盛岡の住宅地の一番が置き換わった。前は住吉町だったが、今回駅前西通りに変わった。とはいっても盛岡に住んで駅前西通りと言われてもピンと来ない。新地名だからだ。
岩手・宮城・福島の地価は下がったようだ。「陸前高田市米崎町字松峰59番7」で16・0%ダウンだった。また被災地で調査不能な場所もあり、被災と土地価格の状況はよくわからない。現実的に陸前髙田は土地利用に県から制限がかかっているので、このダウン幅で済むかどうかは解らない。産經新聞で、福島原発の警戒区域の自分の土地を鑑定してもらったら、10分の1という値になったという話しがあった。
さて実は震災の影響を地価で見ようと思ったのだが、丸ごとひっくるめて見れる統計資料が国土交通省の都道府県地価から見つけられなかった。そもそも7月1日集計の都道府県地価というのは、1月1日集計の地価公示の補完調査のようだ。
そこで地価公示から日本の土地価格状況を見てみたいとグラフを作ってみた。
全用途平均を使った。住宅地から商業地、工業地や調整区域まで含んだ値だ。
左端の始点は昭和46年で、この時の地価を100とした積算値を出してみた。東京・名古屋・大阪圏と他の地方の地価の推移を見る。実は統計としては、昭和50年以前は調整区域を含んでいなかったので、それ以前を入れると齟齬が起きるのだが、真面目なデータではないので入れてみた。昭和47年から49年の地価の高騰は凄まじい。ちょっとこのニュアンスがほしかったのだ。
グラフでは、年の文字の尻あたりがその年。読みにくくて申し訳ない。
左端でちょっと下がったように見えるのが、オイルショックで大幅に下落したとき。バブルなんてもんじゃない下げ幅だった。昭和54年までは地方と都市圏の上昇率は一致しているが、以降拡大して現在に至っているのがよくわかる。
バブルのあたりも、都市圏が下がって地方が遅れて下がる様子がよく分かる。ただ大阪の暴落がすごい。21.3%ダウン。急落した東京・名古屋もこの翌年大幅にダウンしてグラフのピークを作っている。
実はこのグラフ、地方に住む人間としてはよくわかる所がある。バブルは地方を直撃しなかった。しかしずるずると続く地価の下落でじわじわと貧しくなって行った。土地の担保価値が下がってきたのだ。それでも下落幅が小さかったので何とかなったが、設備投資出来るお金が作りにくくなった。ギリギリで経営するうち平成15年頃から下落幅が大きくなり、銀行としても見過ごせなくなり、担保の見直しが起きる。これが原因で、資産から見れば意外な会社が倒産したりしていた。
平成20年頃に、景気が回復したとニュースで出ていたが、このグラフから都市圏の話しだったというのがよくわかる。地方ではまったくそんなニュアンスはなかった。地価の下がりっぱなしがそれを示している。
今回の震災の影響は解らなかった。正直な所この統計データはプロでないと難しい。もしくは気楽に調べれるほど簡単ではないという事だ。量だけでも大きい。
ただ一番心配なのは陸前髙田のデータのように、低迷している地方の地価が暴落している沿岸の土地と、担保の問題だ。銀行がこれをどう判断するのか、状況からすれば銀行が損切りするのだろうが限度がある。その土地は利用制限がかけられて、開発の見通しは暗い。
もっとリアルな現状が見えるのは、来年度の地価公示発表まで。どうなっているのだろうか。
がんばれ!福島!応援するよ!岩手だけど!
