カルテ番号 つ・9(17)
津山雅仁はまだ疑問があった。
自分に突然についた能力だった。
努力して培ったわけではない。
という事は、宇宙か地球か神かは知らないが、自分の力では無いと知っていた。
だから、その力を使えるということは、自分は守られている、と思い込んでいた。
また、自分の力ではないから、使っても疲れないと思っていた。
ところが現実は使えば使うほど身体も心も厳しくなっていったのだ。
その点を院長に訊ねた。
「そうですねぇ。例え話をしますね。
火事があります。津山さんは消防士です。
それもホースを任された最前線の花形消防士です。
火を消す水は大きな川から上げています。
水そのものは津山さんの身体から出ているわけではありません。
それでも津山さんは火事に近づくことにより、火傷もします。
また、ススやその他で汚れてしまいます。
力そのものは、とてつもなく大きいものでも、使うのは壊れやすい人間なのです。
更に言えば、水はすごいのですが、地球上のいたるところにあります。
決して特殊、というほどのものではないのですよ」
津山雅仁は今度こそ納得した。
選ばれたから力を使えると勘違いしていた。
超特別な能力だと自惚れていた。
何でも治せるなどと、生命を見くびっていた。
もっと、もっと謙虚に使えば、違う道があったのに・・・
「ありがとうございました。
今後の人生の指標が見えたような気がします」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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