HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

どんなピアノ曲がいいかな~♪

2013年02月28日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(小2):
先週、「どれくらいかっこよく弾けるかやってきてみて」と宿題になっていた「エチュード」。
左右の手の掛け合いで、分散和音の連続という、ちょうどシューマンの「ユーゲントアルバム」に出てくる小さなエチュードの 小規模なエッセンスみたいな練習曲です。
先週初めて弾いたときより、だいぶ上手に弾けるようになっています。
「よく弾けたね」とほめてもらいました。
「すごく上手に弾けてるから・・・」と言った先生の、次の言葉は
「来週、もう一回やってこようか」でした
せっかくのピアニスティックな課題だからね、もう少しきわめてみたい。
もっと速く、もっとスラスラやってきてみてね

ところで、春になったらM4ちゃんは3年生。
夏休みには発表会があるから、その時に弾く曲も考えはじめないといけないね。
この「エチュード」みたいに、メロディーらしいものがなくて、ピアノの音そのものを聴かせる、みたいなのも、リトルピアニストとしては そろそろアリだと思うけど。
だけどこんな曲、8歳になったばかりのM4ちゃんには あんまりピンとこないのかな?
その質問をM4ちゃんにしてみたのですが、
「うーん・・・きらいじゃーない。」というぐらいで、あんまりよくわかりませんでした。

質問を変えて、
「発表会には、どんな感じの曲がいい?いろいろ、キーワードを並べてみて!」と聞いてみました。
それに対するM4ちゃんのキーワードは 次のようなものでした。

明るくて
元気で
(はつらつで?と先生が補足してみた)
キラキラした感じで
ジャンプしてるみたいな

だそうです。
なので、今年のM4ちゃんの発表曲は このコンセプトで選ぼうと思います!

お客さんたち

2013年02月28日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(年中):
先週、電光に打たれたかのように音符&指&鍵盤が一気にリンクし、突然にピアノがスラスラ弾けるようになったHちゃん。
中央ドを中心にして、左右に広がる音域の使い方が しっかりと把握できました。
ちょうどもらった新しいテキストには、知ってる歌がたくさん出ています。
「知ってる歌がいっぱい弾けたよ」と喜んで弾いていたのですが、次のページをめくったら、テキストは新しい課題へ。
「左手を低いドレミファソに置きましょう」と、ポジションが移動になってしまうのです。
一応、「今度は この場所にお引越しするんだよ」とHちゃんに説明したのですが、せっかくマスターした「中央ド方式」も、もっと堪能させてあげたいな、と思っています、というのが、先週の日記でした。

1週間後の今日、先生は、教室にあるいくつかのやさしい歌の楽譜を取り出して、Hちゃんを待ちました。
Hちゃんがじょうずに使えるようになった、中央ドの音域で弾ける歌ばかりです。
そうしたら!

なんとHちゃんは、新しいポジションでの左手の弾き方を、なんとなくではありますが、理解したようなのです。
「『かっこう』りょうてでひいたよ!」
と、両手ユニゾンで「かっこう」の歌を、いっしょうけんめいに弾いてる!
新しいポジションというのは、左手が右手の1オクターブ低い位置でドレミファソ、と弾く、というものです。
左手は5の指から順にド・レ・ミ・ファ・ソが割り振られ、右手とまったく逆の指使いをしなければなりません。
先週、ちょっとだけ説明してみたときには、とても難しすぎて理解を超える、といった反応だったのに、1週間の間にどこをどう手がかりにしたか、その左手の指を 何とかモノにしてしまっているので驚きました。
まだ、楽譜を正確に読み取って弾いているのではないようですが、ある程度のカンとこれまでの知識を総動員しながら、どうにかこうにか曲を読み取っているらしい。
すごい。
これなら、もう新しいポジションでレッスン進めていけそうだ。

すごいねー、とほめると、
「じゃ、コンサートみたいにする?私、お辞儀するから、お客さんだれにする?」とはりきるHちゃん。
ソファの上に、ありったけのぬいぐるみを並べ、その「お客さん」たちに向かって深々とお辞儀をしてから、「かっこう」を弾きました。
この半月ぐらいで大ブレイクしてるHちゃんです。
来週はどんなワザを見せてくれるんでしょうか!

予習の力

2013年02月27日 | レッスン日記(大人)
Hさん:
ベートーヴェンの「かっこうソナタ」、そしてバッハの「シンフォニア3番」を練習しています。
「ソナタ」の方は、第一楽章のほとんどを、一通り予習してありました。
俗に「カッコー」と言われている、左手が右手の上を超えて 高音・低音とあちこち飛び回るところがあるのですが、その部分もすべて完璧に、間違いなく練習できていました。

バッハのシンフォニアの方も、前半は全部弾きこなしていて、特に最初の方などは声部の弾き分けやフレーズなどが、以前に比べて大変クリアになってきているのがわかります。
とても気を付けて 丁寧に練習しているのがよくわかる、Hさんの演奏です。
少しずつ少しずつ、時間をかけ 楽しんで練習していきましょう。


「バラード」は暗い魅力

2013年02月26日 | ブルクミュラー
Tちゃん(小5):
「『スティリエンヌ』、暗譜で弾けるかなあ
レッスンに来たTちゃんは、言いました。
そう、今日は「スティリエンヌ」を暗譜で聴かせてもらう約束。
さあ、どうかな。
Tちゃんはピアノの前に座ると、譜面台に置いた楽譜を 潔くパタン、と閉じました。
前奏、Aメロ、Bメロは、心配するほどのこともなく軽快に弾けました。
最後の Cメロの部分だけが、ほかの部分に比べて遅くなってしまいます。
「しょうがないよ。ここは一番新しく練習したばっかりなんだから」と元気づけ、先生は楽譜を開きました。
Cメロの部分だけ、楽譜を確かめながら何度か練習し、さあ、最初から通して弾いてみよう。
楽譜は譜面台に広げておき、あぶなくなったらチラ見しながらでいいよ、ということで。
Tちゃんはもう一度、真剣に最初から弾きました。
結局、最後まで 広げておいた楽譜を見ることはなく、全部暗譜で弾くことができました。

次は「バラード」です。
この曲は、生徒たちにはとても人気があって、Tちゃんも「バラード弾きたい」と言っていました。
「バラード」は、ちょっと暗くて怖くて、とってもドラマチックな曲。
ふだんは「明るく元気な曲が好き」と言ってる子どもたちですが、なぜかこの「バラード」にはどの子も惹きつけられます。
Tちゃんも、さっそく冒頭の部分を弾いてみてた。
かっこよく弾いてきてね。


こだわりの指使いで♪

2013年02月25日 | 音符・楽譜・テクニック
キノパパ:
「タイスの瞑想曲」を練習しています。
今日は、中間部のヤマ場のところをレッスンしました。

中間部は臨時記号も多く、そのため転調も頻繁(ひんぱん)にあり、譜読みはけっこう大変な部分です。
数年前に一度弾いたときには省いていた和音を全部入れ、それに伴って指使いも新しく決めていきました。
激しくドラマチックなクライマックスを過ぎて、またもとの穏やかなテーマに戻るところ・・・
1小節だけ、左手の伴奏がなくなって 右手のメロディーのみでつなぐ部分があります。
カデンツァ、というには短いけれど、それと同じように 美しいメロディーパートの見せ場になるところです。
以前は、なるべくわかりやすく覚えやすく、ということを優先して、指使いを決めていました。
当時はキノパパもまだ、初心者だったので。
けれど今は、もう大人の雰囲気あふれる、シブい中堅アマチュアピアニストになったキノパパです。

「あの~・・・指使い、前のと変えていいですか?」
ヒバリ先生は言いました。
ここのフレーズは、とっても素敵に美しい音色で弾いてもらいたい。
それには、「覚えやすい」ということを優先してはダメです。

「こことここは、同じ音だけど、敢えて指は変えて。こういう風に」
「ここは、順番に弾いていくとこの指になる流れですけど、敢えて指を寄せて、この指を使ってください」
ひとつひとつ、最適な指を吟味しながら、楽譜に番号を書き込んでいきます。
「・・・複雑すぎますか?
書いてしまってから、ヒバリは言いました。
「いえ。この方が、ほんとに音がきれいに出ますものね。覚えれば大丈夫です」
キノパパは言いました。よかった。

キノパパのピアノの音色は、ほんとにきれいなので、ぜひ、最高の指使いで、最も美しい音を奏でてほしいです。
時間はたっぷりあります。
がんばりましょう!