岩手・宮城・福島の地価は下がったようだ。「陸前高田市米崎町字松峰59番7」で16・0%ダウンだった。また被災地で調査不能な場所もあり、被災と土地価格の状況はよくわからない。現実的に陸前髙田は土地利用に県から制限がかかっているので、このダウン幅で済むかどうかは解らない。産經新聞で、福島原発の警戒区域の自分の土地を鑑定してもらったら、10分の1という値になったという話しがあった。
さて実は震災の影響を地価で見ようと思ったのだが、丸ごとひっくるめて見れる統計資料が国土交通省の都道府県地価から見つけられなかった。そもそも7月1日集計の都道府県地価というのは、1月1日集計の地価公示の補完調査のようだ。
そこで地価公示から日本の土地価格状況を見てみたいとグラフを作ってみた。
全用途平均を使った。住宅地から商業地、工業地や調整区域まで含んだ値だ。
左端の始点は昭和46年で、この時の地価を100とした積算値を出してみた。東京・名古屋・大阪圏と他の地方の地価の推移を見る。実は統計としては、昭和50年以前は調整区域を含んでいなかったので、それ以前を入れると齟齬が起きるのだが、真面目なデータではないので入れてみた。昭和47年から49年の地価の高騰は凄まじい。ちょっとこのニュアンスがほしかったのだ。
グラフでは、年の文字の尻あたりがその年。読みにくくて申し訳ない。
左端でちょっと下がったように見えるのが、オイルショックで大幅に下落したとき。バブルなんてもんじゃない下げ幅だった。昭和54年までは地方と都市圏の上昇率は一致しているが、以降拡大して現在に至っているのがよくわかる。
バブルのあたりも、都市圏が下がって地方が遅れて下がる様子がよく分かる。ただ大阪の暴落がすごい。21.3%ダウン。急落した東京・名古屋もこの翌年大幅にダウンしてグラフのピークを作っている。
実はこのグラフ、地方に住む人間としてはよくわかる所がある。バブルは地方を直撃しなかった。しかしずるずると続く地価の下落でじわじわと貧しくなって行った。土地の担保価値が下がってきたのだ。それでも下落幅が小さかったので何とかなったが、設備投資出来るお金が作りにくくなった。ギリギリで経営するうち平成15年頃から下落幅が大きくなり、銀行としても見過ごせなくなり、担保の見直しが起きる。これが原因で、資産から見れば意外な会社が倒産したりしていた。
平成20年頃に、景気が回復したとニュースで出ていたが、このグラフから都市圏の話しだったというのがよくわかる。地方ではまったくそんなニュアンスはなかった。地価の下がりっぱなしがそれを示している。
今回の震災の影響は解らなかった。正直な所この統計データはプロでないと難しい。もしくは気楽に調べれるほど簡単ではないという事だ。量だけでも大きい。
ただ一番心配なのは陸前髙田のデータのように、低迷している地方の地価が暴落している沿岸の土地と、担保の問題だ。銀行がこれをどう判断するのか、状況からすれば銀行が損切りするのだろうが限度がある。その土地は利用制限がかけられて、開発の見通しは暗い。
もっとリアルな現状が見えるのは、来年度の地価公示発表まで。どうなっているのだろうか。
がんばれ!福島!応援するよ!岩手だけど!
