皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

1番さん、2番さん

2017-02-22 21:22:22 | 記憶の片隅
 日々販売の現場にたっているのに、お客さんの顔を覚えるのが苦手だ。年齢のせいなのか、他人への興味が希薄なのか常連客以外なかなか記憶に残らない。覚えが悪いと嘆く半面、人は忘れることで不幸も乗り越えられると、割り切っている。今日もちょっとした注文に際し、お客さんの顔を忘れ、売り場を歩き回ってしまった。
 少し前のことになるが、上の子の小学校入学式のこと。体育館での式典を前に、教室で担任の先生から式の説明があった。初めての教室で、親も子も緊張している中、担任の先生はもうじき定年を迎えるベテランの先生だった。名前を呼ばれたら返事をする。記念品をもらったら、深く一礼するなどこと細かく説明された。そして、いざ式場に向かう段になって、「それでは前から1番さん、2番さん、3番さん、はいついてきて」と名札を付けた子供の名を呼ぶことなく、番号で機械的に誘導していった。
 それまで幼稚園などでは、子供の名を丁寧によんでもらっていたため、なぜか番号で呼ばれたことがとても記憶に残っている。むしろその手際よさにあっけにとられた覚えがある。
 その後はもちろんしっかりと名前を憶えてもらい、厳しくも暖かく指導していただいた。定年後も、指導員として若い先生の教育係として学校にもお見えになっている。5年の月日がたち、今ではクラス全体がよくまとまっていると聞いている。やはり幼少期の指導は厳しいくらいが丁度よいと思う。
 厳しく教えてくれた先生が自分にもいたと思う。その人のお蔭で今の自分があるように思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする