水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・246」

2014-06-20 18:38:59 | Weblog



カルテ番号 て・6(3)

手塚清美が35歳になるまで両親は結婚をさせようとしていた。
だが、実家で両親と暮らしていると何不自由ない。
手塚清美には結婚する理由がみつからないのだ。
3歳離れた弟には子供も二人いる。
両親も孫が出来てから清美にうるさく言わなくなった。
そして、ますます太っていった。

その日、清美はバスルームから出て、裸のまま更衣所の鏡を見た。
最近、両親が大型の鏡に取り換えたのだった。
普段、自分の裸などマトモに見る事がなかった清美だ。
愕然とした。
今更だが・・・

子供の頃から可愛いと言われ続けてきた。
思春期の頃からは綺麗だと言われ続けてきた。
美人と言われるのに慣れていた。
それが当たり前だし、特に価値があるとも思っていなかった。
綺麗になりたい、などと一度も思ってもみなかった。
それが・・・何?この姿は・・・


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・245」

2014-06-19 19:16:30 | Weblog



カルテ番号 て・6(2)

経済的に恵まれた環境。
のんびりした性格。
社会に出るより家庭内で過ごすのが好き。
そして・・・太った・・・
結婚前より10キロ以上太った。
当然といえば当然の結果だ。

ある日、夫が真剣な顔をして清美に言った。
「離婚してくれ」
青天のヘキレキ・・・ではなかった。
日頃の夫の態度から予想はついていた。
自分の態度や体型からも予想はついていた。
そうなったら、仕方ないと予想していた。

特にもめることなく離婚した。
そして、更に10年経った。
元の姓に戻った手塚清美は37歳になっていた。
美人だが、パンパンに丸かった。
体重は結婚前から20キロ増えていた。
性格はのんびり明るく、そしてバツイチ独身のままだった。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・244」

2014-06-18 19:10:49 | Weblog



カルテ番号 て・6(1)

手塚清美は人目を引く美人だ。
高校生の頃から毎月のように告白された。
だが、あまり異性に関心が無かった。
社会人になってからは、社内社外を問わず、交際の申し込みが相次いだ。
特に好みがあるわけではないが、正直うっとうしかった。
そして社長の甥にあたる男性と22歳で結婚した。
社長と両親に説得されて結婚したようなものだった。

相手に不満があるわけではなかった。
というより、成り行きのままの人生でいいと思っていた。
これで既婚を理由に誘いは断れる。
性格ものんびりしていて、天然の明るさがあった。
会社の人間関係など興味がなかったから、家庭にいるのは気が楽だった。
経済的にも恵まれ、特に悩みも無かった。

そして、5年経った。
子供はまだできなくて、夫婦二人の家庭は変わらなかった。
だが、少しずつ、いろいろが変わるのは世の常。
夫はいつからか他の女性と付き合いだした。
清美は何となく気付いていたが、特に騒ぐ事はなかった。
最初から夫に執着する気持ちが無かったから、そんなものだと思っていた。
そして、ある意味もっと変わった事があったのだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・243」

2014-06-17 19:13:57 | Weblog



カルテ番号 つ・9(17)

津山雅仁はまだ疑問があった。
自分に突然についた能力だった。
努力して培ったわけではない。
という事は、宇宙か地球か神かは知らないが、自分の力では無いと知っていた。
だから、その力を使えるということは、自分は守られている、と思い込んでいた。
また、自分の力ではないから、使っても疲れないと思っていた。
ところが現実は使えば使うほど身体も心も厳しくなっていったのだ。
その点を院長に訊ねた。

「そうですねぇ。例え話をしますね。
火事があります。津山さんは消防士です。
それもホースを任された最前線の花形消防士です。
火を消す水は大きな川から上げています。
水そのものは津山さんの身体から出ているわけではありません。
それでも津山さんは火事に近づくことにより、火傷もします。
また、ススやその他で汚れてしまいます。
力そのものは、とてつもなく大きいものでも、使うのは壊れやすい人間なのです。
更に言えば、水はすごいのですが、地球上のいたるところにあります。
決して特殊、というほどのものではないのですよ」