間違いなんて怖くない♪

2013年02月23日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小3):
ドラゴンクエストの「街」の曲を弾きたいと、がんばって挑戦しています。
今日は、初めの1段だけ 左手の伴奏もやってきました。
1音ごとに和音が変わり、それも臨時記号だらけで、とても弾きにくい伴奏です。
「たぶん間違ってると思うけど・・・」
Sちゃんは、弾く前にたいていそう言います。
「いいよ、間違ってたって。練習してきたとおりに弾いてみて」
Sちゃんが 恐る恐る弾いてみた音は、ちゃんと正しく弾けていました。
「合ってるよ。よくがんばったね」
「合ってる?ほんと?」
「大丈夫。だから両手も弾いてみる?」
「両手も、一応やってあるんだ。ゆっくりだよ?」
「いいよ、ゆっくりで」
こうして、課題ごとに「大丈夫だから」と安心させながら「街」の冒頭を弾きました。
来週は、同じパターンの2段目も両手でできるね、と約束しました。

みなさん、レッスンに来て、自分の練習してきた音が間違ってたり、上手に弾けてなかったりしても心配はいりません。
間違いを直してあげたり、上手に弾けるように指導してあげるのがレッスンなので、間違ったからとかヘタだからとかいって怒られることはありません。
また、「間違えるかも」とビクビクしながら弾くと、自分の弱点が明確につかめず 修正するのに遠回りする結果になったり、音がきれいに出せなかったりします。

だから、間違いを恐れずに。
安心して、思い切り間違えてください。(笑)


M&M テスト前日もレッスンに♪

2013年02月22日 | レッスン日記(小中高生)
中学生のM&Mは、いつも二人で仲良くレッスンに来ています。
今日、二人はレッスン室に入ると言いました。
「明日からテストなんだ!」
えっ
Mちゃん、M3ちゃん・・・テストの前日なのに、二人そろってピアノレッスンに来てくれたんだね。

えらい!
といったらいいのか、感謝!といったらいいのかよくわからないけど、先生としては、とてもうれしいです。
二人の生活の中に、ピアノがちゃーんと不動の位置を占めていて、たとえテスト前日であろうとも 普段通りにやってきて、普通にレッスンしていく。
「昨日はずーっと勉強してた」
「2時まで勉強した」
などと言いながらも、ピアノも意欲的に練習してきてて、レッスンを休んだり変更したりするという考えはまるでないらしいM&M・・・
大物だ。
君たちは、中学生にしてすでに立派な「音楽人」になってると思うよ。

中学生になると、確かに勉強が大変になるし、特にテスト前などは1分でも多く勉強しなきゃ時間がもったいない、と思うのは人情です。
ピアノのレッスンに行くために、自宅で練習する時間も惜しい。
練習してないからレッスンに行けない。
レッスンに行く時間も惜しい。

そんなこんなで、テスト前はレッスンを休む人が多いですが。
けれど本当はね、そこまで寸暇を惜しんで勉強を詰め込んでも、さして効果は変わらないものなんだよ。
かえって、一日の中で勉強から離れて ピアノを弾いたりする方が、その後の勉強が効率よく頭に入るもの。
そして週に1度、気分を切り替えてレッスンに出かけ、リフレッシュすることは、勉強によい効果を与えこそすれ 時間の損失には絶対なりません。
何より、ピアノを弾くことは 知識を増やすというのではなくアタマそのものを良くするので、長い間には大変勉強の助けになるものなのです。

なのでみなさん、「そうかな」と気持ちの余裕が持てたら、なるべく休まずレッスンにおいでね。
練習できてなくても大丈夫。
レッスン時間には他にいくらでもやることが見つけられるので、遠慮はいらないよ~♪

みんな、ピアノでアタマを良くして、その良いアタマでたくさん勉強してくださいな!


