江戸の初期には養殖が始まったといわれるカキ。漢字で書くと「牡蠣」となるのは全部が雄に見えることから。
縄文時代にはすでに食べられていたと考えられていて、「蠣」の文字はゴツゴツした殻を意味するそうだ。近年養殖技術が進化していて、プランクトンを餌としないで養殖可能なものは「あたらない牡蠣」としてよくメディアにも取り上げられている。
牡蠣の料理には忘れられない思い出があって、何といっても牡蠣鍋。二十代のころ外食産業に勤めていて(何度かこのブログにも書きました)和食のファミリーレストランチェーンだった。冬メニューとして牡蠣鍋を提供していたけれど、忙しい時にアルバイト従業員が鍋に牡蠣を入れ忘れ、ただの野菜鍋で出してしまい、お客さんに大いに怒られたことがあった。ただひたすら平謝りで通してしまったが、お客さんのほうもずっと鍋の底のほうまで牡蠣を探していたらしい。
カキフライなどすっかり通年の冷凍材料だけれど、冬の味覚として牡蠣鍋などを堪能するのもいいかもしれない。
いつもブログをお読みくださりありがとうございます。会社を転々としながら食品販売に長く身を置いております。子どもの頃牡蠣を食べる家庭ではありませんてしたので、社会人になってからの牡蠣料理はご馳走を食べる感覚があります。食べ物にまつわる記憶は生きてきた記憶そのもので、飽食の時代に生きてきた自分の生ぬるさがぬぐえません。先日みた戦時中の映画「あの日のオルガン」に配給のシーンがあり、こういう感覚を全く知らない世代ばかりになり、世の中の危うさを感じております。