HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

下北沢阿波踊り

2010年08月20日 | 下北沢いろいろ
毎年恒例の「下北沢一番街阿波踊り」。
今年も、夜7時半ぐらいから見に行きました。
道の両側にはなどの屋台が出て の人たちがぞろぞろ行き交い、下町のお祭りさながらです。
日が落ちて、涼しい風も吹いてきました。



ヒバリの例年のお気に入りは、三鷹の「宝船」とか地元「やっとこ連」の勇ましい男踊りとパーカッションのパフォーマンスなんですが、今年は優雅な女踊りにも心惹かれるようになってきました。
ヒバリもやっと、大人の女らしくなってきたのであろうか?


編み笠を深くかぶって、顔がちらりとしか見えないのは神秘的で、どの女性もみな美人に見えるし、ひらりひらりと返るしなやかな指先は 白い蝶のようで美しい。
つま先立ちになった 塗り下駄の足が、まるで一直線上を歩くようにお行儀よく運ばれていくのも、大和撫子の奥ゆかしさと芯の強さを合わせ見るようで チャーミングでした。

下北沢だけでなく、いろんな地域から本格的な踊りのチームが多数参加して、大迫力や超優雅なパフォーマンスを堪能させてくれる中、地元下北沢の子どもチーム、「ひふみっこ連」も 元気いっぱいの踊りを見せてくれます。
ヒバリ教室のY子ちゃん(小5)・M2ちゃん(小5)は もう何年も「踊り手」をやっている「ベテラン」で、上級生のチームに昇格し、きれいにお化粧した顔にほんのり紅をさし、白く鼻筋を立てて ふだんより大人びた風格を見せています。
二人とも、踊りながら、こちらに気がついて手を振ってくれました。
また、K小学校のMちゃん(小6)が、可愛く浴衣を着て見物していて、Mちゃんも雑踏の中から手を振ってくれました。
それから、今年初めて参加したというSちゃん(小1)も、低学年組で踊っていましたが、初体験で夢中だったのか、わき目もふらずに通り過ぎていっちゃいました・・・

一番街をいろんな「連」が練り歩いた後、8時半からは、各チーム決まった場所で、30分の「組踊り」つまりフォーメーション・ダンスのパフォーマンスです。
5年生になったY子ちゃんは、「ジュニアチーム」のトップダンサーの役になっているらしく、かけ声の第一声を発したり、踊りのトップを切ったりと、いいダンサーぶりを見せていましたよ。

これら子どもたちに指導したり、イベントを運営したりしているのは地元の商店街の人たちなので、企画や準備、練習指導などがとても大変なのだそうです。
これからも何とか、こうやって続けていってもらいたいものです。

損保JAPAN美術館・トリックアートの世界展

2010年08月20日 | その他日記
新宿副都心の損保JAPAN美術館へ、「トリックアートの世界展」を見に行きました。
展覧会のサブタイトルが「だまされる楽しさ」となっているように、マジックや「だまし絵」などで思わぬ錯覚に陥り、あやかしの世界へ引き込まれるのは楽しい。

今回の「トリックアートの世界展」に出展されていたのは、ほとんどが現代の日本のアーティストの作品で、どちらかというと「錯覚でだます」というよりは、あり得ない奇妙な世界を描いたり作ったりしたものが中心の感じでした。
たとえば、実体のない影だけの絵、とか、巨大なカンバス一面に 本物と見まがうような「水滴」をびっしりと描いたもの、とか・・・
はたまた レオナルド・ダ・ビンチやベラスケスなど有名な巨匠の、さらに有名な絵画を、そこに描かれている人物の目線からはどのように見えているか、を描いた絵とか。
(「最後の晩餐」のキリストの目線ならば、テーブルの向こう側の景色とかが見えるわけです)
う゛~・・・ 奇妙だ・・・
「世にも奇妙な物語」のテーマ音楽が聞こえてくるようだ・・・ 
♪ラシドレミ♭、 ミ♭レドシラ、 ラシドレミ♭、ミ♭、 ミ♭レドシラ♯・・・
でも、その奇妙さが快感・・・
そんな感じの展覧会でした。 なかなかおもしろい

