お世話になってます。細太郎の父
です。
外はいい天気だっていうのに、俺の心は晴れない。 細太郎が口をきいてくれない。どころか、俺を見る目つきが軽蔑の眼差しに変わっている。
細太郎、おとうさん、なんかしたか?おまえに、嫌われるようなことしたのか?
細太郎は俺をさけるように、朝から遊びに出かけてしまって家にはいない。
俺は、リカちゃん
を元通りに丁寧に布でくるみ、厳重に封印をして天袋にしまった。
細太郎、ごめんな、おとうさん、リカちゃん
は大事な宝物なんだ。おまえも宝だが、リカちゃん
はそれとは違うんだ。おまえも大人になるとわかるだろう。
俺は、アパート
に帰らず、新築の家
の2階の居間でゴロゴロしていた。何にもやる気がない。 細太郎に避けられるのが、こんなにつらいとは思わなかった。

ここは二世帯住宅だから2階だけでも生活はできるが、めったに帰ってこない。アパートの方が気楽だ。うるさく言うおふくろもいない。 そう、うるさく言うおふくろが・・・。
「光一!!」
そらきた。
「いい若い者が日曜日だっていうのに何やってるのっ!!」
思いっきりドアをあけ、電気カーペットの上に毛布にくるまっている俺を蹴飛ばした。 元婦警であるおふくろは、近所の風呂を覗き回っていた痴漢を箒で殴り倒したことがある。腕っ節も強いが、口も達者だ。いい年して、困ったばあさんだ。
「いつもだったらジムだなんだかんだと言って寄り付きもしないくせに、子どもに嫌われたからって、何へこたれてるのっ!!」
「き、嫌われた…
」
俺が一番考えたくないことを。
「そんなんだから、いつまでたっても結婚できないのよっ
」
ぐさっ
。
「うるせえな、細太郎には母親は必要ねえんだよ
」
「は?よく言うよ。細太郎をだしにして自分がモテないことの言い訳にするんじゃないっ!
」
「モテないわけじゃねえよ、そんな対象が見つからないだけだよ」
「へ~え」
おふくろの目は完全に俺をバカにしている。その目が細太郎にそっくりだ。目だけを見ていれば、まるで細太郎に言われているような錯覚に陥る。
「わかったよ、見つけりゃいいんだろ。細太郎の母親を」
俺は、母親から逃れるように1階へ降りて行き、冷蔵庫からビールを取り出した。
「酒に逃げても女は寄ってこんぞ。ど~してんだ?8年も女っ気なしで
。まさか、全然してないわけじゃなかろ
」
親父が声をかけた。
「昼間からする話題じゃないだろ
」
俺は赤くなる。
「悪い遊びはするなよ
」
とんでもねえ親父だ。細太郎の父親である俺が女と遊ぶはずがないだろっての。まあ、多少はあるにはあったが…。
「ったく、何なんだこのうちは。それよりなんかねえの?腹減った」
俺は、細太郎に避けられたショックで、昨日からロクに飯がのどを通らない。腹は減るが、食欲がわかない。
ビール片手に、棚を探していると、細太郎
が台所の入口に立っていた。
「何だ、帰ってきたのか。おとうさんと今からご飯を食べに行こう」
と、仲直りのチャンスだとばかりに声をかけた
。
が、返ってきた言葉は、俺を奈落の底に突き落とした。
「へんたい」
へ?へんたい?
「気持ち悪い」
は?
「細太郎、なんだよ、何でおとうさんが気持ち悪いんだよ」
俺は、悪い夢だとばかりに細太郎につめよった。
「さわるな、へんたいがうつるだろ」
細太郎は背を向け、2階へと駆けあがって行ってしまった。
何で俺が変態なんだあっ
があん~んんんん
た、立ち直れねえ・・・

外はいい天気だっていうのに、俺の心は晴れない。 細太郎が口をきいてくれない。どころか、俺を見る目つきが軽蔑の眼差しに変わっている。
細太郎、おとうさん、なんかしたか?おまえに、嫌われるようなことしたのか?
細太郎は俺をさけるように、朝から遊びに出かけてしまって家にはいない。
俺は、リカちゃん

細太郎、ごめんな、おとうさん、リカちゃん


俺は、アパート



ここは二世帯住宅だから2階だけでも生活はできるが、めったに帰ってこない。アパートの方が気楽だ。うるさく言うおふくろもいない。 そう、うるさく言うおふくろが・・・。
「光一!!」
そらきた。
「いい若い者が日曜日だっていうのに何やってるのっ!!」
思いっきりドアをあけ、電気カーペットの上に毛布にくるまっている俺を蹴飛ばした。 元婦警であるおふくろは、近所の風呂を覗き回っていた痴漢を箒で殴り倒したことがある。腕っ節も強いが、口も達者だ。いい年して、困ったばあさんだ。
「いつもだったらジムだなんだかんだと言って寄り付きもしないくせに、子どもに嫌われたからって、何へこたれてるのっ!!」
「き、嫌われた…

俺が一番考えたくないことを。
「そんなんだから、いつまでたっても結婚できないのよっ

ぐさっ

「うるせえな、細太郎には母親は必要ねえんだよ

「は?よく言うよ。細太郎をだしにして自分がモテないことの言い訳にするんじゃないっ!

「モテないわけじゃねえよ、そんな対象が見つからないだけだよ」
「へ~え」
おふくろの目は完全に俺をバカにしている。その目が細太郎にそっくりだ。目だけを見ていれば、まるで細太郎に言われているような錯覚に陥る。
「わかったよ、見つけりゃいいんだろ。細太郎の母親を」
俺は、母親から逃れるように1階へ降りて行き、冷蔵庫からビールを取り出した。
「酒に逃げても女は寄ってこんぞ。ど~してんだ?8年も女っ気なしで


親父が声をかけた。
「昼間からする話題じゃないだろ

俺は赤くなる。
「悪い遊びはするなよ

とんでもねえ親父だ。細太郎の父親である俺が女と遊ぶはずがないだろっての。まあ、多少はあるにはあったが…。
「ったく、何なんだこのうちは。それよりなんかねえの?腹減った」
俺は、細太郎に避けられたショックで、昨日からロクに飯がのどを通らない。腹は減るが、食欲がわかない。
ビール片手に、棚を探していると、細太郎

「何だ、帰ってきたのか。おとうさんと今からご飯を食べに行こう」
と、仲直りのチャンスだとばかりに声をかけた

が、返ってきた言葉は、俺を奈落の底に突き落とした。
「へんたい」
へ?へんたい?

「気持ち悪い」
は?

「細太郎、なんだよ、何でおとうさんが気持ち悪いんだよ」
俺は、悪い夢だとばかりに細太郎につめよった。
「さわるな、へんたいがうつるだろ」
細太郎は背を向け、2階へと駆けあがって行ってしまった。
何で俺が変態なんだあっ

があん~んんんん

た、立ち直れねえ・・・
