HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Hちゃん おんぷカード

2012年05月31日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(年中):
週に一度のレッスンを、とても楽しみにして通っています。
使っているテキストは、幼児用の「ピアノでゴー」というテキストと「ともだちのーと1」というドリルです。
ほかに、先生が作った「おんぷカード」と「リズムカード」も使っています。
Hちゃんは、このカードで遊ぶ(と本人は思っているけど、実は学習)のが大好き。
四分音符、二分音符、八分音符、四分休符のカードをいっぱい並べて、その並んだとおりにカスタネットでリズムを打つのが楽しい。
それから、先週、いきなりド・レ・ミ・ファ・ソの5種類の音を習ってしまい、その5種類の「おんぷカード」を カルタみたいに並べて先生が言った音のカードを取ったり、トランプみたいに1枚ずつ引いたカードのおんぷを読んだり。
ほんとにドからソまで、ちゃんとわかってるのかな・・・と、先生は半信半疑なんですが・・・
ま、とりあえずゲームで遊んでみよう。

「Hちゃん、この音符は何だ?」と、「ド」のカードを見せてみます。
「ド! Hちゃんわかるよ。じぶんでやってみる」
Hちゃんは、カードの束を手に持って、1枚取ってみます。「ソ」の音符です。むずかしいかな?
「ソ!」
Hちゃんは、くるんとカードをひっくり返して、裏に書いてある字を読みました。
「あっ、ズルいじゃん。裏の字読んじゃ~」
「ヘヘヘ!」
Hちゃんは喜んで、カードを次々ひっくり返して裏の字を読みます。
「レ!ミ!ファ!」
「ダメじゃん~ また字見たねっ」
4才になったばっかりで、こうやってどんどん文字を読んでいくっていうだけでも、ずいぶんと高度なゲームです。
また、Hちゃんはそれを冗談として、大いに楽しんでる。大人っぽい・・・
Hちゃんは大喜びで、まだ音符を書き込んでない、五線だけのカードも開きはじめました。
「あれ。このカードはなんにも書いてない。じゃ、Hちゃん書こう。ミの音書こう」
Hちゃんはエンピツを持って、未使用の五線カードに「ミ」の音符を書きました。
ちゃんと、第1線の上にきちんと音符を乗せて。
それから、裏にひらがなで「み」と書きました。
なーんだ。音符ちゃんとわかってるじゃん。その上で、ゲームを楽しんでるんだね。
それなら心配は無用でした!

「あ、このカードもなんにも書いてない。じゃ、ドのおと書こう」
Hちゃんは、五線カードにドの音符をかきました。
そして裏に、読み方を書きました。
「と」。
この段階で、先生は内心、超なごんだんですが、平静を装って 大人らしくアドバイスしました。
「ド、って書くときは、てんてんつけるんだよ。横に」
「あ、そうか」
Hちゃんは、「と」の横にてんをつけました。てん、てん、てん・・・
(あ、3つつけちゃった)と先生は思いましたが、平静を装いました。
「と```」
「できた!」
Hちゃんが言いました。
「できたね」
先生も言いました。
今日は とてもなごんだレッスンでした。

ブギウギは男子にぴったり♪

2012年05月30日 | 音楽のツボ

Tくん(中1):
1年ほど前から、ずっと「ブギウギ」系のピアノをやっています。
今のところ、このスタイルで けっこううまくいってると思いますが・・・
ではなぜ、先生はこのスタイルを提唱したか?

それはTくんが「男子」だからです。
私は、これまでにたくさんの「男子」とレッスンし、彼らの生態を観察してきました。
その結果、男子には女子にはない、いくつかの特徴があることが統計として得られました。

〔男子と女子の比較〕

 女子 比較的骨が細く、関節が弱い。手の形やタッチを身につけるのに年数を要する
 男子 比較的骨が太く、関節も強い。苦労せずに手の形やタッチを身につけられる。

 女子 手先が器用
 男子 手先が不器用

 女子 好きでないことでも、言われればやる。
 男子 気に入ったことしかやらない。

 女子 努力ができる
 男子 努力はきらい

 女子 乙女心は複雑
 男子 オトコ心は単純

 女子 謙虚
 男子 プライド高い

単純に言って、こういった特徴を 多かれ少なかれ「男子」はもっています。
Tくんは、単純明快な「そのまんま男子」なので、彼の行動は手に取るように予測できるヒバリ先生なのです