愛知県日進市の花火大会で、福島県産の花火が打ち上げられなかった事で、抗議が来ているらしい。続報が読売新聞にあった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110920-OYT1T01039.htm?from=main4
陸前髙田の松と同じ経緯だ。市にクレームがきて、取りやめる。報道がそれを流して、初めにきたクレームの10倍返しの抗議が殺到する。京都市もそうだった。今回の日進市では初めが20件、抗議は750件になった。ただこれは当たり前で、日進市の人口が8.5万人で、福島の人口が199.7万人、岩手・宮城・福島あわせると567.1万人だ。シンパシーを感じてくれる他の地域の人もいるだろうから、当然10倍返し以上にはなる。大変な事になっている。
正直な所もうこんな思いはしたくない。なのでこういったイベントをやる場合のどうするのかを考える。
まず花火やたき火みたいな、空気中に拡散するものは使わない。検査出来る物だったらいいが、花火のように出来上がってから検査するのが難しい場合どうしようもない。日進市は今後検査して使いますと言っているけど、この場合原材料証明、生産過程証明、製造物証明と段階を踏んだ証明になる。前二段階はさほど難しくないが、製造物である危険物・爆発物の放射能検査出来る施設があるのか?真面目に考えて欲しい。もう二度とこんな事しませんと言っているようなものだ。そんな言い訳しないにこした事は無い。
食品や物品の場合、食べないという選択が出来るので問題は無いが、細かく検査した物を使う。証明書も用意する。出来れば放射性物質は検出されていない物を使う。
クレームは丁寧に区分して、公表する。公表前提のクレームでなければ受け付けない。市の行事を取りやめるのだから、請願と同じだ。もちろん公開請求されなければ公開されない。それぐらいの重さは必要だ。ルール作りが大切だ。
そのそもイベントとしてどうあるべきなのか、しっかりした気持ちを持ってもらいたい。京都の時もそうだったが、大文字焼きの中でも異論があったのを、会長が通してしまったフシがあり、全員一致していなかったことがよくなかったことだ。今回の日進市も、なぜ福島から花火を呼ぶのかの意識が軽かったのではないのかと思われる。そもそも企画が軽かった可能性もある。そういったことが、こんな事を引き起こしているのではないか?
同情はありがたいが、自分たちの事をもっと考えて欲しい。その上で関連するイベントを考えて欲しい。
個人的にクレームをつけた人の気持ちも解る。特に妊婦さんや幼児のいる家庭なら理解している。でもそういった環境なら、不安にとらわれずに真面目に勉強して欲しい。絶対放射性物質がない、という事はないのですから。
愛知県は中部大学教授発言で、これで3連発。でも中部大学某教授のが、中身で最大ですね。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110920-OYT1T01039.htm?from=main4
陸前髙田の松と同じ経緯だ。市にクレームがきて、取りやめる。報道がそれを流して、初めにきたクレームの10倍返しの抗議が殺到する。京都市もそうだった。今回の日進市では初めが20件、抗議は750件になった。ただこれは当たり前で、日進市の人口が8.5万人で、福島の人口が199.7万人、岩手・宮城・福島あわせると567.1万人だ。シンパシーを感じてくれる他の地域の人もいるだろうから、当然10倍返し以上にはなる。大変な事になっている。
正直な所もうこんな思いはしたくない。なのでこういったイベントをやる場合のどうするのかを考える。
まず花火やたき火みたいな、空気中に拡散するものは使わない。検査出来る物だったらいいが、花火のように出来上がってから検査するのが難しい場合どうしようもない。日進市は今後検査して使いますと言っているけど、この場合原材料証明、生産過程証明、製造物証明と段階を踏んだ証明になる。前二段階はさほど難しくないが、製造物である危険物・爆発物の放射能検査出来る施設があるのか?真面目に考えて欲しい。もう二度とこんな事しませんと言っているようなものだ。そんな言い訳しないにこした事は無い。
食品や物品の場合、食べないという選択が出来るので問題は無いが、細かく検査した物を使う。証明書も用意する。出来れば放射性物質は検出されていない物を使う。
クレームは丁寧に区分して、公表する。公表前提のクレームでなければ受け付けない。市の行事を取りやめるのだから、請願と同じだ。もちろん公開請求されなければ公開されない。それぐらいの重さは必要だ。ルール作りが大切だ。
そのそもイベントとしてどうあるべきなのか、しっかりした気持ちを持ってもらいたい。京都の時もそうだったが、大文字焼きの中でも異論があったのを、会長が通してしまったフシがあり、全員一致していなかったことがよくなかったことだ。今回の日進市も、なぜ福島から花火を呼ぶのかの意識が軽かったのではないのかと思われる。そもそも企画が軽かった可能性もある。そういったことが、こんな事を引き起こしているのではないか?