Nちゃんのすてきな歌♪

2013年02月22日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(小2):
先週、「とおいやまに日はおちて」を とてもとても素敵に演奏してくれたNちゃん、今日の宿題は、その次の曲を
1.弾く
2.歌詞をつくって書いてくる
と、Nちゃんにぴったりなテキストの課題でした。
さあ、どんな歌をつくってきてくれたのかな。
どれどれ。書いてある、書いてある。
見開き2ページの楽譜にNちゃんが書き込んできた歌詞は、Nちゃんが生まれる前からNちゃんちにいる、大きな犬の「くるちゃん」を歌ったものでした!
とてもかわいい歌が出来上がり、Nちゃんはピアノを弾きながらそれを歌いました。
「いい歌ができたねー」
「うん。私、『とおい山に日はおちて』も、また歌って弾きたくなった」
「いいよ。弾いて!先週、とってもすてきだったもんね」
Nちゃんは、とても感情をこめて「とおい山に日はおちて」を弾き、歌いました。
「Nちゃん、この伴奏に、少しだけ音を足していい?この間、Nちゃんがアレンジした時にも使ってた音・・・」
先生は、そう言いながら、Nちゃんの楽譜に音符を書き加えました。
「左手を、ドミソ、と3つの和音にするの。それからこっちの音はドファソ。」
「うん、大丈夫」
「それからね、ここが素敵な所なんだけど・・・この、2回目の同じメロディーの時は、左手のソに、♯をつけるの」
Nちゃんは弾いてみました。
ちょっと弾きにくくなるかもしれないけど、音はずーっと素敵になります。
これを、来週練習してきて! という約束をしました。
この曲を、こうやって少しずつ、バージョンアップして、最終的には素敵な仕上がりにしてみたいと思っています。
「私ね、また、発表会で、本の朗読やりたいな」
「いいよ。やろうよ。またM4ちゃんに伴奏してもらって、Nちゃんがお話読めば?」
「うん、そうする」
素敵なプランはどんどんふくらみます



ぴあのどりーむ・同じ楽譜でも演奏クオリティーはいろいろ。

2013年02月21日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(小2):
先週宿題だった「野ばらと野いちご」(左手三連符の課題)を練習しました。
この曲で使われている三連符の伴奏形は、もっと後で習うブルクミュラーや、さらにもっと後に習うソナチネなどにも使われるパターンの予備練習、みたいな感じですね。
「ぴあのどりーむ」の段階では 一応楽譜通りに弾ければOKなので、M4ちゃんも合格です。
だけどピアノの曲というのは、同じ楽譜でも弾く人によって こんなに違うのかというぐらい、そのクオリティーに天地ほどの差がつくもので、今回の三連符伴奏パターンも、上級者やプロが弾けば、ものすごーくドラマティックな演奏にもなり得るものなのです。

M4ちゃんももうすぐ3年生になるし、ずいぶんしっかりしてきたので、少しずつ、音色や表現のクオリティーを高めるという方向も開拓していきたいと思います。

次の課題は「エチュード」という、1ページだけの小さな曲です。
左手と右手が、交互に掛け合いで分散和音を弾くものなのですが、これを先生が

A.ぴあのどりーむ学習者レベル
B.超高級ハイクオリティーレベル

と、2種類弾いて M4ちゃんに聴かせてみました。
Aのほうは、ふつうに、小学生が弾くテンポできちんとお行儀よく弾きます。
次に、Bとして、すごい速いテンポで、ペダルも駆使し、大きなうねりのあるダイナミクスをつけて、リストかショパンの曲みたいに演奏してみました。

「どう?同じ楽譜なんだけど」
「すごい。すごすぎる!」
「最初弾いたのは、これ(とAをもう一度弾く)」
「赤ちゃんが弾いてるみたい!」
同じ楽譜でも、弾き方でこんなに違ってくるということが、M4ちゃんにも感じられたと思います。
来週は、この「エチュード」を、先生が弾いたリスト風とまではいかなくても、できるだけそれに近づけるように頑張って弾いてきてごらん、ということにしてみました。

さあ、M4ちゃん、どうかなあ・・・


知ってる曲はうれしいな♪

2013年02月21日 | レッスン日記(幼児)
Hちゃん(年中):
先週、音符と鍵盤が一気につながって、ブレイクしてしまったHちゃん。
今日は、宿題だった「まめまき」はもちろんのこと、その次の「こいのぼり」、そしてそのまた次の「たなばたさま」まで、一気に弾けてしまいました。
中央ドに両手の1の指を置いて、右手はド・レ・ミ・ファ・ソ、左手はド・シ・ラ・ソ・ファ、と左右に音域を広げていく このスタイルは、5才になったばかりのHちゃんにバッチリの効果をもたらしたようです。
もっとたくさん、この方法でひける曲、弾きたいね!

