今日9月15日は、生憎のお天気だが「中秋の名月」の日である。
お月見は、残念ながら 月より団子 になってしまった。
しかし今年の中秋の名月は、満月(十五夜)ではなく少しズレて9月17日なので、今日が
ダメでも「まん丸お月見」まだ出来そうである。
この絵は、今年3月に有明の月を背に、北帰行の旅に発つ白鳥の写真を撮って、描いたもの
であるが、
有明の丸いお月様と言うことは、太陽・地球・月が一直線に並んだ、3月20日前
後に描いた絵だと思われる。
普段は何気なく見上げる月も、太陽・地球・月、そして引力の関係から、潮の満ち引きや人
間の体に大きな影響を与え、またその恩恵にも授かっているのだが、平素はそんな意識はなく
、今夜はやけに月明かりが明るい夜だな~と、縁側に出てただただ見上げるだけでここまでき
た。
思えば、人類創世のそのまた昔から、天空に輝き続けてきている月なのである。
であるからして。。。古くは飛鳥の昔から「万葉集」や「古今和歌集」などで、月を詠んだ歌
は多く残されています。
歌聖・柿本人麻呂の有名な歌、
「東(ひむがし)の野(の)に かぎろひの立つ見えて
かへり見すれば 月かたぶきぬ」
「阿騎(あき)の野(の)に 宿(やど)る旅人(たびびと)
うちなびき いも寝(ぬ)らめやも いにしえ思(おも)ふに」
東の地平に日が昇りはじめる頃、西を返り見れば朝の曙、月が沈んで行く光景を詠ったもので
す。
柿本人麻呂は飛鳥時代の公人で、今で言う赴任先の いわみの国(当県西部) が終焉の地と
されており、この地で詠んだ歌は多く。
「去年見てし、秋の月夜は照らせれど、相見し妹(いも)は、いや年離(さか)る」
~去年の秋に見た月は、今も明るく照らしているけれど、この月を一緒に見た私の妻は、離れ
て遠くへ逝ってしまった。~
愛しい妻を亡くした悲しみを詠んだ、こんな歌も残しています。
今夜はお月見は出来ませんでしたが、これを機に万葉歌人の歌に、親しむことが出来ました。
ベートーヴェン:「月光」