HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「エリーゼのために」指使いとフレージングのコツは「もち、もち、おぞうに~」

2021年01月15日 | クラシック曲

Cちゃん(小3):

「こんちはー。本、持ってきたよ」

今日が今年初めてのレッスンですが、先週、ひょっこり顔を出していたので、教室に来るのは2回目です。

持ってきたのは、おじいちゃん・おばあちゃんのお家にあったのをもらったというピアノ曲集です。

昔おばあちゃんたちが使ったものでしょうか。お正月休みに行ったときにもらったそうです。

「エリーゼのために」、「紡ぎ歌」など、昔からの発表会定番曲がいくつも収録されていて、Cちゃんはさっそく「エリーゼのために」を少し教わってきていました。

「はじめの所だけは弾けるよ」と、両手で「A」の部分を弾いてくれました。

「うん、ちゃんと弾けてるね」先生は言いました。

「ちゃんと弾けてるんだけどね、今聞いて、今年の目標が決まったよ」

「え、何、何?」Cちゃんは知りたがりました。

「それは!ここに貼っておこう」

先生は付せんを出しました。

「Cちゃんが書きたい~」というのでエンピツを渡して、先生は言いました。

「指番号を守ること!! コレだよ」

去年のクリスマス発表会で、初めてソナチネを弾いたときに、指番号を守らなくてどんなに苦労したか。でしょ?!

「うん、そうだったね。『指・・番号・・を・・・守る・・・』」

Cちゃんはせっせと付せんに書き込んで、「エリーゼのために」のタイトルの横に貼りました。

よしっ。今年は指番号を守ることが課題だよ。

なぜなら、的確な指で弾くことで、音の仕上がりがまったく違ってくるんだからね。

「たとえば」

先生は言いました。

「この、左手の伴奏、最初のAmの3つの音なんだけど。これを『ラミラ!』というひとつの言葉みたいに、一息で弾かないといけない。それには指使いをきちんとしたものにしないと、きれいに弾けないの。『ラミラ』という形に手を広げておいて、一気にラミラ!と弾いて手をスッと抜く」

Cちゃんはさっそく、「ラミラ!」の弾き方をやってみています。

「こういう区切りを『フレーズ』って言うんだけど、これは文章を読んだり話したりするのと同じことなの。たとえば、『今日、学校に行きました』って言うとするよ。よく聞いてみると、『行きました』の『ました』は、同じ強さで言ってないはず。『まーしーたー』じゃなく、『た!』!の音はスッと軽く言ってるはず。」

「そうだね!言葉に合わせるといいんだね」

Cちゃんはフレーズの抜き方に納得できたようです。

「それならさ、コレに言葉つけようよ。Rちゃんがやってたみたいに」Cちゃんが思いついて言いました。

去年のクリスマス発表会のとき、Rちゃん(小4)が「パイレーツ・オブ・カリビアン」に「味噌ラーメン、塩ラーメン、チャーシューメン、ギョーザ!」と歌詞を付けて見事に弾いたので、Cちゃんも「おもしろそう!」と思ってたようです。

「そうだね!それいいね。そうしよう」先生も賛成し、

「お正月だから『おぞうに』とかさ、おせち料理がいいよ」とCちゃん大はりきり。

さっそく一緒に歌詞を考えました。とりあえず冒頭の部分はこんな感じ。

♪ おもち、もち、おぞうに~

 くろまめ~ きんとん~

 もち、もち、もち、おぞうに~

 くろまめ~ かずのこ~

同じメロディーには同じ歌詞が入ります。

そして くろまめ! かずのこ! と自然な発音で言うのと同じように、ピアノのフレーズも自然体でスッ!と抜くのです。

なんだか真面目なベートーヴェンさんには申し訳ないような「エリーゼ」になりそうですが、演奏の方は柔らかなフレージングを目指せそうです。

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一人デュエットやってみた!

2020年12月11日 | クラシック曲

K子さんとK美さんが連弾の撮影を終わって帰った後。

ヒバリは思いました。そうだよ、自分も演奏録画、取らなきゃな〜

今年はコロナのせいで、発表会も先生の演奏は自粛して時短をはかり、その分「ビデオ出演」ってプログラムに書いたはいいけど、あんま練習もしてないから、まだ録画はできないな〜

じゃあ、いつなら練習出来上がって録画できるんだよ?

