くのはモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタニ長調」です。

本来、二人の奏者がそれぞれ1台ずつ、2台のピアノを使って弾く曲なので、一緒に弾く相手とか、ピアノ2台ある場所、とか考えたら、通常ではなかなか弾くチャンスがありません。

だけど、動画でならできる。

一人で、両方のパートをそれぞれ弾いて、合体すればいいのだ。

ヒバリ一人で、ヒバリんちのピアノ1台で、「2台のためのピアノソナタ」ができる。

リアルのコンサートに出れないなら逆にそれを逆手にとって、リアルではできない、ビデオならではのことをやってみよう!と思ったのが発端です。

第一楽章だけですが、それでも全部弾くと長いので、3分ぐらいに縮めました。

K&Kデュオが帰った後、バタバタと2つのパートを弾いて録画し、夕方のレッスンが終わった後2つのビデオを合体して編集し、タイトルをつけて完成しました。

演奏の出来ばえはそこそこだけど、面白かったのでまあ成功としよう。

写真だけ載せます。

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Tさん、練習UP!

2020年11月29日 | クラシック曲

Tさん(大人・男性)

以前はヒバリんちの並びのアパートに住んでいて「一番近くの生徒」だったTさんですが、今は引っ越したので、電車で通ってくる「遠くの生徒」です。

会社のお仕事がとても忙しく帰りも夜遅く、なかなかピアノの練習ができないという悩みの中、何とか時間を捻出して努力してきました。

今日は、発表会前最後のレッスン日です。

曲はベートーヴェン作曲ピアノソナタ「悲愴」の第一楽章。

Tさん自ら「弾きたい」と選んだ曲です。

まずは通して弾いてもらいました。

重々しい和音で始まる、グラーヴェ(重々しく、荘重に)の序奏。

さすが大人の男性なので、低音が響く迫力のサウンドです。ちびっこのヒバリ先生には出せない音。

間合いもいい。

続いて... 来ました、急速テンポの第一主題。

この部分の左手トレモロに、何度泣かされたことでしょう。悪魔もおびえる「伝説のトレモロ」とは、この「悲愴第一楽章」のことです。

そのトレモロも克服してます。がんばった!

両手が目まぐるしくクロスする第二主題、メロディーとトレモロ伴奏を弾き分ける推移部を経て、次々展開していくソナタの世界。

転調につぐ転調、トレモロにつぐトレモロ、そして大迫力のフィニッシュ和音。

いやー、がんばりました。

Tさんご本人は、「まだまだ弾けてない。前より弾けなくなった所もある・・・」と自信なさげですが、ヒバリが前回聴かせてもらった時よりずっと良くなっているのです。

テンポが上がり、旋律もクリアに響き、トレモロだってなめらかに弾けてる。

「前より下手になった」と感じるのは、こうして曲を仕上げていくときに多くの人が感じることで、曲に慣れてテンポが上がってきてるため、つまずく箇所が出ることがあるためです。

そういう部分を拾い出してミスしないように強化しておけば、全体的に見たら大変良いペースになってることが実感できると思います。

これでTさん、練習UPです。

来週の今日、自信もって弾いてください。

ところで、今回、発表会での「悲愴」ですが、今年がベートーヴェン生誕250年という記念イヤーであることにちなみ、1楽章ずつ分担して、全3楽章通し3人リレーで弾こう、と計画しています。

第一楽章Tさん、第二楽章ドクター、第三楽章Mちゃん(高1)。

通常、ソナタの演奏では、全部の楽章を通して一人の奏者が演奏し、楽章ごとに拍手はしません。

全部通しての作品、であるからです。

でも今回はプロではなく生徒の発表会だし、分担だしね・・・

と思ってヒバリ先生が考えたのは、

全3楽章まで 3人の演奏が終わったら、改めて第一楽章、第二楽章、第三楽章の演奏者が並んで、一緒に礼をする。だけど、各楽章ごとに終わったときも、せっかくだから拍手は送ろう。ということでした。

でも、Tさんは「ソナタだから、やっぱり拍手は無しで、最後に3人で礼と拍手がいいです」と言いました。

拍手もらわないの寂しいかな、と思ったけど、ご本人が拍手無しでいいなら、それはもう文句なしです。

正統派スタイルでいきましょう!

