アオモンイトトンボのメスは未成熟な個体は写真のように強い褐色をしています。成熟すると,個体によってはオスとそっくりな色合いに変化するらしいのですが,その場合わたしは一目で雌雄の区別はつきません。なにしろ,比較して判別した経験は皆無なのですから。トンボについてのわたしの付き合い方はまことに未熟なものです。

それはともかく,下写真はメスです。アオモンイトトンボはもっともありふれたイトトンボです。これは近くの池の畔で撮りました。

たいていは上向きに生える草の茎は葉にとまっているので,真正面からの撮影は叶いません。上方向からなら大丈夫。複眼の色合いがきれいです。すこしずつ色が移り変わっていく様がなんとも言えないぐらい目を引き付けます。

斜め前からなら,こうして撮れます。といっても,よほど慎重に近づかなければ接写は無理。ワーキングディスタンスは10cm程度です。眼の色合いと上で書きましたが,色の変化は帯状に移り変わっているのがわかります。葉をつかむ脚先の様子もわかります。鋭い突起や爪が突き刺さっているように見えます。

さらに倍率を上げて撮りました。こうなると,脚やら胸部やらの様子はまったくわからなくなります。ヒトの証明写真にはおもしろさはまったく感じませんが,昆虫には種ごとの個性とおもしろさがたっぷり。
ただし,この個体は普通型のメスです。交尾中,動きが止まった状態で撮影したものです。向こうに見える腹部はオスのものです。

オスと見分けがつきません。近寄れば近寄るほど被写界深度が浅くなります。

褐色型のメスをなんとか自然界で撮りたいなあと思っています。チャンスを待ちます。