HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

舘野泉さんplaysラヴェル

2011年02月27日 | クラシック曲
TV「題名のない音楽会」で、ピアニスト舘野泉さんの演奏を観ました。
舘野泉さんは、シベリウスなど、現近代フィンランドのピアノ曲を中心に演奏されるピアニストです。
お名前から、若い女性かな~、と思ってる人もいるかもしれませんが、70代のおじ(い)さまです。
10年ほど前、コンサート中に倒れ、右半身不随になってしまいました。もちろん右手もです!
ピアニストとしては致命傷ですから、誰もが再起不能と思いましたが、なんと彼は、左手だけでピアノに復帰、「左手だけのピアニスト」として 現在も演奏を続けているのです。
今年は 演奏活動50周年を迎えられたということで、大変めでたいことです。

さて、本日は ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」を聴きました。
私はラヴェルが好きで、舘野さんも好きなので、舘野さんの弾くラヴェルはたいへんよかったです
舘野さんのピアノは、たいへん透明な響きがします。
すごく丁寧で、繊細で、北欧の森や湖の色を感じます。
両手で演奏できた昔から、繊細な北欧のピアノ曲をすてきに演奏していて、奇をてらったりテクニックを見せつけたり、といった演奏とは全く違っていました。
子どもや初心者でも弾けるような易しい譜面の曲を 演奏会で弾いたりするのですが、その音色は誰にも真似できないようなすばらしいものでした。

今日のラヴェルの演奏を聴きながら、私は 奇妙な感覚に囚(とら)われていました。
ピアノって・・・ほんとは片手でよかったんじゃないか? 片手でピアノの演奏ができない人たちが しかたなく両手を使って弾いてるんじゃないか・・・?
だって、片手で持てないような大きな物や重い物は、しかたなく両手で持つんだし、片手でできないような難しい作業は、両手とも使ってやるしかなかったり・・・
そうだ、ピアノだって、彼のように 神の領域に近づいた演奏者は、左手1本で充分なのだ・・・
そして思いました。ピアノの音はこんなに美しいのだから、両手10本の指を同時に鳴らしてばっかりではなく、もっとみんなも、片手や単音での演奏を見直し、堂々とフォーマルな場で演奏した方がいいと。

「ピアノは両手で弾くもの」
「メロディーも伴奏も全部弾くもの」
「難しいテクニックを盛り込んだ曲>シンプルな曲」
などというのは アタマの固い思いこみなのではないでしょうか。
だって、声楽や管楽器は、どんな名人でもプロでも、単音しか出さないんだし、その他の弦楽器などにしても、みんなメロディーライン中心の音だけでやってるんですから。
ピアノにだって、そういう演奏があってもいいと思います!
ぜひ、ピアノの新境地を切り開きたいものです。

それぞれのがくふ

2011年02月23日 | レッスン日記(小中高生)
M4ちゃん(年長):
「ピアノで歌を」の、「おやこのかるがも」を両手で弾いてきました。
いつも、ほんとうによく練習していますね。
いっしょうけんめいにメロディーを弾きながら、左手を「ド・ソ・ミ・ソ・、レ・ソ・ファ・ソ、」と合わせています。
「M4ちゃん、すごくじょうずに弾けたね。こんどはね、タン、タン、タタタン、っていうリズムのところを、切れないように・・・『タ・タ・タン』じゃなく『タララン!』みたいに、できるかなあ?」
「え~、むずかしいよ~」
といいながらも、先生のリードに合わせて、M4ちゃんは8分音符を『タララン』と一続きのフレーズとして弾くことに挑戦。
何回かやっているうち、「タララン!」と きれいに弾けるようになりました。
そして左手も、「ド・ソ・ミ・ソ」から「ドソミソ、レソファソ」と、少しずつなめらかに弾くことができるように。
これは、文字でいえば「リ・ン・ゴ」と拾い読みしていたのが、「リンゴ」と フレーズ/一つの語句 として読めた、ということと同じ、大きな進歩です。