同情はありがたいが、自分たちの事をもっと考えて欲しい。その上で関連するイベントを考えて欲しい。
個人的にクレームをつけた人の気持ちも解る。特に妊婦さんや幼児のいる家庭なら理解している。でもそういった環境なら、不安にとらわれずに真面目に勉強して欲しい。絶対放射性物質がない、という事はないのですから。
愛知県は中部大学教授発言で、これで3連発。でも中部大学某教授のが、中身で最大ですね。
嘆かわしいことが起きた。愛知県ではセシウムさん騒ぎがあったばかりだ。
しかし今回は、今までとはレベルが違う。
放射能心配…市民の抗議で福島産花火の使用自粛
2011年9月19日(月)13:30 読売オンライン
東日本大震災の被災地の復興を応援しようと、愛知県日進市で18日夜に行われた「にっしん夢まつり・夢花火」大会で、市などでつくる大会の実行委員会が、福島県川俣町の業者が生産した花火の使用を市民からの抗議で急きょ取りやめていたことがわかった。
実行委員会によると、震災復興をテーマに岩手、宮城、福島各県産のスターマインを打ち上げる予定だったが、16日から17日にかけ、「放射能汚染の心配はないのか」「安全性を示すデータはあるのか」などと、電話やメールで抗議が20件ほど寄せられたため、対応を協議。打ち上げを委託した愛知県内の業者からも放射能検査機器がなく、放射線量の確認が間に合わないと連絡があり、17日、福島県産スターマイン1セット(80発)だけ、愛知県内の業者の花火に代えることを決めた。
日進市の萩野 幸三市長は記者団に対し、「結果的に福島県の方々に大きな迷惑をかけて申し訳ない。被災地にエールを送るつもりで、福島の花火業者を指定して企画したが、市民の不安にも答える必要があり、実行委も打ち上げを判断仕切れなかった」と話した。
花火は、確かに手工業的な製品だ。火薬の調合、あのキラキラした星を作り上げるための火薬を玉にする、場合によっては各種火薬の多重コーティングになっていたり、複雑で時間と手間で出来上がっている。
しかし原料になる火薬は化学工業製品だ。福島だけで作られている訳ではない。さらに花火業者は火薬管理を厳しく行っている。当然火薬の入った容器を開けっ放しにしたりはしない。出来上がった花火も厳重に保管している。放射性物質が入り込む可能性はとても低い。あったとしても農産物の基準より圧倒的に低い。ないと言い切れる。
それともだ愛知県の人たちは、いまだもって福島では土壌に糞尿を撒いて菌類の助けで硝酸を作り、灰と混ぜて硝酸カリを作り、そこから黒色火薬を作るという、江戸時代の製法を守っていると思っているのだろうか。それだったら放射性物質の混入は多いかもしれない。だがそんな作り方で花火は作られていない。
いったい何の心配をしているのだ。花火は工業製品だ。同じ工業製品のトヨタの自動車が年間どのくらい悲劇を起こしていると思っているのか。携帯電話での脳腫瘍の可能性と、あるかないかの福島の花火のからの放射能とどちらがひどいのか。
八つ当たりをしてしまったが、このへん真面目に考えて欲しい。物と作り方はかなり違うが、ルネサスエレクトロニクス製のチップ梱包剤に含まれるセシウムを怖れて、購入をトヨタはやめたか?
クレームをつける前に、日進市に60年代以降どの程度放射性物質が降下しているのか調べてもらいたい。そして花火がどうやって作られているのか、その制作者はどう管理しているのか調べてからクレームをつけて欲しい。
花火制作者は安全管理を徹底している。この時点で放射性物質が混入する危険は少ない。入っていたとしても、黄砂と一緒にやってくる放射性物質より無いに等しい量だ。それと同量の放射性物質を花火業者が混ぜる事は無い。自分が危険だ。
知識を入れ、常識で考えて欲しい。正しく怖がって欲しい。
だがこの件では、無知もいい加減にしてくれ!と言いたい。
今回は被災した県、岩手・宮城・福島三県から花火業者を招いた。これは善意だ。被災地からの花火を見て、被災者の状況を思い馳せるというものなのだろう。ただ結果善意がもの凄い悪意に思えてしまう。陸前髙田の松もそうだが、こちらが二重に傷つけられてしまう。もうこういった善意はいやだ、というのが実感だ。
PS
花火の放射能物質検査だが、実質的に不可能だ。まず解体出来ない。とても危険だ。ホールボディカウンターみたいな装置があれば別だが、危険物である花火を検査できる安全基準を満たした物は無いだろう。強いて言えば制作者が行うシーベルト単位での簡易検査があるが、意味がない。
9/19追記
朝日ではこんな具合
http://www.asahi.com/national/update/0919/NGY201109190002.html?ref=goo
川俣町の業者について、安全な場所で作っていると書いている。
しかし今回は、今までとはレベルが違う。
放射能心配…市民の抗議で福島産花火の使用自粛
2011年9月19日(月)13:30 読売オンライン
東日本大震災の被災地の復興を応援しようと、愛知県日進市で18日夜に行われた「にっしん夢まつり・夢花火」大会で、市などでつくる大会の実行委員会が、福島県川俣町の業者が生産した花火の使用を市民からの抗議で急きょ取りやめていたことがわかった。
実行委員会によると、震災復興をテーマに岩手、宮城、福島各県産のスターマインを打ち上げる予定だったが、16日から17日にかけ、「放射能汚染の心配はないのか」「安全性を示すデータはあるのか」などと、電話やメールで抗議が20件ほど寄せられたため、対応を協議。打ち上げを委託した愛知県内の業者からも放射能検査機器がなく、放射線量の確認が間に合わないと連絡があり、17日、福島県産スターマイン1セット(80発)だけ、愛知県内の業者の花火に代えることを決めた。
日進市の萩野 幸三市長は記者団に対し、「結果的に福島県の方々に大きな迷惑をかけて申し訳ない。被災地にエールを送るつもりで、福島の花火業者を指定して企画したが、市民の不安にも答える必要があり、実行委も打ち上げを判断仕切れなかった」と話した。
花火は、確かに手工業的な製品だ。火薬の調合、あのキラキラした星を作り上げるための火薬を玉にする、場合によっては各種火薬の多重コーティングになっていたり、複雑で時間と手間で出来上がっている。
しかし原料になる火薬は化学工業製品だ。福島だけで作られている訳ではない。さらに花火業者は火薬管理を厳しく行っている。当然火薬の入った容器を開けっ放しにしたりはしない。出来上がった花火も厳重に保管している。放射性物質が入り込む可能性はとても低い。あったとしても農産物の基準より圧倒的に低い。ないと言い切れる。
それともだ愛知県の人たちは、いまだもって福島では土壌に糞尿を撒いて菌類の助けで硝酸を作り、灰と混ぜて硝酸カリを作り、そこから黒色火薬を作るという、江戸時代の製法を守っていると思っているのだろうか。それだったら放射性物質の混入は多いかもしれない。だがそんな作り方で花火は作られていない。
いったい何の心配をしているのだ。花火は工業製品だ。同じ工業製品のトヨタの自動車が年間どのくらい悲劇を起こしていると思っているのか。携帯電話での脳腫瘍の可能性と、あるかないかの福島の花火のからの放射能とどちらがひどいのか。
八つ当たりをしてしまったが、このへん真面目に考えて欲しい。物と作り方はかなり違うが、ルネサスエレクトロニクス製のチップ梱包剤に含まれるセシウムを怖れて、購入をトヨタはやめたか?