で、そんな彼にぴったり、とお薦めしたのが、今やってる「ブギウギ」なわけです。

〔ブギウギの特徴〕
 
 短い     ブルースは1曲が12小節しかない。短期集中型の男子でもこのくらいなら。
 
 単純     コード進行が決まっているため、いちいち頭をわずらわせず新曲がパッと弾ける。

 かっこいい  ジャズなので、ノリ感や音使いがかっこいい。
 
 強い指が必要 独特のタッチを要するので、指や手首の強い男子には最適。

どうです。
指が強くて、単純で、努力はきらいで、でもカッコマン・・・
そんな「男子」に これほどぴったりの音楽が他にあるでしょうか

男性のみなさん、ぜひあなたも一度、「ブギウギ」を経験してみてくださいな。
ごきげんですよ~
基本、男の子はみんな、大人になってもずっと「男子」なんでね・・・


難しいけどがんばろうね♪

2012年05月30日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(小2):
「きょうはここやってきたよ」と、「ぴあのどりーむ」や「バーナム」を弾いているのを見ると、指はしなやかに動き、正確に打鍵し、安定したリズムを打てるコントロールができ・・・
いつの間にか、本当に上手になってるな~ と思います。

発表会の曲は、「お人形の夢と目覚め」の、「夢」の部分を練習しています。
もうできる部分は両手で弾き、まだのところは右手だけで弾きながら通していますが、
「この、最後のところ、右手だけならできるよ」
と、このページのクライマックス「お人形が目覚める」の部分を弾いてくれました。
「ママにおしえてもらった」と、この一番むずかしい和音を、もう覚えたようです。
ここがおぼえられて、結果的には大助かりなんですが、本人が苦労しないでおぼえてしまったということが ちょっと残念です。
それは、努力して困難を克服するという学習のチャンスを逃したということだからです。
そこで、「じゃ、左手もやってみよう。がんばって読めば読めるはずだよ」と応援しながら、その部分の左手を 時間をかけて読ませ、「苦労」の穴埋めとしました。

子どもたちが迷ったり手間取ったり、答えを間違えたり、ということは大人から見れば歯がゆいことですし、苦労していると可哀想にもなります。
けれど、それらは皆、子どもの成長に欠かせない「学習」なので、回り道であっても困難であっても、子ども自身で経験し、克服しなければいけません。
小さい子どもたちは皆、記憶力が大変すぐれています。
大人が「教えよう」と思わなくても、大人のやっているのを一度見ただけでも、すぐに記憶して、再現することもできてしまうのです。
しかし一番大事なのは、「知っている」とか「できる」ことではなくて、「知りたいと思う」「自分で調べてみる」「仮説をたてて、それを確認してみる」「できるまでがんばる」などの精神的成長なのです。
発表会の曲などでは、普段の練習曲より数段レベルの高い作品にチャレンジさせていることもあり、苦労の質も量も普段の何倍にもなりますが、それを克服できたときの達成感や充実感も、普段では経験できないほどの満足感となって子どもの財産になります。
そう考えて、大人の私たちは、今 子どもたちがヘタでも要領悪くても、彼らが質問してこない限り「教えない」我慢をしましょう。
そして子どもが質問してきたときも、回答そのものを教えるのではなく、考え方や工夫の仕方を一緒に考えたり、はげましたり、という方向で応援しましょう。
長い目で見れば、必ず良い結果が出ます。
夏の発表会が済んだとき、子どもたちみんなの心にどんな宝物が残るのか、楽しみに待ちましょう!

カナダのおみやげ♪

2012年05月30日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
先週・先々週と2回、レッスンをお休みしていました。
なぜかというと、カナダへ旅行していたからです!

いいなー

お天気も良くて いい旅行だったみたいで、ガーデニング大好きのHさんらしく、いろんなところで撮ったお花の写真を見せてくれました

上の写真は、おみやげに買ってきてくれたレターパッドとキャンディーです。
レターパッドの絵は カナダに生息してるヘラジカ(ムース)。
「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」じゃなく「ザ・サウンド・オブ・ムージック」って書いてあります
キャンディーはカナダの特産 カエデ(メープル)味。 形もです\(^O^)/

Hさん、先週帰国したそうで、それから1週間、ちゃんと練習してきててさすが!

Tちゃんはもうベテラン♪

2012年05月29日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小5):
「今日は夕方、雷雨になったり雹(ひょう)が降ったりで大荒れになるでしょう」と天気予報で言っていた。
ちょうどTちゃんがレッスンに来る時間にそうなるかも。
どうしよう。電話して変更にしとこうか・・・? などと逡巡(しゅんじゅん)してるうちに「こんにちはー」とTちゃんが来ちゃった。
まあいいや。さっさと手際よくレッスン終わらせて、天気がくずれないうちに帰れればいいや。

発表会の持ち曲「ドランの微笑」。
先週、最後まで弾くことができたんだった。
「なんか、くり返しが多いから、どこやってるのかわかんなくなっちゃうの」と言いながら、Tちゃんは弾き始めました。
おおっ、キレイな音色で弾けてるじゃないか
先週アドバイスしたように、右手のメロディーを浮き立たせ、左手はソフトに弾いてる!
「いいじゃん~ キレイだよ~
弾いてる途中だけど、賛辞を浴びせてしまう。
そして2ページ目にはいってすぐの、華麗に駆け下りてくる「これぞクレイダーマン」のきらびやかなパッセージ!
なんと、ここがいちばん上手に弾けてる しかも速い

なるほど確かにTちゃんの言うとおり、くり返しが多いので、自分で意識してないと何回目を弾いてるんだかどこに戻ればいいんだか、迷子になっちゃいそうだ。
「もうちょっとテンポ上げてみてごらん。もう弾けるから。かえって弾きやすくなるよ」
「えっ、速くするの?弾けるかな・・・」
「弾けるよ!だって、今、この『どや』の所が、こんなに速く弾けてたじゃない この難しい所が」
  注:「どやの所」は、例のかっこいいパッセージのことです
「う、うん、『どや』の所ね?
「だから、全部をこのテンポに合わせて弾いちゃうの。速いテンポでささっと弾けば、迷子にならないよ」
「これぐらいかな?」
Tちゃんは弾いてみました。
おお~、いいじゃないか!いい感じだよ~!
「左手は、ひとつひとつがんばって弾かないで、手を広げて置いたまま、やわらかく弾いてごらん。音もそろってきれいになるし、弾きやすいよ」
「ほんとだ。このほうが弾きやすい」
こうして、Tちゃんの「ドランの微笑」は どんどん完成に近づいていくのでした\(^O^)/

また、「ウォーリーズ」で合奏する「イン・ザ・ムード」も、先週より詳しいアレンジを書き込んだ「パート譜」を渡してみましたが、めんどくさい「パート2」の譜を即座に弾いて、安心させてくれました。
これまで何年間も、”教室で一番小さい子”だった期間が長かったため、「小さいからムリ」とか思われることが多かったTちゃんですが、ここ2年ぐらいの間に後輩も増え、それどころか、いつの間にか上級生たちの中でも遜色のない ベテランピアニストに成長していたのでした
背も高くなった。
もう「小さいTちゃん」じゃない。
数年前までは、ウォーリーズや上級生たちの中に ちょこんと小さく仲間入りしていたTちゃんですが、今年の発表会では ”上級生メンバー”みんなと一線に並ぶ姿が見られるはずです。

レッスンが終わり、
「ささっ、大急ぎで仕度して帰って!カミナリや雹(ひょう)が来ないうちに早く!ブラブラしながら帰んないんだよ」
と言うと、
「えっ、ブラブラ帰ろうと思った・・・雹が降るの? 雹見たいな~ 見たことない
と この辺は、冬に「雪採集用レジ袋」3つ持参でレッスンに来た、ウォーリー1号のTちゃんのままであった。

スミレのワルツ その2

2012年05月28日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小3):
発表会のために、「スミレのワルツ」という曲を練習し始めました。
この曲は、みんながよく弾くストリーボックの「すみれ」とは別もんです。
「すみれ」が好きらしいSちゃんのために、先生がWEBでみつけてきた、多分シャンソン。
とてもおしゃれで素敵なんですが、その分、臨時記号がけっこういっぱいあって、楽譜がちょっと取っつきにくいかな という危惧がありました。
Sちゃんが怖じ気づかないよう、お母さんにも協力してもらって、レッスンを始めることに成功したのが先週のことです。(先週の日記「スミレのワルツ」参照)
「難しくないよ~ 簡単だよ~ 短いよ~ あなたは弾ける~ 」とダマされて、じゃない暗示をかけられて(おんなじか?)ともかくもレッスンをスタートしたSちゃん。
さて、今週はどうなったでしょうか?

先週、最初のレッスンの時点で 1枚目がけっこうできていたので、こっそりお母さんに、2枚目の楽譜を送信しておきました。
「Sちゃんが、ちゃんと宿題を練習してできるようになってきたら、印刷して渡してください」と言って。
きのう、お母さんにきいてみると「一応2枚目を渡しました。でもあんまりできないようです」とのことです。

レッスンに来たSちゃんに弾いてもらうと、2枚目の最初の2段くらいまで、右手をやってありました。
実はこの辺が、「スミレのワルツ」の中で一番むずかしいかな・・・という部分だったので、これをイヤがらずにトライしていたということだけでも、先行きがぐーんと明るいです。
これから後、だんだんラクになっていくでしょうから。
Sちゃんが少しやりかけていた2枚目の前半に、指番号を決め、手の置き方や弾き方のアドバイスをして、それから1枚目の左手を仕上げるようにレッスンしました。
Sちゃんは、何種類か出てくる伴奏形を見ながら「あっ、これとこれはおんなじだ!」とか「これは、たしかここで出てきたね」とかパターンを見分け、ひとつひとつがんばって弾いていきました。
いつも、どっちかというと「知らない曲は難しい」「楽譜も難しい」とプレッシャーを感じてしまうことが多いSちゃんなのですが、ほうら、その気になれば、こんなにしっかり「大人のレッスン」ができる力があるのだ。
小さい子どもでも、曲に魅力を感じていれば、困難も乗り越えよう、という勇気が出るものです。
それに今回は、Sちゃんは知らないだろうけど、お母さんの 目に見えない支えも大きな力になってると思います。ありがとうございます

こうして、巧みにリードされてるとは気づかないまま、Sちゃんは機嫌よく曲の山場へと進んでいくのであった・・・
To be continued!

C.ロリン「プレリュード」

2012年05月27日 | レッスン日記(小中高生)
Tさん(大人):
今年の1月にピアノを始めて、4ヶ月たちました。
といっても、月2のレッスンなので、回数にすると8回ぐらいです。
指のエクササイズや音階練習などの基礎訓練の他、演奏の実践レッスンとしてC.ロリンのプレリュード曲集を教材にしています。
14曲ある、さまざまな調やさまざまなイメージを持つ曲の中から、毎回、Tさんが選んで練習してきた1曲をレッスンしています。
今日は、三連符のバラード風伴奏がついている、ハ長調のプレリュードでした。

Tさんの楽譜を見たら、レッスンに先立って あちこちにいっぱい、書き込みがしてありました。
クレッシェンドやデミニュエンドの記号の上の空いてるスペースに、なんかグラフみたいな曲線が うねうね~~と描いてあったり。
D.C.で最初にもどる部分には、冒頭メロディーのピックアップらしき音符が書いてあったり。
中間部の、クライマックスに向かうパッセージのところには、小節ごとに 1拍目になんかチェックが入ってる・・・
普段はお仕事だから週末ぐらいしか練習できない、と聞いてたけど、その中で、一生懸命練習してるんだな~。
そうだ、確か前回、クレッシェンドやディミニュエンドの使い方とかのアドバイスしたんだった。
その成果が、この うねうねか
小節ごとのチェックは、多分ここでベース音がほしいと思ったんだよね・・・
などなど、たった2ページのプレリュードですが、この曲をすてきに弾きたい、というTさんの気持ちが表れています。

気持ちはいっぱいあっても、彼の書き込みのすべてを生かす、というのは、なかなか難しいです。
理由はテクニック的なこととか、楽典的なこととか、いろいろなんですが、でも、Tさんの気持ちは、充分理解できました。
なので、彼の意図を最大限に取り入れつつ、音楽的にも正解である、というような『折衷案』を考えて、曲にアレンジを加えていきました。
「D.C.で戻ったときは、ピックアップを生かしてメロディーの方を1オクターブ下で弾いたら?その分、左手のバッキングを高音域で弾いて」とか、
「ここでベースがほしいのはわかるんだけど、そのために左手を離すわけにはいかない。しょーがない。ベースは弾いてあげましょう」とか
概(おおむ)ね、Tさんのイメージに沿ったアレンジが仕上がったと思いますが・・・ どうかな?

Tさんは、単に「ピアノを弾きこなせるようになりたい」というのじゃなく、音楽そのものを究めていきたいんだと思います。
今使ってる、アメリカの キャサリン・ロリンさんが作ったこの「プレリュード集」は、そのためには なかなかいい教材だと思います。

それはいいんだけど・・・しかし、この、日本語版のタイトル何とかならんかね。
「ピアノdeプレリュード」ってさ・・・
だれが考えたんだろ?
オリジナルの英語タイトルは、ただの「Pleludes For Piano」っていうんだよ?
ま、日本語タイトルちっちゃくて、あんまり目立たないからいいけど。