ヒバリは自分に聞いてみました。が、いつまでたったって練習する時間はほとんどありません。

発表会が終わったこれからは、連日クリスマス会やらそのための買い出しやらで忙しい。

そうだ、今、この勢いで撮っちゃえ!

練習できてないけど、やってみたいことがあるんだもん。

弾くのはモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタニ長調」です。

本来、二人の奏者がそれぞれ1台ずつ、2台のピアノを使って弾く曲なので、一緒に弾く相手とか、ピアノ2台ある場所、とか考えたら、通常ではなかなか弾くチャンスがありません。

だけど、動画でならできる。

一人で、両方のパートをそれぞれ弾いて、合体すればいいのだ。

ヒバリ一人で、ヒバリんちのピアノ1台で、「2台のためのピアノソナタ」ができる。

リアルのコンサートに出れないなら逆にそれを逆手にとって、リアルではできない、ビデオならではのことをやってみよう!と思ったのが発端です。

第一楽章だけですが、それでも全部弾くと長いので、3分ぐらいに縮めました。

K&Kデュオが帰った後、バタバタと2つのパートを弾いて録画し、夕方のレッスンが終わった後2つのビデオを合体して編集し、タイトルをつけて完成しました。

演奏の出来ばえはそこそこだけど、面白かったのでまあ成功としよう。

写真だけ載せます。

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K子さん練習UP!

2020年12月01日 | クラシック曲

今日から12月。

12月のレッスン一番乗りはK子さん(大人)。親戚のK美さん(大人)と二人で連弾の練習に来ました。

ここ数年、ヒバリ教室の発表会のときに二人で連弾していたのですが、今年はコロナが心配な状況になり、K美さんはご家族と相談の結果、当日は残念ながら不参加ということになりました。

1年1回の連弾がなくなってしまうのはとても残念なので、ビデオで参加したら、とヒバリが提案し、今日はそのための事前レッスンに来たのです。

曲はサティの「ジュ・トゥ・ヴ」。

軽やかなシャンソンで、タイトルの意味は「おまえが欲しい」「あなたが大好き」です。

タイトルはあまりなじみがないかもしれませんが、曲を聞けば「ああ、この曲!」と思い当たる人もたくさんいると思う、すてきなワルツです。

K美さんにお会いするのは、去年のクリスマス発表会以来1年ぶり。

今年の連弾を聴くのも今日が初めてなので、持参してくれた楽譜を少し手直しして弾きやすくアレンジしたり、演奏のアドバイスをしたりしてレッスンを終わりました。

手直しした部分を練習しておいてもらって、近々ヒバリんちで録画する予定です。

発表会当日、K子さんはソロ演奏の「イタリア協奏曲」も弾くのですが、そちらの方は今日レッスンしなくてもいいです、とのことなので、

K子さん、練習UPです!

がんばりましょう。

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Tさん、練習UP!

2020年11月29日 | クラシック曲

Tさん(大人・男性)

以前はヒバリんちの並びのアパートに住んでいて「一番近くの生徒」だったTさんですが、今は引っ越したので、電車で通ってくる「遠くの生徒」です。

会社のお仕事がとても忙しく帰りも夜遅く、なかなかピアノの練習ができないという悩みの中、何とか時間を捻出して努力してきました。

今日は、発表会前最後のレッスン日です。

曲はベートーヴェン作曲ピアノソナタ「悲愴」の第一楽章。

Tさん自ら「弾きたい」と選んだ曲です。

まずは通して弾いてもらいました。

重々しい和音で始まる、グラーヴェ(重々しく、荘重に)の序奏。

さすが大人の男性なので、低音が響く迫力のサウンドです。ちびっこのヒバリ先生には出せない音。

間合いもいい。

続いて... 来ました、急速テンポの第一主題。

この部分の左手トレモロに、何度泣かされたことでしょう。悪魔もおびえる「伝説のトレモロ」とは、この「悲愴第一楽章」のことです。

そのトレモロも克服してます。がんばった!