クレームをつける前に、日進市に60年代以降どの程度放射性物質が降下しているのか調べてもらいたい。そして花火がどうやって作られているのか、その制作者はどう管理しているのか調べてからクレームをつけて欲しい。
花火制作者は安全管理を徹底している。この時点で放射性物質が混入する危険は少ない。入っていたとしても、黄砂と一緒にやってくる放射性物質より無いに等しい量だ。それと同量の放射性物質を花火業者が混ぜる事は無い。自分が危険だ。
知識を入れ、常識で考えて欲しい。正しく怖がって欲しい。
だがこの件では、無知もいい加減にしてくれ!と言いたい。
今回は被災した県、岩手・宮城・福島三県から花火業者を招いた。これは善意だ。被災地からの花火を見て、被災者の状況を思い馳せるというものなのだろう。ただ結果善意がもの凄い悪意に思えてしまう。陸前髙田の松もそうだが、こちらが二重に傷つけられてしまう。もうこういった善意はいやだ、というのが実感だ。
PS
花火の放射能物質検査だが、実質的に不可能だ。まず解体出来ない。とても危険だ。ホールボディカウンターみたいな装置があれば別だが、危険物である花火を検査できる安全基準を満たした物は無いだろう。強いて言えば制作者が行うシーベルト単位での簡易検査があるが、意味がない。
9/19追記
朝日ではこんな具合
http://www.asahi.com/national/update/0919/NGY201109190002.html?ref=goo
川俣町の業者について、安全な場所で作っていると書いている。
盛岡の地ビール、ベアレンの特別工場見学会がありました。
このベアレンですが、銀河高原ビールにいたドイツ人マイスターのイヴォさんと木村さん・嶋田さんの3人で立ち上げたものです。よくある第三セクターではなく完全個人資本の地ビールです。
マイスター・イヴォの趣味に、クラシックのビール製造装置の収集というものがありまして、この趣味を生かして100年以上前の製造装置でビールを作っています。
地ビールという事で、イベントに力を入れています。春のイベント、夏のバーベキュー付きイベント、秋のオクトーバ・フェストと、もう少しあったような気もしますが、イベントが多い地ビールです。今回もその一環。新人研修もかねているようです。
実は社長の木村さん、木村窯業所の息子です。以前はここでレンガなどを焼いていたみたいですが、粘土の入手・燃料の高騰などでレンガ製造を止めてしまいました。残った工場が現在のベアレンの工場になっています。
なので敷地内には水道管の継ぎ手や鬼瓦などが見られます。この敷石にしているのはアーチレンガ。耐熱レンガかもしれません。
壁面は2種類のレンガで出来ています。下が遠野レンガ、上は忘れてしまいましたが、前沢だったような。
建物一階の内装は、木村レンガを焼いていた窯のレンガで出来ています。実は耐熱の高級品です。焼け色に時間を感じさせます。
さて工場見学会には60人ほど集まりました。工場には入りきらないという事で、二つに分けて見学会がはじまりました。
モルトの山。モルトは麦芽、つまり目を出す直前まで育てたものを、焙煎して発芽を止めたもの。産地は、ドイツ・イギリス・カナダのようです。
これをミルで粉砕します。どうもこの機械が一番古いようですが、大人数で説明を聞きそびれました。ギア式のクラッシャーミルでしょうか。後で見たモルトかすからすると、噛み砕くように粉砕しているようです。
砕いたモルトに水を入れて、手前の装置に入れて、説明は聞いていないのですが多分35度くらいで加温すると、麦芽に含まれている酵素とでんぷんが反応してブドウ糖と麦芽糖に変わります。日本では水飴の作り方です。まだこの作り方で、津軽辺りで水飴を作っていると思いました。
で反応が進んだら、奥のドーム型の装置に送って濾過します。濾過したものはまた手前の装置に戻って、加熱して酵素の働きを止めます。
