29日、博多区で道路が陥没した。一瞬、またかと思ったが、現場は、キャナルシティ博多の近くで、博多駅前陥没場所とは違っていた。穴の大きさは、縦45センチ、横55センチ、深さ2メートル20センチ、かなり深い。と次の日、そこからわずか100mのところで、ふたたび陥没。穴の大きさは、直径10センチ、深さ8センチ、今度は小さいが、博多区で2日連続、道路が陥没する事態となっている。現場は、いずれも博多駅前の陥没事故現場からそう遠くない。(下地図参照)
これは陥没事故と何か関係があるのではないか。そこで、福岡市交通局の資料を見てみると、本日(31日)、地盤改良工事の進捗状況が更新されていた。見ると、陥没箇所への地下水の流入を防ぐために行われていた、高圧噴射撹拌工(陥没範囲の四方を壁で囲む工事)が、今月18日に終了していた。現在は、その機能を確認するためのボーリング調査が行われている。来月中旬からは、薬剤注入がはじまる。このあと、遮水壁で囲んだ範囲の地下水をくみ出して水位を下げ、土砂で積もったトンネル内に改良材を充填して固める。そこをナトム工法で掘削する。まだまだ先は長い。(下図参照)
報道によると、福岡市は、地下にある土砂が地下水の水位の変化などによって固まり、地下に空洞ができたことが原因の1つとしているが、陥没事故現場との関連性は否定している。果たして、そうだろうか。もしかすると、遮水壁が出来たことで地下水の流れが変わったのではないか。地下水は博多湾へ向かって流れていると思われるが、陥没したところで遮蔽され、新たな”水みち”ができているのではないか。
福岡市は今回の陥没について、何一つコメントを出していない。現場の近くには、キャナルシティ博多があり、交通量も多い。ましてや、大陥没の近くで起きているので、多くの市民が不安に思っている。市は、ホームページに掲載するなど、陥没状況や原因についてきちんと説明すべきだろう。今回は偶々、市道で工事をしていた人が穴に気付き事故にはならなかったが、発見が遅れていたらどうなっていたか。博多駅前陥没事故の教訓はどこに?
陥没場所 大陥没の近くで起きている
現在、陥没個所は遮水壁で囲まれている
《関連記事》
・博多区で道路陥没一時通行止め(NHK福岡 2018.8.29)
・JR博多駅近く 2日連続で道路陥没(西日本新聞 2018.8.30)
《関連資料》
・福岡市交通局。地下鉄七隈線延伸建設工事における地盤改良工事の状況について(8.31更新)