映画「猫を探して」

2010年08月19日 | TV・映画・ステージなど
朝、花壇に水やりをしていたら、Iさんが「2枚もらったから、よかったら1枚つかって」と、映画のチケットをくれました。
Iさんは、ガーデン友だち、猫友だち・・・みたいな「ご近所さん」です。
「猫の好きな人じゃなきゃ、あげられないでしょ?」というその映画は「猫を探して」。
渋谷のミニシアターでやっているらしかったので、さっそく午後から出かけてみました。

地図を見ながら行ったのは「シアター・イメージフォーラム」という、今まで行ったことのないシアターです。
宮益坂→246→路地を入る。
こんなところに、映画館なんてあったかな・・・

説明通りに行ってみたら、ありました。
これがシアターとは絶対わからない、コンクリート打ちっ放しの建物。
究極シンプルで、ドリンクカウンターもお菓子販売もじどはんもない。
「猫を探して」は地下の「シアター2」で上映されたけど、座席数は100ぐらいだと思う。
 
映画はフランスで制作された、「ふっと行方不明になった猫を探して時空を旅する」というものでした。
世界のあちこちで活躍したり、人間と共存していたりする実在の猫たちがドキュメンタリー形式で登場して、ストーリー全体はアニメーションでつないでいく、というものです。
このアニメーションが、いかにもフランスらしく上品な淡い色で、マンガチックでなくいい感じだった。
登場する「世界の猫たち」の中には、日本の「たま駅長さん」も登場してたし、イギリスの鉄道で昔から頼りにされている猫たち、アメリカの老人病院で患者を看取る猫オスカーなどもいて、猫が単なるペットではなく信頼すべき相手として紹介されていて、とてもよかったです。

今の豊かな日本では、犬や猫が ペットを通り越して人間のオモチャや人形みたいにされてしまっている状況も多く見られます。
犬や猫だけじゃなく、時には人間の子どもまで 親のオモチャみたいになってることもある・・・といったら言い過ぎですか?
そんな中、この映画は、制作者の 猫に対しての真摯な尊敬や感謝が感じ取られ、人間が奢(おご)っていない謙虚さも感じ、とてもすがすがしく思いました。
そうさ、人間も犬も猫も、みんな同じ生き物、地球の仲間でしょう。
お互い、相手の立派なところやえらいところを尊敬し合い、苦手なところを補い合いながら、共に平和に暮らしていこうよね・・・
という思いを新たにした映画でした。

シアター・イメージフォーラムも、とっても居心地の良いシアターだったので、今後もチェックして、また行ってみたいです。
Iさん、ありがとう♪

♪心の琴線に

2010年08月19日 | 音楽のツボ
Sちゃん(小1):
1学期の、発表会の練習に入る少し前に、「こどものポピュラーピアノ曲集」という本をあげていました。
このタイトルの「ポピュラー」は、いわゆる「ポピュラーソング」ということではなく、もともとの英語の「ポピュラー」・・・すなわち「よく知られた」とか「人気がある」とかいう意味、というスタンスです。
トラディショナル・ソングや童謡、クラシックの有名曲やイージーリスニング、映画音楽、アニメの曲など、子どもたちが一度は耳にしたことがあって、「あっ、これ知ってる。弾いてみたい」と思うような曲が満載なのです。

