呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

「東山魁夷展」を観た~参った!

2012-11-04 | 徒然なるままに

母親を連れて県立美術館の「東山魁夷展」を観てきた。
美術館の周りの樹木はすっかり色づき、まさに秋真っ盛り。というか、結構寒くて初冬の趣きです。
下記画像は我が母校のそば(美術館の脇)の「はんてんぼく」いい色になっているね。



さて、東山魁夷展、ナマの作品を観るのは初めてだ。その感想は・・・
うわぁ、凄いなぁ~、すばらしいなぁ~!ボキャブラリーが不足しているので、何ともうまく表現できないのだが、とにかく圧倒された。参った。本当に素晴らしい。
良い絵、傑作というものは、いつまで観ていても飽きない。10分でも20分でも観ていたい。そんな絵画がいっぱいあった。



前に観たフェルメールも、モネやゴッホも良かったけど、なんか日本人はやっぱりこれだよ、という感じがする。まさに日本人の琴線に触れるところが多い。
東山氏はこう語っていたとか。
「湿潤な空気と四季の移ろいこそが日本の風物詩。それは身近な自然から伝わってくる」
この感性は、日本人が共有するもの。氏の作品からはその「湿潤な空気と四季の移ろい」が溢れ出ている気がする。モネやゴッホにはないものなんだなぁ。日本人なんだなぁー。

音楽もいいけど、美術もいいなぁ。合唱をやるにしても、いろいろな分野の芸術に触れること、そしてそれらに感動すること、それらから自分なりに大いに吸収することは大切。
素晴らしい至宝の芸術を拝見いたしました!深謝!


コメント (2)
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呑む気オヤジの、読む!~「八つ花ごよみ」

2012-11-04 | 本の話
八つ花ごよみ (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


♪「八つ花暦」山本一力著 新潮文庫

久しぶりの山本一力。中年を過ぎ酸いも甘いも見極めた老境の主人公の、夫婦の愛や友情を描く短編集。各話に何らかの形で「「花」が絡む。
病に倒れた妻を献身的に面倒を見る夫や、武骨で腕の良い独り者の職人の淡い恋心を成就させようとする友人の話など、心温まる話ばかりだ。
山本一力って、こういう人情話を書かせると、本当の上手だ。前にも書いたと思うけど、この人の話を落語の人情話とか浪曲にして語ったら、とてもよいと思う。
山本一力作の新作江戸人情話など、ぜひ聞いてみたい。山本さんに直接お願いしてみようかしら。

そして相変わらず文章がうまくて「山本名調子」が光る。なんと言っても、話の出だしの一行が素晴らしい(これも前に何度も書いている)。

「大横川を渡ってきた朝の風が、軒先に吊るした釣忍を軽く揺らした。」(「路ばたのききょう」より)

この一文で、朝から気温が上がった夏の町屋の様子がぱっと頭の中に広がり、すーっと江戸の下町に瞬間移動してしまう。
また話しの随所に出てくる風景やちょっとした情景の描写が巧みなので、常にそのシーンが目に浮かんで、まるで映画を見ているようだ。それでいて登場人物の心状描写も上手いんだから、読んでいてすんなりその世界に入っていけるわけだ。
あまり時代小説に縁のないみなさま、山本一力はお勧めですよ!

*釣忍(つりしのぶ)=涼味を誘う夏の吊り飾り



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