ところが、テキストをめくると、ここで さっさと次の段階へと進むダンドリになってしまうではありませんか。
確かに、「ジュニア1」の本でこのポジションを習い、「ジュニア2」に入って、もう8曲もレッスンしたんだから、新しいポジションの勉強に移りましょうね、という 編者の意向はわかります。
だけど、Hちゃんは、せっかく「わかった!」と 何かをつかんだばっかり。
その「ひらめき」に基づいて、8曲の課題を一気に消化し、もっとたくさん、知ってる曲弾きたいな。
と ノリノリになったところだったんです。


そんなわけなので、Hちゃんには、もう少し 今のポジションで弾ける曲を楽しませてあげたいと思います。
来週、適当な曲をみつくろって、楽譜を作っといてあげようっと。
と思う、ヒバリ先生であった。

ベート・ヴェン「カッコー・ソナタ」

2013年02月20日 | クラシック曲
Hさん:
「ソナタアルバム」に入って、最初に学習したベートーヴェンのソナタト長調が先週完成し、今日からはもうひとつ、ベートーヴェンのソナタを始めました。
2曲目として選んだこの曲もト長調です。
前回に終わったソナタは「ソナタ20番」、そして今回取組み始めたソナタは「ソナタ25番」。
このソナタは、別名「かっこうソナタ」として親しまれています。
なぜ「かっこう」か?!
それはね、曲の途中で、両手が矢継ぎ早に交差する箇所があるんですが、そこのメロディーが「カッコー!カッコー!」って聞こえるからなんですよ♪
明るくて元気な「カッコー・ソナタ」は、元祖スポ鑑ギャルのHさんにぴったり?!
バッハのシンフォニアも丁寧に練習しているので、指がとても柔軟になり 拡張性も増したと思われるHさんです。
指が柔らかくなると、ピアノの音色も確実に変わります。
これからもますます、美しい音色めざしてがんばりましょう。

楽譜を見る人・見ない人

2013年02月19日 | ブルクミュラー
Tちゃん(小5):
ブルクミュラー「スティリエンヌ」、イントロ~Aメロ~Bメロ まで、ゆっくりと弾くことができるようになりました。

ピアノの学習者には 視奏(楽譜を読んで弾くこと)に関して2つのタイプがあります。
それは、
 A.楽譜にきっちり視線を当てて弾くタイプ
 B.手元に視線を当てて弾くタイプ  の二種類です。

みんな、程度の多少はあっても、どちらかのタイプに属し、Aの「楽譜を見ながら」弾くタイプは、楽譜から目を離すのが不安なので手元がヤマカンになり、Bの「手元を見ながら」弾くタイプは、手元から目を離すのが不安なので楽譜がヤマカンになります。
本当は 楽譜を見ながらでも弾けて、そのあと早く暗譜して、複雑なポジションの移動などは 手元を見て弾いたりもできる、というように 両方使い分けることができるのが理想ですが、なかなかそうもいかない。

で、Tちゃんは、小学生には数少ない「A.楽譜を見て弾くタイプ」なのです。
そのおかげで、新曲でも指の間違いなどしないし、先生にとっては 変てこな自己流指使いを直したりしないですむ、手のかからない生徒といえます。
けれどさっき書いたように、反面 手元がヤマカンになるという弱点ももっているわけです。

今回やっている「スティリエンヌ」は、けっこう音の跳躍が多いので、手元を見ないと ジャンプのミスが多くなり、その分弾き方がだんだん弱気になって、速いテンポで弾けないとか 音が恐る恐るになる、などの弊害が表れてくるのです。

