皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

手水舎の柄杓置きにみる未来

2022-05-21 21:57:03 | 記憶の片隅

平成八年奉納の当社の手水舎。近年行田市を始め各地の神社仏閣においては手水に花を生け「花手水」なる飾りつけで参拝者を迎えています。当社においても行田市商工観光課様にご協力いただき、花を生ける鉢をお借りし「行田花手水」を奉納しています。

始めてみると楽しいもので、境内や自宅庭に咲く季節の花を摘みながら、丁寧に水面に挿しながら穏やかな日々を過ごしております。
夏季になりますと花の数は増えますが、水の痛みも早く、なかなか毎日美しい花手水を奉納することもかないませんが、神域の尊厳を保ちながら、ご参拝の皆様の癒しとなるよう続けていきたいと思っております。

手水舎には柄杓の受けの竹がかけられておりますが、すっかり青竹も萎びて色もかすんでしまいましたので、本日竹を改めてみました。

この青竹の差し替えが前回いつであったか、記憶が定かではありませんが、私が宮司を次いで何度目かの夏祭りの時であったと記憶しております。当時すでに七十代後半の氏子さんが神社裏の竹やぶから切りだし、手際よく変えてくれたことをよく覚えています。子供のころからお世話になったIさんとKさん。Kさんは地元の大工の棟梁でありました。眩しく広がる青空と氏子による花飾り、子供神輿が出ていたことを鮮明に覚えています。

残念ながら今はお二人ともいらっしゃいません。ご葬儀で地元のかたとお見送りしたこともよく覚えています。ここ三年子供神輿すら出せなくなりました。

また現実問題として、残念ではありますがご高齢の地元の氏子さんをここ十年以上お一人、またおひとりとお見送りしてきました。それも私の務めだと思っています。
こうして境内地ので整備や維持も私自身で奉仕することも多くなりました。もちろん氏子さんのお力添えがあってのことですが。
先の見通しが明るいとは言えません
覗いても竹の節でさきが見えないようなものです。。ただ先人の残してくれたものを受け継ぎ、また浄財をお寄せいただきながら氏神様のご加護の元、社殿を維持し清め、祭祀に奉仕続けること今の私にできることだと思っています。いつか私の後を継いでくれるものがいると信じていますし、こうした氏子区域の佇まいが少ないながらも氏子のつながりによって守られていくことを願っています。




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