語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】村野四郎「競争」

2015年10月05日 | 詩歌
 あなたは不思議だ
 あなたの胸のナンバーは
 すばやく空間を行きすぎた
 おお一枚の白い速力だった

 だが いまあなたは
 笑って僕と握手をする
 あなたにはもう速力がなく
 言葉は吃(ども)り
 思想のタオルを肩から垂らしている 

□村野四郎「競争」(『体操詩集』、1959)
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 【参考】
【詩歌】村野四郎「鉄槌投」
【詩歌】村野四郎「拳闘」
【詩歌】村野四郎「棒高飛」
【詩歌】村野四郎「槍投」
【詩歌】村野四郎を読む(4) ~鹿~
【詩歌】村野四郎を読む(3) ~さんたんたる鮟鱇~
【詩歌】村野四郎を読む(2) ~体操~
【詩歌】村野四郎を読む(1) ~飛込(二)~


【政治】不可解な時期に石破派が発足 ~その行方は内閣改造で~

2015年10月05日 | 批評・思想
 (1)東京・谷中の名刹「全生庵」は、臨済宗の禅寺。中曽根康弘が現職の首相時代に座禅を組んだことで政界に知られるようになった。
 安倍晋三・首相も、第一次政権退陣(2007年)後、しばしば座禅のため全生庵を訪れた。安倍に座禅を勧めたのは山本有二・元金融担当相。山本は、第一次安倍政権樹立の核となった再チャレンジ支援議員連盟の会長だった。今年7月24日にも、安倍は山本と一緒に全生庵で座禅を組んだ。
 その山本は、全生庵で、安倍とは別に石破茂・地方創生担当相とも座禅の会を開き、石破ともじっこんの仲にある。

 (2)石破は、2012年9月の自民党総裁選において党員票では安倍をはるかにしのぎながら、国会議員による決選投票で逆転負けした。安倍からすれば最も警戒すべき存在だといえる。
 2012年の総裁選では、山本は安倍、石破のいずれの推薦人にもなっていない。
 山本の存在がクローズアップされるのは、安倍が総選挙(2012年12月)で政権交代を実現してからだ。選挙直後に安倍と石破がそろって全生庵で座禅を組んだが、この背後にいたのが山本だ。山本は高知出身。薩長同盟を実現した坂本竜馬になぞらえて安倍と石破の関係修復の調停役的な立場にあった。
 しかし、安倍と石破の間に横たわる溝は深かった。第一次政権の2007年参院選で自民党が大惨敗した際、安倍に退陣を迫った一人が石破だったからだ。安倍の石破に対する思いは推して知るべしだが、石破に投じられた圧倒的な党員票は無視できず、安倍も石破を幹事長に起用せざるをえなかった。以来、安倍にとって石破は一貫して「仮想敵」だった。

 (3)安倍による最初の内閣改造・自民党役員人事(2014年9月)の最大の焦点は、石破の処遇にあった。安倍の選択は、石破を幹事長からはずす一方、閣僚として閣内に取り込むことだった。
 このころから、山本は石破に近いベテラン議員として存在感を増した。石破を中心にした「無派閥連絡会」(2013年1月結成)の、2014年8月7日開催のとき山本は会長に就任、鴨下一郎・元環境相らと並ぶ石破側近の中心人物になった。
 「無派閥連絡会」に集まったのは、衆参合わせて29人。だが、メンバーは改造人事をめぐって考え方が真っ二つに割れた。かつて石破の最側近と言われた浜田靖一・元防衛相は、「入閣を断り、下野していつでも総裁選に出馬できる状況にしておくべきだ」と主戦論を展開した。これに対して、石破は入閣の道を選んだ。
 浜田らが危惧したとおり、結果として石破は2015年9月の総裁選に立候補できず、安倍の狙いはあたった。

 (4)石破は何を思ったか、総裁選で安倍が無投票再選した直後、9月28日、ザ・キャピトルホテル東急(国会近く)で、石破派「水月会」を発足させた。参加者は全部で20人。山本、伊藤達也・元金融担当相、田村憲久・前厚生労働相の閣僚経験者が名を連ねた。
 石破との間に距離が生じた浜田靖一は、盟友の小此木八郎、梶山弘志らと共に、「水月会」には加わっていない。

 (5)石破は、早くもポスト安倍に名乗りをあげた。
 だが、政界の大方の見方は、「なぜこのタイミングで」というものだ。
 さらに自民党内では、石破自身が派閥政治を批判する中で頭角を現してきただけに、「これまでの政治家としての歩みを否定することになる」などの批判が噴出する。
 「遅すぎて早すぎる」の声も上がる。今年の総裁選には間に合わず、次の選挙まで3年もあり、仕掛けがあまりにも早すぎるというものだ。
 しかも、参加者20人のうち当選2回以下が10人もいる。次の選挙で生き延びる保証はどこにもない。
 安倍が石破派の存在を受け入れるかどうかの問題もある。自民党の不文律は閣僚を送り込める基準は「所属議員20人に1人」で、石破派はぎりぎり1人の閣僚が割り当てられる最低限の人数しかいない。安倍が石破を徹底的に冷遇する決断をすれば、石破の入閣すら消える。自民党史上、現職首相に対する挑戦はそれだけのリスクを伴う。そこまでの覚悟と見通しを持って石破派派閥結成に踏み切ったのか。
 まずは、10月7日の内閣改造における安倍の出方が、石破派の帰趨を占う最初の試金石になることは間違いない。

□後藤謙次「不可解な時期に石破派が発足 行方を占う試金石は内閣改造 ~永田町ライブ!No.261」(「週刊ダイヤモンド」2015年10月10日号)

 【参考】
【政治】震災後2度目の統一地方選 ~異例なほど注力する自民党本部~
【政治】安倍が描いた解散戦略の全内幕 ~周到な準備~
【政治】安部政権の危機管理能力の低さ ~土砂災害・火山噴火~
【政治】「地方創生」が実現する条件 ~石破-河村ラインの役割分担~
【政治】露骨な安倍政権へのすり寄り ~経団連が献金再開~
【政治】石原発言から透ける政権の慢心 ~制止役不在の危うさ~
【原発】政権の最優先課題 ~汚染水と廃炉作業~
【政治】「新党」結成目前の小沢一郎の前にたちはだかる難問
【政治】小沢一郎、妻からの「離縁状」の波紋 ~古い自民党の復活~
【政治】国会議員はヤジの質も落ちた


【古賀茂明】安保法成立の最大の戦犯

2015年10月05日 | 社会
 (1)9月19日未明、安保法が成立した。
 安部総理は、最初からまじめに説明することを放棄。足を投げ出し、野次を飛ばし、野党や国民の声を無視した。
 違憲法案であるのに加え、その不真面目、その傲慢に国民の不満と不安は頂点に達した。
 それでも法が成立したのは何故か。
  
 (2)最大の戦犯は、民主党と維新の党だ。
 衆議院ではほとんど無抵抗だったのに、参議院の終盤になって急に戦う姿勢を見せた両党。それは、国会前のSEALDsなどのデモが両党の予想以上に拡大したからだ。
 しかし、戦う姿勢は所詮、来年の参議院選挙目当てのパフォーマンス。当初から18日を超えて連休に入れば面子が立つ、という程度のものでしかなかった。
 元々、集団的自衛権を認めたい勢力が強い民主党や維新の党は、党内事情で、そこまで戦う姿勢になっていなかったのだ。

 (3)この選挙目当ての野党の動きは、これからも続くだろう。
 19日には、共産党が、突然、「戦争法廃止の国民連合政府」構想を他の野党に提案した。これも、共産党はいつも自分の勢力拡大しか考えていない、とSEALDsに批判されるのを怖れてのことだろう。

 (4)内閣支持率が依然として40%程度ある理由は何か。
  (a)安保以外のテーマで安倍政権を支持する理由があるからなのか。
  (b)あるいは、他に政権を委ねられる野党が存在しないからなのか。
 そのどちらかだが、(a)の他のテーマとして考えられるのはアベノミクスだ。
 自民支持層はまだ期待をつないでいるが、そこには明らかに翳りが見える。
 
 (5)一方、野党の支持率が異常に低いことをみれば、やはり自民党以外に魅力的な政党がない、という有権者の冷徹な判断が安倍政権を支えている、と見るべきだ。
 これに対して、既存野党が集まり、経済政策はそっちのけで、「反戦争法」だけを旗印にした政権をつくっても、答えにはならない。
 むやみに選挙協力しても、
   <例>自民対共産
という選択肢しかない選挙区では、多くの有権者が棄権する可能性がある。

 (6)そもそも自民党の支持率は30%台で、無党派層はそれと並ぶか、それを超えている。この無党派層が動けば、野党候補が3人いても、十分に自民党に勝つ可能性はある。特に、
   資本主義を前提に競争を否定せず、
   グローバリゼーションに前向きに対応し、
   既得権と闘いながら庶民のための改革を行う政党であって、
   なおかつ、
   集団的自衛権に反対
   全ての原発の再稼働にも反対
という政党がない。そうした政党ができれば、無党派層のかなりの部分が動き出す可能性がある。

 (7)既存野党の連合政権ができても、
   本音では原発を動かしたいと考え、消費税増税に賛成の民主党と
   反対の共産党が
一緒に政権運営を行うなど不可能だ。日米安保条約の運用をめぐっても、すぐにバラバラになるだろう。
 安保政策を含め、日本経済と社会保障制度の立て直し、少子高齢化の克服といった問題は、15年から20年かけて取り組む課題だ。
 そのためには、長期的視点で政策軸を明確にした野党再編が求められている。
 来年の参議院選挙目当ての野合で済む話ではない。

□古賀茂明「安保法を政略に使うな ~官々愕々第171回~」(「週刊現代」2015年10月10日号)
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 【参考】
【古賀茂明】軽減税率、本当の問題 ~官々愕々第170回~
【古賀茂明】国民のために働く官僚の左遷 ~読売新聞の問答無用~
【古賀茂明】安倍首相の「積極的軍事主義」が根付くとき
【古賀茂明】電力自由化は進んでいない
【古賀茂明】【TPP】の漂流と「困った人たち」
【古賀茂明】安保法案の裏で利権拡大 ~原子力ムラ~
【古賀茂明】東芝の粉飾問題 ~「報道の粉飾」~
【古賀茂明】「反安倍」の起爆剤 ~若者たちの「反安倍」運動~
【古賀茂明】維新の党の深謀遠慮 ~風が吹けば橋下市長が儲かる~
【古賀茂明】腐った農政 ~画餅に帰しつつある「日本再興」~
【古賀茂明】読売新聞の大チョンボ ~違法訪問勧誘~
【古賀茂明】「信念」を問われる政治家 ~違憲な安保法制~
【古賀茂明】機能不全の3点セット ~戦争法案を止めるには~
【古賀茂明】維新が復活する日
【古賀茂明】戦争法案審議の傲慢と欺瞞 ~官僚のレトリック~
【古賀茂明】「再エネ」産業が終わる日 ~電源構成の政府案~
【古賀茂明】「増税先送り」「賃金増」のまやかし ~報道をどうチェックするか~
【古賀茂明】週末や平日夜間に開催 ~地方議会の改革~
【古賀茂明】原発再稼働も上からの目線で「粛々と」 ~菅官房長官~
【古賀茂明】テレビコメンテーターの種類 ~テレ朝問題(7)~
【報道】古賀氏ら降板の裏に新事実 ~テレ朝問題(6)~
【古賀茂明】役立たずの「情報監視審査会」 ~国民は知らぬがホトケ~
【報道】ジャーナリズムの役目と現状 ~テレ朝問題(5)~
【古賀茂明】氏を視聴者の7割が支持 ~テレ朝問題(4)~
【古賀茂明】氏、何があったかを全部話す ~テレ朝「報ステ」問題(3)~
【古賀茂明】氏に係る官邸の圧力 ~テレ朝「報道ステーション」(2)~
【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~
【古賀茂明】これが「美しい国」なのか ~安倍政権がめざすカジノ大国~
【古賀茂明】原発廃炉と新増設とはセット ~「重要なベースロード電源」論~
【古賀茂明】改革逆行国会 ~安倍政権の官僚優遇~
【古賀茂明】安部総理の「大嘘」の大罪 ~汚染水~
【古賀茂明】「政治とカネ」を監視するシステム ~マイナンバーの使い方~
【古賀茂明】南アとアパルトヘイト ~曽野綾子と産経新聞~
【古賀茂明】報道自粛に抗する声明
【古賀茂明】「戦争実現国会」への動き
【古賀茂明】日本人を見捨てた安倍首相 ~二つのウソ~
【古賀茂明】盗人猛々しい安倍政権とテレビ局
【古賀茂明】安倍政権が露骨な沖縄バッシングを行っている
【古賀茂明】官僚の暴走 ~経産省と防衛省~
【古賀茂明】安倍政権が、官僚主導によって再び動き出す
【古賀茂明】自民党の圧力文書 ~表現の自由を侵害~
【古賀茂明】自民党が犯した最大の罪 ~自民党若手政治家による自己批判~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走 ~傾向と対策~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走
【古賀茂明】文書通信交通滞在費と維新の法案
【古賀茂明】宮沢経産相は「官僚の守護神」 ~原発再稼働~
【古賀茂明】再生エネルギー買い取り停止の裏で
【古賀茂明】女性活用に本気でない安部政権
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【古賀茂明】従順な小渕大臣と暴走する官僚 ~原発再稼働~
【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道 ~虚構のアベノミクス~
【古賀茂明】【原発】原子力ムラの最終兵器
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