慎重に、楽譜を見ながらゆっくりとBメロを弾いたTちゃんに、先生は言いました。
「Tちゃん、ためしに、楽譜見ないで弾いてごらん。手の方みながら・・・その方が弾きやすいと思うよ」
「えー、弾けるかなあ」
と言いながらTちゃんは、思い切って楽譜から目を離し、メロディーや伴奏を思い出しながら弾いてみました。
思った通り、楽譜を見ながら弾いてるより、ずっと上手に、軽やかに弾けた!
「ほらっ、見ない方が簡単でしょ」
「ほんとだ。曲、ちゃんとおぼえてた」
Tちゃんは、信じられない、というようにびっくりしています。
「初めから弾いてごらんよ。楽譜見ないで」
最初から、Tちゃんが自分で曲を思い出しながら弾くと、今まで楽譜を見ていたときには迷っていたところや、ミスタッチしていたところが、魔法のようにアッサリ 軽やかに弾けてしまいました。
「じゃ、その勢いで、最後に残ってるCメロをやってみよう。最初に楽譜をよく頭にいれて・・・さあ、わかったら弾いてみて」
なんと、初めて弾いたCメロも、楽譜を見ないで なんなく弾くことができました。

楽譜をよく見る人は、楽譜に頼りきっていて、自分の頭や手で曲を記憶するんだという気持ちが弱いことがあります。
そこで、ちょっと荒療治に出て、「なるべく楽譜を見ないように」とミッションを与えてみると、これまで意識していなかった 視覚的に鍵盤を記憶することや、耳でメロディーを覚えることや、体でジャンプの加減を覚えることに気が付きます。
Tちゃんも、ほんとはもう耳も体も、曲を覚えていたのに、楽譜にじゃまされて 自分の完成度に気が付いていなかったのです。

で、来週までのTちゃんの宿題は、
「スティリエンヌを暗譜で仕上げてくること」!
がんばれ。


KAMIWAZA 2013

2013年02月17日 | TV・映画・ステージなど
たまたまTVをつけたら、TV朝日で、パフォーマンスの世界一決定戦「KAMIWAZA~神芸~2013」という番組をやっていた。
ジャグリングや中国の曲芸、メンタリズム、パントマイムなど いろんなジャンルの人間離れした --- 神技(かみわざ)--- レベルのパフォーマーが 世界各地からエントリーし、そのワザを競う。
ジャッジは、特別審査員7名と、会場にいる100名の 観客審査員たちが、それぞれ決められた額の持ち金から いくらを賞金として出すか、その合計額によっておこなわれるんだって。

なーんか、どっかで同じような番組やってたよね。
それは確か日テレの「世界一のショータイム~ギャラを決めるのはアナタ~」って番組。

初めてその番組を観たときは、すばらしいパフォーマンスの数々に魅了されたけど、心のどこかに「ギャラの金額で勝敗をつける」ってことが引っかかってた。

今日の番組も、確かにすごい人ばっかりが登場してて、パフォーマンスはどれも最高のようだったけど、「勝敗をつける」ってことと「金額で決める」ってことで 私の気持ちは引いてしまいました。
それに、「よく平気で、おんなじような番組やるよ」という、呆れる気持ちも大きくて。
せっかくのパフォーマンスだけど、魅力が失せ、どうしても観る気持ちになれなくてTVを消しました。
せっかくだったのにね・・・
その「神技」を、次々と披露して、「みんなすごいね~\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/」って驚いたり感動したりするんじゃダメ?
私はそれがよかったよ。。。

だって、曲芸とメンタリズムとパントマイムとか、全然ちがうものなのに、どっちが勝った負けたなんて、たとえば青森のリンゴと神戸牛と広島の牡蠣と、どれが一番おいしくて勝ってるか、とかって比べるのとおんなじようなもんじゃないの?
それぞれみんな、違う風においしいじゃん。
比べられないじゃん。

それと、お金が登場するのもイヤだ。

サン・テグジュペリの童話「星の王子様」の一節に、こういうくだりがあります。

「おとなの人たちに『桃色のレンガでできていて、窓にジェラニウムの鉢がおいてあって、屋根の上にハトのいる、きれいな家を見たよ・・・』といったところで、どうもピンとこないでしょう。
おとなたちには『十万フランの家を見た』といわなくてはいけないのです。
すると、おとなたちは、とんきょうな声をだして、『なんてりっぱな家だろう』というのです」

「世界一のショータイム」や「KAMIWAZA」に、私が思い出すのは、この一節です。
私は別に、値段なんかどうでもいいよ。
『桃色のレンガでできていて、窓にジェラニウムの鉢がおいてあって、屋根の上にハトのいる、きれいな家』でいいよ。。。