今日、久しぶりにやってきたSちゃんは、先生があげたこの本のコンセプトに、もうしっかりはまっているようです。
「『エーデルワイス』、もう全部弾けるよ!『サウンド・オブ・ミュージック』のミュージカルで見た。『キャッツ』のミュージカルも見たよ。・・・ほらっ、この本、見たらね、M2ちゃんが弾いてた『風の丘』が載ってたよ。ほかにも、知ってる歌がたくさんあった」
「ほんとだ。『風の丘』、あったね。じゃ今度、弾いてみる?」
「うん!」
まずは宿題の「エーデルワイス」。上手ですが、どうしてもあせってしまうためか、テンポが走って指がもつれてしまったりします。
「もうちょっと、ゆっくりの方が『エーデルワイス』の感じが出るよ。エレクトーンで伴奏つけるから、一緒に弾いてみよう」
先生がエレクトーンで、ゆったりした伴奏をつけると、Sちゃんもすぐにそのフィーリングに身をゆだねることができ、美しい「エーデルワイス」が完成しました。
「『パフ』もね、伴奏つけて、もう弾けるようになった」
「ほんと?どれどれ」
Sちゃんは、発表会のときの「絵本の朗読とピアノ」で聴き、みんなで歌った「パフ」を、本当に楽しそうに弾いています。
そこで、先生は言いました。
「これ、長いお話になってたよね。1回弾くだけじゃすぐ終わっちゃうから、2回続けて弾こうよ」
「うん・・・ちょっと緊張する・・・」
そういいながら、Sちゃんは2回、続けて弾きました。
「そうそう。じゃ、もうちょっと増やすよ。2回弾き終わったら、最後の1段だけ、もう一度繰り返そう。そして、一番最後のところは『ラー、ドー、シー、レー、ド~~~』って、長く伸ばして弾くの。そうすると、ほら、お話の最後のときみたいになるじゃない?」
「うん! うわあ、できるかな~」
Sちゃん、ちょっと緊張しちゃってるのは、この曲や物語にどっぷり浸っていて、「すてきに弾いてあげたい!」と思ってる証拠です。
こうして「長編」に仕上がった「パフ」を弾き終わったとき、Sちゃんは言いました。
「わたし、来年の発表会には『パフ』弾く! あのね、この間、本屋さんにいったとき、発表会で読んでもらった『パフ』の絵本があるかと思って、さがしてみたの。だけどなかったから、ほかの本買ったの」
「えー、そうなの?本屋さんに頼めば、取り寄せてくれるよ。ママにきいてみたら?」
「うーん、でも買ってくれるかどうかわかんない」
あとでママがお迎えに来たとき、このことをお伝えすると、ママは「あら、そうだったの?だったらAmazonで頼んであげるよ?」と、すぐに言ってくれました。よかったね!

物語や、絵や、音楽などというのは どれも心の中の琴線に触れる美しいものです。
そしてお互いに、密接な関連性をもっているものなのです。
それらが響き合って、心の中に壮大なシンフォニーが鳴り響きます。
「パフ」という愛らしい作品は、心に訴える価値のある立派なものですし、だからこそ、小さいSちゃんの心の琴線に響きかけたのだと思います。
また、小学校で読み聞かせをしているという、Sちゃんのママも、そのことをよくわかっているからこそ、すぐに絵本の注文のことを了解してくださったのに違いありません。
こうやって、幼いうちから「美しいものに感動する心」を大切にし、応援してもらえるというのは たいへん幸せなことですね。
こういうことって、目に見えないけど、子どもにとって本当に大事なことだと、ヒバリ先生は思うんだよね・・・

♪レッスン再開・おひさまぐみ

2010年08月18日 | レッスン日記(小中高生)
水曜日の今日は、保育園「おひさまぐみ」のM4ちゃんとNちゃんが来ました。

M4ちゃん:
汗ビッショリになりながら、テキストの「きゅうこうれっしゃ」や「しんかんせん」や「たぬきのうた」を、楽譜をみて正確に弾き、歌ったり手拍子でリズムをとったり、どれもとっても上手にできました。
ママに抱かれて付き添ってきている 妹のM5ちゃんも、ママのおひざで前にも増してノリノリのダンスで参加していました!\(^O^)/

Nちゃん:
この間から、新しい「ピアノで歌を1」に入っています。
もう、両手を使って弾くのです。
最初の「どんぐりさんのおうち」を、楽譜を見ながら弾くNちゃんを見て、先生はちょっとびっくり。
「Nちゃん・・・音符読んで弾くの、すっごくスラスラできるようになってるね!」
そう、1学期までは、「えーと、えーと」と ポツポツ音を拾っていたNちゃんなのに、今日は おどろくほどなめらかに指を走らせている!
「そうだ、Nちゃん、お誕生日が来たんだったね。もう6才だもん、おねえさんになったんだね」
この年齢の子どもの成長はすごい。1週ごとに成長して、ぐんぐんいろんなことができるようになっていきます。
今日の1レッスンの、たった30分の間にも、すごい速度で発達が進んでいるのがわかるぐらいです。
すごい・・・・ いいな、こんなに成長できて。うらやましいよ・・・