Nちゃん(年長):
Nちゃんがやっているのは、中央ドを中心に、右手・左手の音域が それぞれ上と下に広がっていくスタイルの「ともだちピアノ」と「併用曲集」です。
音符を「図形」や絵画的な視点で捉えるのが、幼い子どもたちの特徴です。
「ド」と「レ」、「ミ」などの形をきっかけに音符を覚えていくのですが、大譜表を使っていく場合 ともすると右手の「レ」と形が似た左手の「シ」などを混同する危険があるので、これまで あまり年少の生徒に使うことをしませんでした。
Nちゃんは間もなく1年生になるので、絵画的に捉えることのできる幼児の すてきな感覚と、理屈もわかる子どもの知能の両方が使い分けられると思います。
ここ何年も使っていなかった「大譜表」からの導入レッスンを、Nちゃんといっしょに楽しんでいきたいと、興味深く思っています。

フィギュアスケート・シーズンたけなわ

2011年02月23日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん:
「バロック小品集」は新しい曲に入り、コンコーネの「夜の星」もイントロのレチタティーボの部分、ひとつめの部分に続いて、二つ目の三連符による伴奏でできている部分も 予習してきました。
「夜の星」は、最初の部分が8分音符による分散和音の伴奏、二つ目の部分が三連符、そして最後の部分は16分音符と、だんだん譜割りが細かくなり、きらびやかな星の情景が描き出される仕組みになっています。

「とてもきれいにできましたね!三連符もきちんと弾けていますよ」
と褒めても、Hさんはいつも謙虚に謙遜しています。
「なかなかできませんけどね・・・だってほら、スケートがね?!
元祖スポーツ鑑賞ギャルのHさんの目が、キラリ!と輝いたのでした。
そうそう、四大陸選手権では、男子の高橋大輔選手が完璧な演技で優勝、女子の安藤美妃選手も優勝、浅田真央選手がスランプを抜けて2位と、盛り上がりましたからね~

ウォーリーズ コンプリート!

2011年02月22日 | レッスン日記(小中高生)
今日は2月22日で、ニャン・ニャン・ニャン の「猫の日」。
Tちゃん(小3)、Tくん(小5)の『T&Tきょうだい』、そしてMちゃん(小6)、M3ちゃん(小6)の『M&M』、合計4名の『ウォーリーズ』が めでたく1号から4号まで全員 揃いました。
また、指を骨折していたMちゃんの『スプーン固定』も外れて、全員完全な状態での「コンプリートウォーリーズ」です。
今年に入って 初めてぐらいの「コンプリート」だったかも・・・?
やはり冬は、風邪が流行ったり、ケガも多いということなのかもしれませんね。

Tちゃん:
「おとなのためのピアノ教本2」に入り、コード理論を取り入れながら 広い視野で曲の構成を分析していくスタイルを始めました。
すでに充分演奏力も読譜力もある彼女なので、コードを使って考えたり弾いたりするのもたやすく、そしてとても新鮮な驚きがあるようです。

Tくん:
ながらく持っていた「ひまわり」ですが、風邪や学校の行事などによる欠席でポツポツ中断~再生をくり返し、ちょっと間延びしてしまったので、あとは自己責任で、ということで ひとまずピリオドとしました。
こんなに長く続いてしまうというのは、自分で練習してこないせいなのですが、彼の場合 一概に「それがダメ」とも言えない感じがあります。
一人で地道に練習を続けられる子もいれば、一緒に練習する方がいいタイプもいるみたいで、たぶんTくんは、後者。
一緒に練習すると 大変いいセンスで応えられるTくんなので、そういうスタイルでやっていってみようと思っています。
来週は、「おとなのためのピアノ教本2」に戻って、妹のTちゃんに追いつかれないように先へ進みます。

M3ちゃん:
「スケーターズワルツ」に入りました。
「これはスケートをしてる曲なんだから、リズムに乗って滑れるように、もうちょっと速く弾いたほうがいいね」
「えっ、これって、スケートのことなの」
「そうだよ。『スケーターズ』って、『スケートをする人』って意味だもん。じゃ何だと思ってたの」
「知らなかった・・・スケーターズって、ただの名前かと思ってた」
「なあんだ~ スケートの足に合わせて、左、右、左、右、ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃ・・・って、このくらいのテンポで弾かなきゃ、きれいに滑れないじゃない?」
「あ~・・・あたしスケートできないから、ダメだな・・・」
「うーん、『ころがりワルツ』になっちゃうか・・・」
「うん・・・」

Mちゃん:
「ブルクミュラーの『せきれい』に、まだマルつけてもらってなかった」
「そうか。レッスンできないと思って、本持ってきてないときに合格しちゃったからね? じゃ今、もう一度弾いてみる?」
「うん。弾けるかなあ・・・右手、ずーっと弾いてなかったし」
と言いながら、Mちゃんは開いた楽譜を全く見ることなく、しっかり暗譜で「せきれい」を弾くことができました。
「できた!」
「すごいね。よく覚えてたね、ずっと休んでたのに」
「うん!やればできるもんだね\(^O^)/」
長い間の固定で、先週までは曲げることもできなかった指も今日はやわらかく曲がるようになっていて、Mちゃんついに完全復帰です!

やれやれ、これからは春に向かって、ウォーリーズたちも元気に過ごしてくれることを願います。

あしたのジョー

2011年02月22日 | その他日記
へへへ、観ちゃいました。映画「あしたのジョー」
マンガにはうるさいヒバリの「名作ベストファイブ」に入る原作マンガを、実写映画にしてどうなんだろう?
観るまでには葛藤しましたが、いろんな情報を得て「たぶん大丈夫だろう」と決断し、今日、ついに観ました。
結果・・・大丈夫でした。
興味ある人は観てください。

クラリネットをこわしちゃった

2011年02月21日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小1):
「こどものポピュラーピアノ曲集」から、「これがいい」といって「クラリネットをこわしちゃった」を選んでいました。
きょうは、はじめてそれをレッスンする日です。
「右手だけやってきた。左手はむずかしいから」と 本を開いたSちゃん。
そうねえ。そうかな。左手はむずかしいか・・・
まあ、がんばれば弾けないテクニックではないかもですが、使われている音の範囲は広いし、今までの練習曲で習ったことの応用練習、という配慮がされているわけでもないので、確かに「わからない」んでしょうね。
ここでがんばって、一緒に読譜からやってもまあいいけど、時には「楽しくパーッとはじける曲」があってもいいな、と思いました。そこで
「いいよ。右手だけで」と言って、Sちゃんの弾くメロディーに、先生が軽快な伴奏をつけて 一緒に弾き始めました。
楽譜に書いてある、子ども向きの伴奏を弾いてあげたのではなく、本式に演奏するかっこいい伴奏をつけてあげたので、一気に曲はもりあがりました。
Sちゃんが心の中で知ってる、あの「クラリネットをこわしちゃった」が、そのままのテンポ、そのままのイメージで、再現できています。
「もう一回やろうよ。先生、歌うから♪」
「いいよ!」

ぼくのだいすきなクラリネット、パパからもらったクラリネット、
 とってもだいじにしてたのに こわれて出ない音がある
「Sちゃんも歌いながらひけば?」
ブンチャ、ブンチャ、と調子よく弾きながら、誘ってみたんだけど
「ううーん、ちょっとむずかしい」
そういえばそうだね。すごく早いし、Sちゃんは右手も忙しいし難しいから、指を動かすだけでせいいいっぱいだ。
それに、後半の「オパ キャマラド パ キャマラド パオパオ パンパンパン・・・」のところは、フランス語の早口言葉みたいで、この間前歯が2本抜けて ぽっかり穴があいちゃってるSちゃんの口では、とても発音できまい。
「よーし、それじゃ、この かけ声のところはSちゃんが言ってよ。」
「わかった!」

どうーしよう 「オー!
 どうーしよう 「オー!

いいねいいね! 2番はこうだよ
どうーしよう 「コラ!
 どうーしよう 「コラ!
Sちゃんの声は、小さな子どもには珍しく 堂々と太くでかい声なので、このかけ声はすごいよかった。
繰り返してるうちに、Sちゃんが言いました。
「わたしね、3番の、ここは歌えるよ。『ドとレとミとファとソとラとシの音がー出な~い』」
そうだね!そこは歌えそうだ。よーし、それじゃもう1回~\(^O^)/

こうして、二人で大声を張り上げ、大迫力の「クラリネットをこわしちゃった」は、エンドレスに続くのであった・・・



A Taste Of Honey (蜜の味)の歌詞

2011年02月19日 | ジャズ・ポピュラーその他の曲
コーラスグループ「ハモプリ」は、今年の演奏曲として「A Taste Of Honey(蜜の味)」を選びました。
ちょっとユダヤメロディー的な旋律と 少し切ないコードを持った不思議な雰囲気のある曲「蜜の味」は、1960年代ぐらいに作られた曲です。
「ハーブ・アルバート&ティファナブラス」の演奏で大ヒットしたのですが、ビートルズもカバーしています。

ヒバリが持ってる「スタンダードナンバー集」という本に「蜜の味」が出ていて、不思議なメロディーだけでなくその歌詞も ちょっと謎めいて大人っぽく、気に入ったことも、今回この曲を歌おうと決めた理由のひとつでした。
今回 コーラスの編曲をするにあたって、資料を集めて参考にしようと思い、インターネットで 歌詞や演奏をいくつか確認してみたヒバリは、ちょっと驚いてしまいました。
ヒバリの知っていた歌詞と、ビートルズがカバーしているそれとは えらくニュアンスが違っていたのです。
ヒバリが思っていた「蜜の味」は、冷たい氷の海の上を吹き渡る風や、恋人に心を残しつつ去っていく男や、彼の帰りを待ちながら死んでしまった女や、ワインよりも甘いキッスと蜜の味や・・・が出てくる なんだかイミシンで大人っぽいものなのですが、ビートルズの歌には そんなものはひとつも出て来ず、ただただ「キミのファーストキッスはワインより甘い、ボクはそれを夢見てる。必ず帰ってくるよ、あの蜜の味とキミのために」と繰り返すラブ・ソングでした。。。
ただ、どちらにも共通しているフレーズは、タイトルにもなっている

A taste of honey
Tasting much sweeter than wine
(蜜の味 ワインよりもずっと甘い蜜の味)

というものです。
ところが、ヒバリが気に入っている古い方の歌詞では、この部分にもオチがあり、1番・2番と繰り返していよいよラストとなったときは、

His kiss was honey 
Tasting more bitter than wine.
(彼のキッスは蜜の味 ワインよりも苦い蜜の味)

と変わるのです。この「ビター」が なんとも雰囲気あるな~と思うのですが、ビートルズの詞にはこの変化はありません。はじめから終わりまで、全部「甘い甘い蜜の味」です。
また、英語の歌詞を紹介しているウェブサイトの中には、この部分が

ビター ではなく ベター・・・ つまり「ワインよりいい彼のキッス」みたいになっているものもあって、いろんなバリエーションに驚きました。
多分この歌詞は、オリジナルを聞き書きして bitter → better と解釈したのでしょう。
え? でも もしかして、 better →  bitter だったのかも?
真相は謎です…

でも ベターじゃ全然色気がないと思うし、ビートルズのは単純すぎるので、最初から持っていた古い歌詞を採用しようと思います。
問題は、われらハモプリが、この 選び抜いた大人の歌詞を 大人っぽく色っぽく歌えるか、ってことなんだよね・・・

ハリー・ポッター ~ ヘドウィグのテーマ

2011年02月19日 | レッスン日記(小中高生)
受験のため、しばらくピアノを休んでいたS子ちゃん(小6)が、久しぶりに元気な顔を見せてくれました。
無事合格して中学も決まり、私もほっとしました。
何より、長い冬の受験勉強に、風邪も引かず体調もくずさずに、乗り切ることができたのが嬉しいことです。

