前にも一度鉛筆画で取り上げたことのある、ハリウッド女優の「アンゼリー・ナジョリー」、今度
は映画ではなく私生活の面で、夫君のこれまたスーパースター「ブラッド・ピット」と、離婚訴訟を
提起したらしい。
離婚理由は夫婦の間によくありがちな夫の(ブラピ)浮気等ではなくて、一説によれば、現在、アン
ゼリーナ・ジョリーは、国連難民高等弁務官事務所の「特使」として活動を続けているのは、つとに
有名な話であるが、なんと、将来国連の高官になりたがっているそうで、そんな政治的野心のため
に、ジョリーは時々、レバノンやイラク、シリア等の危険地帯に難民支援のために出掛けるのだが、
そんな折に子供(養子、我が子)達を同行させるころから、ブラッド・ピットがこれには猛反発し、
諍いが絶えなかった様である。
それにしても、一時女優を引退宣言して監督業に徹するとか言っていたが、実際はこの政治的野心が
本物だったのかもしれない。
さて、アンゼリー・ナジョリーの映画で、これまでに私が観たのは、どちらかと言えばアクション映
画が多かった様に思う。
唯一レンタルして来て観た『17歳のカルテ』は、アカデミー賞・ゴールデングローブ賞を受賞した
というだけあって、当時はまだ映画人としては新人であった「アンゼリーナ・ジョリー」だが、エキ
セントリックで、繊細な演技力を見せつけた。
この映画は「思春期病棟の少女たち(和訳)」のタイトルの通り、精神病棟に収容されている女性を
見事に演じ切っている。
(すこしネタバレ)
ある日突然、薬物の大量使用による自殺未遂を起こしたスザンナ(ウイノナ・ライダー)は、精神科病院に収容される。 自分では、パーソナリティ障害という自覚が無く、その環境に馴めないスザンナだが、病棟のボス的存在であるリサ(アンゼリーナ・ジョリー)の、精神疾患である事を誇るかの如き態度に魅かれていく内に、その病院が自分の居場所であると感じていく様になっていくのである。 しかし退院した患者の、近親姦を喝破して、その患者を自殺に追い込むというリサの行動から、徐々に彼女の行動に疑問を抱くようになって行く。 だが、その事でリサにうとんじられ、他の患者も全員リサに同調して彼女は孤立して行く。 やがて、リサや他の患者との全面対決に至るが、その出来事によってスザンナは「リサはこのこ病院でしか生きられないから、これだけ強気な行動に出られるのだ」と気付き、自分は社会復帰を目指さなくてはならないと決意し、辛く苦しい努力を重ねた後、病院を後にするところで映画は終わる。。
この映画は、2000年の本邦公開であるが、アンゼリーナ・ジョリーの真迫の演技は、彼女の他の映
画には見られない一味違った、強い印象に残ってた映画であった。
ビル・エヴァンス・トリオ