奥にある装置には、撹拌の棒と、漉すための細かいパンチングの金網が見えます。この搾りかすを羊に食べさせ、8月のバーベキュー大会に提供したそうです。餌が違うせいか羊の臭みがなかったそうです。
実は産業廃棄物の問題でもあるので、エコといえます。
糖化の終わった麦汁があります。あとでいただいたのですが、甘くてちょっと青臭い独特の味です。中世ヨーロッパでは、母乳代わりに子供に与えていたと聞いています。ちょっと発酵のはじまったものも使っていたとも。
濾過器のエンブレム。ロットから19台目なのでしょうか。
窯の中には、スチームで加熱するためのパイプが入ってました。撹拌棒も入っていたような気がしますが、どうだったかな?全部銅製です。蒸気抜きのパイプが曲がって、傘みたいな物がついているのは、麦汁に蒸気が冷えて出来た水が混じらないようにしているためだそうです。
加熱した麦汁を冷やすための、巨大な皿。こうして冷やす方がいいらしいのだが、衛生上の問題があって現在使用していないと言う事。隣の人がホっとしていました。脇にあるのも冷却器。今は近代的な冷却器を使っているとの事。冷却して酵母を加えて発酵に進みます。
この巨大な皿をどうやって運んだのかと言えば、実は6分割出来るようだ。しかし特殊なねじだなぁ。
発酵室は立ち入り禁止。二酸化炭素濃度が高いので、危険なんだそうだ。どちらにしてもこの人数では入れない。醸造に関わる部分と他の部分と隔てるドアに、断熱材が貼付けてあった。全体手作り感がすごい。
ビン詰め行程の作業場の前に、よくある標語が。ヒヤリハットは見逃さず。うん、そうですね。
さて熟成行程。発酵が終わったものは冷蔵庫内の熟成タンクで熟成します。上面発酵は20日間、下面発酵は25日間熟成するそうです。そういえば上面発酵のほうが発酵日数が短かった。上面発酵は発酵や熟成が短い分作るのが難しいのだろうか。
酵母発見!記号の意味は解らないが、これがヒミツかと勘違いをしてしまいます。さっきの上面発酵は発酵時の泡に集まるタイプの酵母、伝統的な酵母です。下面発酵は酵母同士がくっつく癖のある酵母で、くっついて固まって底に沈んでしまいます。泡でこぼれない近代的な酵母ですが、発酵が遅いとは知らなかった。発酵が終わった物から酵母を取り出し、5回ほど繰り返し使うようだ。なんで5回かといえば、多分特定の酵母ばかりになってしまうからなのだろうと、考えています。
なお後で、この下面発酵の酵母を試食しましたが、苦かったです。味は上面発酵のほうが味がいいので、酵母入りビールは上面発酵で、下面発酵は酵母を濾過していると以前聞いていました。なおビン詰め後の、火入れのための巨大な加温機がありましたが、人が多く、写真を取り損ねてしまいました。
前の熟成タンクは、中古品。この写真のは新品だそうです。ベアレンも楽天でNo1になったりしていますので、生産のため追加投資しているようです。あと多品種ですからねえ、この会社。今年のゴールデンウイーク前に材木町よ市での出店と、春のイベントでこれらのタンクの2/3が無くなったといいます。タンクをみてつくづく、地元でここまで呑まれているのはすごい事です。
ズラっと並んだビン。頒布会向けのようです。
おや、打栓がうまくいっていない物や賞味期限切れの物が積まれています。社員向けですか。いい福利厚生です。社長にとっては困り者ですね。
頒布会向けのラベル。石割桜ですね。これは会に入っていないと呑めないもの。地元では出回っていません。念のためストロボなしで撮影。
最近出回っているオクトーバ・フェストビール。これが終わる頃ポーターが出てくるかな?
試飲が一杯と、モルト・ホップのお土産付きだったのですが用事があって試飲なし。とはいっても説明をしてくれた井上さんの手にあるフラスコ、熟成前のビールです。試飲が出来るというのでちょろっと呑んでみました。やはり味がバラバラでした。
会が終わって自宅に戻ると雨が降ってきました。そのあと虹が出ました。皆様おつかれさまでした。