ドクター、Mちゃん、よろしくです。

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「チューリップ」はヨナ抜き音階

2020年11月25日 | クラシック曲

さっきの日記でちょっと書いた「チューリップはヨナ抜き音階」ということ。

「ヨナ抜き」の「ヨナ」とは、「4(ん)番目」と「7(な)番目」のことで、ヨナ抜きというのは、音階の中の4番目と7番目の音抜き、その音がない、ということです。

ハ長調のヨナ抜き音階に例を取ると、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、、ド、と、4番目のファ、7番目のシがありません。

これは日本でもともと使われていた歌や音楽に由来しています。

民謡とか演歌、それとか琴や三味線、雅楽などの古い音楽は、西洋音楽とちがった独特の音階で作られていて、それが「和風」の雰囲気を出しています。

日本に西洋音楽が入ってきて、「唱歌」などが作られ始めたのは明治時代ですが、西洋の音楽理論、記譜法を使っていても、それまでに耳なじんだ「ヨナ抜き音階」の世界観が染みついた日本人には、作る側も聞いたり歌ったりする側も、この音階による旋律が心地良かったのでしょう、そのため、そのころ作られた曲には「ヨナ抜き音階」の曲がとても多いのです。

「チューリップ」「はとぽっぽ」「おしょうがつ」「まめまき」など、文部省唱歌にたくさん見られます。

また、それ以降時代が進んでも、ヨナ抜き音階による曲は日本人の耳にとても受けがよく、歌謡曲などにもよく使われていますよ。

みんなも「ヨナ抜き音階」の曲をさがしてみてね。

ちなみに、ヨナ抜き音階の曲は、黒鍵だけで全部弾けます。

ためしに「チューリップ」を、上の画像で赤いマークのついている音を「ド」と考えて弾いてみましょう。

ねっ、ぜんぶ黒鍵だけで弾けるでしょ。

余談ですが、スコットランド民謡でも似たような音階を用いた曲がたくさんあります。
「蛍の光」とか「庭の千草」とかの曲が、なんとなく懐かしい感じを誘い日本人好みと言われるのは、この「ヨナ抜き音階」で日本の歌との共通点があるからです。

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長い曲は、時々はじめの部分を弾いて テンポを思い出そう

2020年11月03日 | クラシック曲

K子さん(大人)

「やっぱり、あそこのテンポが難しいわー」

開口一番、練習の経過報告です。

「あそこのテンポ」というのは、前にもブログで取り上げたイタリア協奏曲の、16分音符〜8分音符〜4分音符 と、メロディーの音価が変化していく部分のことです。

「頭では分かってるんだけど、弾くとどうしてもわからなくなってしまう」ということらしいんですが、弾いてもらうと、そんなに言うほどのこともなく、ちゃんと弾けています。っていうか、それもヤマカンでやってるのかな。

ともあれ、この部分含め、前半3ページくらいは、とても生き生きと、溌溂(はつらつ)とした演奏が出来ています。

それが、真ん中を越えたあたりから、段々迷ったり間に合わなくなったり、が現れてきて、それに連れてテンポもだんだん落ち

次に主題メロディーが現れたときには、大分ノロくなって、違う曲みたいに聞こえてしまうのです。

そこで、「ちょっと一番初めのフレーズを弾いてみて」と、曲の冒頭を弾いてみてもらい、K子さんの「テンポ」を確認します。

次に、今弾いていたテンポを忘れないように手拍子で保存しながら、「このテンポで、この、メロディーが再現されてるところを弾いて!」と、後半の、さっきダレていた部分を弾いてもらいます。

