カルテ番号 つ・9（8）
テレビなどは、すぐ結果を出さなければならない世界。
そのイメージで依頼してくるので、津山雅仁はかなりの重圧を背負った。
有名人や経営者などが多く依頼してきた。
経営的なこともあって、治療費は高額になった。
セミナーなども高額になり、しかも満員だから利益は莫大になった。
予約は２年先。
そんな状態になった。
当然なのだが、津山雅仁は毎日が疲れていた。
やがて身体のアチコチに異変を感じる事も多くなった。
だが、病院はもちろん、他の治療を受けるわけにはいかなかった。
腕が良い、能力があるなどという治療者は自分の体調の悪さを隠す。
そしてプロの治療者を治せる治療師は、ほとんどいない。
忙しくなって３年後、ついに津山雅仁は治療ができなくなった。
自分でも気づいていたのだ。
かなり無理して力まないと、今までのように患者が変わってくれない。
その為、実際の治療はほとんどしないでセミナーや講演を増やしていた。
口先だけの治療だと、自分では解っていた。
だが、もう、それも限界になった。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
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