庭の片隅にハマナスのピンク色の薄紙の様な花が、ひっそりと咲いていた。 もう十年数年も前に、近くの海の砂浜に咲いていたものを、一株分けて頂いて移植したものである。 草花は何であれ野の花を庭に下ろすと、せいぜい2~3年で自然消滅するもなだが、この花だけは年々株数も花も増え続けている。
本来、自然の中に生え咲く花は、『手に取るなやはり野に置け蓮華草』との句にもある様に。。。蓮華草は野に咲くから美しく見えるのであって、それを摘んできて家の中に飾ったり、庭に下ろしてもどこか調和に欠け、美しく見えないことから。 播磨(現兵庫県)の俳人、滝野瓢水が、遊女を身受けしようとした友人をいさめた句であるとか。 もっともこの句は、当時の社会風潮が色濃く、遊女は色町にいてこそ美しく見えるという意味。
今では、遊女を身受けしようとした友人をいさめる。等と詠めば、顰蹙ものなのだが。。。 ただ、このハマナスの花については、海辺の砂浜に咲いていたことから、まさか我が家の真砂土の庭に根付くのかと、心配したのが杞憂に終わった様である。
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