両手が目まぐるしくクロスする第二主題、メロディーとトレモロ伴奏を弾き分ける推移部を経て、次々展開していくソナタの世界。

転調につぐ転調、トレモロにつぐトレモロ、そして大迫力のフィニッシュ和音。

いやー、がんばりました。

Tさんご本人は、「まだまだ弾けてない。前より弾けなくなった所もある・・・」と自信なさげですが、ヒバリが前回聴かせてもらった時よりずっと良くなっているのです。

テンポが上がり、旋律もクリアに響き、トレモロだってなめらかに弾けてる。

「前より下手になった」と感じるのは、こうして曲を仕上げていくときに多くの人が感じることで、曲に慣れてテンポが上がってきてるため、つまずく箇所が出ることがあるためです。

そういう部分を拾い出してミスしないように強化しておけば、全体的に見たら大変良いペースになってることが実感できると思います。

これでTさん、練習UPです。

来週の今日、自信もって弾いてください。

ところで、今回、発表会での「悲愴」ですが、今年がベートーヴェン生誕250年という記念イヤーであることにちなみ、1楽章ずつ分担して、全3楽章通し3人リレーで弾こう、と計画しています。

第一楽章Tさん、第二楽章ドクター、第三楽章Mちゃん(高1)。

通常、ソナタの演奏では、全部の楽章を通して一人の奏者が演奏し、楽章ごとに拍手はしません。

全部通しての作品、であるからです。

でも今回はプロではなく生徒の発表会だし、分担だしね・・・

と思ってヒバリ先生が考えたのは、

全3楽章まで 3人の演奏が終わったら、改めて第一楽章、第二楽章、第三楽章の演奏者が並んで、一緒に礼をする。だけど、各楽章ごとに終わったときも、せっかくだから拍手は送ろう。ということでした。

でも、Tさんは「ソナタだから、やっぱり拍手は無しで、最後に3人で礼と拍手がいいです」と言いました。

拍手もらわないの寂しいかな、と思ったけど、ご本人が拍手無しでいいなら、それはもう文句なしです。

正統派スタイルでいきましょう!

ドクター、Mちゃん、よろしくです。

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長い曲は、時々はじめの部分を弾いて テンポを思い出そう

2020年11月03日 | クラシック曲

K子さん(大人)

「やっぱり、あそこのテンポが難しいわー」

開口一番、練習の経過報告です。

「あそこのテンポ」というのは、前にもブログで取り上げたイタリア協奏曲の、16分音符〜8分音符〜4分音符 と、メロディーの音価が変化していく部分のことです。

「頭では分かってるんだけど、弾くとどうしてもわからなくなってしまう」ということらしいんですが、弾いてもらうと、そんなに言うほどのこともなく、ちゃんと弾けています。っていうか、それもヤマカンでやってるのかな。

ともあれ、この部分含め、前半3ページくらいは、とても生き生きと、溌溂(はつらつ)とした演奏が出来ています。

それが、真ん中を越えたあたりから、段々迷ったり間に合わなくなったり、が現れてきて、それに連れてテンポもだんだん落ち

次に主題メロディーが現れたときには、大分ノロくなって、違う曲みたいに聞こえてしまうのです。

そこで、「ちょっと一番初めのフレーズを弾いてみて」と、曲の冒頭を弾いてみてもらい、K子さんの「テンポ」を確認します。

次に、今弾いていたテンポを忘れないように手拍子で保存しながら、「このテンポで、この、メロディーが再現されてるところを弾いて!」と、後半の、さっきダレていた部分を弾いてもらいます。

そうすると、「なんだー、ここはこんなテンポだったのか」と確認でき、意外にも弾きやすく感じたりするものです。

K子さんには「いつも続けてばかり弾くのではなく、新しい部分から練習したり、難しいところや弾きにくい所だけ部分練習したりもやりながら、練習を進めるように」とお伝えし、同時に、途中から弾くときは、まず今のように冒頭を弾いて、そのテンポで弾くようにね」と言っておきました。

「そうね。せっかくキーボードも買ったんだから、アレもうまく活用して!」

とK子さん。

先月、リズムキープ用アイテムにとヒバリがおすすめしたミニキーボードを、K子さんは買ったそうなのですが、

 

OGPイメージ

K子さん、ジャズのリズム安定のためのアイテムは - ヒバリ教室ピアノ日記♪

CASIO44ミニ鍵盤電子キーボードSA-76ブラック&オレンジサイズ:604×211×57mm※突起部等は...

K子さん、ジャズのリズム安定のためのアイテムは - ヒバリ教室ピアノ日記♪

 

「この間、説明書を見ながら使い方を勉強したら、いろんなことができるのがわかって、面白くなって、ずーと遊んじゃって」と、ずいぶん楽しんだようです。

そうなの。アレって、いろんなリズムや音が出せるので、やり始めたらいつまでも遊んじゃうんですよね。

今はちょっと休んでるけど、そのうちまたジャズの曲を弾くときなんかに使ったら最高なので、やってみてねー

「そうね、やりたいことがいっぱいだわー」と意欲まんまんのK子さんでした!

