シリーズ5冊目。大部分は前後の脈絡なく羅列されている。その無造作ぶりが、かえって無名人は何処にもいる、という印象を与える。
<日本人妻という言葉があるのに日本人夫と言わないのは何故ですかね。>
通常使用される日本語の裏に隠された男性中心主義。
<暴力団がいなくなるようだったら、もうその町は活気が無いってことです。>
暴力団さえ寄りつかない寂れた町。なんたる逆説。
<住宅ローンのこと、子どもの受験のこと、親の介護のこと、そして女房のことを
考えているうちに自殺しちゃったんだって・・・・。
駄目だよ、バラバラに考えなきゃ。>
総合し、要約すると、砂の城しか残らない。
『ハムレット』の一登場人物が言うように、墓掘り人夫のように陽気に。
あるいは、敗戦直後の焼け跡市場のように<我は我が事どもを無の上に築く>。
<生きるということは、
生き残るということです。>
□永六輔 『新・無名人名語録 ~死ぬまでボケない智恵~』(飛鳥新社、2000)
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【参考】
「【読書余滴】無名人名語録、普通人名語録、一般人名語録」