津山雅仁は今度こそ納得した。
選ばれたから力を使えると勘違いしていた。
超特別な能力だと自惚れていた。
何でも治せるなどと、生命を見くびっていた。
もっと、もっと謙虚に使えば、違う道があったのに・・・
「ありがとうございました。
今後の人生の指標が見えたような気がします」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・242」

2014-06-16 18:58:32 | Weblog



カルテ番号 つ・9(16)

津山雅仁は因果の説明が解り難かった。
それを感じたのか、院長は話を続けた。
「現象と因果を同一視するのは科学者なのです。
現象には原因があり、結果がある、というわけです。
だから化学は再現性を重要視するわけです。
確かに物質現象の多くはあてはまります。
でも、生命や人生や思念までを物質現象にするのは無理なのですね。
病というのは生命や人生に多く係わって出現するようですよ」

それを聞いて津山雅仁は、因果にこだわらなくていいのだ、と思った。
それまで何故、どうして、どこが間違って、とばかり考えていた。
その結論のように、院長のゆっくりとした言葉が更に続いた。
「大切なのは、今から未来に向かってだけと思いますよ。
残念ながら、この世は時間が一方通行ですし、肉体は有限なのです。
どうしたいのか、それにはどう行動するか、だけで充分でしょう。
体験した事は活かせば役に立ちますが、反省はどうでしょうねぇ」

最後に院長は思いついたように言った。
「そうそう、原因が解っても病は消えませんが、一応話しておきましょう。
簡単にいうと津山さんは患者さんの病の氣を浴び続けて溜めてしまったのです。
使った力は津山さんのものではないのですが、患者さんに関わったのは津山さんです」
津山雅仁はその事は感覚として身に覚えがあった。
重い患者さんに接するほど疲れた感覚だったのだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・241」

2014-06-15 18:59:35 | Weblog



カルテ番号 つ・9(15)

院長は同じ治療者として、更にいろいろを教えてくれた。
「今日は病を間違いではない、と説明しました。
でも人が変われば、あるいは同じ人でも時期が変われば違う言い方になります。
病は間違いから起こります、とか、原因を正しましょう、とか言う事もあります。
言葉は方便として使うものですから、縛ったり縛られたりしなくてもいいのです。
何の為に使うか、どう活かす為に使うかですから、自由に変えて話します」

津山雅仁は病について、自分で解らない事があった。
「先生、因果を考えると、やはり病には原因があります。
その原因は生命に間違った事をしたから、結果として病になったわけですよね。
そして、原因を正さないと結果も良くならない。
でも、嘗て私は原因を無視して病を治した事があります。
その事について、どう考えればいいでしょう。」

院長はすぐ答えた。
「因果をどうとらえるかによりますね。
因果を時間軸に沿ってのみ考えると、多くの矛盾が出るのです。
原因は過去のみに限定してしまいますが、因果は時間を超えることもあるようです。
つまり、人の段階で因果を語るには無理があると思います。
人の生命や一生を超えて因果があるなら、病という現象を当てはめるのは無理でしょう」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・240」

2014-06-14 19:06:20 | Weblog



カルテ番号 つ・9(14)

院長は少し間をおいてから話し出した。
「病という一つの現象だけ抜き出せば、生命にとって間違いともいえるでしょう。
でも、それは時間を短く限った場合のみです。
一つの病を体験することにより、その後の健康に気を配り、人生をまっとうできる事は多々あります。
一病息災という言葉で表していますね。
この場合、その病は間違いではなく、教えであり、救いだったのです」

津山雅仁はハッと思い当たった。
自分は病を治すことばかり考えていた。
いや、治す自分を多くの人に認めてもらう事に意識がいっていた。
確かに病が軽くなる、あるいは回復すると感謝される。
だが、それにより、その後の人生がどうなるか、なんて考えもしなかった。
乱暴や殺人まで犯すような人を単純に治してしまう危険性。
その人が回復して、更に泣く人を増やしてしまう可能性。
治す、というのは、もっと深い目でみなくてはならなかったのだ。

