先月29日、陥没事故原因を究明するための第三者委員会(検討委員会)が、初めて福岡市内で開かれた。西村和夫委員長(首都大学東京副学長)は「事故は複合的な要因で起きた」と見解を示し、年度内を目標に事故原因や再発防止策をまとめた中間報告を公表するという。また、市とJVに対し、第2回会合(1月中旬頃)までに地下トンネル上部にある岩盤層のボーリング調査を行うよう求めている。なお、検討委員会の議事録や資料は翌日30日、国立研究開発法人土木研究所のホームページにすぐさま掲載された。福岡市とは比べ物にならないほど対応が早い。しかも全て公にされている。黒塗りが常態化している福岡市とは違う。どうやら情報公開については心配なさそうだ。
現場では11月18日から(30日まで)行われていたボーリング調査が終わり、昨夜、大成建設が調査結果を公表した。それによると、埋め戻した部分(流動化処理土による改良地盤)の下が緩んでいることがわかった。そこで、近く、薬液注入による地盤改良工事を実施するという。現在、路面のモニタリングは24時間体制で行われており、昨夜から路面沈下状況(計測結果)が見れるようになった。それによると、昨日(1日)20時現在の沈下値は、平均-39ミリ(最大-70ミリ)で26日とほぼ同じ。今のところ大きな変化はないが、この先どうなるかはわからない。それにしても、市民が沈下情報をチェックすること自体、異常な状態だと思うのだが。
《追記》
大成建設によると、5ヵ所のボーリング調査の結果、最終的な沈下量の予測値は-86ミリになったという。つまり今より16ミリ下がる可能性がある。この結果を受けて、明日から地盤改良工事のための準備がはじまる。工期は約4週間。あわせて岩盤層のボーリング調査も行われる。こうなると新たな事故が発生しないとも限らない。今は何より、警固断層地震が起きないことを願うのみ。
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以下、第1回検討委員会資料より。
陥没箇所平面図
陥没箇所縦断図
陥没場所横断図
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・博多陥没、年度内に原因特定 第三者委初会合「要因は複合的」(西日本新聞 2016.11.30)
・博多陥没、地下の砂れき層へ薬液注入へ(日経コンストラクション 2016.12.1)
《関連資料》