カルテ番号 り・1(24)
「ごめんください、予約した力石です」
「どうぞ、上がって下さい」
院長は40代の普通の人だった。
癖というかアクというかが感じられない。
気功ときいていたので、少し拍子抜けだ。
特殊な能力があるようにはみえない。
イスに座って、簡単な記入事項を書いた。
「実は昨日、柳玲香さんから紹介されました。
詳しい事が全くわからないのですが、どうすればいいのでしょう」
院長は微笑んで言った。
「柳さんの紹介でしたか。
なるほど・・・
それで、力石さんは、何か困っているわけですか?」
普通、治療院に来るのだから、何らかの病を抱えている前提だろう。
それが、そういう扱いではない。
病気を持っていると思っていないようだ。
もっとも、静も病気だとは思っていない。
「あの・・・私、病気ですか?」
「いいえ、私には病があるとは感じられません」
何も診ていないのに、院長は即座に言った。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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