ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

達郎、2年7ヶ月ぶりのロームシアター京都。

2018-10-16 23:47:00 | No Music,No Life.

我が尊敬してやまない「歌う人間国宝」山下達郎のライブが今夜はロームシアター京都であった。
去年のツアーでは京都公演がなかったため、2年7ヶ月ぶりである。

前回の京都公演は、とにかく印象に残るものであった。
ロームシアター京都になる前の京都会館時代は、
「ステージが狭く、セットが載らない」
という情けない理由で83年が最後になってしまった。
私が大学に上がり、バイトで稼いで自分でコンサートに行きだした頃には既に達郎は
「大阪フェスティバルホールでしか、観られない人」
になっていたのである。

それがやっとの事で全面改築、ステージも広くなったので達郎は京都に来てくれた。
しかも、実質的こけら落としである。
当然、京都のファンの歓迎ぶりは熱烈そのもので
「私は若い時に『拾得』というライブハウスで『帰れ!』と言われたトラウマがあるだけに、京都でウケるというのはスゴい事なのです!」
と熱弁をふるっていた。
また、その直前に村田和人が亡くなった事に触れ
「村田くんはKBS京都でラジオのレギュラーを持っていたので、京都にファンが沢山いるから」
と、彼のヒット曲「一本の音楽」を弾き語り、涙を誘った。

あれから2年7ヶ月。
1回飛んではいるものの、あの時の事を思えば達郎もファンも落ち着いて今日を迎えた。
「京都のファンは独特。さすが寺社仏閣が多く、神々が宿る街という気がする」
と構えつつも、ノリはヒジョーに良くまたそのノリがメンバーに好影響を与えたようで
「皆さんのおかげで、バックも今日はかなりいい演奏だったようです。
ライブは、お客さんが作るものですから」
と、リップサービスも忘れなかった。

3月の拾得ライブは空前の倍率で、もちろん私もチケットが取れなかったのだがそれを埋め合わせるべくアコースティック・セッティングによるオマケ曲を期待したのだが、残念ながらなくセットリストは全くいつも通りであった。

前回を思えば、こけら落としの感慨もなく村田和人の追悼もないごく普通のライブではあったのだが逆に
「達郎が、極めて普通に京都でやってくれた」
事こそが貴重なのである。

「希望という名の光」の間奏で達郎は
「今年は本当にとんでもない夏で、地震、豪雨災害、台風と立て続けに起きました。
被害に遭われた方、お見舞い申し上げます。
ただ今日、それだけを言いたくて…」
と語った。
達郎の言うように、今日の来場者の中で肉親や友人を亡くした方がいらっしゃるかもしれない。
今日歌われた
「運命に負けないで」
のフレーズは、特別な響きとなって聴く人の心に刻まれた事だろう…