ピアノ復帰の最初のレッスンは「ヘドウィグのテーマ」・・・
映画「ハリー・ポッター」の中の、一番有名な あの曲です。
小学校で6年生を送る「お別れ会」での 全員合奏のピアノ伴奏をすることになったというので、さっそく会に間に合うように それを練習しなければいけなくなったのです。

音楽の先生手書きのピアノ譜を見せてもらったけど、読みにくいし弾きにくいし、
。。。これだけ手渡されて「弾いてきて」と言われた「伴奏者」は大変だよ。。。
。。。こういう楽譜に慣れてる、私らゲンバの者ならいざしらず、普通にピアノレッスンを受けてる小学生には とても理解しがたい楽譜だ。。。
S子ちゃんのもってきた楽譜を弾いてみながら、ヒバリ先生が思ったのは こういうことでした。

でもとにかく、弾けるようにしなくちゃならないので、
「ここは、こういうふうに書いてあるから、弾くとこんな風になるんだけど・・・指はどうしよう?こういう指使いと、こういうのと どっちが弾きやすい?」
などと、S子ちゃんと相談しながら ひとつひとつ 弾き方を決めていきました。
「じゃあ、この16分音符のパッセージは この指に決めよう。・・・それから、フィニッシュのここは・・・なんだろ?なんでこんなところに、こんなオクターブの高い音のトレモロが出現するんだ?」
と さんざん考えたあげく、
「そうだ!この音は、右手の高い音じゃなく、その上の段の左手の低い音が、ここにハミ出して書かれてるんだ!
と 奇妙な楽譜の解読もしなければならず、弾き方の手順を決める作業は困難を極めました。
だって、五線同士の間にゆとりが全くないまま、何段も続けて書いちゃってあるので、上の段のヘ音記号に属する音がハミだして、下の段のト音記号の五線の中に書かれちゃってるんだよ。
その音符がわりこんで場所を取っちゃってるので、本来の下の段の音符が 後ろの方に追いやられちゃって、後の方に並んでる。
私たちが見れば「ここにこんな音が来るなんてあり得ない。拍も合わない」とわかるから、推理を働かせて楽譜を読みとることができるけど、子どもなら めちゃくちゃにでも、見えた通りに弾いてしまうでしょう。やれやれ。

それでも、ようやく最後まで譜面の解読をして、手順が決まるごとにS子ちゃんに自分で弾いてみてもらったのですが、「弾いてみて」と言われた部分を、即座にちゃんと弾いてくれるS子ちゃんを見て
「ああ、こんなにも、言われたことに直ちに応えるテクニックが身についていたのか」と嬉しくなりました。
S子ちゃんも、やり方が決まって「これなら弾けると思います!」と安心したようで、よかったよかった。
来週、そして再来週と、あと2回レッスンすれば、本番にはじょうずに弾けるようになるでしょう。
間に合いそうでホッとしたよ。

アルベルティ・バスを弾いた♪

2011年02月17日 | 音符・楽譜・テクニック
M4ちゃん(年長):
「ピアノで歌を 2」の本にはいってから、「むずかしそう」といって残していた 1番の「とけいのうた」を、ついに弾きました。
「ドソミソ、ドソミソ」という伴奏がついています。
この伴奏の形、ピアノをやったことのある人なら だれもが経験しているのではないでしょうか。
バイエル、ソナチネなどで 必ずといっていいほど多用されていた、「ドソミソ」「レソファソ」「ドラファラ」などのパターンをとっかえひっかえ使う伴奏。

この伴奏パターンには「アルベルティ・バス」という名前がついているのですよ。
今から300年ほど昔に イタリアで生まれた、ドメニコ・アルベルティさんという鍵盤楽器の演奏者が考え出して、いつも使っていた伴奏パターンが これだったのです。
作曲した作品もほとんどなく、無名であったアルベルティさんの伴奏パターンが、なぜこんなに定着したのか、考えてみるとちょっと不思議ですが、あのモーツァルトやベートーヴェンなども、その作品の中でアルベルティ・バスを愛用しています。

