物資補給されない状態だ。
食料、医薬品、弾薬だってない。
あるのは、愚かな命令だけだ。
それでも敗戦に次ぐ敗戦。
退却以外に選択肢が無くなった。
その帰還船さえ無い状態だ。
あっても偉い人から優先的に乗る。
軍人に限らないが、威張る連中は卑怯者が多い。
そんな時、丁度港に船が着いた。
父も乗れるはずだった。
ところが、例によって格下の父は後回しにされた。
運命の分かれ道だ。
目の前で帰れる希望が離れていく。
幾人もの置き去りにされた兵士や従軍が船を見ていた。
湾から出る直前だった。
船は轟音と共に爆発沈没していった。
運命の分かれ道は、どう転ぶか判らない。
置き去りにされた人々は、その後帰国できた。
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