グノーのアヴェ・マリア

2012年05月26日 | レッスン日記(小中高生)
キノパパさん(大人):
「ピアノ名曲アルバム」の中から、グノーの「アヴェ・マリア」を練習しています。
とっても真面目で勉強家のキノパパなので、ここ2年ほど、「今まで、自分の好きなロマン派や、ゆったりした曲ばかり弾いていましたが、今度はこれまでやったことのない、古典派のアップテンポの曲に挑戦してみたいです」と言って、クーラウやモーツァルトのソナチネを練習してきました。
今年は、古典派よりさらに時代をさかのぼって、バロック時代・音楽の父と言われるバッハの世界を体験すべく、バッハの練習曲「アンナ・マグダレーナのための学習帳」を勉強し始めました。
その流れで、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」のプレリュードを下敷きに、ロマン派のグノーがメロディーをつけた「アヴェ・マリア」はどうですか、とお薦めしてみたのです。
弾いてみたら、もともと美しい曲が好きで その弾き方をたくさんレッスンしてきたキノパパさんなので、柔らかくきれいに弾けていて、「やっぱり こういう『美し系』の曲、お似合いだ!」と思いました。
それで、「今年は、発表会でこの曲弾きませんか? 」と提案し、キノパパさんも「ほんとにきれいな曲ですね」と、この曲を発表曲に決めました。
私も大好きな曲です。
メロディーはグノーとはいえ、バックにあるのはバッハだから、凛とした美しさがあるし、和声がすごくきれい。
キノパパさんに、似合うと思うんだ。v(^_^v)♪

とても忙しそうなキノパパさんなんですが、発表会までまだまだ期間はたっぷりあるので、ゆっくり練習していきましょう!

Y子ちゃん チャルダッシュ・ラプソディー

2012年05月26日 | クラシック曲
先週は、中学に入って始めての定期テストのため ピアノをお休みしていたY子ちゃん。
2週間ぶりのレッスンです。
発表会に弾く「チャルダッシュ・ラプソディー」という曲を練習しました。

冒頭はジプシーのギターのように哀愁をこめた、もの悲しい調べ。
つぎの部分では、ガラッと変わって、早いテンポで目まぐるしい踊りの雰囲気を出して・・・
その2つのパーツの落差が大きいほど、変化があっておもしろい演奏になるのです。

とはいえ、中学生になったと言っても、ついこの間12才の誕生日を迎えたばかりのY子ちゃんには、「ジプシー」や「切ないギター」や「流浪の民」なんてことはピンときてないに違いありません。
「ジプシーってね、こんな人たちよ」
先生は、本棚から「タンタン」のマンガを取り出しました。
確か「カスタフィオーレ夫人の宝石」の巻に、ジプシーの人たちの絵があったはず・・・
「ほら、これ、これ!こういう人たちが『ジプシー』なのよ。箱馬車に乗って、ずっと旅を続けていくの。行く先々で 歌や踊りや楽器の演奏を見せてお金を得ている。家がないから、夜は森の中とかで焚き火をして、キャンプするの。焚き火の周りで、賑やかに歌ったり踊ったりして酒盛り。タンバリンとか叩いて。。。どう?イメージ、浮かんだ?」
「うん、なんとなくわかった」
Y子ちゃんはうなずきました。
 
こうした、具体的なイメージを描くことは、ピアノ演奏する上で とっても大切。
Y子ちゃんはとてもまじめな生徒なので、よく練習しており、実力もずいぶん身についています。
もう中学生になったので、これからは、「うまい」ばかりじゃなく、雰囲気のある、すてきな演奏ができるように期待しています。

Nちゃん 1ページできあがった♪

2012年05月26日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(小2):
「こんにちはー」とニコニコしながらやってきましたが、開口一番
「あのね、こないだのところ、わすれちゃって、よくわかんなくなっちゃったの」と、ちょっと心配そうです。
「ああ、そうなの?じゃ、今日、もう一回やってみようね」
「練習したけど、わかんないからできなかった。ママに『ちゃんとおぼえてきなさい』っておこられて泣いちゃった
「えーっ、泣くほど練習したの! すごい。ど根性だ
「う~ん・・・」
そういいながらも、Nちゃんは「ふふふ・・・」と笑ってるので、別に深刻になってるわけじゃないらしい。
それならよかったよ。

今やってる「噴水のたわむれ」という曲は、これまで習ってきたテキストには出ていない音や弾き方ばっかりでできてるような曲なので、小さいNちゃんが即行理解できなくても当たり前です。
わかんなかったら、何回でも先生と一緒に練習しようね。
夏までに、ゆっくり覚えれば充分なんだから。

Nちゃんが最初から通して弾いてみると、先週とは見違えるようにテンポやリズムがよくなり、暗譜も確実になってきて、安定した音が出せるようになってた!
「わかんなかった」のは、先週新しくやった2小節だけのことだったのです。
なーんだ。2小節ぐらい、ちょっと練習すれば すぐに覚えるよ。
それに、初めの方なんて ほんとに勢いよく弾けてるじゃない。