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悲愴第一楽章、仕上がってきました

2020年10月31日 | クラシック曲

Tさん(大人・男性)

月2回のレッスンなので、今日は久しぶりです。

ベートーヴェンのビアノソナタ「悲愴」の第一楽章。

とても長くて、テクニックも難しい大曲なので、お仕事がいつも忙しいTさん練習できるのかなあ、と少し心配になっていたのですが、今日のTさんの演奏は、そんな心配を払拭してくれました。

ミスタッチもほとんど無し、スピードも上がり、しかも全部暗譜です!

いったい、いつこんなに練習できたの?と聞いたら

「夜、家に帰ってから、1日3回は必ず通して弾くことを自分に課していました」とのことです。

「それだけで精いっぱいですそれしかできません」

本当はもっと練習したいのに、と言うTさん、本当に練習熱心な優等生です。

今日は、左右の手がクロスする際の工夫と、それから暗譜を完全にするための工夫を少しだけアドバイスしました。

ヒバリ教室の現在の生徒の中で、多分一番ピアノ経験が長いTさんだから、もう練習方法とか発表会に向けての調整とか、なんでもよくわかってるはず。

大丈夫。ご自身の練習方法に自信を持って、続けていってください。

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悲愴3楽章のコラールはフラッシュ・モブに似てる

2020年10月30日 | クラシック曲

Mちゃん(高3):

Rちゃんの「WAになって踊ろう」のキーボード伴奏をした後は、自分の曲、ベートーヴェンのソナタ「悲愴」の第三楽章のレッスンです。

ヒバリ教室の高校生は月3回レッスン。

Mちゃんは月初めに来てから2週間開いて、今日が今月3回目のレッスンです。

「テストがあったりしたから、ピアノ久しぶり・・・忘れてるかも」

ちょっと自信ナシの発言でしたが、弾いてみたら、前回注意した「ブッキラボーな音」が見事に変身し、ふんわりとまろやかな音で弾けるようになっていてびっくりです。

フレーズが大切に歌われ、ふっくらとしたまろやかな音、細部まで気を配ったフレーズの処理など、まさに先週めざした「大人の女の音」に近づいてる!

やわらかさだけではなく、細かなスケールや和音などもキッパリときれいに弾けています。

いつこんなに練習したの?!と聞きたくなるような上達でした。

今日は、その中で、一部分だけ異質なスタイルでできている「コラール風」な部分を、もう一度レッスンしてみました。

「この部分、一番はじめはすごくシンプル。オーケストラの中の、一人か二人の・・・そうね、クラリネット奏者とか・・・が吹き始める感じ。続いて、それに応えて少し高音の音で他の(ホルンとか?)楽器が参入してくる。次を見て。もっとたくさんの楽器が入って、音が広がってくるよ。そして最後は、バイオリン群や管楽器群、オーケストラ全体が一斉に演奏し始める感じ。」

そう言いながら、先生が徐々に膨らむオーケストラのイメージを再現していきます。

「フラッシュ・モブって知ってる?結婚式でバカな踊り踊ったりするんじゃなく、街頭でいきなり音楽が始まっていくみたいな」

「ああ、知ってます。見たことある。」

「あんな感じよ。たった一人の奏者から、だんだん人が増えて、最後はオーケストラ全員が弾いてる」

「うんうん」

「そんな風に弾くのよ!」

「うわあ~、オーケストラ苦手!無理~」

オーケストラ全体って、だいたい100人近くの人がいるよね。

それを全部一人で表現しようっていうんだから、そりゃ大変だ。

そうなのです。ピアノは、オーケストラ全体=100人の音を、たった一人で表現することができる、神楽器なのです。

考えると大変だけど、指揮者になったつもりでがんばろう。

それこそがピアノのすばらしいところなんだから。

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4分音符は いつでも1拍とは限らない。

2020年10月20日 | クラシック曲

K子さん(大人):