この、ピアノ音楽の代表ともいえる「アルベルティ・バス」を弾くまでになったM4ちゃん。
思えばすごいことです。
「やってみたら簡単だった!」と、ほんとに嬉しそうで 自信に輝いた笑顔がかわいいです。
ほんとに、指がよく動くようになったし、日々実力がついてきています。
だんだん、ピアノらしくなってきた練習曲を楽しみながら、成長していってね。

きれいなメロディー♪

2011年02月16日 | レッスン日記(小中高生)
Nちゃん(年長):
「ともだちピアノ」「ともだちピアノ併用曲集」を渡してから、毎週とてもいい感じでレッスン進んでいます。
やさしく弾けるけれども音楽的に美しい 世界の民謡や子どもの歌などが、たくさん入っています。
ひとりで楽譜をみながら弾いても ずいぶんしっかり譜読みができるようになり すらすらと弾けますし、先生が伴奏をつけると また一層 曲を楽しみながら弾いているんだな、という表情になってきます。
毎週、「きょうも絶好調!」と言いながらページをめくるNちゃん。
ほんとに絶好調だね!

今日の練習では、右手の音域=今までと変わりなくド~ソ までですが、左手の方も音が増えて、中央ドから音階を下がりながら ド、シ、ラ、ソ と4つの音を使うようになりました。
右手と左手を合わせると ソ~ソまでの8つの音を使うことになります。
これを全部、メロディーに使うので、かなり変化のあるメロディーが演奏できることになります。

新しい曲に入るときは、楽譜を読んで、階名で歌って、それからピアノで弾いて、という手順になります。
Nちゃんが新しい曲を一人で弾くときは、途中で考えたり、迷ったりしながらも、ひとつひとつ音を確かめて、鍵盤で拾っていく、というイメージです。
ところが、この段階でも、先生がきれいな和音やリズムで一緒に伴奏を弾くと、どうでしょう。
たちまちNちゃんのピアノもなめらかになり、リズムも安定してきます。
その上、楽譜とは違うけれども伴奏にはちゃんと合った感じのメロディーをとっさに弾いて、つじつまを合わせてしまったりもするのです。

Nちゃんが「右脳派」であるのだろうな、ということが推測されます。サウスポーだし。
うまく導けば、本当に音楽を楽しめる子になっていけると思うので、ゆっくりと あれこれ試してみたいと思っています。

同音連打「おしゃべりさん」

2011年02月16日 | ブルクミュラー
Y子ちゃん(小5):
ブルクミュラーの「おしゃべりさん」・・・
「同音連打」が課題となっている練習曲です。
右手のメロディーにも、左手の伴奏にも、同じ音を速いテンポでめまぐるしく連打するパターンが どっちゃり入ってる。

何年か前、ゲーム大好きな男の子がいっぱい生徒にいた時代には、同音連打というと ゲームのボタン操作で高速連打をたっぷり練習している彼らは 大張り切り。
「こんなの簡単だよ ほらっ」と、1本指で狂ったように連打する妙技を見せてくれ、大笑いさせてもらったものです。

しかし、ピアノの連打は、2本とか3本の指を素早く入れ替えながら、軽やかに連続音を弾くものなんだよね。
先週、Y子ちゃんにはそのコツを指導しておいたのですが、今日は、たいへんよくできていました。
「おしゃべりさん」は 2回のレッスンであっさり合格となり、次の曲へと進むことに・・・
「次は『心配』だよ(気の毒だけど)」と 先生がページをめくり、曲を弾きます。
「うわ、また暗いんだね・・・
「そうだね・・・『ちょっぴり不満』で暗くて、せっかく『おしゃべりさん』が元気だったけど、またまた暗いね・・・
10才のY子ちゃんは、まだまだ「人生の機微(きび)」などよりも、明るく元気いっぱいな お日様の光の中で生きていきたい年齢。
こうして見ると、ブルクミュラーって、暗い曲がけっこうあるよね・・・
元気な曲をいっぱい弾かせてあげたいけど、時にはこういった、影の部分も経験しなきゃしょうがないね。