夏休み明け・Hさん

2010年08月18日 | レッスン日記(小中高生)
大人の人は、先週1回、夏休みがありました。
Hさんには、「ふだんあまりやらない感じの曲で、簡単なものを、お一人でまとめてきてみましょう」ということで、現代アメリカの作曲家ギロックの「ダイアナの泉」が宿題になっていました。
左手→右手に受け渡すアルペジオの連続、うるんだようなペダルの仕様、そしてト音記号とヘ音記号がめまぐるしく交錯する楽譜・・・
初めての曲なのに、Hさんは柔らかく美しく、涼しげな「ダイアナの泉」をまとめていて感心しました。

もう1つの課題、ヘンデルの「アリア」も新曲だったのですが、こちらも正確に弾きこなしているのには驚きました。
と言うのも、Hさん、以前はリズムが苦手で、16分音符が続いた後の4分音符、とか たっぷり2分休符、などあっても、必ずといっていいほど ささっと端折って拍が足りないですよ!というのが常だったからです。
元来『生きがいい』というか『せっかち』というか・・・のHさん、なんにも拍のない空間が待ちきれないんですよ~ と『長符、休符は迷わずスキップ』だったのです。
ところが今回は、どの音符も、どの休符も、すばらしいゆとりと余裕でたっぷりと間をとって弾いています。
思わず「すばらしい!最高です~」と大絶賛すると、
「リズムで褒められたのは初めてです」と意外そうなHさんです。
「いいえ、初めてじゃないですよ。2度目です!前に『白鳥の湖』をやったときに、みんなができない『二拍三連』をサラッと弾きこなして褒められましたよ」
「あら、そうでしたかしら」
どこまでも謙虚なHさんなのです。
しかしすごい。
Hさんのリズム、最近ではバッチリ安定して、もう「独自のアレンジリズム」は姿を消していますよ!

♪レッスン再開・ウォーリーズ

2010年08月17日 | レッスン日記(小中高生)
2週間もお休みがあって、ギラギラと太陽に焼かれる8月のど真ん中。
みんな、レッスン忘れずに来るかなあ・・・と、思わず半信半疑になりそうだった、久々のレッスン日。

来ました!来ましたよ。
夏休み後 初日の今日は、K小学校の「ウォーリーズ」4人が来る日。
全員、ちゃんと元気にやってきました。
疑ってすまん。

Tちゃん(小3):
夏休み前に宿題にしておいた「ゆうやけこやけ」を、ちゃんと両手で練習してきていました。
やさしい日本の歌ですが、シンプルなだけに少し凝ったアレンジがしてあり、その分たいへん美しいしっとりとした曲になっています。
伴奏が 思いがけない和音になっていたり、部分的に多声部になっていたりと、なかなかの編曲でしたが、Tちゃんはきちんと譜を読んで、最後まできれいに弾いていました。
来週は、ペダルも全曲通して使い、たっぷりと表現しようということになりました。

Tくん(小5):
元のテキストにもどり、最初の練習曲は「愛のロマンス」、別名「禁じられた遊び」で知られている、スペイン民謡です。
「この曲ね、もともとはギターで弾く曲なのよ」と言うと、
「じゃ、お父さん弾けるかな。ギター持ってるし」
「きっと弾けるよ。弾いてもらってごらんよ」と話題は発展しました。
コード奏法が得意なTくんなので、Aマイナーのこの曲、まずはコードの和音で伴奏してもらいながら、先生がメロディーを弾いて 曲の感じをなにげにつかんでもらうことに。
その後、伴奏を「ラ、ド、ミ、ラ、ド、ミ、」と四分音符で刻む弾き方もやってみます。
メロディーも飲み込んだようなので、一人でメロディーにコードをつけて弾きます。
「じゃね、来週は、もっとギターっぽく弾いてくることにしよう。右手の音符ひとつに、左手は『ラドミ』と三連符を入れるの。1小節では、ラドミ、ラドミ、ラドミ、と9つの音符が入ることになるから、けっこう速くて細かいけど・・・できると思うから。そしてペダルをつけるのよ。こんなふうに」
先生は弾いてみせます。
「ね、ギターで弾いてるみたいになるし、大人っぽくてかっこいいと思わない?」
「うん、やってみる。できると思う」
よしよし。今までよりぐっとかっこいいコード奏ができそうなTくんです。