発表会のために練習している「イタリア協奏曲」、もう最後までできて、曲全体をまとめていく段階です。

初めから弾いてみます。

出だしははつらつと、みんなのよく知っているあのメロディー。

1ページ、2ページと弾いていくうち、指番号の込み入ったところや16分音符が続くところなどで、だんだんテンポが落ち・・・あるいは前後関係の速さのバランスがあいまいになり・・・そして、ふたたび初めのテーマが出てきたときは、なぜか最初のはつらつとしたテンポとは別の曲かのように、ゆっくりになってしまっています。

「大分伸びちゃったねぇ・・・?同じメロディーのはずなのに、はじめは元気で、こっちはノロい」とヒバリ先生。

「初めに調子よく弾いちゃうと、難しいところが追いつかなくなってくるのよね。まずは、この、難しくて遅くなっちゃうところを弾いてみて。そして、そのテンポに合わせて冒頭を弾き始めれば、全体が同じテンポで弾けるから。」

K子さんがそのようにしてみると、お見事、全体が同じテンポで弾けました。

K子さんは「この曲、2拍子でしょう。なんか数えにくくて。それに、細かい音はいいんだけど、かえって、4分音符2つ、とかになったとき、どれくらいの間合いで弾けばいいのか分からなくなって・・・」と、テンポがあいまいになる原因にも気づいているようです。

例えばこんなところ。

図の1小節目、2小節目は16分音符のキザミだったり、8分音符にも16分音符が対応して刻んでいるからいいけど、3小節目に来たとき、いきなりぽっかりとゆとりの4分音符になって、どれだけ伸ばせばいいのか、どんな間合いで弾いたらいいのかわからない、ということだと思います。

なるほど、4分音符は最初っから「1拍」と刷り込まれているから、いきなり「1」って、どんな1なの・・・と思うかもしれませんね。

でも、4分音符=「1」ではないし、常に1拍とも限りません。

要は、割合の問題なのです。

4分音符は16分音符4つ分の長さなのですから、図の譜面で3小節目を弾くときは、その前に弾いていた16分音符の速さで「タタタタ」と4つぶん、心の中で数えて伸ばせばいいです。

また、この「イタリア協奏曲」は4分の2拍子ですが、それが分かりづらかったら、「4分音符が2つの2拍子」と捉えないで、「8分音符が4つの4拍子」ととらえたらどうですか。

なんなら拍をとる練習の間だけ、音価をすべて2倍にして「4分の4」とイメージしてもいいです。

16分音符→8分音符、8分音符→4分音符、4分音符→2分音符 と置き換えるのです。

そうしたら、上の楽譜もこんな見慣れたイメージになり、わかりやすくなりますよ。↓

音価の割合をきちんと取るには、細かいほうの音符を基準にして、長い音符はその何倍か?と数えるのがコツです。

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ラプソディー・イン・ブルーのフィニッシュはシンバルの音

2020年10月15日 | クラシック曲

Sちゃん(高2):

高校生は月3回レッスンとしているので、今日が今月最初のレッスン。

久しぶりです。

発表会に弾く「ラプソディ・イン・ブルー」の楽譜を、前回最後まで渡してあり、今日はともかくも最後まで弾きました。

フィニッシュの直前部分がいまいち未完成ですが、冒頭から中間部、後半までは暗譜もしっかり出来て流暢に弾けています。

このように調子良く弾けるようになるのはとてもいいことですが、危険も出てきます。

一つはテンポが走りがちになること。

それともう一つ、何も考えなくても手がどんどん動いて、機械的な音の流れになってしまうことです。

Sちゃんには「オーケストラの音や、今どんな楽器が弾いてるかってことをイメージして弾いてみてね」とアドバイスしました。

終盤の力強い2拍子はティンパニの音。

そのあと出てくるメインテーマのところや、一番最後の音は、もちろんシンバルだよね?!

Sちゃんも、うんうん、とイメージが浮かんでる様子です。

それをイメージして弾くと、ちゃんとそういう音になるので、みなさんもぜひやってみてね。

「あとね、Sちゃんにもう1曲、お願いしたいのがあるんだ」

先生が渡したのは、発表会のオープニングでジュニアクラス全員で演奏する曲のピアノ伴奏譜です。

今年のオープニング曲は「ウィンター・ワンダーランド」。

軽やかなミドルスィングのアレンジにしました。

「あ、私、この曲好きなんです」

「ちょっと弾いてみるね」

先生がピアノに向かってお手本を弾きました。

弾きやすく、ってことをあまり重視せずにアレンジしてしまったので、弾く人は困るかなあ…

「どうかな。けっこうコードが複雑…かな?」

「そう、そう思った…でも、それだからイイと思います!可愛い。」

よかったー、引かれなくて。

「ラプソディで複雑なコードいっぱい弾いて慣れてるでしょ。複雑ついでにさ、コレもお願い。ねっ」ってことで、さっそく、ちょっと弾いてみてもらいます。

少しだけ弾き方をガイドして、Sちゃんが弾いてみたら、ジャズのスィンギーなリズムもちゃんと取れたし、複雑な和音の連続も、すぐ完全に弾けました。

すばらしい!こんな実力あったとは。

さすがヒバリ教室ジュニアクラスの最上級生だ!

オープニング、お願いね!

…と言ってるところへ

♪ピンポ〜ン

が鳴りました。

「あっ、来た!新しく入った“Sちゃん”だよ。4歳なの」

「えっ、見た〜い」

ということで、次の日記につづきます。

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月光ソナタ、隠れたメロディーラインを探せ!

2020年10月13日 | クラシック曲

ドクター(大人・男性):

クリスマス発表会に弾くのはベートーヴェンの「悲愴・第二楽章」ですが、もうほとんど仕上がってきて余裕があるので、同じベートーヴェンの「月光・第一楽章」も余暇として(?)練習しています。

この第一楽章は、ほぼ全体を通して、左手はベースのみ、右手でメロディー、分散和音によるバッキング、2つのパートを弾いていくスタイルです。

ドクターは丁寧にそれぞれのパートを弾き分けていて見事ですが、たまに楽譜のパート分けを見落としてしまう部分があって、例えばこの部分です。

前半のヤマ場となる、右手が和音を分散させながら上行ー下降してきた後(譜例)。

青いラインで示した伴奏の下に、赤いラインのメロディーが下向きの符尾で表されています。

レ♯ード♯ーシ♯ー〜 というメロディーが浮かび上がるはずなんですが、この「下向き符尾」を見逃すと、レ♯ファラ ド♯ファラ シ♯ファ♯ソ♯ラソ♯ファ♯  と伴奏だけになってしまいます。

ドクターにそれを示し、メロディー音をちゃんと保持するようにしました。

「そうか…なんで棒が2つ付いてるのかと思ってた」

ドクターと同じように思ってる人もいると思いますが、この「上下の符尾」は、2つのパートを表しているということ、覚えておいてね。

この「棒が2本」の件については、先日もブログに書いているので参照してください。音符の棒(符尾)が上にも下にも?

また、シ♯ー の所では、八分音符と二分音符、二つのシ♯が書かれていますが、これは 黒い音符と白い音符に符尾を兼任させることが出来ないため仕方なく(?)2つ音符を書いてあるのです。

シ♯を2回弾くわけじゃないので、気をつけましょうね。

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イタリア協奏曲、完成間近です

2020年10月13日 | クラシック曲

K子さん(大人):

バッハの「イタリア協奏曲」を練習しています。

毎週、1ページ分くらいずつレッスンして、今日は残りのページ~最後まで、レッスンできました。

レッスンで見せてもらうのは「来週はここ」と決めておいた1ページか1ページ半だけですが、K子さん、自分では毎日、そのほかの部分も、全体を通す形も、たくさん練習しているのです。

K子さんの練習を見たわけじゃないのに、なぜそのことがわかるのか。

それは、K子さんのピアノの音が、毎週確実にきれいになっていってるからです。

細かい音がきれいに粒がそろって、くっきりとクリアになってきているし、粗削りだった音が、毎週聞くたびになめらかにきれいになってきています。

ミスタッチも克服できています。ほんとにきれいになってるなーと思いました。

今日注意したのは、全体を通して8分音符はノン・レガートに統一して弾くこと、同じフレーズが調を変えて再現された所を見落とさないように、統一感を持って弾くこと、それから、ついうっかり見落としていた多声部の旋律を再認識し、それぞれの流れを独立させて引き分けること・・・例えば見出し画像の譜面のようなところです。

K子さん、もう一息で完成です。

今の調子を崩さず、ゆっくり練習していきましょう。

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ドラマチックな演奏は指揮者になったつもりで

2020年09月26日 | クラシック曲

Tさん(大人・男性):