そうすると、「なんだー、ここはこんなテンポだったのか」と確認でき、意外にも弾きやすく感じたりするものです。

K子さんには「いつも続けてばかり弾くのではなく、新しい部分から練習したり、難しいところや弾きにくい所だけ部分練習したりもやりながら、練習を進めるように」とお伝えし、同時に、途中から弾くときは、まず今のように冒頭を弾いて、そのテンポで弾くようにね」と言っておきました。

「そうね。せっかくキーボードも買ったんだから、アレもうまく活用して!」

とK子さん。

先月、リズムキープ用アイテムにとヒバリがおすすめしたミニキーボードを、K子さんは買ったそうなのですが、

 

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K子さん、ジャズのリズム安定のためのアイテムは - ヒバリ教室ピアノ日記♪

CASIO44ミニ鍵盤電子キーボードSA-76ブラック&オレンジサイズ:604×211×57mm※突起部等は...

K子さん、ジャズのリズム安定のためのアイテムは - ヒバリ教室ピアノ日記♪

 

「この間、説明書を見ながら使い方を勉強したら、いろんなことができるのがわかって、面白くなって、ずーと遊んじゃって」と、ずいぶん楽しんだようです。

そうなの。アレって、いろんなリズムや音が出せるので、やり始めたらいつまでも遊んじゃうんですよね。

今はちょっと休んでるけど、そのうちまたジャズの曲を弾くときなんかに使ったら最高なので、やってみてねー

「そうね、やりたいことがいっぱいだわー」と意欲まんまんのK子さんでした!

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悲愴第一楽章、仕上がってきました

2020年10月31日 | クラシック曲

Tさん(大人・男性)

月2回のレッスンなので、今日は久しぶりです。

ベートーヴェンのビアノソナタ「悲愴」の第一楽章。

とても長くて、テクニックも難しい大曲なので、お仕事がいつも忙しいTさん練習できるのかなあ、と少し心配になっていたのですが、今日のTさんの演奏は、そんな心配を払拭してくれました。

ミスタッチもほとんど無し、スピードも上がり、しかも全部暗譜です!

いったい、いつこんなに練習できたの?と聞いたら

「夜、家に帰ってから、1日3回は必ず通して弾くことを自分に課していました」とのことです。

「それだけで精いっぱいですそれしかできません」

本当はもっと練習したいのに、と言うTさん、本当に練習熱心な優等生です。

今日は、左右の手がクロスする際の工夫と、それから暗譜を完全にするための工夫を少しだけアドバイスしました。

ヒバリ教室の現在の生徒の中で、多分一番ピアノ経験が長いTさんだから、もう練習方法とか発表会に向けての調整とか、なんでもよくわかってるはず。

大丈夫。ご自身の練習方法に自信を持って、続けていってください。

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悲愴3楽章のコラールはフラッシュ・モブに似てる

2020年10月30日 | クラシック曲

Mちゃん(高3):

Rちゃんの「WAになって踊ろう」のキーボード伴奏をした後は、自分の曲、ベートーヴェンのソナタ「悲愴」の第三楽章のレッスンです。

ヒバリ教室の高校生は月3回レッスン。

Mちゃんは月初めに来てから2週間開いて、今日が今月3回目のレッスンです。

「テストがあったりしたから、ピアノ久しぶり・・・忘れてるかも」

ちょっと自信ナシの発言でしたが、弾いてみたら、前回注意した「ブッキラボーな音」が見事に変身し、ふんわりとまろやかな音で弾けるようになっていてびっくりです。

フレーズが大切に歌われ、ふっくらとしたまろやかな音、細部まで気を配ったフレーズの処理など、まさに先週めざした「大人の女の音」に近づいてる!