Mちゃん(小6)
発表会では、今までにやったことのないサンバの曲を、ドラムをバックにつけてもらってリズミカルに弾いたMちゃん。
もとのテキストは「ブルクミュラー」です。
ラテンテイスト満帆のサンバから、クラシック練習曲の「ブルクミュラー」におとなしく戻れるのかな。
・・・と思いきや、Mちゃん、ちゃんと練習してきていました。
「無邪気」という、16分音符連続の ちょっとややこしい曲でしたが。
そうだ、こうやって、一人でちゃんと練習してくるMちゃんだったんだよね。
疑ってすまん。
先生が、右手パートや左手パートを交代に分担しながら、数回パート練習をすると、勘のいいMちゃんですから、曲をとらえるのもすぐでした。
来週は完成を目指すことができそうです。

M3ちゃん(小6):
嵐のニノが好きなM3ちゃん、発表会が終わったばかりなのに、「来年はぜったい、ニノの『虹』を弾く!」と宣言して、その『虹』を弾いている。
その楽譜は、自分のお小遣いで買った分厚い楽譜集です。
M3ちゃんもコード奏がお気に入りで、この『虹』も、伴奏の楽譜を見るよりコードで弾く方が簡単なのです。
せっかくだから、コード譜に書いてあるいろんな記号や約束事を教えて、さらにコードが上手に使いこなせるようにと指導しました。
また、コードネームだけでなく、書いてある楽譜も見て両方照らし合わせると、弾き方のヒントになるよ、ということもアドバイスしました。
前回、夏休みになる前にも 少しそのことを言ってあったので、M3ちゃんはちゃんとコードの弾き方をきめ細かに使い分けるようにしていました。

発表会を経て、そして2週間の夏休みを終えたあと 再会したウォーリーズたちは、一人一人みんな、それぞれの長所や個性が よりはっきりと現れてきていました。
Tちゃんは正確なピアノ奏法が巧みになっているし、Tくんはコード奏がさらにうまくなり、左手もとてもよく動くようになっているし、Mちゃんは譜読みも指運びもさらに上達しているし、M3ちゃんはコードに深みが出て、メロディックな表現がきれいです。
どれも、前から「○○ちゃんのいいところは これだなー」と思っていた、彼らの特徴です。
それが、さらに磨かれて、その子らしく輝きを増していることに驚き、また嬉しく思いました。
暑い夏なのに、みんなえらい!

翻訳について-イマジネーションの世界

2010年08月10日 | 読書・絵本
先日、ミュージカル「Love Of Seven Dolls・七つの人形の恋物語」を観てきての感想を日記に書きました「Love Of Seven Dolls・七つの人形の恋物語」
ポール・ギャリコ作の この短編は、私がとても好きで、何度も読み返していたものです。
私が持っているのは、矢川澄子翻訳の角川文庫です。 
翻訳ものというのは、どこかぎこちないところがあったり日本語が美しくなかったりと、ほとんどの場合不満なのですが、矢川さんの日本語はとても流ちょうで美しくて、文学の香り高いものでした。
とても満足していたのですが、舞台を観た機会にと思い、オリジナル版のペーパーバックを取り寄せてみました。
 Love Of Seven Dolls/ポール・ギャリコ作

これがなんと、予想外に新鮮だったのです。
同時に、日本の奇才・矢川澄子訳をもってしてもなお、やはり完全には訳しきれない「翻訳」のもどかしさを感じさせられました。
もちろん 矢川澄子さんのは名訳だと思います。
文学的な格調高く、それでいて登場人物たちはチャーミングでセリフも生き生きとし、私は これほど素敵な翻訳はめったにないと思っています。
ときには、「英語の原文より、日本語のこの訳文の方がおしゃれですてきだなあ」と思う所などもあって、翻訳ということを忘れてしまうくらい、真に迫るものがあります。
また一方では、日本語という言語の持つ微妙なニュアンスや抽象性のせいか 意味があいまいになり、英語の端的なフレーズを読んで初めて、意味がわかるところもありました。誤訳だと思う部分もありました。当時の日本では知られていなかったであろう欧米の習慣などは、翻訳の仕様がなかったのだろうと思います。
このように、翻訳は 良いところも悪いところも併せて、楽しむものだと思います。