Nちゃんが「わかんなかった」と言っていた2小節を復習して、続きの2小節を新たにレッスンして、さいごのしめくくりの2小節も新たに追加したら・・・
「ほら、1ページ目の最後まで全部弾けたよ!すごいね~」
「うわあ~ これ全部できたの?」
「そうよ。だからこの1ページ、最後まで練習してきてね」
「はい、わかりましたー」
時々、いきなり大人っぽい言葉を使って、笑わせてくれるNちゃんです。
去年より、ほんとに大人っぽく成長してます。
「噴水」も、夏までには充分、弾きこなせるようになりますよ。安心してね。

Mちゃん・ボサノヴァの練習♪

2012年05月25日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(中2):
毎週、仲良しのM3ちゃんと二人そろってレッスンにやってきます。
いつもM3ちゃんが先にレッスンを受けるので(なぜか順番が決まってる)、自分の番まで待っている45分ぐらいの間、Mちゃんはエレクトーンで練習をします。
M3ちゃんがピアノのところに行くと、Mちゃんは自分でさっさとエレクトーンのところへ入って、スイッチを入れ、ヘッドホンをつけて、練習を始めます。
先生が、M3ちゃんのレッスンをしながら、時折チラッとエレクトーンの方を見ると、そのたびに、一心に練習しているMちゃんの後ろ姿があります。
バスケット部に入っていて、多分 家で練習する時間がないと思うので、その分 Mちゃんは教室で練習しているのでしょう。
(M3は、今日 合奏の譜面をあげたので『待ってる間エレクトーンで練習してて』と言ったら、1回でやめたぞ。でも彼女は、家でちゃんと練習してくるからいいんだと思う。教室では、まったりオヤツ食べてマンガ読んで待つのがいいんだろうね)

さて、M3ちゃんのレッスンが終わって、Mちゃんの番です。
ボサノヴァの「イパネマの娘」。
毎週、少しずつ区切ってレッスンしていますが、今は最初の1コーラスが終わって、アドリブに入ったところです。
ボサノヴァの左手は、リズムがとっても難しいのですが、Mちゃんはリズム感がいいし、音楽センスもいいので、しっかりとレッスンに食いついてこれます。
最初の1コーラスは もう暗譜ができて、すごくいい感じのノリで弾けるようになってる!
「よくなったね~\(^O^)/ 気持ちいいでしょ、これぐらいノリノリで弾けると
「\(^O^)/うん! 気持ちいい
先生も共感してしまうような、軽快なボサノヴァが弾けている!
さあ、かっこよさの極致、アドリブを制覇しようじゃないか。

こういった曲の右手は、1にも2にもアーティキュレーションと呼吸です。
どんなに難しい譜面を弾きこなしていても、アーティキュレーションがダサかったら どーにもなりません。
そういうわけで、1フレーズずつ ほとんど口移しで、ニュアンスを伝えていきます。
生徒にセンスがなかったら ものすごく難しいレッスンだと思うけど、Mちゃんは的確に、先生の意図をつかんで再現してくれます。覚えるのも早い。
「なるほど。ここで切って、こう弾くんだね。だけど難しい~」
「難しいけどね。・・・毎度ピアノで練習できなくても、声で歌って覚えてもいいんだよ。歌がスラスラ歌えるってことは、ピアノでもすぐ弾けるってことなんだから。今日やったところ、歌える?」
Mちゃんは歌ってみました。
合唱団に入ってたんだから、音程は確かだし声も出る。
今日やったアドリブのメロディーが、見事なボサノヴァ・スキャットで保存されてます。
それなら大丈夫だよ。
エレクトーンで練習したり、スキャットで覚えたり・・・
いろいろ工夫しながら、かっこいいボサノヴァを目指そう。

M3ちゃん・地雷注意!- 「シ♭」の魔力

2012年05月25日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(中2):
今年の発表会で、ショパンの「ワルツ・遺作ホ長調」を弾くことになりました。
華やかな美しさもあり、ちょっぴり切ない部分もあるこのワルツは、early teensに足を踏み入れたM3ちゃんにぴったりです。
本人も、とても気に入ってるようです