やわらかさだけではなく、細かなスケールや和音などもキッパリときれいに弾けています。

いつこんなに練習したの?!と聞きたくなるような上達でした。

今日は、その中で、一部分だけ異質なスタイルでできている「コラール風」な部分を、もう一度レッスンしてみました。

「この部分、一番はじめはすごくシンプル。オーケストラの中の、一人か二人の・・・そうね、クラリネット奏者とか・・・が吹き始める感じ。続いて、それに応えて少し高音の音で他の(ホルンとか?)楽器が参入してくる。次を見て。もっとたくさんの楽器が入って、音が広がってくるよ。そして最後は、バイオリン群や管楽器群、オーケストラ全体が一斉に演奏し始める感じ。」

そう言いながら、先生が徐々に膨らむオーケストラのイメージを再現していきます。

「フラッシュ・モブって知ってる?結婚式でバカな踊り踊ったりするんじゃなく、街頭でいきなり音楽が始まっていくみたいな」

「ああ、知ってます。見たことある。」

「あんな感じよ。たった一人の奏者から、だんだん人が増えて、最後はオーケストラ全員が弾いてる」

「うんうん」

「そんな風に弾くのよ!」

「うわあ~、オーケストラ苦手!無理~」

オーケストラ全体って、だいたい100人近くの人がいるよね。

それを全部一人で表現しようっていうんだから、そりゃ大変だ。

そうなのです。ピアノは、オーケストラ全体=100人の音を、たった一人で表現することができる、神楽器なのです。

考えると大変だけど、指揮者になったつもりでがんばろう。

それこそがピアノのすばらしいところなんだから。

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4分音符は いつでも1拍とは限らない。

2020年10月20日 | クラシック曲

K子さん(大人):

発表会のために練習している「イタリア協奏曲」、もう最後までできて、曲全体をまとめていく段階です。

初めから弾いてみます。

出だしははつらつと、みんなのよく知っているあのメロディー。

1ページ、2ページと弾いていくうち、指番号の込み入ったところや16分音符が続くところなどで、だんだんテンポが落ち・・・あるいは前後関係の速さのバランスがあいまいになり・・・そして、ふたたび初めのテーマが出てきたときは、なぜか最初のはつらつとしたテンポとは別の曲かのように、ゆっくりになってしまっています。

「大分伸びちゃったねぇ・・・?同じメロディーのはずなのに、はじめは元気で、こっちはノロい」とヒバリ先生。

「初めに調子よく弾いちゃうと、難しいところが追いつかなくなってくるのよね。まずは、この、難しくて遅くなっちゃうところを弾いてみて。そして、そのテンポに合わせて冒頭を弾き始めれば、全体が同じテンポで弾けるから。」

K子さんがそのようにしてみると、お見事、全体が同じテンポで弾けました。

K子さんは「この曲、2拍子でしょう。なんか数えにくくて。それに、細かい音はいいんだけど、かえって、4分音符2つ、とかになったとき、どれくらいの間合いで弾けばいいのか分からなくなって・・・」と、テンポがあいまいになる原因にも気づいているようです。

例えばこんなところ。

図の1小節目、2小節目は16分音符のキザミだったり、8分音符にも16分音符が対応して刻んでいるからいいけど、3小節目に来たとき、いきなりぽっかりとゆとりの4分音符になって、どれだけ伸ばせばいいのか、どんな間合いで弾いたらいいのかわからない、ということだと思います。

なるほど、4分音符は最初っから「1拍」と刷り込まれているから、いきなり「1」って、どんな1なの・・・と思うかもしれませんね。

でも、4分音符=「1」ではないし、常に1拍とも限りません。

要は、割合の問題なのです。

4分音符は16分音符4つ分の長さなのですから、図の譜面で3小節目を弾くときは、その前に弾いていた16分音符の速さで「タタタタ」と4つぶん、心の中で数えて伸ばせばいいです。

また、この「イタリア協奏曲」は4分の2拍子ですが、それが分かりづらかったら、「4分音符が2つの2拍子」と捉えないで、「8分音符が4つの4拍子」ととらえたらどうですか。

なんなら拍をとる練習の間だけ、音価をすべて2倍にして「4分の4」とイメージしてもいいです。

16分音符→8分音符、8分音符→4分音符、4分音符→2分音符 と置き換えるのです。

そうしたら、上の楽譜もこんな見慣れたイメージになり、わかりやすくなりますよ。↓

音価の割合をきちんと取るには、細かいほうの音符を基準にして、長い音符はその何倍か?と数えるのがコツです。

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