で、そのあとの「アレンジ練習」では、「WAになって踊ろう」で 元気いっぱいにはじけましたとさ

暗譜名人・Hさん

2011年02月16日 | レッスン日記(大人)
Hさん:
先週はお休みだったので、2週間ぶりのレッスンです。
「もう~、ダメ。全然できてなくて」
と言うのですが、けっこう細かい音が入り組んで難しい バロック小品集の「プレリュード」を見事に合格しました。
Hさんのすごいところは、前にも書きましたが「弾ける部分」=「暗譜した部分」ということ。
大人の生徒さんだと、どうしても楽譜から目を離すことができない人が多いのですが、超大人の(?)Hさんが 子どもたちと同じように、「覚えて弾く」というスタイルであるというのが 大変おもしろく興味深いです。
とにかく、弾いているときに楽譜を見ない。
途中、迷ってしまったり ふとど忘れしたりしたときはどうするか。
ちょこっと目を上げて、楽譜を確認すればすぐわかるのに、と思うんですが、Hさんはそれをしません。
「あ゛~~~」と しばしうろたえたのち、ぐっと虚空(こくう)をにらみ、そのうち驚いたことに 空中から正しい音をたぐり寄せて、また 涼しい顔をして弾き続けるのです。
何もない空中から 音をつかみ取ってくるとは、まるでマジシャンですね。
というか、それだけちゃんと練習をしているということでしょう。
Hさん自身は、謙虚ですから いつも「ほとんど練習してません」と言うんですが。
でも、だらだら長い時間を費やしても、練習効果が上がるとは限りません。

Hさんは、短い時間に能率良く覚えるという、すぐれた集中力の持ち主なのだと思います。
きっと、学校時代は「一夜漬け」の名人だったんでは・・・

左手だけのレッスン

2011年02月15日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小6):
右手の指を骨折していて、「今日もまだ固定が外れていないので、レッスンはお休みします」ということでしたが、でも、M3ちゃんと一緒に顔は出すそうです、とお母さんから連絡が来ていました。
夕方。久しぶりに「こんちわー」とMちゃんがやってきました。
見ると、右手の人さし指に、まるでティースプーンとそっくりの、銀色の固定が添えられています。
「うわ、こんなすごいのつけてるんだ・・・『スプーン』っていわれない?
「言われるー」
「便利じゃん。アイスクリームとか食べれて」
「食べれないって!」
Mちゃんは、右手のレの指(人さし指)以外はバリバリ元気です。
「Mちゃん、せっかく来たんだからピアノやろう。この機会に、左手をビシバシしごこうじゃないか」
と誘い、M3ちゃんから「バーナム」を借りて、左手の練習になるような曲を次々と選んでガンガンしごきました。
「ほうら、大分じょうずになった。次は『ブルクミュラー』だ」
先生は、本棚から『ブルクミュラー』を出しました。
「え~、まだやるの?これも左手?」
「そうさ。確か『お別れ』をやることになってたよね?左手だけ弾いてみてごらん」
Mちゃんは、初めての「お別れ」の左手パートを弾き始めました。
「悲しいね・・・」
左手の伴奏だけでも、その和音の流れに Mちゃんは悲しさを感じたようです。
Mちゃんの左手が終わってから、先生が 右手のメロディーも付いた、完全な形の曲を弾いてあげました。
前奏を聴いただけで、Mちゃんは「切ないね~・・・」と感じ入っているようです。
Mちゃんの、こういった感情を聴き取る感性はとても豊かで、実際の年齢よりも早く成長したものをもっています。
先生が、速い三連符の連続をあまり見事に弾いたので、「おぉ~」と思わず拍手したあと、Mちゃんは言いました。
「でもこれ、右手が治っても、弾けるかなあ・・・
こういうところは、年齢なりですね。