ベートーヴェンの「悲愴」第一楽章に取り組んでいます。

会社のお仕事がとても忙しく、なかなかピアノの練習時間が取れないのが悩みです。

発表会まで後2ヶ月。「本当なら、今頃曲が出来上がって、スピードを上げていく時期なのに…」と嘆いています。

いくらでもピアノを弾いていていい身分の音大生とかならいざ知らず、社会人の人がピアノの練習時間を捻出するのはほんとに大変ですよね。

だけど嘆いていてもしょうがない。出来ることを積み重ねていこう。

ということで、今日は曲の最後、楽譜でいえば最後の3段分だけを集中してレッスンすることにしました。

直前まで嵐のように激しく何度もとどろいた和音がグワァァ〜ン!と炸裂し、全力を出し切ったことを告げる…  レッスンはその続きからです。

しばしの静寂の後、燃え尽きたかと思われた灰の中から(?)かすかに浮かび上がってきたのは、曲冒頭の序奏の片鱗。

1フレーズごとに、そのメロディーははっきりとした形をとり、色彩を加え、力を増してきます。

そして見よ、終わったと思っていた第一主題が再び現れてくる。

第一主題は、むくむくと膨れ上がる竜巻のように急激な勢いでクレッシェンドで駆け上がり、雷鳴のような和音を、これでもかとばかり連続させて終わります。

こんな感じかな。

TさんにはTさんのイメージがあるでしょうし、みんなもご自身のイメージを膨らませてみてくださいね。

イメージは人それぞれですが、それをピアノで表現するのには、楽譜に書いているf (フォルテ)やp (ピアノ)を守ってるだけじゃダメです。

「おんなじリズムのフレーズが、だんだん音程を高くしながら3回続いてる。『もっと、もっと』とか『こんなに、こんなに』とかいう心の声がほとばしるように、1回目より2回目、2回目より3回目、と音量を上げて」

「アレグロで出てきた主題は、音量を押さえたp (ピアノ)から終局へ向かってぐんぐんクレッシェンド、ティンパニのトレモロがダダダダダ〜っとボリュームを上げていく感じで」

「最後にff(フォルテシモ)がついてるけど、ただ強く、と思って弾くんじゃなく、オーケストラ全員が一斉にトゥッティで響かせてるのをイメージして弾いて。指揮者が力いっぱいタクトを振り下ろす。弦楽器群、全員が弓を振りかぶってグワン!管楽器群、呼吸を一つにしてパァン!シンバル、ジャン!自分が指揮者になったつもりで」

こんな風にイメージして、この3段をTさんに弾いてもらったら、最初に弾いた時とははっきりと違う迫力あるサウンドになりました。

Tさん自身も「オーケストラの演奏みたいですね!」と、ご自身の音が鮮やかに変わったことを実感してくれたみたいでよかったです。

みんなも「オーケストラの指揮者になった気持ちで」弾いてみたら、ちゃんとそういう音になりますよ。試してみてね。

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ピアノソナタ「月光」

2020年09月24日 | クラシック曲

ドクター(大人:男性)

発表会に弾く「悲愴・第2楽章」が順調に進んでいるので、余暇に(?)「月光」第一楽章も練習し始めています。

全曲を通して、左手がベース音を保持し、右手で三連符を刻み続ける…

これだけのシンプルな動きだけで曲が流れていくのに、何故か胸を打つ凛とした美しさにあふれているのは、移ろいゆく和音の絶妙な変化のためでしょうか。

大がかりな山場や派手なテクニックは使われていませんが、その分、演奏者の表現力と、その表現のためのテクニックが要求されます。

左手のベースは、曲の和声感を表す大事な部分なので、これを丁寧にダイナミクスつけながら弾きます。

右手は、三連符の伴奏とソプラノ(ほぼ5の指と4の指=小指と薬指のみ)、2つのパートを弾き分けていきます。

バスは深みのある音、メロディーはくっきりと際立たせて、分散和音の伴奏は柔らかに…それぞれの音色を弾き分けていくのはなかなか大変ですが、出来た時には、大変美しい絵画を見ているような奥行きのあるサウンドになります。

ドクター右手2つのパートの弾き分け、とてもきれいになってきました。

今年の「中秋の名月」は10月1日だそうです。

ヒバリ教室では、このところ偶然にも月にちなんだ曲が次々と奏でられています。

フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(ワルツ)、同じくフライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(ボサノヴァ)、そしてドクターの月光。