「ハリー・ポッターシリーズ」の日本語版に対する誤訳・演出過剰などの悪評は、みなさんも聞いたことがあると思います。
「ハリー」と矢川澄子さんでは格がまったく違いますが、大事なのは「翻訳本は決してオリジナルではない」ということなのです。

「伝言ゲーム」という遊びがありますね。
ある短いメッセージを、次々と隣の人に伝えていくと、最後にはぜんぜん違うものになってしまう・・・
みんなが無意識に、自分のイメージで言葉を置き換えたり、印象強かったところを強調してしまったりして、知らず知らずのうちにアレンジされていってしまうのです。

「翻訳もの」というのは、これに似ていると思います。
一つの言葉を選ぶたびに、翻訳者の価値観やセンスが投影されていきます。
最終的にできあがった本は、限りなく「翻訳者のオリジナル」に近くなっていると言っても過言ではありません。
今、あなたが読んでいる本は「日本人の翻訳者が演出したもの」であって、決してアメリカやイギリスの作者のものではないのだ、ということを、忘れないように。

転じて、原作のある物語を映画化や舞台化するのも、同じように「翻訳-トランスレーション-」といえるのではないでしょうか?
みんなが、「ハリー・ポッター」や「アリエッティ」の映画を観て、その世界を体験したと思っても、それは限られた - ワーナー・ブラザーズやジブリ - の人のイメージで、いろんな表現の中の一つのアレンジにすぎません。

例えば、「座頭市」という映画があります。
昔からいろんな人が映画を作っています。
一番有名だったのは、中村玉緒さんのご主人の勝新太郎さんが演じた映画でしたが、近年では ビートたけしさんの タップダンスを組み込んだ「座頭市」の印象が強くなりました。また、今年は香取慎吾さんによる、新解釈の「座頭市」映画も公開されました。
どれもそれぞれ、制作者の解釈と意図が反映されています。
大人は、ちゃんと割り切ってそれなりに楽しめるでしょうし、名作でも駄作でも「あれはあれ」と考えられるでしょう。
しかし、映画やテレビなどマス・メディアが与える影響は巨大です。
特に、やわらかな心を持っている子どもたちに、強烈な印象を刷り込んでしまうことには危惧を感じます。

本の世界というのは、各人各様、自分のイメージ世界を構築して そこに遊ぶものです。
原作本のイメージが、みんなテレビか映画発信のものに統一され、子どものみなさんの豊かなイマジネーションを画一化しかねない。
私はそれを恐れます。

子どもの好きな曲Vs大人の好きな曲🎵

2010年08月07日 | レッスン日記(大人)
7月の末に発表会を終えた「子どもクラス」のみんなは 今ピアノも夏休みだけど、大人の生徒のみなさんは、子どものみんなが休んでいる間も、着々とレッスンやってますよ!

Hさん:
ベートーヴェンのソナタ17番を1楽章・2楽章とも通して弾きおさめることができ、合格となりました。
来週は1週だけ夏休みなので、その間に自分だけで弾けるようにと考え、「Fountain Of Diana(ダイアナの泉)」を宿題にしてみました。
現代アメリカの作曲家・ギロックの曲・・・
アメリカの作曲家も、現代の曲も、Hさんには初めての経験ですが、夏らしく涼しげでイメージの湧きそうな、この小曲を楽しんでほしいと思います。

かえでさん:
「パフ」の朗読をしてくれたかえでさんは、子どものコンサートが終わったので 秋に行う大人のコンサートに向け、リストのコンソレーションをがんばっています。
メロディーはシンプルですが、左手の分散和音が刻々と変化し、微妙な色彩感を醸し出しているこの曲、覚えるのが大変!といっています。
その大変な「和音の変化」あってこそ、すばらしい効果が出るので、完成の喜びを夢見ながらがんばりましょう・・・