来週も、指が治っていなくてもピアノにおいでね、と言って 見送りました。
左手だけでも、やれることはいっぱいあるんだから・・・ねっ

元ウォーリー4号、現ウォーリーズリーダー

2011年02月15日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
カバンの中を見て「あっ」と驚いています。
「さては忘れたね?」
「取りに帰っていいですかっ
「ダメ。本がないなら、バーナムでバッチリしごくからいい」
ということで、元ウォーリー4号、現在はウォーリーズのリーダーということになっているM3ちゃんは、バーナムの音階で ビシバシしごかれました。
おかげで、随分速く、じょうずに弾けるようになりました。
楽譜を忘れてきた曲の方も、結局教室の楽譜を見せてもらって、「威風堂々」を合格することができました。
「伴奏の音を、メロディーより柔らかく弾いて、メロディーを邪魔しないように。メロディーは 伴奏より少しくっきりと浮き出るように弾いてごらん」
と言われて、細心の注意を払いながらがんばって弾きました。
右手が、メロディーと伴奏の両方を同時に弾き進めていくパターンなので、メロディーだけを浮き立たせるのは 大変難しいのですが、がんばって弾いたので、半分くらいは成功できました。
これは、どんな曲を弾くときにも大事なことなので、少しずつ身につけてもらいたいと思っています。
次回からは「スケーターズワルツ」をやることにしました。
シーズンだからね。
ピアノでも冬を楽しみましょう。


帰りにMちゃんは、「あたし、ウォーリーズの班長?だから」と言っていました。
うーん・・・登校班じゃないんだから、「班長」はないかも・・・
それに、もう一度言っておくけど、「ウォーリーズ」は名誉にもなんにもなりゃしないんだからね。

雪の日・T&Tきょうだい

2011年02月15日 | レッスン日記(小中高生)
今年初めて、東京に雪が積もりました。
朝は 真っ白な銀世界でしたが、すぐに陽が射してきて、道路の雪はみるみる溶け、あちこちに雪かきして積み上げられた雪の山を残すのみとなりました。

今日は4時から、T&Tきょうだいのレッスンが始まる時間ですが、時間がきてもいっこうに現れません。
さては?!
4時15分すぎ、「こんにちわー」「こんにちわー」と 晴れやかな声の二人がやってきました。
「雪で遊びながら来たでしょ?!」
「うん!よくわかったね~」
まっ赤な顔をして、靴も靴下もびしょびしょになった二人は 嬉しそうに叫びました。
これもまたよし。
と思ってしまう先生は、大人としてどうなんだろう・・・という疑問はややありですが、でも、せっかくこんなに雪がつもってるんだもん、はしゃがなきゃね?!
今の小学校では、雪が降ったら外で遊んじゃダメで、室内で静かにすごしましょう、という規則なんだってね。
なんで~ 信じられん~
雪が降ったら、大はしゃぎして遊べばいいじゃん。びしょ濡れになって、また着替えればいいじゃん。
ま、大人げない意見かもしれないけど、ヒバリ教室では「雪の喜びを全身で満喫しよう」というスタンスでやってます。
それもまた、芸術的感性の一部であるからです。(確かにそうだと思うのだ)

おにいちゃんのTくんは、テキストの少し先に出てくる「雪の踊り」という曲を「弾いてごらん」と いきなり弾くことにしました。
先生との連弾スタイルの曲なので、けっこう簡単に、リズミカルでチャーミングな雪の曲を表現することができるのです。

妹のTちゃんは、「魔女の宅急便メドレー」が合格ラインに達したので、ひとまず終了としました。
時間をかけて丁寧に磨けば、もっともっと素敵に仕上がるのですが、それは いつか改めて、ということに。
というのも、Tちゃんの弾く音が本当にきれいなので、ここで終わってしまうのはもったいない。発表会で弾いて、大勢の人に聴いてもらいたいな・・・と、先生が思ったのです。
「これを発表会で弾くの、どう?」とTちゃんにきいてみると、Tちゃんも、
「わたしも、ちょっとそう思った」と言うのです。
じゃ、そう決めようよ。
ということで、Tちゃんは、新しく「大人のピアノ教本2」をもらって帰りました。
もう、今年は4年生になるんだから、大人の楽譜だよ。
新年度になって、発表会の日が決まったら、そのときまた、「魔女の宅急便」をやろう。