自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

'22 昆虫の頭・顔 ~続・アオモンイトトンボ(メス)~

2022-08-26 | 昆虫

いよいよ頭部の細密写真を撮ります。捕獲したアオモンイトトンボ(メス)をスタジオに持ち込んで,時間をかけて撮影。といっても,手元の機材はカメラ一台。レンズとカメラ本体の間に中間リングを接続します。これはとくべつというほどのものではありません。素人ですから,最小機材の最大効果を願うほかなし,です。

 

こうして見てみると,視覚が果たす役割の大きさがズバリ理解できます。小さなからだのでっかい複眼!

 

前から撮るのは,じつはとてもたいへん。複眼の色の変化がやさしくって,味わいがあります。

 

オスは色でもメスを識別しているのでしょう。トンボの目でどのように見えるのか,そんなことを考えると,ますます自然の深さに引き込まれそうです。

 

アオモンイトトンボに感謝。

 


キマダラセセリの蛹!

2022-08-26 | 昆虫

夕方,公園の山麓にて。

低い山がぽこんと独立してある公園です。その裾にはササが生えています。毎年そこで見かけるのがキマダラセセリの卵。今夏はササがかなり刈り取られたので,卵が見つかりませんでした。

それでも「ないかなあ」と思って探しました。かなり探した結果,やっと蛹が一つだけ見つかりました。それはササの茂みから草地に突き出した茎,その茎の葉裏にありました。

 

しばらくこのままで観察を続けることにします。

 

蛹化後,一週間もあれば羽化するのではないでしょうか。

 

変化がはっきり現れれば,採取して観察を続けようと思っています。以上が発見一日目のことです。

発見二日目。午後です。色の変化はないようです。

 

発見四日目。夕方。「まだ羽化していないだろう」と思い,確認する気持ちで行くと……。なんとすでに羽化済み! 残念。三日目か,あるいはこの日に羽化したのでしょう。大変化を記録できなくて,「うーん,油断大敵!」と反省。採取しておくべきでした。でも,今後まだまだチャンスが巡って来ると期待しています。

 


庭のヤマトシジミ,終齢幼虫から羽化まで Ⅱ(2)

2022-08-25 | ヤマトシジミ

8月17日(水)。昨夜からずいぶん雨が降りました。朝,雨の間に確認したら,もう孵化済みでした。手で茎をそっと動かしたら,羽化した個体がパッと舞い上がりました。

カタバミの茎に,まだ残った幼虫がいないか,よくよく見てみました。すると,若齢幼虫が3個体見つかりました。さらに,同じプランターに生えたムラサキカタバミの葉裏に蛹が一つ。

 

根元の蛹は……。これは葉の裏で蛹化し,それが垂れさがった上に,葉がほとんど枯れた状態になったものです。

 

8月18日(木)。翅が赤っぽくなっています。羽化が近いことが窺えます。

 

これはまだ大きな変化はありません。

 

9月19日(金)。朝。カタバミの葉裏の個体は激変。全体が黒っぽく,翅に青みが現れました。目が離せません。

 

そのとおり,この日に羽化しました。詳細については次回記事にします。

 


'22 昆虫の頭・顔 ~アオモンイトトンボ(オス)~

2022-08-25 | 昆虫

アオモンイトトンボはオスがメスより数がずっと多いように思います。仲よくやっているように見えながら,適当に縄張りのようなものがあるように見えます。すぐ近くにオスが近づくと,追い払おうとする行動が見られます。

 

複眼はすべてのイトトンボと同じように複眼が左右にはっきり分かれています。アオイトトンボは上方が黒っぽく(じっさいはこげ茶色のようです),下方が黄緑をしています。青くて丸い斑がくっきりと見えます。

 

こういう姿勢でとまっているのがほとんど。爪が茎に突き刺さっています。

 

上から撮るチャンスは,まあまああります。しかし,トンボを接写で撮るのは苦労がいるはず。

 

青い斑が黒字に浮き上がります。

 

今度はもっと倍率を上げて撮ってみます。そうなると,頭部だけの顔面写真ということになります。下写真のように撮れるチャンスは稀です。これは交尾中の一対がチガヤの葉にとまっていたので,葉を緩く曲げて前方から撮りました。

 

同じ顔をやや斜め前,上の方から撮りました。青い斑がくっきり。

 

野外でこのように撮れたのはほんとうに幸運としかいいようがありません。

 


