カルテ番号 つ・9(16)
津山雅仁は因果の説明が解り難かった。
それを感じたのか、院長は話を続けた。
「現象と因果を同一視するのは科学者なのです。
現象には原因があり、結果がある、というわけです。
だから化学は再現性を重要視するわけです。
確かに物質現象の多くはあてはまります。
でも、生命や人生や思念までを物質現象にするのは無理なのですね。
病というのは生命や人生に多く係わって出現するようですよ」
それを聞いて津山雅仁は、因果にこだわらなくていいのだ、と思った。
それまで何故、どうして、どこが間違って、とばかり考えていた。
その結論のように、院長のゆっくりとした言葉が更に続いた。
「大切なのは、今から未来に向かってだけと思いますよ。
残念ながら、この世は時間が一方通行ですし、肉体は有限なのです。
どうしたいのか、それにはどう行動するか、だけで充分でしょう。
体験した事は活かせば役に立ちますが、反省はどうでしょうねぇ」
最後に院長は思いついたように言った。
「そうそう、原因が解っても病は消えませんが、一応話しておきましょう。
簡単にいうと津山さんは患者さんの病の氣を浴び続けて溜めてしまったのです。
使った力は津山さんのものではないのですが、患者さんに関わったのは津山さんです」
津山雅仁はその事は感覚として身に覚えがあった。
重い患者さんに接するほど疲れた感覚だったのだ。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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