そんな表情を読み取ったのか、院長は少し微笑んだ。
「ようは、病であろうが健康であろうが、活かせばいいわけです。
回復だけにこだわる必要もありません。
余計な力が抜ければ、その後の出来事も結構上手くいきやすいのです。
そもそも、治しても治さなくても、通常、100年もすれば死にます」
なんだか、アッサリしているな。
これほどの能力は嘗ての自分以上だろう。
それなのに治療院が流行っていないのも理解できる、と津山は納得した。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・239」

2014-06-13 19:30:22 | Weblog



カルテ番号 つ・9(13)

治療時間を3時間に延長してもらい、母が亡くなった時からの事を話した。
院長は口をはさまず、津山雅仁が話し終えるまで黙って聞いていた。
「それで、津山さんはどうしたいのですか?」
「どこで間違ってしまったのか、教えて下さい」
院長は少し考えて、ゆっくり話し出した。
「私は、人は間違いだらけで生きていくものだと思っています。
あるいは、正解も間違いも無いのかもしれません。
それぞれが別の生き方をしているだけかもしれません」

津山雅仁は言った。
「病気になるのは間違いだからではないのでしょうか?」
やはり院長は言葉を選びながら、考えて話す。
「苦しい、辛い、痛いという状態になり、生命が弱くなりますね。
でも間違いというより、不都合になった、不調になっただけでしょう。
通常、それは嫌だから治したいと思うわけですが・・・」
「間違いではないのでしょうか?」
津山雅仁は同じ疑問を再び訊いた。

「正しい、間違いを基準にしますと、回復し難いのですよ。
正しい、間違いを判断するのは人の段階では無理なのでは、と思っています」
津山雅仁はその言葉を理解できなかった。
「どうしてでしょう。病になれば間違いでしょう。
原因を正せば、病は回復していくのでしょう?」
院長は笑って、あっさり言った。
「それは勘違いです」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・238」

2014-06-12 19:24:07 | Weblog



カルテ番号 つ・9(12)

津山雅仁は思い切って言った。
「実は私は以前同じような治療をしていました」
「そうですか。なるほど・・・
それでこの状態になったわけですね」
院長は一人で納得していた。
津山雅仁の身体の状態が通常の病とは違うと感じたようだ。

この院長は私の事を知らないようだ。
他人に関心が無いような感じがする。
「今は治療をしていないのですね」
「自分の状態が辛くて、とても続けられる自信がありません。
それに、手から出ていた能力も消えてしまったようです。」
院長は頷きながら言った。
「これ以上していたら生命が危なかったでしょうね」

津山雅仁はやっと自分の状態を解ってくれる人に出会ったと思った。
何も解らなかった自分を素直に話せるような気持ちがした。
それまでは、解らなくても解ったふりをして、そのうちに解ったと思い込んでいた。
何も知らない一人の素人として、この院長にいろいろ教えてもらおうと思った。
この先、このような治療をすることはないだろうが、この8年を無駄にしたくない。
後悔のまま終わらせたくない。
どこが間違いで、どうしてこうなったのか。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・237」

2014-06-11 19:06:18 | Weblog



カルテ番号 つ・9(11)

「予約していませんが、診てもらえますか?」
「どうぞ」
40代と思われる院長一人の治療院のようだ。
簡単な記入をして、津山雅仁は自分の状態を話そうとした。
「治療しながらでも話はできますから、マットの上にどうぞ」
確かに今の状態を説明するのは難しい。
これまでの出来事を話さないと理解してもらえないだろう。

津山雅仁の腹部に手が触る。
この感覚は・・・思い出した。
津山雅仁がまだ有名になる前の時だ。
手から何かが流れ出る感覚。
それを自分でも受けている感覚。
やがて無理やり出そうとして、やがて消えていった感覚。
嘗て、自分が扱ったエネルギーと似ている。

「これが気功なのですか?」
「まぁ、一般に解りやすく表現するにはいいと思いましてね。
一つの言葉は範囲やイメージが限定される欠点があります。
実際にはもっと柔らかく自由なモノでしょうね」
そうなのだ。自分は宇宙エネルギーだとか、すぐ治るとか限定してきた。
本当の事など、何一つ解っていなかったのに。
どんどん自分を縛って不自由にしてきてしまったのだ。
あの能力が消えてしまうのは当たり前だった。


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