名月を眺めながら「月の曲」を奏でるのも、また一興かと。

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エリーゼのために・クライマックスは意外と簡単

2020年09月24日 | クラシック曲

Mちゃん(小5):

発表会に向けて「エリーゼのために」を練習しています。

冒頭から何度も出てくるテーマ部分は1回のレッスンだけでマスターし、今は続いて「B」の部分を練習中です。

「エリーゼ」の曲は、「B」の部分の後にもう1度「A」のテーマを挟んで、クライマックス「C」の部分へと盛り上がっていくのですが、実は華やかなクライマックス部分よりも、今Mちゃんがやっている中間部「B」の方が難しいです。

この部分が上手に弾けるようになるまでには、まだもう少しの間、地道な練習を続けなければいけません。

そこで今日は、「B」の部分をひと通りレッスンした後、一番華やかなクライマックス部分をやってみることにしました。

アルペジオで高音部まで駆け上がり、頂点に達した所から一気に半音階で落下してくる所です。

先生:「ここやってみようよ」

M:「わー、難しそう…」

楽譜を見るとすごく難しそうに見えてめげそうになりますが、落ち着いてゆっくり見てみると…

先生:「最初の3つの音符見て?この3つで何のコード?」

M:「Am (エーマイナー)…」

先生:「そう、Amだね。そして次の3つは?ほら、これもおんなじAmだね。これを続けて弾くだけだ。ラドミ、ラドミ、と弾いてレドシ、と戻る。そしたらほら、次も同じパターンじゃない?場所が1オクターブ上がっただけで」

M:「あっそうか。弾けるかも」

この同じパターンを3回繰り返して、頂点まで登り詰めたら…

先生:「この、降りてくるパターン、バーナムでやったよね?半音階…」

M「うん、出来る!」

こうして、1番のクライマックスが簡単に弾けてしまいました。

先生:「意外と簡単だったでしょ?」

M:「うん、意外と簡単だった」

先生:「仕上がったらこんな感じになるよ」と、今の部分をめちゃんこかっこよく弾いてあげました。 

M:「うわ〜」

先生:こんな風に弾けると、かっこいいよ〜。かっこよく弾けるように、練習してみてね」

Mちゃんは満面の笑顔で「はーい」と元気よく返事しました。

難しい「B」の部分と並行しながら、クライマックスの見せ場とフィニッシュを最高の出来になるよう、早めのうちから磨いて行こう、という作戦でもあり、また同時に、難しくてしんどい努力が続く合間に、上手に弾けるオイシイ部分の楽しみがちょっぴりあったら、気分を転換させながら練習ができるかなーと思ってね。

尚、「エリーゼのために」については、HPの方でも取り上げていますので、興味がありましたらご覧ください。

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イタリア協奏曲、フレージングと指づかい

2020年09月15日 | クラシック曲

K子さん(大人): バッハの「イタリア協奏曲」第一楽章を練習しています。 もう一人で最後まで予習してあるのですが、毎週のレッスンは1ページずつ、ということにして、今日はその2回目(2ページ目)です。

この曲は、大部分が3声部で書かれています。

2ページ目冒頭の左手も、よく見ると符尾(音符についている棒)が、上向きと下向きと2種類が重なっています。

これは、2つの声部を同時に弾く、というイミなので、1つの声部が2重音で弾くのとはニュアンスが違うので要注意です。

「声部」を見逃さないできれいに弾き分けるには、面倒でもソプラノ、テノール、バスと、声部ごとに弾いてみることが大事です。

さて、3段目、16分音符の連続です。(画像) この右手を 譜割り通り ラミファラ レレミファ、シファ#ソシ ミミファソ〜と弾いてしまってはダメです。

赤いラインでなぞったように、ミファラレ、レミファシ、ファ#ソシミ〜と弾きましょう。

それぞれの短いフレーズの最後の音を、スッと抜くように弾くと、楽譜の解釈がよく実感できますし、指番号も「なるほどー」と納得できると思います。

そのフレージングを裏付けるのは、真ん中のパート。

右手を正しいフレージングで弾けば、真ん中のパート(青いラインのフレーズ)ときれいに一致するのがわかります。

バッハの曲には、こういう「1拍目のウラから始まるフレーズ」がとっても多いので、慣れてきたら フレージングや指づかいが書いてない楽譜でも、「あ、バッハのあのパターンだな」と気づくことができるようになってきます。

そうなったら、あなたも立派なバッハ通!

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