皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

ケチな稲荷とクレームの日

2019-09-06 22:07:00 | 心は言葉に包まれて

9月6日は語呂合わせからクレームの日というそうだ。サービス業だけでなく、多くの業種でクレームの対応が問題となっている。過剰な要求か、それとも顧客の正当な主張か、ケースバイケースで、すべての対応をマニュアル化するのは難しい。若いころ務めていた会社でクレームの4大原因というのが示されて、過度に当てはまるかあるいは二つの要素が重なるかといった事例においてクレームが発生しやすいと説いていた。要素としては単純で①お待たせ(顧客の時間を奪う)②間違い(約束を反故にする)③商品が基準以下(期待への裏切り)④感じが悪い(感情的に受け入れられない)の四つであったと覚えている。

 クレームの意味合いに近いもので『ケチをつける』とも表現する。林先生の解説によれば、ケチとは『怪事』から転じた言葉で縁起が悪い事や不吉の前兆などと云った意味合いがあるそうだ。そこから景気が悪い⇒金品を惜しむといった意味が派生し、あいつはケチだという言い回しが生まれている。

一方洒落がかかった言葉に、『ケチな稲荷』と表現することがある。取り柄のない事をいう言葉で、粗末な稲荷には鳥居がなく、音の近い『鳥居』と『取り柄』を掛けたものという。『びんぼう稲荷』とも表現される。

言葉の転じ方、洒落の利き方は調べるほど奥深いものだ。

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