'22 昆虫の頭・顔 ~アオモンイトトンボ(メス)~

2022-08-24 | 昆虫

アオモンイトトンボのメスは未成熟な個体は写真のように強い褐色をしています。成熟すると,個体によってはオスとそっくりな色合いに変化するらしいのですが,その場合わたしは一目で雌雄の区別はつきません。なにしろ,比較して判別した経験は皆無なのですから。トンボについてのわたしの付き合い方はまことに未熟なものです。

 

それはともかく,下写真はメスです。アオモンイトトンボはもっともありふれたイトトンボです。これは近くの池の畔で撮りました。

 

たいていは上向きに生える草の茎は葉にとまっているので,真正面からの撮影は叶いません。上方向からなら大丈夫。複眼の色合いがきれいです。すこしずつ色が移り変わっていく様がなんとも言えないぐらい目を引き付けます。

 

斜め前からなら,こうして撮れます。といっても,よほど慎重に近づかなければ接写は無理。ワーキングディスタンスは10cm程度です。眼の色合いと上で書きましたが,色の変化は帯状に移り変わっているのがわかります。葉をつかむ脚先の様子もわかります。鋭い突起や爪が突き刺さっているように見えます。

 

さらに倍率を上げて撮りました。こうなると,脚やら胸部やらの様子はまったくわからなくなります。ヒトの証明写真にはおもしろさはまったく感じませんが,昆虫には種ごとの個性とおもしろさがたっぷり。

ただし,この個体は普通型のメスです。交尾中,動きが止まった状態で撮影したものです。向こうに見える腹部はオスのものです。

 

オスと見分けがつきません。近寄れば近寄るほど被写界深度が浅くなります。

 

褐色型のメスをなんとか自然界で撮りたいなあと思っています。チャンスを待ちます。

 


ツバメシジミ,採卵から孵化まで(後)

2022-08-24 | ツバメシジミ

7月20日(水)。早朝。見ると,なんと孵化済み! 深夜から未明にかけて孵化したのです。先に,観察にいそがしくなりそうと書いたのですが,じつにあっ気なく終わってしまいました。

 

確かめると,もう2個の卵も孵化していました。結局,産付から3日~3日6時間程度で孵化に至ったのです。

幼虫を探してみました。小さいので,なんと見つけにくいこと! やっと見つけたのが下写真の個体です。

 

しばらくこのまま育ててみようと思います。できれば経過を記事アップしたいですね。

 


ツバメシジミ,採卵から孵化まで(前)

2022-08-23 | ツバメシジミ

7月16日(土)。午後,産卵行動中のツバメシジミのメスを捕獲。それを飼育ケースに入れ,ケース内にシロツメクサの花を挿したコップを置きました。

 

夕方,卵を一つ確認。採卵成功! この卵を「卵A」と呼ぶことにします。産卵確認一日目となります。

 

7月17日(日),朝。二日目。新たに産み付けられた卵が一つ。この卵は「卵B」です。

 

7月18日(月)。夜。卵Aは産付後まるまる2日経ちました。

 

卵Bは……。変化は見られないようです。

 

ところで,驚いたことなのですが,卵Bを観察中に同じ花穂で卵Cを見つけました。同一の花に卵が2つあったことになります。合わせてこれで3個となりました。

 

観察がいそがしくなりそうです。

 


ツバメシジミ,産卵確認から孵化まで(2)

2022-08-22 | ツバメシジミ

7月17日(日)。産卵確認二日目。卵は3個。下写真はそのうちの一つです。孵化の兆候はなし。まだ真っ白。

 

7月18日(月)。産卵確認三日目。上の辺りにやや黒っぽさが見えるかなあ,といったところ。

 

7月19日(火)。産卵確認四日目。びっくり! 夜,3個とも孵化! このうち,一つはすっかり見逃し。一つは孵化途中から撮影。残りの一つは卵に穴が開くときから孵化終了まで撮影。産付時からの経過日数はたったの3日と10時間! 5日間はかかると思っていたのに!

 

穴が開きかけてから30分間程は目が離せません。

 

いよいよ誕生です。

 

「よいしょっ!」。

 

無事に生まれましたー!

 

それにしても孵化に気づいてよかったー!

 

 


庭のヤマトシジミ,終齢幼虫から羽化まで(3)

2022-08-22 | ヤマトシジミ

8月17日(水)。蛹化2日目(24時間経過)。

 

8月18日(木)。蛹化3日目。透明感がなくなってきました。

 

8月19日(金)。蛹化4日目。黄色味が強くなってきました。

 

8月20日(土)。蛹化5日目。色合いがかなり変わってきました。翅部分に白みと赤みが現れています。

 

ある辺りは激変するはず。