Sさんご夫妻:
3人の娘さんがそれぞれ結婚し、お孫さんのフォローやらお客さんやら、また別荘の掃除やら草むしりや枝の剪定やらと、大忙しの夏を過ごしているSさんご夫妻。
目の回るような忙しさと暑さの中、しばらくぶりにレッスンに見えました。
お二人それぞれ、好きな曲を決めてピアノを楽しんでいますが、ご主人も奥さまも、ちょっと切なく美しいメロディーの曲がお好みです。
お二人のピアノを聴いていると、その一生懸命さと音色の美しさが胸に響いてきます。

キノパパ:
キノパパもかなりお忙しい模様で、こちらも何度もレッスン日を変更し、8月1週目の今になって ようやく7月分のレッスンをすることができました。
キノパパが弾いているのも、甘く切なく美しい・・・ショパンのワルツです。

大人の方のレッスンでは、ふだん子どもたちのレッスンでは絶対聴けないような、「甘く切ない曲」や「ゆるやかで美しい旋律」などを聴かせてもらうことができます。
なにせ子どもたちの好きな曲というのは「明るくて」「元気で」「テンポの早い曲」ばっかりなんですから。
テキストに出てるのも、子どもの歌やリズミカルなものばかりです。
それはそれで楽しいんですが、こうして 子どもたちとは別の時間に大人の方とゆっくり行うレッスンもまた、とても楽しいものです。
人生を経てきた大人の方が「この曲」と選んだ、深い味わいのある曲たち。
それらを、ご一緒に 丁寧に弾いていくレッスンの時間は、私にとってもゆったりとした安らぎのひとときです。

Love Of Seven Dolls・七つの人形の恋物語

2010年08月03日 | TV・映画・ステージなど
ル・テアトル銀座で、音楽座のミュージカル「Love Of Seven Dolls 七つの人形の恋物語」を観ました。
これはポール・ギャリコ作の小節をベースに、音楽座がミュージカル化したもので、2年前が初演でした。
私は原作の小説がお気に入りなので、それが舞台化されてどんな風になっているのか好奇心が押さえきれず、今回初めて観に行った次第です。
でも、内容が変えられてたり、イメージがこわれたりしたらどうしよう・・・ドキドキ・・・
観てガッカリしたらやだな・・・

今回の音楽座の作品は、とても丁寧に作られていて、制作者や劇団の思い入れ、意気込みみたいなものがよく伝わってきました。
でも、私としてはいまいちな印象でした・・・
根本的な部分で、原作にはない大きなテーマが付け加えられていて、かえってぼやけた印象になったし、全体的にも気合いが入りすぎて あれもこれも盛り込み、大げさで「芯」が生きてこなかった気がします。
うーん・・・ でも、一応観たので、「観た」ってことの満足はしました。

原作本が気に入っている場合、舞台や映画になったときにイメージが壊れることは 一番の不安です。
実を言うと、これまで、お気に入りの原作ものが映像化や舞台化されて、「ああ、原作に忠実だし、自分のイメージとおんなじだ!」と思ったものはひとつもありません。
どれもみな、制作者の解釈やアレンジや改作が加えられています。
表現スタイルによる違い、その表現スタイルを生かした解釈や演出、などは当然のことなので文句はないのですが、私がおびえるのは、解釈が大幅にズレていたり、改変されていたりで、原作の持つメッセージや香りが壊れてしまう場合が たくさんあることなのです。

そういった意味で、今 公開中の「借りぐらしのアリエッティ」は、私は観ません。
なにしろ10才の時からのお気に入りで、図書館で何度も何度も借りたあげく 大人になってからシリーズ全巻そろえ、英語のオリジナル版も全部ゲットしてるんです。
ファン度スジガネ入りのヒバリとしては、プロモーション映像やCMの段階で、もう設定やイメージがまったく壊れてしまってるので、自分のイメージ世界の方を大事に保ってくことにします。
ただ、音楽はとてもキレイみたいですね♪
ヒバリの大好きなケルトミュージック・・・
たぶん、音楽だけゲットするようなことになると思っています。

発表会のあと・デュエットのこと

2010年08月03日 | 発表会・コンサート記録
今回の発表会では、いくつかのユニットによる「デュエット」がありました。
1台のピアノを二人で弾く「連弾」、ピアノとエレクトーン、ピアノとキーボードによるデュエット、キーボード2台のデュエットなど、組み合わせは色々です。
また二人のカップリングも、仲良し同士「いっしょにやる!」といって組んだコンビもありましたし、今年デビューの小さな生徒のため、その子が信頼している上級生に「伴奏してあげてね」と託したペアもありました。

