ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

「山下達郎シアターライブ」、再上映を観る。

2019-05-21 22:00:00 | No Music,No Life.

我が尊敬してやまない「歌う人間国宝」山下達郎が2012年に全国で上映した「シアターライブ」の再上映が去る5/17から2週間限定で始まった。
行かねばと思いつつ、やっと今日実現出来た。

7年前のリアルタイムでは5回観たので(笑)、今回で6回めである。
なぜ今回再上映の運びとなったのか、理由は定かではないがおそらく「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットを受けて音楽ドキュメンタリー映画がクローズアップされてのものと思われる。
それに加え、昨年同じようにシアターライブを上映した竹内まりやが今年で芸能生活40周年を迎え、リバイバルの声が多く寄せられている事。
さらに達郎自身のツアーも来月から始まるため、そのプロモーションを兼ねたものと思われる。

全篇1時間32分、そのうち前半は(これも発売30年になるが)ライブアルバム「JOY」に入っている音源の元となったライブ映像なのだが、あの大音量と若かりし達郎のあの鬼の形相を大画面で観ながらだと、また全く違って聞こえるのである。
後半はほとんど2008年以降の映像だが、トシを重ねて汗吸い兼頭髪隠しのニット帽をかぶった達郎はステージ上でどっしりと落ち着いている。
それに比較し、84~86年頃の達郎は随分ギラついていたのだな、と妙な感慨に浸れる。
私が初めて達郎を観たのは1986年6月14日のフェスティバルホールだが、まさにあの時の達郎である。
夏の暑い時のツアーなのに、律儀にネクタイ締めてジャケットまで着なくてよいのに、と冷静に思ってしまう。
そう思えば、開襟シャツにジーンズの今の達郎の方が随分ロックンロールだ。
但し、シャツインだが(笑)

お恥ずかしい話、7年前は5回観て5回とも「さよなら夏の日」で涙が出た。
2010年小樽での夏フェス「RISING SUN」の映像だが、最前列でガチ泣きする女子にもらい泣きしてしまったのだ。
今回はそこに、私が2014年に山中湖で観た「SWEET LOVE SHOWER」がオーバーラップする。
当時東京に単身赴任していた私は、忘れもしない2014年の8/30(土)、朝早いツアーバスで新宿を出て山中湖に着き、18:30頃の達郎の出番をひたすら待った。
つらかった単身赴任時代(何がどうつらかったはさておき)だっただけに私は達郎の前に全てを解き放たれたのか、オープニングの「The Theme From Big Wave」からラストの「さよなら夏の日」まで泣きっぱなしだった。

たださすがに私も東京を去って5年になり、ようやくカサブタが固まったというか冷静に振り返る事が出来るようになった。
カサブタが固まると、その当時世話になった人達との事が純粋に良い思い出となって振り返れる。
仕事先の人、レッスンに通っていたゴルフの先生、スタレビのファン仲間…
2010年の「さよなら夏の日」を観て、なぜか2014年の自分を思い出し、通算6回目の私はやっぱり目頭が熱くなった(笑)。

音楽ドキュメンタリー映画に自分を重ね合わせたいわゆる「自分語り」はボヘミアン・ラプソディで既に食傷気味の人も少なくないだろうが、達郎はその多くのヒット曲や耳に心地良いサウンドとは裏腹にその内面は頑固で屈折しているが誠実な「ガラパゴス音職人」だ。
ガラパゴスゆえ、いくら語ったところでクイーンのように社会現象になる事はあり得ないのでここで私が少々語るぐらいはよかろう(笑)…