ところが!
なんとこの曲の中のあちこちに、思わぬ落とし穴●地雷が埋まっていたとは 誰が予想したであろうか。

このワルツは「ホ長調」。調号で言うと、♯がド・レ・ファ・ソ と4つについています。
シャープ系の調ですから、当然 ♭はひとつもついていません。
それなのに!
M3ちゃんが、譜面をたどりながら ポツポツと音をさぐっていると・・・
楽譜に「シ」の音を読みとるやいなや、M3ちゃんの指は反射的に「シ♭」を弾いてしまうのだ。
「シは♭じゃないよ!」
「あ、そうか
M3ちゃんはすぐに弾き直すんだけど、次の小節に「シ」を見ると、またもや指は「シ♭」に。
「シは♭じゃな~い!」
「あ、そうだ
シだけではない。
ミの音が出てきても、M3ちゃんは♭にしてしまう。
どんなにどんなに「♭を弾いちゃいけない!」と固く決意していても、目の前に「シ」や「ミ」が現れると、心とは裏腹に、指は夢遊病者のように黒鍵へと吸い寄せられていく・・・

これは、初級から中級ぐらいになったピアノ学習者の多くが侵される、「シ♭過敏症」という恐ろしい病気です。
ほかにも、中級者がかかるポピュラーな病気として、「ファ♯過敏症」という病もあります。

「シ♭過敏症」患者であることが明白となったM3ちゃんにとって、ホ長調のこのワルツは地雷だらけ!
あそこにも、ここにも、シやミがいっぱい潜んで、M3ちゃんを黒鍵へと誘い込むのです。
Here, there and everywhere...

「シもミも♭じゃな~い! ぜったい、黒鍵弾いちゃダメだよ。ほら・・・ほら・・・指が黒鍵へ吸い寄せられていってる」
「ほ、本能が・・・本能が♭を求めている・・・苦しい・・・」
M3ちゃんは、楽譜の余白に大きく「本能に負けない」と書きました。
♭を弾きたい・・・でも弾いちゃいけない・・・という「♭絶ち」は、それはそれは苦しいものです。
禁断症状も現れて、指が震えたりするかもしれません。
けれども、負けずにがんばって「♭の誘惑」に打ち勝ちましょう
そうして 苦しい修行に耐え抜いていけば、いつの日か必ず「シ♭過敏症」や「ファ♯過敏症」は治っていくものです。
がんばれM3

新しい生徒 Hちゃん

2012年05月24日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(年中):
ピアノ日記初登場のHちゃんは4才!
この春から、ヒバリ教室に入りました。
もうすぐ、おばあちゃんのおうちから、昔ママが使っていたピアノを運んでもらうそうです。
それまでは オモチャのピアノで弾いてるんだ、とのことで、毎週レッスンを楽しみにして通っています。
「ともだちのーと」というドリルブックを使っておんぷを習ったり、大きなドがいっぱい並んでるテキストを見て ピアノを弾いたり。
Hちゃんのお気に入りは、先生の伴奏に合わせて自由に鍵盤をジャンジャン!と鳴らしながら、ピアノの音色やリズムを心ゆくまで楽しむこと。
それから、おんぷカードを並べて、カスタネットでリズム打ちをするのが大好きです。

ドの音から始めて、毎週ひとつずつ、音符を教えていったのですが、今日レッスンを始めてみたとき、何となく「もっといけそう」みたいな予感がしました。
そこで、何の説明もフォローもなしに、あっさりと「これがドレミファソの音符。そして、ピアノではここがドレミファソ」と、伝えてみました。
するとどうでしょう。
Hちゃんの方も、あっさりとそれをうけ入れてくれちゃったのです。
ドからソまでの音符、そしてそれに対応するピアノの鍵盤を、一気にうけとめてくれて、ちゃんと楽譜を見ながら、正しい鍵盤を弾いてる

わーい、言ってみるもんだなー。
ほんとに覚えたのか、まだ未確認だけど、おぼろげながらにも感覚をつかんだことは確かです。
来週、さらにしっかり定着できるようにやってみよう。
なにしろ、ピアノ始めたばっかりの小さい子どもたちは、自分が何のために教室にきてるのか、ってこともわかってないし、おぼえなきゃ、って気持ちもないので、ひととおりの「音楽言語」が通じるようになるまで、チンプンカンプンの宇宙人みたいなものなのでね。
宇宙人もすごく楽しいんだけど、新しい歌や曲を伝えるのに、地球語、じゃなかった、共通の「音楽言語」で話せるようになってくれると とても便利なの。
音符なんてその程度のものだけど、やっぱり便利は使えるのにこしたことはない・・・
来週、どうなってるのか楽しみです。

そういえば、今 しっかり頼もしく「音楽人」になってる上級生の子たちも、昔はみんな宇宙人だったな~

中学生・Tくん

2012年05月23日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(中1):
先週、中学に入って始めての「中間テスト」を経験したTくん。
実はガラスのハートの持ち主な彼・・・ けっこう消耗したんじゃないか?
今日は、まったくピアノ上達してないんだろうな。いや、もっと忘れちゃってたり、下手になってたりするかも。
などと内心思い、ぜーんぜんTくんを信用してなかった先生ですが、Tはその予想を裏切ってくれたのでした。
確かに練習はしてなかったようだけど、Tももうヒヨコじゃなかった。
長年ピアノをチンタラやってたかのようなTくんでしたが、実は水面下(?)で、ゆっくりと実力をつけてきていたのです。
ささっと先週の手順を思い出すと、なかなかのいいタッチで ブギウギのリズムを奏でてくれるじゃありませんか。
調子が出てるので、次の部分へ進めてみると、去年までなら苦労したに違いない 右手&左手のカラミも、すぐにひくことができました。大人だ~

さて、Tくんや妹のTちゃん、そして現在中2のMちゃん・M3ちゃんがメンバー(っていうのかどうか)であるユニット「ウォーリーズ」で、今年は「イン・ザ・ムード」をやることになりました(M3ちゃんの希望で)。

Tくんは、中学に入ってまだ日も浅いし、サッカー部に入って練習も大変だろうし、との考慮を含め、ブギウギで鍛えたリズム&コードを生かして、エレクトーンパートを担当してもらうことにしました。
左手でコードを弾くだけでなく、オートリズムのON・OFFやリズムフィルインなど、足のボタンも駆使しなければなりません。
「エレクトーンやってね。このリズムが、全員のテンポとコードを支配するんだから、責任重大だよ。かっこいいんだよ」と言い含めると、Tくんニンマリしつつ、「コードだけでいいの?」と あっさり引き受けてくれました。
さっそく、エレクトーンでやってみると、さすがにコードは初見でスラスラつかめるし、スポーツマンらしく機敏に、足でのリズムマシーン操作もこなしていました。

初めてでこれだけできれば、かなり当てにできるかも。
先生が手取り足取り面倒見なくても、自分の持ち場をちゃんと努めてくれそうだ。
Tくん・・・大人になったね~
頼りにしてるよっ

お人形の夢とハーモニカ♪

2012年05月23日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(小2):
7月の発表会では「お人形の夢と目覚め」を弾くことになりました。
この曲は 3つの部分からできていて、それぞれ「お人形の子守歌」「お人形の夢」「お人形の踊り」という小題がついています。
M4ちゃんは、「子守歌」の部分をクリアして、今は「夢」の部分に入っています。
静かな「子守歌」から曲想が変わり、楽しい気分がふくらんでくるような感じのかわいい曲。
M4ちゃんには、3つの部分の中で一番弾きやすいかな。テンポも音づかいも、今のM4ちゃんのレベルにちょうどいい感じだから・・・
ゆったりとした「子守歌」、いずれ出てくる、テンポの速い「踊り」と合わせ、変化に富んだ演奏ができるように、がんばっていこうね。

もう一つ、今年また、同じ2年生のNちゃんと二人でやろうと決めたもの。
それは「お話の朗読と音楽」です。
たまたま、この前にM4ちゃんが、レッスン室にあったハーモニカを見つけて プカプカ吹いて遊んでる姿を見て、先生が大受け!
「そうだ!それを発表会でやろうよ!Nちゃんにお話読んでもらってさ」
「え~~っ?」
たった今まで、ふざけてハーモニカを吹いていたM4ちゃんはびっくり。こんなフザけたこと・・・発表会でやったら笑われちゃうよぉ~ という戸惑いが、顔に現れています。
でも先生は大まじめ。
「M4ちゃんは好きにハーモニカ吹いていいんだよ。M4ちゃんのイメージで!」
たかがハーモニカ(しかもウチのは、百均で買ったヤツだ)だけど、イメージを膨らませれば いろ~んな音が出て、いろ~んな表現ができます。
M4ちゃんの遊び吹きをゲラゲラ笑って見ていて、その中に、なにかおもしろいものを感じたのです。
それで、さっきまでは夢にも考えてなかった「ハーモニカ即興演奏 & すてきな朗読」を 電撃のように思いついちゃった先生でした!

翌週、Nちゃんに「こういうの、どう?」ときいてみたところ、「うん、いいよ」との快諾を得ました。
Nちゃんは本が大好きで、朗読が すっごく上手なのです。
こんな二人のコラボレーション。期待できるじゃありませんか?!

どんなパフォーマンスができあがるか、楽しみだ~ v(^_^v)♪