どんな演奏スタイルでもそうですが、音楽でいちばん大切なのは「途中で止まらない」ということです。
一人で「止まらず間違えず弾き通す」というのは相当プレッシャーですね。
デュエットの場合、一人でない分 少し心強いこともあるかもしれませんが、早くなったり遅くなったりせず 二人ピッタリ揃えるという点が難しいので、それはまた別の意味のプレッシャーといえるでしょう。

今回の何組かのペアは、どのペアも少しも止まったりためらったりせず、見事に協力して演奏しました。
「おねえさんが下級生の伴奏を」のペアは3組ありましたが、実はどの組にも、何らかの「おっと!」みたいな場面はありました。
けれど、その全ての場面で、「おねえさん」がパッとタイミングを合わせて、何事もなかったかのようにちゃんと曲を修めていたのはアッパレだったと思います。
つまずきそうになった原因は、小さい人にあったり、おねえさん自身のミスタッチだったり、それはいろいろでしたが、パッと瞬時に「修復」しながら弾いたのは、どれも「おねえさん」の機転によるものだったことは、先生として自慢できることでした。
Yahoo!フォト「2010サマーコンサート」
ハワイアンの「タイニー・バブルス」をデュエットするM3ちゃん(小6)とTちゃん(小3)


音楽というのは、ただただ真面目に間違わずに弾く、ばかりがいいとは限りません。
時にミスがあったりしても、そのミスがミスとならないように、よい方向に転換しながら展開させていくことが必要なのです。
ヒバリ教室のみんなは、長い間に、自然にそういうことを身につけてくれているんだなー、と思いました。

「仲良し同士」のデュエットは、さすがでしたね。
経験の長い上級生同士の演奏ということもあって、こちらは、ミスや修復なしに 本当に最高の音楽ができたと思います。
仲良しの二人の、お互いへの信頼と責任感との力も、大きかったと思います。
「アンサンブルのセンス」というのは、ソロを弾く上でも大変役に立つ、大切な感覚です。
これからも、機会あるごとに、いろんな組み合わせでデュエットをしていきましょう。

発表会のあと・ゲストのこと

2010年08月02日 | 発表会・コンサート記録
子どもクラスの発表会では、毎回「ゲスト」の人に来てもらっています。
昔「子どもクラスの発表会」に出ていた、おにいさんやおねえさん。
「先生」のお友だちの、いろんな方面のパフォーマーの方・・・

今年も、ジャズセッションのおにいさん・おねえさんと、朗読&ピアノのユニット「かえで・ひばり劇場」のかえでさんに来てもらいました。
 Yahoo!フォト「2010サマーコンサート」

                    

絵本の朗読とピアノ演奏のコラボレーションは、子どもたちのイマジネーションを育て、心の中に生き生きとした色彩や感情を描く力を広げます。
音楽をやっていく上で、非常に大切な「想像の翼」を、みんなが身につけてくれますように。
毎年来てくれているかえでさんには、本当に感謝です。

また、ジャズセッションのおにいさんたちは、昔 わんぱく時代に、「こどもクラス」のメンバーとして 大いに楽しんできたOBたちです。
彼らが「小学生」として発表会に出ていたころは、ちょうど「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」などのゲームミュージックの全盛期でした。
「少年の夢」を刺激しまくる、これら血湧き肉躍るかっこいい曲弾きたさに、わんぱく少年たちが集まって 大合奏を繰り広げたのも楽しい思い出です。
当時は、教室メンバーの8割が男の子だったんですよ!
音楽の力、恐るべし。夢の力、恐るべし。
音楽好きだった「わんぱく坊主」たちは、そのまま音楽好きな高校生になってバンドを作り、音楽好きな大学生になってライブ活動をし、音楽マニアの大人になって、演奏活動したり こうやって子どもクラスのゲストに来てくれたりしています。

今 小学生のみんなも、いつか「音楽好きなかっこいいおにいさん」や「あこがれのおねえさん」になって、子どもクラスのゲストに来てくれるといいな。