ピアノは慣れと余裕♪

2013年02月17日 | レッスン日記(小中高生)
Tさん:
上原ひろみの「ヘイズ」2回目のレッスンです。
なにしろ楽譜が19ページあるので、1回のレッスンで全部の演奏をチェックするのは無理。
「少しずつ区切ってレッスンしましょう」と言っておいたので、
「今日は ソロの前ぐらいまでお願いします」とTさんは言いました。
ソロの前まで、というとテーマの部分ということで、楽譜をよく見てないからわからないけど、3ページとか4ページぐらいだったのかな・・・

先週は全体を一気に弾いて聞かせてもらって、その中でほんの一部、たまたま目についたところのリズムとかを直した程度でした。
「これぐらいでもいいよ?なにしろヘイズ(もや・かすみ)なんだからモヤモヤでも」と言ってみたのですが、Tさんは ちゃんとやりたいです!とのことだったので、今日は楽譜をちゃんと再現しよう、という姿勢で臨んでみました。
まずは最初の2小節、7拍子のリズムパターンをちゃんと弾くことから、と 何度も何度も何度も練習していたら、本日は「ソロの前」まで行かず 最初の2小節だけでレッスンが終わりになりました
まっ、でもこの部分が一番大事だから・・・ここをいっぱい練習してください

そして、自分の音をよく聞くこと・・・
前にTさんが「自分の音が耳にはいってこない」と言ってたんで、録音するとかベースだけ弾くとか、慣れるまでいっぱい繰り返すとか、そうやって音を聞いて正確なリズムを取る工夫ができるといいなと思います。

するとTさんが言いました。
「これって、車の運転と同じじゃないかと思ったんです。初心者は、目の前のことしか見ない(見る余裕がない)」から、周りの道路状況とかを把握することができない。慣れている人は、余裕で周りの状況や車間距離や、いろいろな状況に応じて運転していくことができる・・・ピアノも、それと同じじゃないかと思って」
その通り!
ヒバリは自慢じゃないが、ゴールド免許歴○○十年の大ベテランペーパードライバーなので、運転に余裕がない、という気持ちはよーくわかります。
ま、何事も慣れと余裕と俯瞰(ふかん)、ということなんだね、ということで、本日のレッスンは終了。ちゃんちゃん!

コンセプトは明るく元気!♪

2013年02月16日 | レッスン日記(小中高生)
Y子ちゃん(中1):
ブルクミュラーの最後の曲「貴婦人の乗馬」が、ほぼ完成に近づきました。
間違っていた音や 指使いを直して、フレーズのアタックとリリースを丁寧に仕上げて、来週完成してきてね、ということになったのですが、Y子ちゃんも中学生なので 発表会の曲も早めに考えないとね。

「どういう感じの曲がいい?」ときくと、
「うーん・・・ゆっくりした静かな曲は、上手に弾けばきれいだけど、Y子はそんなふうにできないから、よくないと思う」という返事です。
「それはいえるね」
「うん」
「じゃー速い曲で」
「うん」
「元気で」
「うん」
「明るい」
「うん!」
Y子ちゃんはニッと笑いました。
そだね。やっぱ、まだ12才だから。
元気で明るい曲が一番だ。

前に、Y子ちゃんのお母さんが
「そうなんですよ。いっつも、元気で明るい曲、ってそればっかりで・・・もうちょっと別の感じもやればいいのに」
と言ってましたが、この年で「暗くて病的な曲がいい」などという子どもがいたら、そのほうが問題でしょう・・・
というわけで、Y子ちゃんの発表曲のコンセプトは、今年も「元気で明るい曲」ということになりました。
さらに、Y子ちゃんはスポーツマンなので、速いテンポでかけ上がったりかけ下りたり、という、スポーツ的な発散の気持ちよさのある曲がいいかな、ということで本人の同意を得ました。

ブルクミュラーの後は「ソナチネアルバム」に入ることになるので、とりあえずその本を渡し、
「この中のをやってもいいし、他にこんな感じのもあるし」といくつかプレゼンした結果、ベートーヴェンのロンドが気に入ったので、たぶんその曲を弾くことになると思います。

こんなY子ちゃんが、いつか「しっとりとメランコリックな曲が弾きたい」などという日は訪れるのであろうか・・・