福岡市でクラスターが急増している。10月は3件と少なかったが、11月は6件と倍増。12月は1週間経過したところで、すでに5件というハイペースな状況となっている。内訳は、高等学校1件、飲食店1件、保育園1件、老人ホーム1件、医療施設1件。中でも、南区の第一薬大付属高校は、市外や県外から通う生徒も多いようで、広がりが懸念されている。福岡市では、11月末頃から、じわじわ感染者が増えていたので嫌な予感はしていたが、やはり、11月の連休(20日~23日)から2週間後に波が押し寄せてきた。
遡ってみると、11月のクラスターは6件。月初めに専門学校でクラスターが発生してからは、しばらく落ち着いていたが、月末になると一転。福岡大学病院や介護施設、小学校と続いた。幸い福大病院では感染拡大には至らず、4日現在、新たな感染者は出ていないという。気がかりなのは、小学校でのクラスターだ。接待を伴う飲食店でのクラスターが多発した8月にも小学生の感染は見られたが、クラスターには至っていなかった。ところが、11月は2つの小学校でほぼ同時にクラスターが発生した。中でも、高取小は18人(11月29日現在)と多い。12月は今のところクラスターは発生していないが、市内4校で児童の感染者が出ており、休校が相次いでいる。
ところで、昨日(8日)は福岡県で85人の感染が確認された。県内で1日の感染者が80人を超えたのは8月30日以来で、その半数以上の46人が北九州市の障害者施設「やまびこ学園」(小倉南区)で発生したクラスターによるものだった。施設には重度の知的、身体障害者が入所しており、感染症対策が自身で取れないことで、多数の陽性者が発生したのではないかと考えられている。そういう、福岡市でも7日、精神保養病院でクラスターが発生している。
私事ではあるが、身内が施設を利用しているため、多少は現場の状況を承知しているつもりである。こちらも、毎朝夕、検温と行動履歴、健康観察を記録して、施設にメールをしている。感染対策は全ての人が徹底して行わないと、どこから感染するかわからないからである。クラスターを発生させないための現場の努力は並大抵なことではない。実際に体験しているのでよくわかる。国は「Go to」と言っているが、それにより医療従事者や現場の方々はどれほど神経を尖らせ、疲弊しているか。わかっていない。このまま「Go to」を続けていたら、現場は持たない。
12月9日現在のクラスター状況 ※西日本新聞の情報をもとに作成しています
1週間で5件、これからどれほど増えるのか、、
11月の福岡市クラスター発生状況(まとめ) ※西日本新聞の情報をもとに作成しています
小学校でのクラスターは市内初
第3波、どこまで大きくなるのか、、
《関連記事》
・「マスク着けられない」46人感染、障害者施設の苦悩 北九州(西日本新聞 2020.12.9)
・感染長期化で「気の緩み」浮き彫り 福岡市でコロナ7週連続増加(西日本新聞 2020.12.8)
・"Go to利用で感染リスク増”東大など研究チーム(FNNプライムオンライン2020.12.8)